12 / 17
第二章 使えない治療術師
使えないスキル
しおりを挟む
突然姿を現したSランク指定危険種、スーサイド・スパイダーと睨み合いを続けて数秒……
そんな僅かな時間にも拘らず、我が腕の痛みは凄まじいものになっていた。
「ぐああああああああああっ」
「レギさん!? しっかりしてくださいっ! レギさんっ……!」
テトの心配そうな声が聞こえてくる。
そうだ……今は後ろにこいつが居るのだ……
このような痛みに負け、弱気になっている暇は無い。
「はあ、はあ……テト……落ち着いて、聞け……奴はSランク指定危険種、スーサイド・スパイダーだ……」
「……!? S……ランク!?」
驚愕の色を隠せないようだが、それも仕方の無い事だろう。
魔物のランクとは即ち、同等ランクの冒険者パーティでないと太刀打ちできないという事を意味しているのだから。
「そして……恐らく、我は後数分で死に至る……奴の毒によって、な……」
「え……?」
みるみる表情が青ざめていくテト。
我が初めて神の血判状を使ったときもそうだったが、人の死というのは想像以上に心を揺さぶるものらしい。
だが、事実は告げておかないといけないだろう。
「そん、な……わたしの……せいで……? はやく、ここから離れて解毒しないと――――」
「離れる……か……はあ、はあ……それは不可能だな……奴の目に一度でも触れてしまったら、逃げる事など不可能だ。過去、Sランクのハンターが追いつかれた例もあるのだから……我々などでは、到底……な……」
ハンターと言えば、天職の中でも俊敏性がかなり上位に来るのだ。
それもSランクの者が逃げ遅れる……つまり、スーサイド・スパイダーに出遭ったら、戦う以外に選択肢が無いと言っても過言ではないのである。
「テト…………今すぐこの場から……離れろ」
「離れ――――って、レギさんはどうなるんですかっ!?」
「我は暫し、奴と戦わなければならない……だから――――」
「嫌ですっ! レギさんを見捨てて逃げる位なら……わたしも死んだほうがマシです……!」
そうは言っても、テトの肩は震えていた。
誰だって、死というものは恐怖の象徴なのだろう。
だが――――
「テト、貴様……勘違いするなよ、誰も……逃げろと言っている訳じゃない。ただ……巻き込んでしまうから離れろ、と……そう言っているのだ」
「……巻き……込む?」
「うむ……とにかく、時間が無い……今すぐここを離れろ……そして――――奴を倒したころを見計らって、我を町まで連れて行ってくれ」
テトにとっても苦渋の選択であっただろう。
だが、考えている暇は無い。
それも理解した上で、彼女は小さく頷き……この場を離れて行った。
「……死なないで、レギさん……」
「うむ……必ず」
短い別れを終え、我は再びスパイダーへと向き直す。
奴の特性の一つとして、毒を放った後……少しの間、じっと対象の様子を伺うというものがあるのだが……恐らく、その時間も終わったらしい。
「キシャアアアアアアアアッ!」
速すぎる攻撃。
普通の状態なら、我は一撃で奴の餌になっていただろう。
しかし――――
「ここまでのレベルの”毒”で使うというのは……初めての試みだが、やらせてもらうぞ――悪状転換……!」
我が発動したスキル悪状転換と、その効果が適応された殴りによって、スパイダーの攻撃は簡単に受け流せた。
――悪状転換とは、自らの麻痺や毒といった、所謂状態異常に応じて能力が増すスキルだ。
その効力は異常の強さによっても変わり、死毒ともなれば、恐らく……超人的な力を得られる事だろう。
現に、今の我には……スパイダーの動きが手に取るようにわかるのだ。
「行くぞ、これが貴様の最期だ……我を相手に取った事、地獄で後悔するのだなっ!」
渾身の力を込めた、右拳の一撃。
それは、当たった瞬間に、スパイダーの全脚が四方八方へ散らばるレベルの衝撃であった。
「ギシェアアアアアアアア…………」
力無く地面に伏せるスパイダー。
どうやら、奴は一瞬で昇天したらしい。
だが――――
「……我の方も……限界、か……」
どうやら、毒の回りが順調に進んでいるらしい。
手足だけでなく、意識までもが朦朧としてきた……
「……レギさんっ……!」
少し遠くから、テトの声が聞こえてくる。
……全く、こんなに早く戻ってくるなんて……もしも我がやられていたら、どうするつもりだったのだろうか……
でも……よかった、彼女だけでも……無事で――――
テトが近くに来た頃、我の意識はほぼ完全に闇の中へと落ちていた……
◇◆◇
「……必ず、助けますからっ!」
暖かい声と、微かな温もりを感じる。
これは……夢なのだろうか?
