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第二章
15話
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15話
居室で倒れた彼女は、うなされ、ひどく苦しそうだった。医者の話では、彼女の体が魔力へ適応しようと過剰反応を起こしているのではないかということだった。
2・3日で体が適応すればいいが、長引くと命に関わると……。症状は以前からあったはずだから、ずっと我慢されていたのではないかと言われた。あの時、横になっていたのは、このせいだったのか。今さらながら気づけなかった自分がイヤになる。しかし、落ち込んでいる暇はなかった。
「彼女を人間界に連れていく。城のことは頼む。」
彼女を抱き上げようとすると
「待ってください。たった1ヶ月、魔界にいただけで倒れられては、これからここで暮らすことなどできません。」
そんな田中の言葉も私の耳には入らない。しかし、彼女に触れた手をサッシャが掴んだ。
「なんでこいつが倒れるまで我慢してたのか考えろ。こいつは帰りたいとは思ってない。」
「しかし…!このままでは彼女は……。なにがあっても彼女を守ると誓ったんだ!」
その時、朦朧とした彼女が意識を取り戻した。
「ギルさん……?」
「アヤ!」
彼女の手を握った。おそろしく冷たい。
「もう少し、もう少しだけ…私頑張りますから…。」
「でも……!人間界に戻れば治るはずだ。一緒に帰ろう。」
「私は……ここでギルさんと一緒に居たいです……だからもう少し……。」
そのまま彼女は気を失った。
「アヤ!」
* * *
その時、田中が静かに部屋を出た。俺は奴の後を追う。田中は人間界へ行くための通路がある、門と呼ばれる場所へ向かっていた。
「おい、こんなときにどこいく気だよ。」
ヤツは振り返りもしない。
「お前こそ、陛下の側を簡単に離れるなと何度言えば分かる、サッシャ。」
「いい加減にしろよ。なにがそんなに気に入らないのか知らねぇが、命かけて戦ってるやつを切り捨てるようなこと……」
「だからイヤなんだ!!」
田中の大声に言葉が続かなかった。振り返った奴の顔は、見たことないくらい悲しげだった。
「人間は弱い。弱いくせに、意思だけは強くて…、自分は大丈夫だとか、頑張るとか言って、平気で命をかける。なぜそこまでするんだ?!死んだら全部終わりだろ!」
長い間一緒に過ごしてきたが、初めて見る幼なじみの顔に俺の知らない奴の心を見た気がした。
「まだ死ぬと決まったわけじゃない。」
「死んだらどうする!残された陛下はどうなる!?周りの者たちの気持ちも考えず、勝手に命をかけるやつを、心配してやる義理はない。」
「……じゃあなんで、お前はそんな顔してんだよ?」
奴の顔は今にも泣き出しそうな子どもみたいだった。俺の質問には答えず、門を開く。
「明日には戻ります。それまで陛下がバカなことをしないように見ていてください。」
そう言って門の中に消えていった。
* * *
アヤの顔色がどんどん悪くなり、呼吸も浅くなっている。彼女がこんなにも苦しんでいるときに、なぜ私はなにもできないのか。いくら力があろうと愛する人を守れなければ、なんの意味もない。私は彼女の手を握り、見守ることしかできなかった。
一夜明け、それでも彼女が目を覚ますことはなかった。そこへ、アヤの侍女であるリリエラがやって来た。手に何か持っている。
「失礼します。こちらを綾様に飲ませるようにと。」
「これは?」
見ると、小さなコップに白い液体が入っている。
「わたくしも中身がなんなのか存じません。田中様がお持ちになったようです。」
アヤのための薬かなにかだろうか?なんだっていい、彼女が助かるなら。
「わかった。私が飲ませよう。」
「かしこまりました。陛下もどうか体を休めてくださいませ。」
それには答えなかった。彼女が起きるまで、側を離れるつもりはない。
侍女が部屋を出ると、私はアヤの体を支え、コップの中身を口に含み、口移しで少しずつアヤの口に流し込んでいく。甘く、なぜか懐かしい味がした。
* * *
私は夢をみていた。私が子どもだった頃の夢だ。事故で両親をいっぺんに亡くし、訳もわからず泣いている間に知らない場所にいた。
自分と同じくらいの子どもがたくさん居たが、知っている子は一人もいなかった。そこで何回寝て、起きても、大好きな両親があらわれることはなく、漠然とひとりになったことを悟った。私は体調を崩し、何日も布団をかぶって泣いていた。
