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89 ー動くー
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理音の頭の構造上、思い立ったが吉日である。
考えが決まれば、あとはやるだけだった。
次の日、再び倉庫に行って、剣と米をちょろまかした。それを紙で包んで布に包み、それを抱えると、堂々と裏門を通った。
「お使いに行ってきます」
この屋敷を出たことはないが、にこにこ笑顔で言うと、門兵は何にも問題ないと通してくれた。
この屋敷は、基本的に色々ちょろいのである。
それもヘキ卿がわざと作り出しているのかもしれない。それは言い過ぎかもしれないが。
彼が望むのは、彼自身が価値のない者とされることだ。
今後期待を持てない者であると、彼自身が演じなければならない。例え子供ができても、それだけは続けているのだろう。
その彼に、フォーエンはやるだけやれと言ってきているのだから、きっと救いはあったはずだ。
フォーエンに応えるべく、何かをすればいい。ヘキ卿がしないのならば、自分がやるだけだ。彼は自分に託したのだから。
大股で知った道に入り、裏門へと進む。見たことのある門兵がいて、彼に声をかけた。ユウリンを呼んでくれと。
これで進めるか。進めないか。進めなければ他の手を考えるまでだ。もう時間が少ない。少ない時間の間に何をするのか、考えなければならない。
「リオン!どうして、ここに!」
来てはいけないとは言え、ユウリンは理音の呼びかけに答えてくれた。
門前払いも覚悟していたのだが、ユウリンは走って来たのか、少しだけ焦ったようにして汗を拭った。
「今、どこにいるんだ。住んでいるところは?とにかく、こちらへ来なさい。ここでは目立つから」
目立ってはいけない。大尉に見つかったらまずいのかもしれない。それでも、ここに来ることはありだと判断した。
「すみません。これ、ヘキ卿からです」
「ヘキ卿…?君はヘキ卿のところにいるのか?」
「はい。働かせてもらってます。で、それ、大切な物で。けど、どうするかはユウリンさんにお任せします。大尉に渡されるか、ユウリンさんが決めてください。そこまでわからないので」
「何のこと?これは、一体何だ?」
「物は全てヘキ卿のお屋敷の倉庫にあります。集めているのはヘキ卿ではなく、別の人間である証拠です。ユウリンさんにお任せして申し訳ないですが、よろしくお願いします」
ユウリンは勘ぐりながらも、布の中を確かめた。
剣と米。それが何の意味を持つのか、彼はわかるだろうか。
「ヘキ卿の屋敷の、倉庫に?」
「はい。まだこれから運び込まれる物もあるかもしれません。ヘキ卿が動けないため、私が代わりに」
ユウリンは唇を噛みしめた。それが何を意味するのか理解している。
大尉がハク大輔と繋がっていれば、話はそちらまで伸びるだろう。彼らが敵でなければフォーエンまで続く。
逆にそうでなければ、別の方法にシフトするだけだった。保険をかけるために、もう一つは動く気であるが。
「単刀直入に言いますけど、ユウリンさんは皇帝陛下の味方ですか?」
直接すぎるほど、まっすぐに理音は問うた。念を入れるためだが、ユウリンは一瞬呆気にとられても、すぐに背筋を伸ばした。
「我が身は、皇帝陛下と共にある」
はっきりとした言葉に、理音は口元を緩めた。一つは正しく行われるだろう。
「ありがとうございます。失礼します」
踵を返し来た道を戻る。
次を行なって、それから、自分がなすべきことをなす。
「ヘキ卿、見つけた!」
ヘキ卿はいつも通りと、のんびり部屋で昼寝をしていた。
いつも場所を決めていないのか、探すのに少し苦労した。
今日は風通しのいい、日の当たらない端の部屋でお休みである。
季節が夏に向かっているのか、ここ最近暑いので、奥の涼しい部屋でお昼寝だったようだ。それを起こすと、ヘキ卿は目頭をこすった。