いや、むしろ……ここがあの世なのかもしれない。
あの時……スーサイド・スパイダーの死毒を食らった瞬間から、我は死を覚悟していた。
テトには町へ連れて行ってくれ、などと言ったものの……現実的に考えて、間に合う筈が無いのだから。
色々と惜しい事もある。
勿論、パーティメンバーにも申し訳ないと思っていた……
だが、今となっては少し身体が軽い。
追放の恐怖から解放されたからだろうか?
いや……と、言うよりも――――
何だろう?
妙に、気分がいいのだ。
物理的に……
不思議に思って、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
すると――――
「……レギ……さんっ!? レギさん!」
我の顔に大粒の涙をいくつも零しながら、必死に我が名を呼ぶ治療術師――テトの姿があった。
しかし――――
「なぜ……なぜ、我は……生きて……」
確実に死に至る状況であった。
にも拘わらず、我は生きて……この世界の空を見上げていたのだ。
しかも、毒の後遺症が全くない。
手も足も、口や目でさえ……いつもと変わらず、いや……それ以上によく動くのだ。
「テト……貴様、一体…………一体、何をした!?」
「……わたしも、初めてなんです……この、完治を発動できたの……」
「なっ……!?」
病み上がりだというのに、思わず飛び起きてしまう。
……だが、この状況で驚かない訳がない?
なぜなら……
治療術師には、完治が使えないからだ。
いや、それだけじゃない……完治とは、ただ一つ”治癒師”を除くと、まともに使いこなすこともできないスキルなのである……
つまり――――
「テト、お前は……治癒師……だったのか……?」
動揺を隠せないまま問いかける我に対し、テトは静かに……
コクリと頷いていた。
そんな僅かな時間にも拘らず、我が腕の痛みは凄まじいものになっていた。
「ぐああああああああああっ」
「レギさん!? しっかりしてくださいっ! レギさんっ……!」
テトの心配そうな声が聞こえてくる。
そうだ……今は後ろにこいつが居るのだ……
このような痛みに負け、弱気になっている暇は無い。
「はあ、はあ……テト……落ち着いて、聞け……奴はSランク指定危険種、スーサイド・スパイダーだ……」
「……!? S……ランク!?」
驚愕の色を隠せないようだが、それも仕方の無い事だろう。
魔物のランクとは即ち、同等ランクの冒険者パーティでないと太刀打ちできないという事を意味しているのだから。
「そして……恐らく、我は後数分で死に至る……奴の毒によって、な……」
「え……?」
みるみる表情が青ざめていくテト。
我が初めて神の血判状を使ったときもそうだったが、人の死というのは想像以上に心を揺さぶるものらしい。
だが、事実は告げておかないといけないだろう。
「そん、な……わたしの……せいで……? はやく、ここから離れて解毒しないと――――」
「離れる……か……はあ、はあ……それは不可能だな……奴の目に一度でも触れてしまったら、逃げる事など不可能だ。過去、Sランクのハンターが追いつかれた例もあるのだから……我々などでは、到底……な……」
ハンターと言えば、天職の中でも俊敏性がかなり上位に来るのだ。
それもSランクの者が逃げ遅れる……つまり、スーサイド・スパイダーに出遭ったら、戦う以外に選択肢が無いと言っても過言ではないのである。
「テト…………今すぐこの場から……離れろ」
「離れ――――って、レギさんはどうなるんですかっ!?」
「我は暫し、奴と戦わなければならない……だから――――」
「嫌ですっ! レギさんを見捨てて逃げる位なら……わたしも死んだほうがマシです……!」
そうは言っても、テトの肩は震えていた。
誰だって、死というものは恐怖の象徴なのだろう。
だが――――
「テト、貴様……勘違いするなよ、誰も……逃げろと言っている訳じゃない。ただ……巻き込んでしまうから離れろ、と……そう言っているのだ」
「……巻き……込む?」
「うむ……とにかく、時間が無い……今すぐここを離れろ……そして――――奴を倒したころを見計らって、我を町まで連れて行ってくれ」
テトにとっても苦渋の選択であっただろう。
だが、考えている暇は無い。
それも理解した上で、彼女は小さく頷き……この場を離れて行った。
「……死なないで、レギさん……」
「うむ……必ず」
短い別れを終え、我は再びスパイダーへと向き直す。
奴の特性の一つとして、毒を放った後……少しの間、じっと対象の様子を伺うというものがあるのだが……恐らく、その時間も終わったらしい。
「キシャアアアアアアアアッ!」
速すぎる攻撃。
普通の状態なら、我は一撃で奴の餌になっていただろう。
しかし――――
「ここまでのレベルの”毒”で使うというのは……初めての試みだが、やらせてもらうぞ――悪状転換……!」
我が発動したスキル悪状転換と、その効果が適応された殴りによって、スパイダーの攻撃は簡単に受け流せた。
――悪状転換とは、自らの麻痺や毒といった、所謂状態異常に応じて能力が増すスキルだ。
その効力は異常の強さによっても変わり、死毒ともなれば、恐らく……超人的な力を得られる事だろう。
現に、今の我には……スパイダーの動きが手に取るようにわかるのだ。
「行くぞ、これが貴様の最期だ……我を相手に取った事、地獄で後悔するのだなっ!」
渾身の力を込めた、右拳の一撃。
それは、当たった瞬間に、スパイダーの全脚が四方八方へ散らばるレベルの衝撃であった。
「ギシェアアアアアアアア…………」
力無く地面に伏せるスパイダー。
どうやら、奴は一瞬で昇天したらしい。
だが――――
「……我の方も……限界、か……」
どうやら、毒の回りが順調に進んでいるらしい。
手足だけでなく、意識までもが朦朧としてきた……
「……レギさんっ……!」
少し遠くから、テトの声が聞こえてくる。
……全く、こんなに早く戻ってくるなんて……もしも我がやられていたら、どうするつもりだったのだろうか……
でも……よかった、彼女だけでも……無事で――――
テトが近くに来た頃、我の意識はほぼ完全に闇の中へと落ちていた……
◇◆◇
「……必ず、助けますからっ!」
暖かい声と、微かな温もりを感じる。
これは……夢なのだろうか?