ある日目が覚めると枕元に猫とウサギの描かれた紙が置かれていた。それを見て、前はたくさん絵を描いていたのに、描いたらお母さんとお父さんが褒めてくれたのにと、両親を思い出してまた泣いた。
その次の日は犬の絵、次の日は女の子の絵とそれは何日も何日も続いた。絵はいつも私が寝ている間に置かれているので、誰が描いているのか分からなかった。
私は誰が絵をくれるのか知りたくて、ある日寝たフリをしてその人が来るのを待った。しばらくすると、誰かが部屋に入ってきた。私の枕元に来たとき、思いきってガバッと起き上がった。
そこに居たのは、私より少し年上くらいの女の子だった。ちょっとびっくりしたみたいだったけど、すぐに笑った。
「寝たフリだったのかー。だまされたー。」
私はその子の名前を知らなかった。そこにいる誰の名前も知らなかった。
「なんで、わたしにこれくれるの?」
私は今までもらった絵を掲げて見せた。
「上手に描けたから見せようと思って!」
そう言う彼女は誇らしげだった。
「わたし、ちはる、さいとうちはる。あなたは?」
「あや、とうのあや。」
「あや!ジュース飲む?」
コクンと頷くと、ちはるは走って出ていった。すぐに白い液体を入れたコップを、2つ持って戻ってきた。
「はい!あやの分!」
「ありがとう。」
そのジュースはいつもお母さんが作ってくれてたやつで飲むと懐かしくて、自然と涙が出た。
「うう…お母さん……お父さん……」
泣き出した私の頭をちはるが小さな手で撫でた。
「あや、いつも寝てるから、絵を見たら元気になるかなと思って、でも、本当は、お母さんに見せようと思って描いたの、でもお母さん会いに来てくれないから………うわぁぁん!」
そうしてちはるも泣き出して、私もさらに泣いて、施設の人がびっくりするくらい、わんわん泣いた。
その日から私は布団から出るようになって、周りの人の名前もたくさん覚えた。そして新しい家族ができた。
* * *
「………ちはる……。」
自分の声で目が覚めると、一瞬自分がどこにいるか分からなかった。とても懐かしい夢を見た気がする。すぐに隣で眠り込んでいるギルさんを見て、自分のことを思い出した。
わたし倒れたんだ。でも、今は驚くほど体が軽い。どうなったんだろ、わたし。ゆっくりと起き上がると、私の右手の甲にくっきりと紋章が浮かんでいた。
「ギルさん!ギルさん起きてください!」
私の声に彼はビクッと体を震わせて、目を開けた。
「アヤ!体は大丈夫なのか?!まだ起き上がらないほうが。」
「見てください、これ。」
右手の甲を見せる。
「良かった。私、これでやっとギルさんの役に立てます。」
そっと私の手を握る彼の顔を見ると、目に涙が浮かんでいた。
「どれだけ心配したと思っているんだ!君は死ぬかもしれなかったんだぞ!そんなことのために……私なんかのために、こんなこと二度としないでくれ。」
彼はポロポロと涙を流し、私の右手を握りしめた。彼の手に私は左手を重ねる。
「私はギルさんと本当の家族になりたかったんです。そのためにはどうしても必要なことだったから。これは私のためにしたことで、私のわがままです。心配かけてごめんなさい。こんなわがままな私は嫌いですか?」
自然と涙が出た。彼は私の涙を拭い、優しく抱きしめてくれる。
「アヤを嫌いになんかなるわけない。でも、二度とこんなことしないでください。私はあなたがいてくれるだけでいいんです。」
こんな私に今日また、家族ができた。
* * *
「で、結局あれなんだったんだ?」
一晩出掛け、何事もなかったかのように帰ってきた田中は白い液体を持っていた。
「ただのジュースですよ。日本でポピュラーなものです。」
平然と答えるやつの顔が妙に清々しくてムカついた。
「ただのジュースで治るなら苦労しねーだろ。」
日本で魔人と人間どちらの医療もおこなっている者を訪ねた。魔人や獣人と関係をもつ者のなかに、まれに今回のような症状が出る者がいるらしい。しかし大抵の場合すぐに治まるものだそうだ。しかし今回の場合は相手が魔王陛下だったため、魔力量に人間の体が過剰反応をおこした。症状は魔力による体質変化、そこから起こる意識の混濁。その際、人間界の食べ物、記憶に強く残るものを口にすると、早く治まるかもしれないと、その医者は云った。私は彼女の記憶をある人間に聞きに行っただけだ。
