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第11話 放蕩、ヨシュア・クインの充足
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面白い女の子と出会った。
そして、類稀なる美人さんだ。
砂漠の夜空を思わせる煌めくような銀色の髪に、アメジストのような紫の瞳。
長い髪を一つに結んでいるから、それを解いて、存分に綺麗な髪に触れてみたかった。
そんな可憐な子が、“銃”を操って、大型の魔獣をばんばん屠っている。
彼女の通った跡に死骸の山ができていたのは感動した。
だから予定を変更してしばらく後をつけていた。
ちょっと遊ぶつもりで近道していたから、目的の時間にはまだある。
女の子の後ろを無断で追うなど、犯罪と言われるかもしれないが、そのおかげで彼女を助けることができたのだから大目に見てほしい。
今にも彼女を呑み込みそうだった飛竜の口に、榴弾を撃ち込んで、血と肉の雨を降らせたものだから、辺り一面紫色の水溜りができていた。
その中に立つ彼女の姿は、さらに際立って神々しくもあり、自分のポリシーを捻じ曲げて、今すぐ求婚してしまいそうだった。
彼女はアリアナ・ロッソだと名乗り、機械大国エリュドランの出身だと言った。
俺も、ヨシュアと名乗る。
エリュドランの民は、職人気質で実力至上主義なところがある。
そしてわりと血気盛んだ。
そんな特徴を感じ取れる彼女に、やはり惹かれない方がおかしなことだった。
この先にあるバイス王国から東側は、閉鎖的で前時代的な国だ。
取り残されつつある。
この先大戦が起きれば、位置的に真っ先に地図上から消え去る国がバイスとなるだろう。
そこに風穴を開けたのが、第二王子でなかなか見所があるから、会いに行ってみるところだった。
でも、せっかく未知の異国に行くのだから、可愛い女の子を探すつもりで側近達を出し抜いて、一人近道をしていた。
そんな所で出会ったのが彼女で、そんな興味惹かれる彼女を故郷まで送り届けることにした。
その道中はなかなか楽しいものだった。
「あ、迎えが来てくれたようです。ヨシュアさん、ここまでありがとうございました」
二人っきりの時間はこれでおしまいのようだ。
視線を向けると、黒で統一された機械工兵がズラリと並んでいて、圧巻だった。
人が乗り込み、操作する装甲兵器は、二足歩行が可能で、その動きは絶壁にすら張り付ける機動力がある。
領土は小さくとも、大国と言わしめる軍事力を維持していて、帝国すら手が出せないほどだ。
それが惜しげもなく、彼女を迎えにくるために整列していた。
あれは、シスラ公爵家の機甲兵士団だ。
一体この子はどんな身分の子なんだろう。
ここまで大事にされている身分なのに、あんな所を怖がりもせずに一人で突き進んで。
気になって、気になって、仕方がなかった。
俺の気をここまで惹く子は、他にいない。
「あの、よければ今度はこちらが目的地までお送りしましょうか?お時間があれば、お礼をしたいですし」
「う~ん……有難い申し出だけど、俺の友人が待っているから、そこに合流するよ。多分近くにいると思う」
「そうですか?恩人を危険に晒すような事はしたくありませんが」
「大丈夫大丈夫。ホントホント。で、俺にお礼をしてくれるって言うのなら、用事が終わったら君の国に遊びに行ってもいい?」
「はい、それなら是非、私の家に招待させてください。ロッソ男爵家にお越しください」
「へぇ、君、男爵家のお嬢様なんだねー」
「これを、入国管理官にお見せください。我が家に連絡が伝わるようにしておきます」
彼女が渡してくれたのは、身分証明に使うタグだった。
「おっけー。何かお土産持ってくるから、楽しみにしててね。俺も、また会えるのを楽しみにしてるよ!じゃあね!」
シスラ機士団を変に刺激する前に彼女から離れる。