いや、むしろ……ここがあの世なのかもしれない。
あの時……スーサイド・スパイダーの死毒を食らった瞬間から、我は死を覚悟していた。
テトには町へ連れて行ってくれ、などと言ったものの……現実的に考えて、間に合う筈が無いのだから。
色々と惜しい事もある。
勿論、パーティメンバーにも申し訳ないと思っていた……
だが、今となっては少し身体が軽い。
追放の恐怖から解放されたからだろうか?
いや……と、言うよりも――――
何だろう?
妙に、気分がいいのだ。
物理的に……
不思議に思って、ゆっくりと瞼を持ち上げる。
すると――――
「……レギ……さんっ!? レギさん!」
我の顔に大粒の涙をいくつも零しながら、必死に我が名を呼ぶ治療術師――テトの姿があった。
しかし――――
「なぜ……なぜ、我は……生きて……」
確実に死に至る状況であった。
にも拘わらず、我は生きて……この世界の空を見上げていたのだ。
しかも、毒の後遺症が全くない。
手も足も、口や目でさえ……いつもと変わらず、いや……それ以上によく動くのだ。
「テト……貴様、一体…………一体、何をした!?」
「……わたしも、初めてなんです……この、完治を発動できたの……」
「なっ……!?」
病み上がりだというのに、思わず飛び起きてしまう。
……だが、この状況で驚かない訳がない?
なぜなら……
治療術師には、完治が使えないからだ。
いや、それだけじゃない……完治とは、ただ一つ”治癒師”を除くと、まともに使いこなすこともできないスキルなのである……
つまり――――
「テト、お前は……治癒師……だったのか……?」
動揺を隠せないまま問いかける我に対し、テトは静かに……
コクリと頷いていた。
0
あなたにおすすめの小説
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした
むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)
器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。
アノマロカリス
ファンタジー
【赤魔道士】
それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。
剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず…
盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず…
攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず…
回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず…
弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず…
そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという…
これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。
剣で攻撃をすれば勇者より強く…
盾を持てばタンクより役に立ち…
攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが…
それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。
Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに…
魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし…
補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に…
怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。
そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが…
テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので…
追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。
そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが…
果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか?
9月21日 HOTランキング2位になりました。
皆様、応援有り難う御座います!
同日、夜21時49分…
HOTランキングで1位になりました!
感無量です、皆様有り難う御座います♪
追放された俺、悪魔に魂を売って全属性魔法に覚醒。悪魔契約者と蔑まれるが、まぁ事実だ。勇者? ああ、俺を見下してたやつな
自ら
ファンタジー
灰原カイトのスキルは【魔力親和】。評価F。
「外れスキル」の烙印を押された彼は、勇者パーティで三年間、荷物を運び、素材を剥ぎ、誰よりも早く野営の火を起こし続けた。
そして、捨てられた。
「お前がいると、俺の剣が重くなる」
勇者が口にした追放の理由は、侮蔑ではなかった。恐怖だった。
行き場を失ったカイトの前に、一人の悪魔が現れる。
「あなたの魂の、死後の行き先をちょうだい。代わりに、眠っている力を起こしてあげる」
病弱な妹の薬代が尽きるまで、あと十日。
カイトは迷わなかった。
目覚めたのは、全属性魔法――歴史上、伝説にしか存在しない力。
だがその代償は、使うたびに広がる魔印と、二度と消えない「悪魔契約者」の烙印。
世界中から蔑まれる。教会に追われる。かつての仲間には化け物と呼ばれる。
――まぁ、その通りだ。悪魔に魂を売ったのは事実だし。
それでも。没落貴族の剣姫と背中を預け合い、追放された聖女と聖魔の同時詠唱を編み出し、契約した悪魔自身と夜空の下で笑い合う日々は、悪くない。
これは、世界の「調律者」だった男が、その座を追われてなお、自分の手で居場所を作り直す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる