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第十話 インフィニティ
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目の前に緑の大地が広がる。
しかし、それは草ではない。体長五メートルを超すトロールの成れの果てだ。肉片だけでなく血も緑なのでとってもエグイことになっている。
そんな緑一面の世界に時折一筋の白い線が流れる。
「おお、やっぱ強えーなー」
トロールと交差する度に新たな屍が量産されていく。あの速度って魔道具じゃないと流石に無理があるよな。
ホワイトウルフの足元を見ると大会中の時と同じブーツだった。あいつ何個も同じ魔道具を持っているのか?
「おいお前! 何をしている!」
「なにって観戦?」
「早く戦え! もう問題ないだろ!」
「でも俺って別に必要なくね?」
白き狼は俺を睨みながらもトロールの首を斬り落としていく。器用な奴だ。
「時間がないんだ! いいから早く!」
「はあ、よくわからんけど。まあいいか」
大地を蹴りあげ、近くのトロールの元へと飛び込む。
「グファオアアアア!」
目の前に醜悪なデカい顔。口を大きく開けて咆哮をあげる。
「息が臭せーんだよ! うりゃあ! うげげ!?」
トロルの顔を横蹴りしたら頭部が爆ぜた。グロすぎる。このブーツは凶器にもなるようだ。糞ばっちいから直接触れたくないな。
「必殺、旋風乱れ蹴り! オラオラオラ!」
「「「グギャアアア!?」」」
空中で独楽のように回転しながら蹴りを連打してみた。真空波でろでろーと念じてみたらいけました。カマイタチがトロルの体を切り刻んでいく。
「お前!? 何をする!」
「あはっ、コントロールが効かないみたい」
白き狼が牙を剥いて俺を睨む。よく見ると背中の毛が一部短くなっていた。
「ごめんな。モフモフさん」
「ふざけるな! 時間がないと言ってるだろ」
「だから遠距離攻撃してみたんじゃないか。ほらあと十体だぞ」
「くっ! 次からは一声かけろ!」
残党狩りはものの数分で終わった。
「ふう、やっと終わったか。いやあ疲れた……」
「ぐっ!?」
突然、白き狼が膝をついた。
「おい!? なんだよ怪我でもしたのか!」
「問題ない。いつものことだ。あぐっ――」
「いやでも、めっちゃ苦しそうじゃん」
「ぐぁあああああ!」
「お、おい大丈――。ええええ!?」
白かった毛が漆黒に変わっていく。どういうことだ?
「モフモフさんが……」
「言うに事欠いてそれか!?」
顔を上げてキッと俺を睨む――。
「あれ? 人間?」
「狼獣人だ!」
たしかに艶々とした黒髪の上にはピョコンと狼の耳がついていた。八重歯も少し尖っていたり。スラッと高い鼻と少しきつめのまなじり。あ、瞳の色が黒い。
「ていうか女だったんだ」
「失礼な奴め! どう見てもそうだろうが!」
いや普通、狼の姿見て性別なんかわからないだろ。しかも、美少女だったよ。歳は十五、六?
「でも、ホワイトウルフなのに髪は黒いのな」
「私の場合、獣化したら反転するからな」
あー、でも肌めっちゃ白いな。透き通る肌ってこういうのを言うのだろう。
「まあ、いいや。とりあえず助けてくれてありがとう」
「ふん、礼などいらん。私は割の良さそうな獲物の臭いを追ってきただけだ。一人だったらきつかったしな」
「じゃあ、分け前はそっちが多目で」
「いや半分で構わん。さっさと魔結晶を回収するぞ。死肉を嗅ぎつけて獣が集まってきては敵わん」
俺に背を向けて魔結晶を拾い始めた。お前も獣だろと思ったが、絶対に炎上しそうなので口にしなかった。
「なあ、お前……。そういえば名乗ってなかったな。俺はルイスだ」
「私はシルビア=ファングだ」
背を向けたままそう答える。
「なあ、シルビア。お前って変わった髪型してるのな」
背中まで伸びた漆黒の髪。陽光を反射して煌めいていた。しかし斬新なヘアスタイルだった。先端部が右斜め四十五度にカットされているのだ。
「貴様のせいに決まっているだろ!」
「あ……」
「ああ、私の自慢の髪が……。早く帰って整えないと」
振り返って俺を睨むシルビアは少し涙目だった。なるほど。あの部分がモフモフさんだったのか。
「さて、回収も終わったことだし、お疲れ様したー」
シルビアに一声かけて、森の方へと歩きだす。俺もさっさと街に戻りたい。戦況も気になるし、何より美少女の近くに長居したくない。前世では碌な試しがなかったからな。
「ちょっと待て」
「ん? やっぱり魔結晶を多めに渡そうか?」
「違う。お前は何者だ」
「だからルイスだって言ったじゃん」
「そうじゃない」
「あ、もしかして家名を名乗れってことか?」
「人族で『インフィニティ』の使い手がいるなんて聞いたことがない」
「は? なにそれ?」
「とぼけるな!」
「いやマジで仰る意味がわからないんですけど……」
「お前、マジックアイテムを何度使っても壊れないだろ」
「いや壊れますけど」
「なに!?」
正確にいえば全力で使用した時だけど。それも一回しか経験してないから壊れた理由を断定しきれていない。