「顔洗って、お着替えしましょっか。皇帝陛下がお呼びですよ」
「え?」
寝耳に水。
ヘキ卿は耳を疑ったと、もう一度問い返してくる。
「え?じゃない。ほら、着替えて着替えて。緊急のお呼び出しですよ。王宮行きますから、さっさと用意して」
「え。いや、私は」
焦った顔を向けられても、理音は気にもしない。
「つべこべ言わない。ほらほら早く。お待たせしたら、また怒られちゃいますよ。早く早く。超緊急ですよ!」
急かしに急かして、理音はヘキ卿を追い立てるように着替えさせる。自分はちゃっかり男物の服を着て、既にスタンバイ済みだ。
理音が言っても、ヘキ卿は進んで自分で動いたりはしない。だとしたら、フォーエンの力を借りるしかなかった。
呼び出しなど、勿論嘘である。これで叱りを受けても気にはしない。
どのみち罪を受ける覚悟をしているならば、王宮に行って当たって砕けた方がいい。ヘキ卿ならば王宮には楽に入られるだろう。もしフォーエンに会えなかったら、また手を考える。
これは、ヘキ卿自身が行わねば意味がないのだ。
願わくば、フォーエンがまだヘキ卿を見捨てていないことを。
そうであれば、嘘の呼び出しでも、フォーエンは会ってくれると思うのだ。
馬車を走らせて、理音はその後ろを走った。
馬車の早さで歩くのに足を一生懸命動かして早歩きで先へと進む。
ヘキ卿に同乗するように言われ、それでやはり自分がフォーエンの隣にいたことを知られているのだとわかった。
宴の時の写真があれば、ヘキ卿が写っているだろう。しかし、タブレットはフォーエンが持っているので、その確認はできないのだが。
よく隣にいた女の顔など覚えているものだ。
あの時は舞台に上がっていたため、他の人たちは遠目であったし、化粧もかなり濃くされていたので印象も違うと思うのだが。
遠目にあった白壁が近づいてくる。王宮への橋は木で作られた物だが朱塗りが色鮮やかだった。広く長い橋を通り聳える門が開くのを待つと、再び別の壁が立ちはだかる。
ああ、王宮へ入る道ってこんな様子だったな。
壁を越えてもまた壁がある。それが何度も続いて実は微妙な斜面になっているのに気づくのだ。何せ歩いていても息が上がる。
馬車に乗っていれば気づきにくいのだが、軽い傾斜があるのだ。長い傾斜は体力を削る。急ぎの馬車を追いかけて、そろそろ息が上がってきた。
王宮は小高い山に位置している。城壁内に入ると坂が続くので、それはもう息がせるどころではない。
「大丈夫かい、リオン…?車に乗った方が…」
「や、平気、なんで、皇帝陛下のとこ、行きましょ。私、ここで待ってますから。あ、途中まで行こっかな。ちゃんと会うか確認、する、のに」
信用していない。を口に出すと、ヘキ卿はしょんぼりと肩を竦めた。
どんだけ嫌なんだこの人。
誰かが助けてくれると思わないのだろうか。頑張るので助けてくださいと、言わないのだろうか。
フォーエンに言っても、無駄だと思っているのだろうか。
現実的に身分などで、不公平に、理不尽に、大きく左右されてしまうのだろう。人々の重圧や圧力も関わって、前に進むことすらできなくなるのだろう。
けれど、フォーエンが、皇帝陛下が抗えと言っているのだ。それをなぜ受け入れないのだろう。
「ヘキ卿。前も言ったけど、皇帝陛下は頑張る子へは褒めてくれますよ」
何もせず、同じ間違いをする者には容赦なさそうだけど。
一瞬顔が緩んだのに、それを付け加えれば、えも言われぬ顔をした。上げて落としたかったわけではないが。ここで逃げたら終わりだと言いたかっただけである。
「リオンは強いね。私は逃げてばかりだから」
「私も逃げますけど。ここでは、こっちに来てからは逃げることができなくて。逃げたら自分の家に帰れないし、帰れなくなったら困るし。人間ギリギリにならないと底力って出ないのかなって」
帰るためには、生き残らなければならない。今はそれだけだ。全てが保証されていれば、きっと何もしない。
「私も、家帰ったらごろごろします。ごろごろしたい。そのためには頑張んなきゃって、ただそれだけ」