「こんな初歩でつまずいてもらっては困ります。問題はここからですから。」
居室で倒れた彼女は、うなされ、ひどく苦しそうだった。医者の話では、彼女の体が魔力へ適応しようと過剰反応を起こしているのではないかということだった。
2・3日で体が適応すればいいが、長引くと命に関わると……。症状は以前からあったはずだから、ずっと我慢されていたのではないかと言われた。あの時、横になっていたのは、このせいだったのか。今さらながら気づけなかった自分がイヤになる。しかし、落ち込んでいる暇はなかった。
「彼女を人間界に連れていく。城のことは頼む。」
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「待ってください。たった1ヶ月、魔界にいただけで倒れられては、これからここで暮らすことなどできません。」
そんな田中の言葉も私の耳には入らない。しかし、彼女に触れた手をサッシャが掴んだ。
「なんでこいつが倒れるまで我慢してたのか考えろ。こいつは帰りたいとは思ってない。」
「しかし…!このままでは彼女は……。なにがあっても彼女を守ると誓ったんだ!」
その時、朦朧とした彼女が意識を取り戻した。
「ギルさん……?」
「アヤ!」
彼女の手を握った。おそろしく冷たい。
「もう少し、もう少しだけ…私頑張りますから…。」
「でも……!人間界に戻れば治るはずだ。一緒に帰ろう。」
「私は……ここでギルさんと一緒に居たいです……だからもう少し……。」
そのまま彼女は気を失った。
「アヤ!」
* * *
その時、田中が静かに部屋を出た。俺は奴の後を追う。田中は人間界へ行くための通路がある、門と呼ばれる場所へ向かっていた。
「おい、こんなときにどこいく気だよ。」
ヤツは振り返りもしない。
「お前こそ、陛下の側を簡単に離れるなと何度言えば分かる、サッシャ。」
「いい加減にしろよ。なにがそんなに気に入らないのか知らねぇが、命かけて戦ってるやつを切り捨てるようなこと……」
「だからイヤなんだ!!」
田中の大声に言葉が続かなかった。振り返った奴の顔は、見たことないくらい悲しげだった。
「人間は弱い。弱いくせに、意思だけは強くて…、自分は大丈夫だとか、頑張るとか言って、平気で命をかける。なぜそこまでするんだ?!死んだら全部終わりだろ!」
長い間一緒に過ごしてきたが、初めて見る幼なじみの顔に俺の知らない奴の心を見た気がした。
「まだ死ぬと決まったわけじゃない。」
「死んだらどうする!残された陛下はどうなる!?周りの者たちの気持ちも考えず、勝手に命をかけるやつを、心配してやる義理はない。」
「……じゃあなんで、お前はそんな顔してんだよ?」
奴の顔は今にも泣き出しそうな子どもみたいだった。俺の質問には答えず、門を開く。
「明日には戻ります。それまで陛下がバカなことをしないように見ていてください。」
そう言って門の中に消えていった。
* * *
アヤの顔色がどんどん悪くなり、呼吸も浅くなっている。彼女がこんなにも苦しんでいるときに、なぜ私はなにもできないのか。いくら力があろうと愛する人を守れなければ、なんの意味もない。私は彼女の手を握り、見守ることしかできなかった。
一夜明け、それでも彼女が目を覚ますことはなかった。そこへ、アヤの侍女であるリリエラがやって来た。手に何か持っている。
「失礼します。こちらを綾様に飲ませるようにと。」
「これは?」
見ると、小さなコップに白い液体が入っている。
「わたくしも中身がなんなのか存じません。田中様がお持ちになったようです。」
アヤのための薬かなにかだろうか?なんだっていい、彼女が助かるなら。
「わかった。私が飲ませよう。」
「かしこまりました。陛下もどうか体を休めてくださいませ。」
それには答えなかった。彼女が起きるまで、側を離れるつもりはない。
侍女が部屋を出ると、私はアヤの体を支え、コップの中身を口に含み、口移しで少しずつアヤの口に流し込んでいく。甘く、なぜか懐かしい味がした。
* * *
私は夢をみていた。私が子どもだった頃の夢だ。事故で両親をいっぺんに亡くし、訳もわからず泣いている間に知らない場所にいた。
自分と同じくらいの子どもがたくさん居たが、知っている子は一人もいなかった。そこで何回寝て、起きても、大好きな両親があらわれることはなく、漠然とひとりになったことを悟った。私は体調を崩し、何日も布団をかぶって泣いていた。