「まさか私の勘違いなのか」
「それでそのインポリティってなんすか?」
「インフィニティだ! 個人差は大きいが、魔結晶の魔力が残ってなくともマジックアイテムの効果を引き出せる者達のことだ」
「へーそんな便利な能力があるんだ。でも何で俺のことをそうだと?」
「インフィニティの特徴は基本的に黒髪、黒目だ」
「人族ではそれは無能の証らしいよ」
「ふん、私達にはそんな中傷は意味をなさない。しかし無能ならばマジックアイテムを使えないはずだ。お前は惜しみなく何度も使用していたはずだ」
「あなた日本人あるか? 目玉焼きには醤油派? ソース派? まさかマヨネースか!?」
「は!? お前は急に何を言っている。気でも狂ったか?」
「いえ、何も……」
もしかしたら、インフィニティとは日本人の転生した姿かと思ったが、どうやらそうでもなさそうだ。ちなみに俺は気分によってソースと醤油を変える派だ。
「特殊事案だな」
「へ?」
「お前は興味深い。あれほどアイテムの効果を強力に引き出せる者はそうはいない。しかも人族ときたものだ」
「はあ……」
「特別に仲間にしてやらんこともない」
「結構です」
「遠慮するな。ただ、無条件というわけにはいかない。アジトで試験を受けてもらうぞ」
「だから結構ですって」
「貴様!? インフィニティを敵に回す気か!」
「誰もそんなこといってねーよ。単細胞」
「くっ――。誇り高き孤高の狼である私をそこまで愚弄するとは」
「なら群れるなよ」
「なっ――」
あまりの怒りに顔を紅潮させ、体を震わすシルビア。
「じゃあ、俺は一旦街に戻るわ。じゃーな」
「ま、待て――」
冗談じゃない。組織とか面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。俺は一人気ままに冒険者稼業をして世界を旅するのだ。
シルビアが止める間も無く俺は空高く跳躍する。そして来た時と同じように空を駆けて街へと戻る。
しかし良い事を聞いたな。おそらく俺はインフィニティと呼ばれる能力を持っているのだろう。これは想定外にチートかもしれないぞ。
街に戻り上空から状況を確認する。北での戦闘も大勢を決したようだ。魔物の群れは消えていた。正確にいえば僅かに残っていたが、遠方へと散り散りになって逃げていくのが見えた。
冒険者たちも、ぞろぞろと街へと戻り始めていた。父もレオンも無事であればいいが。
「あ、大丈夫そうだな」
全身が深紅だから上空からでもすぐにわかる。おそらく隣に寄り添っているのが色からしてもレオンだろう。
さて、これで心置きなく街を出ることができる。にしてもアイテムや食料などを買い込まないとな。準備は万全を期すにこしたことはない。おそらくトロールの魔結晶を売ればそれなりの金にはなるだろう。
しかし、それは草ではない。体長五メートルを超すトロールの成れの果てだ。肉片だけでなく血も緑なのでとってもエグイことになっている。
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「おお、やっぱ強えーなー」
トロールと交差する度に新たな屍が量産されていく。あの速度って魔道具じゃないと流石に無理があるよな。
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「なにって観戦?」
「早く戦え! もう問題ないだろ!」
「でも俺って別に必要なくね?」
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「時間がないんだ! いいから早く!」
「はあ、よくわからんけど。まあいいか」
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「グファオアアアア!」
目の前に醜悪なデカい顔。口を大きく開けて咆哮をあげる。
「息が臭せーんだよ! うりゃあ! うげげ!?」
トロルの顔を横蹴りしたら頭部が爆ぜた。グロすぎる。このブーツは凶器にもなるようだ。糞ばっちいから直接触れたくないな。
「必殺、旋風乱れ蹴り! オラオラオラ!」
「「「グギャアアア!?」」」
空中で独楽のように回転しながら蹴りを連打してみた。真空波でろでろーと念じてみたらいけました。カマイタチがトロルの体を切り刻んでいく。
「お前!? 何をする!」
「あはっ、コントロールが効かないみたい」
白き狼が牙を剥いて俺を睨む。よく見ると背中の毛が一部短くなっていた。
「ごめんな。モフモフさん」
「ふざけるな! 時間がないと言ってるだろ」
「だから遠距離攻撃してみたんじゃないか。ほらあと十体だぞ」
「くっ! 次からは一声かけろ!」
残党狩りはものの数分で終わった。
「ふう、やっと終わったか。いやあ疲れた……」
「ぐっ!?」
突然、白き狼が膝をついた。
「おい!? なんだよ怪我でもしたのか!」
「問題ない。いつものことだ。あぐっ――」
「いやでも、めっちゃ苦しそうじゃん」
「ぐぁあああああ!」
「お、おい大丈――。ええええ!?」
白かった毛が漆黒に変わっていく。どういうことだ?
