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17.彼岸
24.精霊の泉
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光に向かって7人が歩く。アシドが粘液の少ない道を選んで歩く。シキは無意識のうちに粘液のないところを歩いていた。コストイラは一切気にすることなく踏み締めた。アストロはドレスの裾を軽く抓み、注意深く歩いている。エンドローゼはアストロの後を追うように歩いているが、焦りながら粘液を踏んでいる。レイドはエンドローゼの後ろで倒れないか不安になりながら歩いている。アレンはすでに粘液に足を取られて3回は転んでいる。
「見えてきたぞ。光源だ」
アシドが目の前の邪魔な草を掻き分けると、光源が目に入った。
泉だ。透き通りすぎて、そこに水がないのでは、と思えるほどの透明度だ。光の珠がふよふよと浮いているように見える。
とてもきれいな光景だ。今までもそのような光景を数多く見てきたが、ここはTOP3に入ってくる。
そこに美しい鬣を持つ馬のような見た目のドラゴンが現れる。ホワイトドラゴンは首だけを曲げて泉の水を飲む。その景色は様になっており、邪魔する気が起きない。
向こう岸にヘビーアーマーが現れる。とても人間的な動きで兜を外すと、自身の側に置き、膝を着いた。自然の動きで泉に手を入れると、皿を作って掬い上げて口をつけた。
喉が渇いたコストイラが泉に手を付けようと、腰を屈めた。
『ちょっと待った~~~~~!!』
声が聞こえ、何かと思い振り返ろうとしたが、声の主は意外にも速かった。ドンと背中に衝撃が走り、そのまま泉に頭から突っ込んだ。
『ア』
背を押した存在が間抜けた声を出した。突き落とす気はなかったのだろう。
コストイラがガボガボ言いながら泉から頭を出す。頭から落ちる水を鬱陶しく思いながら、顔を雑に腕で拭う。
「おいこら、クソ妖精! 何しやがる。ちょっと飲んじゃたじゃねぇかよ。いや、飲むつもりだったんだけどさ」
『ご、ごめんって。悪かったって。あと私は妖精じゃなくて精霊だよ。しかもメグって素敵な名前があるんだから』
コストイラと光の珠こと精霊が言い争っている。というか、明らかに危険地帯たと思っていたというのに、どうしてこんな馬鹿そうな精霊がいるのだろうか。
「あれ? コストイラ?」
アストロがコストイラを呼び向かせると、自身の左頬をツンツンとつついた。コストイラは自分の左頬を掻く。そこに引っかかりがない。
かつて魔王城に行く際につけた氷精からの切り傷が消えている。体が動きやすくなっている。コリンに受けた雷の痕も消えているし、インサーニアとの戦いで負った両腕の傷が消えている。
「怪我が消えている?」
『あれ? 他なんもないの?』
泉から岸に上がったコストイラの周りをちょこちょこと飛びながら、不思議そうな顔を向けている。さらに精霊は遠慮なしに触ってくる。
「この泉ってそんなヤバいものなのか?」
『えっと、適性がないと毒性があって、痺れちゃうんだよね。ま、最悪、死亡?』
「こ、こっ、こっ、コココ、コッ!コストイラさんっ、だ、大丈夫ですかっ!?」
ヤバいものだと聞いてエンドローゼが走り寄るが、コストイラは押し返す。
「適性って?」
『絶対条件として、精霊に愛されていることかなぁ? 覚えある?』
「覚えしかねぇけど、お前には話さねぇ」
即答だった。コストイラは何かと精霊と会うと静かになる。アストロとアシドもそれについて知らない。齢一桁の頃に何かあったのだろう。
「そういえば貴方は何の精霊なわけ?」
『んむ?』
「あれ? 精霊って光とか氷とか種類があるんでしょ?」
『私は光の精霊だよぉ』
アストロの質問に対して、大袈裟な身振り手振りで答える。その様はどこか子供のようでエンドローゼは思わず頬を緩ませた。アシドはそんなメグとエンドローゼを見ながら、ポツと呟いた。
「光多くね」
『えう?』
「オレ達が会ってきたのは光の精霊ばっかだ。対になる闇の精霊はいないのか?」
『いるよ!』
メグが元気よく飛びながら答える。
『えげつなく強いのが1体。アイケルスって奴が』
「1体? 闇って1体しかいねぇの?」
『うん。1体だけ』
メグがどこか意味深に頷いた。精霊の数にはどれほどの意味があるのか。アレンが口を開く。
