『「嘘つきな秘書はお腹の中から教育だ」冷徹社長の過保護すぎる執着愛』

kirisu

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【第3話】27歳の子供扱い

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「社長……やめ、やめてくださいっ!」

 杏奈は必死に身をよじり、九条の腕から逃れようとした。だが、日頃からジムで鍛え上げられている九条の筋力に、デスクワーク中心の杏奈が敵うはずもなかった。  腰を掴む手は熱く、そして鋼のように硬い。逃げようとすればするほど、その指先が杏奈の柔らかな腰に食い込み、逃走が不可能であることを物理的に知らしめてくる。

「暴れるな。……往生際が悪いぞ、佐伯」

 九条は低い声で窘めると、杏奈を軽々と抱き上げ、社長室の中央に置かれた重厚な革張りのソファへと移動した。  ドサリ、とソファに座った彼は、そのまま杏奈をうつ伏せの状態で自分の太腿の上に引き倒した。

「あっ……!」

 視界が反転し、茶色い高級カーペットの床が目の前に迫る。  いわゆる「膝上折檻(OTK)」の体勢だ。  幼い子供が親に叱られる時にされる、最も無防備で、最も情けない姿勢。

「しゃ、ちょう……っ! こんなの、おかしいです! 私はもう、子供じゃありません……!」

 杏奈は顔を真っ赤にして抗議した。  27歳だ。部下を持ち、社外の重役とも対等に渡り合う立場の人間が、上司の膝の上で尻を突き出すなど、あってはならないことだった。

「ああ、そうだな。君は子供じゃない」

 九条は冷淡に肯定した。  だが、その手は容赦なく杏奈のタイトスカートを腰まで捲り上げ、さらにその下にある薄いレースのショーツに指をかけた。

「だが、自分の限界も分からずに嘘をつき、周りに心配をかけるその精神性は、聞き分けのない子供そのものだ。ならば、教育も子供と同じやり方にするのが妥当だろう?」

「ひっ、!?」

 シュルリ、と衣擦れの音がして、ショーツが膝まで引き下げられる。  社長室の空調が効いた冷たい空気に、一切の守りを失った素肌が晒された。  スースーする心許なさに、杏奈は太腿を固く閉じて震えた。

「見なさい、この無防備な姿を。……君が隠そうとしていた『嘘』の代償だ」

 九条の大きな掌が、杏奈の柔らかな臀部に触れた。  ひんやりとした彼女の肌に、彼の熱い体温が伝わる。その温度差だけで、杏奈の全身に鳥肌が立った。

「これから私が数を数える。君も声に出して数えなさい。……一発ごとに、自分がどれだけ愚かなことをしたか思い出すんだ」

 言うが早いか、九条の手が大きく振り上げられた。

 ――パンッ!

 乾いた破裂音が、防音の室内に響き渡る。  さっきの接触とは違う、芯に響くような衝撃と鋭い痛みが杏奈のお尻を襲った。

「ああっ!」

「……一」

 九条が淡々とカウントする。  叩かれた場所が、じわじわと脈打つような熱を持ち始める。

 ――パンッ!

「ひ、ひぅ……っ! いたいっ!」

「二。……声が小さい。ちゃんと数えないか。それとも、もっと強くしてほしいのか?」

 ――パンッ! パンッ!

「あぐっ……! さ、さん……っ、よん……っ!」

 涙目で声を絞り出す。  痛い。間違いなく痛いのだが、それ以上に「恥ずかしい」という感情が杏奈の思考を埋め尽くしていた。  尊敬する上司の膝の上で、真っ裸のお尻を叩かれて、泣きながら数を数えさせられている。

 九条の手のリズムが変わる。  今度は間髪容れずに、右、左と交互に、肌が弾けるような音を立てて掌が振り下ろされた。

 ――パパンッ! パンッ! パァンッ!

「あ、ああぁっ! ご、ご……ろく……っ、ななっ!」

 叩かれるたびに、杏奈の体はビクンと跳ね、彼の膝の上で無様に揺れる。  九条の掌の形が、白い肌の上にじわりと赤く浮き上がっていく。  桃色から鮮やかな赤色へ。熱を帯びた皮膚は膨らみ、九条が指先でそこをなぞるだけで、杏奈は狂ったように腰を振った。

「……随分と敏感になっているな。仕事の時も、これくらい敏感に自分の体調を察知していれば、こんなことにはならなかったんだぞ」

「ううぅ……っ、ごめんなさい……社長、もう、わかったから……っ!」

「いいや、まだ分からない。十を過ぎたら、少し強さを変えよう」

 ――ビシッ!

 空気を切り裂くような、より重く、鋭い一撃。  杏奈の喉から、引きつった悲鳴が漏れた。

「い、ぃだああぁいっ! 今のは……ひどい……っ!」

「十一。……ひどいのは君の方だ。倒れた君を抱き上げた時、私の手がどれだけ震えていたか……君には想像もつかないだろう?」

 九条の声に、わずかな苦みが混じる。  それは、ただの罰ではない。彼女を失いかけた男の、切実なまでの執着だった。  彼はその後も、杏奈のお尻の膨らみを丁寧に、そして徹底的に叩き続けた。

 ――パンッ、パンッ、パンッ、パンッ!

 二十、二十一、二十二……。  杏奈の意識は、すでにお尻に集中する「熱」と「痛み」に支配されていた。  プライドも、秘書としての自覚も、すべてが打ち砕かれる。  ただの「叱られる弱い女の子」として、彼の前で無様に涙を流し、許しを請うしかなかった。

「……三十」

 ようやく九条の手が止まった。  お尻全体がジンジンと激しく痛み、座ることもできないほど熱を持っている。  九条はその真っ赤に腫れ上がった場所を、冷やすように、けれど逃さないようにゆっくりと撫で回した。

「……随分と、いい色になったな。私の手の跡が、ここまではっきりと残っている」

 ヒリヒリと痛む患部に、彼の手の温度が重なる。  その優しさと残酷さのギャップに、杏奈はガタガタと体を震わせた。

「うぅ……っ、もう、許して……九条、さん……」

 名前を呼び間違えるほど、杏奈は混乱していた。  涙で濡れた瞳で、彼を見上げる。これで終わりだと思った。十分に反省したし、もう恥ずかしさで死にそうだった。

 だが、九条はそんな杏奈の懇願を、冷たく、妖艶な笑みで切り捨てた。

「許す? ……何を言っているんだ、杏奈」

 彼は杏奈を膝から下ろすと、ぐったりする彼女を抱き寄せ、耳元で甘く、そして逃げ場のない声を響かせた。

「これはまだ『準備運動』だ。……手のひら程度の痛みで、君の根深い嘘が治るとは思えない」

 九条は杏奈の両手を掴み、背後に回させた。  そして、先ほど自分が首から外したネクタイを手に取る。

「君には、もっと強い『教育』が必要だ」

 カチャリ、と彼が自分のベルトに手をかける音が聞こえた瞬間、杏奈の顔から血の気が引いた。  手によるお仕置きが「愛情」だと思えるほどの、本当の地獄がこれから始まるのだと、本能が警鐘を鳴らしていた。
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