ただそれだけである。
ただそれだけでも、間違えたら別の道に転げ落ちる。それで後悔はしたくない。
考えが決まれば、あとはやるだけだった。
次の日、再び倉庫に行って、剣と米をちょろまかした。それを紙で包んで布に包み、それを抱えると、堂々と裏門を通った。
「お使いに行ってきます」
この屋敷を出たことはないが、にこにこ笑顔で言うと、門兵は何にも問題ないと通してくれた。
この屋敷は、基本的に色々ちょろいのである。
それもヘキ卿がわざと作り出しているのかもしれない。それは言い過ぎかもしれないが。
彼が望むのは、彼自身が価値のない者とされることだ。
今後期待を持てない者であると、彼自身が演じなければならない。例え子供ができても、それだけは続けているのだろう。
その彼に、フォーエンはやるだけやれと言ってきているのだから、きっと救いはあったはずだ。
フォーエンに応えるべく、何かをすればいい。ヘキ卿がしないのならば、自分がやるだけだ。彼は自分に託したのだから。
大股で知った道に入り、裏門へと進む。見たことのある門兵がいて、彼に声をかけた。ユウリンを呼んでくれと。
これで進めるか。進めないか。進めなければ他の手を考えるまでだ。もう時間が少ない。少ない時間の間に何をするのか、考えなければならない。
「リオン!どうして、ここに!」
来てはいけないとは言え、ユウリンは理音の呼びかけに答えてくれた。
門前払いも覚悟していたのだが、ユウリンは走って来たのか、少しだけ焦ったようにして汗を拭った。
「今、どこにいるんだ。住んでいるところは?とにかく、こちらへ来なさい。ここでは目立つから」
目立ってはいけない。大尉に見つかったらまずいのかもしれない。それでも、ここに来ることはありだと判断した。
「すみません。これ、ヘキ卿からです」
「ヘキ卿…?君はヘキ卿のところにいるのか?」
「はい。働かせてもらってます。で、それ、大切な物で。けど、どうするかはユウリンさんにお任せします。大尉に渡されるか、ユウリンさんが決めてください。そこまでわからないので」
「何のこと?これは、一体何だ?」
「物は全てヘキ卿のお屋敷の倉庫にあります。集めているのはヘキ卿ではなく、別の人間である証拠です。ユウリンさんにお任せして申し訳ないですが、よろしくお願いします」
ユウリンは勘ぐりながらも、布の中を確かめた。
剣と米。それが何の意味を持つのか、彼はわかるだろうか。
「ヘキ卿の屋敷の、倉庫に?」
「はい。まだこれから運び込まれる物もあるかもしれません。ヘキ卿が動けないため、私が代わりに」
ユウリンは唇を噛みしめた。それが何を意味するのか理解している。
大尉がハク大輔と繋がっていれば、話はそちらまで伸びるだろう。彼らが敵でなければフォーエンまで続く。
逆にそうでなければ、別の方法にシフトするだけだった。保険をかけるために、もう一つは動く気であるが。
「単刀直入に言いますけど、ユウリンさんは皇帝陛下の味方ですか?」
直接すぎるほど、まっすぐに理音は問うた。念を入れるためだが、ユウリンは一瞬呆気にとられても、すぐに背筋を伸ばした。
「我が身は、皇帝陛下と共にある」
はっきりとした言葉に、理音は口元を緩めた。一つは正しく行われるだろう。
「ありがとうございます。失礼します」
踵を返し来た道を戻る。
次を行なって、それから、自分がなすべきことをなす。
「ヘキ卿、見つけた!」
ヘキ卿はいつも通りと、のんびり部屋で昼寝をしていた。
いつも場所を決めていないのか、探すのに少し苦労した。
今日は風通しのいい、日の当たらない端の部屋でお休みである。
季節が夏に向かっているのか、ここ最近暑いので、奥の涼しい部屋でお昼寝だったようだ。それを起こすと、ヘキ卿は目頭をこすった。
「顔洗って、お着替えしましょっか。皇帝陛下がお呼びですよ」
「え?」
寝耳に水。
ヘキ卿は耳を疑ったと、もう一度問い返してくる。
