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第13話 不遜、ジークレイ・エラージュの誘い
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俺に応じて、アニー・ロッソが城を訪れた。
姉が退学となり、一人留学先に残された女生徒を慰める為に招待したからだ。
それが、口実だ。
ここでシンシアの名前を出せば、あの子が理不尽に恨まれるだろうから、慎重に対応する必要があった。
「本日は、お招きいただき、ありがとうございます」
アニーの表情は固い。
慣れない王城に圧倒されているのか。
「今回の事は残念であったが、決して他国からの留学生を差別する意図はないと言う事を分かってもらいたくて、君を招待した」
「姉の退学処分に、納得がいきません」
言葉をかけると、アニーからもすぐ様反論があった。
随分と物言いがはっきりしている女性のようだ。
大変好ましい。
そして、姉妹で庇いたくなる気持ちは当然と言える。
「君の姉は、学生にはあるまじき場所に出入りしていた。そこで飲酒も確認している。だから、今回の処分は当然のものなのだ」
「まさか。姉がそんな事をするはずがありません」
あからさまに、俺に非難の視線を向けてくる。
「自分の姉君を庇いたくなる気持ちは分かるが、風紀を乱したものの処分は変えられない。残念ながら。ただ、姉妹だと言っても、別の人間だ。君に何か不利益が生じることはないから、心配しないでくれ」
安心させるつもりだったのに、彼女の表情は晴れない。
「第二王子殿下と直接お話をさせてもらうまでは、私はこの処分を受け入れる事はできません」
何故そこで、エリオットの名が?
「君は、エリオットと面識があるのか?」
「はい。私達の留学の調整は、エリオット様が担当なさっています。御兄弟であっても、ご存知なかったのでしょうか?」
学園の事は俺が全て任されているのに、他国からの留学生のことにエリオットが首を突っ込んでいたのか?
まぁ、外交の手伝いをしているから、その関係でだろう。
「エリオットは地方に行っているから、あと数日は戻らない。その間は、俺が君の面倒を見るから心配しなくていい」
ただの男爵家の娘に、第一王子である俺自らがこう言っているのだ。
なんの不満もあるわけがない。
一向に視線を合わせない彼女への苛立ちを紛らわすように、立場の優位性を自分に言い聞かせていた。
姉が退学となり、一人留学先に残された女生徒を慰める為に招待したからだ。
それが、口実だ。
ここでシンシアの名前を出せば、あの子が理不尽に恨まれるだろうから、慎重に対応する必要があった。
「本日は、お招きいただき、ありがとうございます」
アニーの表情は固い。
慣れない王城に圧倒されているのか。
「今回の事は残念であったが、決して他国からの留学生を差別する意図はないと言う事を分かってもらいたくて、君を招待した」
「姉の退学処分に、納得がいきません」
言葉をかけると、アニーからもすぐ様反論があった。
随分と物言いがはっきりしている女性のようだ。
大変好ましい。
そして、姉妹で庇いたくなる気持ちは当然と言える。
「君の姉は、学生にはあるまじき場所に出入りしていた。そこで飲酒も確認している。だから、今回の処分は当然のものなのだ」
「まさか。姉がそんな事をするはずがありません」
あからさまに、俺に非難の視線を向けてくる。
「自分の姉君を庇いたくなる気持ちは分かるが、風紀を乱したものの処分は変えられない。残念ながら。ただ、姉妹だと言っても、別の人間だ。君に何か不利益が生じることはないから、心配しないでくれ」
安心させるつもりだったのに、彼女の表情は晴れない。
「第二王子殿下と直接お話をさせてもらうまでは、私はこの処分を受け入れる事はできません」
何故そこで、エリオットの名が?
「君は、エリオットと面識があるのか?」
「はい。私達の留学の調整は、エリオット様が担当なさっています。御兄弟であっても、ご存知なかったのでしょうか?」
学園の事は俺が全て任されているのに、他国からの留学生のことにエリオットが首を突っ込んでいたのか?
まぁ、外交の手伝いをしているから、その関係でだろう。
「エリオットは地方に行っているから、あと数日は戻らない。その間は、俺が君の面倒を見るから心配しなくていい」
ただの男爵家の娘に、第一王子である俺自らがこう言っているのだ。
なんの不満もあるわけがない。
一向に視線を合わせない彼女への苛立ちを紛らわすように、立場の優位性を自分に言い聞かせていた。
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