メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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4.ナカウへの道

8.激闘必死の争奪戦

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 施設の中は想像よりも広かった。



 その後も数個の空の宝箱、数か所の行き止まり。そして数十体の魔物を乗り越えようやく出口に辿り着いた。



「ぬぁ~ん。ようやく出口だぜ」



「夕日が綺麗に見えるよ」



 山の向こうに陽が沈むのを眺めながら、伸びをする。すでに夕刻ということはあと約1時間で日は完全に落ちてしまうだろう。ピクリとアレンの体が揺れた。



「気付いたか?」



「え?あ、はい。何かが光った気がします。2人ですかね」



「残念。オレは5人だ」



「え!?」



「しっ。でも、まだだ。もう少し引き付ける」



 アレンは何かが砂の中で光を反射しているのを視認した。コストイラは自身の野生の勘で人数を割り出す。その人数の多さにアレンが驚くが、コストイラは人差し指を口に当て、静かにするように指示した。



 夕日を楽しむのもほどほどに。歩き始め階段を下りていくと、視線も追ってくる。明らかにこちらを狙っている。



 辺りは9割が砂だ。残り1割の木々に身を隠すのはきついだろう。コストイラの言っていた5人は全員が砂の中にいるのだろう。



 出口から見えていた森へ向かおうと歩いていると、通り過ぎた砂の中から人が飛び出してきた。逆手に持ったナイフで刺しにかかる。しかし、標的にされたシキの姿が掻き消える。しゃがみ、敵の下に潜り込み、ナイフを胸に刺し入れ、流れるままに円に舞い、砂地に叩きつける。シキはさらにナイフを捻り、抜き取る。



「早速か。もうちょい様子見してくると思ったんだけどな」



 アシドは辺りを見渡し、次に備える。



「砂の中、あと5人」



 シキは静かに残りの敵の数を割り出す。コストイラと数が違う。アレンがコストイラを見ると、コストイラは片手を頭に置き舌を出していた。お茶目で済まそうとしている。まぁ、対処できればいいか。



 ボバッと、目の前に敵が出現する。なぜ目の前にと考えようとした瞬間、砂の壁が出来上がる。壁の向こうから何か来る。コストイラが目の前の敵を切り捨てるが、誰も来なかった。壁が崩れ、視界を遮るものがなくなり敵の意図に気付く。彼らは逃げていた。逃げるための時間稼ぎだったのだ。直感で分かる。このまま逃がせば面倒なことになる。



 アレンが矢を番えたのを見て意図を察したのか、全員が攻撃態勢に入る。逃げているのは4人。思いを込めて放つ矢は期待に応え、1人の男の元に辿り着くが、ナイフで落とされた。炎の塔が後ろ3人を巻き込み天へと昇る。



「これ以上は射程範囲外」



 短くアストロが告げる。1人を取り逃がしてしまう。弓矢は魔術よりも射程範囲が短い。魔術が届かないのならば弓矢が届くはずがない。



 2人は燃えて死んでしまったが、1人は幸いにも生きていた。



「何でオレたちを襲ったんだよ。言え」



「言うかよ。ば~~か」



 コストイラが生き残った一人のマウントポジションを取り、刃物を突き付け尋問する。しかし、女はニヤリと笑うと奥歯をガキリと噛み締めた。



 白瓏石は一般的に手に入る割には様々な用途で使われる。例えば、そう爆弾とか。白瓏石で作られる爆弾は威力もそこそこであり、手を一本なくすほどの威力で、当たりどころを考えなければまず死なない。



 では、口の中ならどうだ。



 コストイラの目の前で敵の顔が爆発した。コストイラの体や顔には女の肉片や唾液がこびり付く。



「ひゃ~~っ!?」



「自爆だと?」



 目の前の凄惨な現場にエンドローゼが悲鳴を上げ、コストイラは頬を拭いながら眉を顰める。



 アレンは森の方を見る。取り逃がした1人が入っていった森の中は明らかに危険だ。



「回り道が必要ですね」



「その前に休みましょう」



 アストロの提案にアレンは我に返る。そういえばもうすぐ夜か。

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