「数って意味があるんですか?」
『あるよ~。えっと、何だっけかな?』
元気よく返事した割には悩み出した。意味があることを知っているが、意味は知らないらしい。
『調和の意味があるのですよ』
泉に存在している大樹から声がした。見るとそこには5m級の大きな蝶がいた。
「見えてきたぞ。光源だ」
アシドが目の前の邪魔な草を掻き分けると、光源が目に入った。
泉だ。透き通りすぎて、そこに水がないのでは、と思えるほどの透明度だ。光の珠がふよふよと浮いているように見える。
とてもきれいな光景だ。今までもそのような光景を数多く見てきたが、ここはTOP3に入ってくる。
そこに美しい鬣を持つ馬のような見た目のドラゴンが現れる。ホワイトドラゴンは首だけを曲げて泉の水を飲む。その景色は様になっており、邪魔する気が起きない。
向こう岸にヘビーアーマーが現れる。とても人間的な動きで兜を外すと、自身の側に置き、膝を着いた。自然の動きで泉に手を入れると、皿を作って掬い上げて口をつけた。
喉が渇いたコストイラが泉に手を付けようと、腰を屈めた。
『ちょっと待った~~~~~!!』
声が聞こえ、何かと思い振り返ろうとしたが、声の主は意外にも速かった。ドンと背中に衝撃が走り、そのまま泉に頭から突っ込んだ。
『ア』
背を押した存在が間抜けた声を出した。突き落とす気はなかったのだろう。
コストイラがガボガボ言いながら泉から頭を出す。頭から落ちる水を鬱陶しく思いながら、顔を雑に腕で拭う。
「おいこら、クソ妖精! 何しやがる。ちょっと飲んじゃたじゃねぇかよ。いや、飲むつもりだったんだけどさ」
『ご、ごめんって。悪かったって。あと私は妖精じゃなくて精霊だよ。しかもメグって素敵な名前があるんだから』
コストイラと光の珠こと精霊が言い争っている。というか、明らかに危険地帯たと思っていたというのに、どうしてこんな馬鹿そうな精霊がいるのだろうか。
「あれ? コストイラ?」
アストロがコストイラを呼び向かせると、自身の左頬をツンツンとつついた。コストイラは自分の左頬を掻く。そこに引っかかりがない。
かつて魔王城に行く際につけた氷精からの切り傷が消えている。体が動きやすくなっている。コリンに受けた雷の痕も消えているし、インサーニアとの戦いで負った両腕の傷が消えている。
「怪我が消えている?」
『あれ? 他なんもないの?』
泉から岸に上がったコストイラの周りをちょこちょこと飛びながら、不思議そうな顔を向けている。さらに精霊は遠慮なしに触ってくる。
「この泉ってそんなヤバいものなのか?」
『えっと、適性がないと毒性があって、痺れちゃうんだよね。ま、最悪、死亡?』
「こ、こっ、こっ、コココ、コッ!コストイラさんっ、だ、大丈夫ですかっ!?」
ヤバいものだと聞いてエンドローゼが走り寄るが、コストイラは押し返す。
「適性って?」
『絶対条件として、精霊に愛されていることかなぁ? 覚えある?』
「覚えしかねぇけど、お前には話さねぇ」
即答だった。コストイラは何かと精霊と会うと静かになる。アストロとアシドもそれについて知らない。齢一桁の頃に何かあったのだろう。
「そういえば貴方は何の精霊なわけ?」
『んむ?』
「あれ? 精霊って光とか氷とか種類があるんでしょ?」
『私は光の精霊だよぉ』
アストロの質問に対して、大袈裟な身振り手振りで答える。その様はどこか子供のようでエンドローゼは思わず頬を緩ませた。アシドはそんなメグとエンドローゼを見ながら、ポツと呟いた。
「光多くね」
『えう?』
「オレ達が会ってきたのは光の精霊ばっかだ。対になる闇の精霊はいないのか?」
『いるよ!』
メグが元気よく飛びながら答える。
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『うん。1体だけ』
メグがどこか意味深に頷いた。精霊の数にはどれほどの意味があるのか。アレンが口を開く。
「数って意味があるんですか?」
『あるよ~。えっと、何だっけかな?』
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泉に存在している大樹から声がした。見るとそこには5m級の大きな蝶がいた。
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