「モフモフさんが……」
「言うに事欠いてそれか!?」
顔を上げてキッと俺を睨む――。
「あれ? 人間?」
「狼獣人だ!」
たしかに艶々とした黒髪の上にはピョコンと狼の耳がついていた。八重歯も少し尖っていたり。スラッと高い鼻と少しきつめのまなじり。あ、瞳の色が黒い。
「ていうか女だったんだ」
「失礼な奴め! どう見てもそうだろうが!」
いや普通、狼の姿見て性別なんかわからないだろ。しかも、美少女だったよ。歳は十五、六?
「でも、ホワイトウルフなのに髪は黒いのな」
「私の場合、獣化したら反転するからな」
あー、でも肌めっちゃ白いな。透き通る肌ってこういうのを言うのだろう。
「まあ、いいや。とりあえず助けてくれてありがとう」
「ふん、礼などいらん。私は割の良さそうな獲物の臭いを追ってきただけだ。一人だったらきつかったしな」
「じゃあ、分け前はそっちが多目で」
「いや半分で構わん。さっさと魔結晶を回収するぞ。死肉を嗅ぎつけて獣が集まってきては敵わん」
俺に背を向けて魔結晶を拾い始めた。お前も獣だろと思ったが、絶対に炎上しそうなので口にしなかった。
「なあ、お前……。そういえば名乗ってなかったな。俺はルイスだ」
「私はシルビア=ファングだ」
背を向けたままそう答える。
「なあ、シルビア。お前って変わった髪型してるのな」
背中まで伸びた漆黒の髪。陽光を反射して煌めいていた。しかし斬新なヘアスタイルだった。先端部が右斜め四十五度にカットされているのだ。
「貴様のせいに決まっているだろ!」
「あ……」
「ああ、私の自慢の髪が……。早く帰って整えないと」
振り返って俺を睨むシルビアは少し涙目だった。なるほど。あの部分がモフモフさんだったのか。
「さて、回収も終わったことだし、お疲れ様したー」
シルビアに一声かけて、森の方へと歩きだす。俺もさっさと街に戻りたい。戦況も気になるし、何より美少女の近くに長居したくない。前世では碌な試しがなかったからな。
「ちょっと待て」
「ん? やっぱり魔結晶を多めに渡そうか?」
「違う。お前は何者だ」
「だからルイスだって言ったじゃん」
「そうじゃない」
「あ、もしかして家名を名乗れってことか?」
「人族で『インフィニティ』の使い手がいるなんて聞いたことがない」
「は? なにそれ?」
「とぼけるな!」
「いやマジで仰る意味がわからないんですけど……」
「お前、マジックアイテムを何度使っても壊れないだろ」
「いや壊れますけど」
「なに!?」
正確にいえば全力で使用した時だけど。それも一回しか経験してないから壊れた理由を断定しきれていない。
「まさか私の勘違いなのか」
「それでそのインポリティってなんすか?」
「インフィニティだ! 個人差は大きいが、魔結晶の魔力が残ってなくともマジックアイテムの効果を引き出せる者達のことだ」
「へーそんな便利な能力があるんだ。でも何で俺のことをそうだと?」
「インフィニティの特徴は基本的に黒髪、黒目だ」
「人族ではそれは無能の証らしいよ」
「ふん、私達にはそんな中傷は意味をなさない。しかし無能ならばマジックアイテムを使えないはずだ。お前は惜しみなく何度も使用していたはずだ」
「あなた日本人あるか? 目玉焼きには醤油派? ソース派? まさかマヨネースか!?」
「は!? お前は急に何を言っている。気でも狂ったか?」
「いえ、何も……」
もしかしたら、インフィニティとは日本人の転生した姿かと思ったが、どうやらそうでもなさそうだ。ちなみに俺は気分によってソースと醤油を変える派だ。
「特殊事案だな」
「へ?」
「お前は興味深い。あれほどアイテムの効果を強力に引き出せる者はそうはいない。しかも人族ときたものだ」
「はあ……」
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「貴様!? インフィニティを敵に回す気か!」
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「くっ――。誇り高き孤高の狼である私をそこまで愚弄するとは」
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「なっ――」
あまりの怒りに顔を紅潮させ、体を震わすシルビア。
「じゃあ、俺は一旦街に戻るわ。じゃーな」
「ま、待て――」
冗談じゃない。組織とか面倒事に巻き込まれるのはごめんだ。俺は一人気ままに冒険者稼業をして世界を旅するのだ。
シルビアが止める間も無く俺は空高く跳躍する。そして来た時と同じように空を駆けて街へと戻る。
しかし良い事を聞いたな。おそらく俺はインフィニティと呼ばれる能力を持っているのだろう。これは想定外にチートかもしれないぞ。
街に戻り上空から状況を確認する。北での戦闘も大勢を決したようだ。魔物の群れは消えていた。正確にいえば僅かに残っていたが、遠方へと散り散りになって逃げていくのが見えた。
冒険者たちも、ぞろぞろと街へと戻り始めていた。父もレオンも無事であればいいが。
「あ、大丈夫そうだな」
全身が深紅だから上空からでもすぐにわかる。おそらく隣に寄り添っているのが色からしてもレオンだろう。
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