とりあえず、当初の予定を遂行してから、改めて彼女に会いに行くつもりだった。
そして、類稀なる美人さんだ。
砂漠の夜空を思わせる煌めくような銀色の髪に、アメジストのような紫の瞳。
長い髪を一つに結んでいるから、それを解いて、存分に綺麗な髪に触れてみたかった。
そんな可憐な子が、“銃”を操って、大型の魔獣をばんばん屠っている。
彼女の通った跡に死骸の山ができていたのは感動した。
だから予定を変更してしばらく後をつけていた。
ちょっと遊ぶつもりで近道していたから、目的の時間にはまだある。
女の子の後ろを無断で追うなど、犯罪と言われるかもしれないが、そのおかげで彼女を助けることができたのだから大目に見てほしい。
今にも彼女を呑み込みそうだった飛竜の口に、榴弾を撃ち込んで、血と肉の雨を降らせたものだから、辺り一面紫色の水溜りができていた。
その中に立つ彼女の姿は、さらに際立って神々しくもあり、自分のポリシーを捻じ曲げて、今すぐ求婚してしまいそうだった。
彼女はアリアナ・ロッソだと名乗り、機械大国エリュドランの出身だと言った。
俺も、ヨシュアと名乗る。
エリュドランの民は、職人気質で実力至上主義なところがある。
そしてわりと血気盛んだ。
そんな特徴を感じ取れる彼女に、やはり惹かれない方がおかしなことだった。
この先にあるバイス王国から東側は、閉鎖的で前時代的な国だ。
取り残されつつある。
この先大戦が起きれば、位置的に真っ先に地図上から消え去る国がバイスとなるだろう。
そこに風穴を開けたのが、第二王子でなかなか見所があるから、会いに行ってみるところだった。
でも、せっかく未知の異国に行くのだから、可愛い女の子を探すつもりで側近達を出し抜いて、一人近道をしていた。
そんな所で出会ったのが彼女で、そんな興味惹かれる彼女を故郷まで送り届けることにした。
その道中はなかなか楽しいものだった。
「あ、迎えが来てくれたようです。ヨシュアさん、ここまでありがとうございました」
二人っきりの時間はこれでおしまいのようだ。
視線を向けると、黒で統一された機械工兵がズラリと並んでいて、圧巻だった。
人が乗り込み、操作する装甲兵器は、二足歩行が可能で、その動きは絶壁にすら張り付ける機動力がある。
領土は小さくとも、大国と言わしめる軍事力を維持していて、帝国すら手が出せないほどだ。
それが惜しげもなく、彼女を迎えにくるために整列していた。
あれは、シスラ公爵家の機甲兵士団だ。
一体この子はどんな身分の子なんだろう。
ここまで大事にされている身分なのに、あんな所を怖がりもせずに一人で突き進んで。
気になって、気になって、仕方がなかった。
俺の気をここまで惹く子は、他にいない。
「あの、よければ今度はこちらが目的地までお送りしましょうか?お時間があれば、お礼をしたいですし」
「う~ん……有難い申し出だけど、俺の友人が待っているから、そこに合流するよ。多分近くにいると思う」
「そうですか?恩人を危険に晒すような事はしたくありませんが」
「大丈夫大丈夫。ホントホント。で、俺にお礼をしてくれるって言うのなら、用事が終わったら君の国に遊びに行ってもいい?」
「はい、それなら是非、私の家に招待させてください。ロッソ男爵家にお越しください」
「へぇ、君、男爵家のお嬢様なんだねー」
「これを、入国管理官にお見せください。我が家に連絡が伝わるようにしておきます」
彼女が渡してくれたのは、身分証明に使うタグだった。
「おっけー。何かお土産持ってくるから、楽しみにしててね。俺も、また会えるのを楽しみにしてるよ!じゃあね!」
シスラ機士団を変に刺激する前に彼女から離れる。
とりあえず、当初の予定を遂行してから、改めて彼女に会いに行くつもりだった。
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