ある日目が覚めると枕元に猫とウサギの描かれた紙が置かれていた。それを見て、前はたくさん絵を描いていたのに、描いたらお母さんとお父さんが褒めてくれたのにと、両親を思い出してまた泣いた。
その次の日は犬の絵、次の日は女の子の絵とそれは何日も何日も続いた。絵はいつも私が寝ている間に置かれているので、誰が描いているのか分からなかった。
私は誰が絵をくれるのか知りたくて、ある日寝たフリをしてその人が来るのを待った。しばらくすると、誰かが部屋に入ってきた。私の枕元に来たとき、思いきってガバッと起き上がった。
そこに居たのは、私より少し年上くらいの女の子だった。ちょっとびっくりしたみたいだったけど、すぐに笑った。
「寝たフリだったのかー。だまされたー。」
私はその子の名前を知らなかった。そこにいる誰の名前も知らなかった。
「なんで、わたしにこれくれるの?」
私は今までもらった絵を掲げて見せた。
「上手に描けたから見せようと思って!」
そう言う彼女は誇らしげだった。
「わたし、ちはる、さいとうちはる。あなたは?」
「あや、とうのあや。」
「あや!ジュース飲む?」
コクンと頷くと、ちはるは走って出ていった。すぐに白い液体を入れたコップを、2つ持って戻ってきた。
「はい!あやの分!」
「ありがとう。」
そのジュースはいつもお母さんが作ってくれてたやつで飲むと懐かしくて、自然と涙が出た。
「うう…お母さん……お父さん……」
泣き出した私の頭をちはるが小さな手で撫でた。
「あや、いつも寝てるから、絵を見たら元気になるかなと思って、でも、本当は、お母さんに見せようと思って描いたの、でもお母さん会いに来てくれないから………うわぁぁん!」
そうしてちはるも泣き出して、私もさらに泣いて、施設の人がびっくりするくらい、わんわん泣いた。
その日から私は布団から出るようになって、周りの人の名前もたくさん覚えた。そして新しい家族ができた。
* * *
「………ちはる……。」
自分の声で目が覚めると、一瞬自分がどこにいるか分からなかった。とても懐かしい夢を見た気がする。すぐに隣で眠り込んでいるギルさんを見て、自分のことを思い出した。
わたし倒れたんだ。でも、今は驚くほど体が軽い。どうなったんだろ、わたし。ゆっくりと起き上がると、私の右手の甲にくっきりと紋章が浮かんでいた。
「ギルさん!ギルさん起きてください!」
私の声に彼はビクッと体を震わせて、目を開けた。
「アヤ!体は大丈夫なのか?!まだ起き上がらないほうが。」
「見てください、これ。」
右手の甲を見せる。
「良かった。私、これでやっとギルさんの役に立てます。」
そっと私の手を握る彼の顔を見ると、目に涙が浮かんでいた。
「どれだけ心配したと思っているんだ!君は死ぬかもしれなかったんだぞ!そんなことのために……私なんかのために、こんなこと二度としないでくれ。」
彼はポロポロと涙を流し、私の右手を握りしめた。彼の手に私は左手を重ねる。
「私はギルさんと本当の家族になりたかったんです。そのためにはどうしても必要なことだったから。これは私のためにしたことで、私のわがままです。心配かけてごめんなさい。こんなわがままな私は嫌いですか?」
自然と涙が出た。彼は私の涙を拭い、優しく抱きしめてくれる。
「アヤを嫌いになんかなるわけない。でも、二度とこんなことしないでください。私はあなたがいてくれるだけでいいんです。」
こんな私に今日また、家族ができた。
* * *
「で、結局あれなんだったんだ?」
一晩出掛け、何事もなかったかのように帰ってきた田中は白い液体を持っていた。
「ただのジュースですよ。日本でポピュラーなものです。」
平然と答えるやつの顔が妙に清々しくてムカついた。
「ただのジュースで治るなら苦労しねーだろ。」
日本で魔人と人間どちらの医療もおこなっている者を訪ねた。魔人や獣人と関係をもつ者のなかに、まれに今回のような症状が出る者がいるらしい。しかし大抵の場合すぐに治まるものだそうだ。しかし今回の場合は相手が魔王陛下だったため、魔力量に人間の体が過剰反応をおこした。症状は魔力による体質変化、そこから起こる意識の混濁。その際、人間界の食べ物、記憶に強く残るものを口にすると、早く治まるかもしれないと、その医者は云った。私は彼女の記憶をある人間に聞きに行っただけだ。
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