現代文ドラッグ

書房すけ

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狂気の日記

狂気の日記3

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※「狂気の日記」は「なんとなく読むこと」「イメージしながら読むこと」

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 フィックスとルーシーは、実は昔からの親友だった。例えば、フィックスはルーシーの家の近くにあるお店で買い物をしていたし、ルーシーは心からの好意で、フィックスが乗った丁度次の電車に乗っていた。──こんな幸せな日々が続くと思っていた。

 ──前に、フィックスによる、人類滅亡を防ぐ夢は絶たれた、と言っていたが、実は、それは11年後の話。勿論、11年後にはフィックスも死んでいるので、今はそれに至る過程を書いているのである。

 ルーシーは幸せだった。何故なら、フィックスが幸せだったからだ。それは親友として当たり前のことであった。例えばそれは、フィックスが転んだときや、怪我をしたときに表面化した。──傷の手当てをしたのは、いつもルーシーだった。──ルーシーはなんて優しいんだろう。ルーシーは傷んだ傷を見て、泣くことは無かった。傷は深く、泣かない人の方が少ないかもしれなかった。それなのにルーシーは痛みを我慢し、フィックスと共に歩んだ。

 ルーシーは、親友は大事だと感じた。フィックスも同じように。
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