「え?じゃない。ほら、着替えて着替えて。緊急のお呼び出しですよ。王宮行きますから、さっさと用意して」
「え。いや、私は」
焦った顔を向けられても、理音は気にもしない。
「つべこべ言わない。ほらほら早く。お待たせしたら、また怒られちゃいますよ。早く早く。超緊急ですよ!」
急かしに急かして、理音はヘキ卿を追い立てるように着替えさせる。自分はちゃっかり男物の服を着て、既にスタンバイ済みだ。
理音が言っても、ヘキ卿は進んで自分で動いたりはしない。だとしたら、フォーエンの力を借りるしかなかった。
呼び出しなど、勿論嘘である。これで叱りを受けても気にはしない。
どのみち罪を受ける覚悟をしているならば、王宮に行って当たって砕けた方がいい。ヘキ卿ならば王宮には楽に入られるだろう。もしフォーエンに会えなかったら、また手を考える。
これは、ヘキ卿自身が行わねば意味がないのだ。
願わくば、フォーエンがまだヘキ卿を見捨てていないことを。
そうであれば、嘘の呼び出しでも、フォーエンは会ってくれると思うのだ。
馬車を走らせて、理音はその後ろを走った。
馬車の早さで歩くのに足を一生懸命動かして早歩きで先へと進む。
ヘキ卿に同乗するように言われ、それでやはり自分がフォーエンの隣にいたことを知られているのだとわかった。
宴の時の写真があれば、ヘキ卿が写っているだろう。しかし、タブレットはフォーエンが持っているので、その確認はできないのだが。
よく隣にいた女の顔など覚えているものだ。
あの時は舞台に上がっていたため、他の人たちは遠目であったし、化粧もかなり濃くされていたので印象も違うと思うのだが。
遠目にあった白壁が近づいてくる。王宮への橋は木で作られた物だが朱塗りが色鮮やかだった。広く長い橋を通り聳える門が開くのを待つと、再び別の壁が立ちはだかる。
ああ、王宮へ入る道ってこんな様子だったな。
壁を越えてもまた壁がある。それが何度も続いて実は微妙な斜面になっているのに気づくのだ。何せ歩いていても息が上がる。
馬車に乗っていれば気づきにくいのだが、軽い傾斜があるのだ。長い傾斜は体力を削る。急ぎの馬車を追いかけて、そろそろ息が上がってきた。
王宮は小高い山に位置している。城壁内に入ると坂が続くので、それはもう息がせるどころではない。
「大丈夫かい、リオン…?車に乗った方が…」
「や、平気、なんで、皇帝陛下のとこ、行きましょ。私、ここで待ってますから。あ、途中まで行こっかな。ちゃんと会うか確認、する、のに」
信用していない。を口に出すと、ヘキ卿はしょんぼりと肩を竦めた。
どんだけ嫌なんだこの人。
誰かが助けてくれると思わないのだろうか。頑張るので助けてくださいと、言わないのだろうか。
フォーエンに言っても、無駄だと思っているのだろうか。
現実的に身分などで、不公平に、理不尽に、大きく左右されてしまうのだろう。人々の重圧や圧力も関わって、前に進むことすらできなくなるのだろう。
けれど、フォーエンが、皇帝陛下が抗えと言っているのだ。それをなぜ受け入れないのだろう。
「ヘキ卿。前も言ったけど、皇帝陛下は頑張る子へは褒めてくれますよ」
何もせず、同じ間違いをする者には容赦なさそうだけど。
一瞬顔が緩んだのに、それを付け加えれば、えも言われぬ顔をした。上げて落としたかったわけではないが。ここで逃げたら終わりだと言いたかっただけである。
「リオンは強いね。私は逃げてばかりだから」
「私も逃げますけど。ここでは、こっちに来てからは逃げることができなくて。逃げたら自分の家に帰れないし、帰れなくなったら困るし。人間ギリギリにならないと底力って出ないのかなって」
帰るためには、生き残らなければならない。今はそれだけだ。全てが保証されていれば、きっと何もしない。
「私も、家帰ったらごろごろします。ごろごろしたい。そのためには頑張んなきゃって、ただそれだけ」
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