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プロローグ
神様たち?
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「カイトさ――。いえ、獅童海人さんですよね?」
なんだ。ここはどこだ? 俺は死んだんだよな。周りを見渡す。部屋の所々に白みがかった石造りの太い円柱があった。天井を見あげる。石造りのドーム状だ。細まった中央部から眩い光が降り注ぎ、俺にスポットライトを当てていた。
ここは神殿か? 形からするとまるでギリシアのパンテオン神殿のようだな。まー行ったことないから適当だけど。
「あのー。聞いていますか?」
どうやら俺は神殿の中央に立っているようだ。しかし、視線が……視線が痛いよ。なんせ十二人の人?に取り囲まれている。みなさん全身がキラキラと発光していて顔がよく見えないな。囲まれると学生時代の嫌な記憶を思い出すから止めてくれ。
「ここはどこ? あなたたちは誰?」
「ああ、良かった。我々はそうですね……。一般的には神と呼ばれる存在ですかね。ちなみに私の事はヴァルとお呼びください」
十二人、いや十二神か。その中の一人が一歩前に出て俺に話しかける。神様の代表なのかな?
「そうですか。ヴァルさんね」
「驚かないんですね」
淡白な俺の返事に神様の方が驚いていた。そりゃまあ、死んだのは理解しているし。
「そうするとここは天国?」
「いえ違います」
「地獄って思っていたのと違うな。そこのキラキラしている人達って神なんですよね。神って実は鬼だったとかいうオチですか?」
「し、失礼な!」
「アーリー! あなたは控えなさい」
「くっ……」
一際ガタイの良いキラキラさんが声を荒げて俺に近づこうとした。が、ヴァル神が手を上げて制する。
「ここは地獄でもありません。神々の集う神域とでも呼べばいいでしょうか」
「神様の集会場ってところね」
「ま、まあそうですね。それと海人さん、あなたは死んではいません」
「えっ――。そうなの? なら何で俺はこんな所に」
「もうあの世界、地球ですか。そこに居る必要が無くなったからです」
「ほえ? 仰る意味が全く分かりません」
「うーん。なんと説明したら理解してもらえるでしょうか。そうですねえ、貴方には魂があります」
「まあ、そうだろうね」
じゃないと肉体を失ったいまもここにいる理由が説明できないし。
「ただ、今の魂はとても不完全で小さいんですね」
「はあ」
魂に大小なんてあったんだ。
「あなたの魂の核が砕けて、色々な世界に飛び散ってしまっているのです」
「え――。それって普通なの!?」
「いえ残念ながらとっても異常な事です。通常はその世界で全てが完結します。死んだら同じ世界で生まれ変わるだけです。何に生まれ変わるかは前世の行いによって決まります。神々が考課し処遇を決めています」
「天国と地獄には行かないということ? というか存在しない?」
「いや存在しますし、稀にあります。ただ、善悪どちらかに突き抜けている場合です」
学生でいうと飛び級か落第みたいなもの? 若しくは会社のS判定とF判定みたいなものか。
「とりあえず、それについては置いておきましょう。いまは貴方の話ですからね」
「まあ、そうだよな。それで何で俺の魂の核が飛び散ってしまったんだ?」
「まあ、それも置いておいて話を進めましょう」
「置いておけるか!?」
なんで魂とか砕けているんだよ。そこかなり重要なんですけど。個人的に。
「う……。じ、実はその理由は我々にもよくわかっていないのです」
「それでも神なの?」
「か、神だって格上の――」
「ヴァル!?」
長身の神様がヴァル神を諫める。あれ? このヴァル神が一番偉いってわけでもないのかな。
「あ、いえ……。とりあえず話を戻しましょう。貴方は地球で魂の核の一部を取り戻すことに成功しました」
「なんすかそれ?」
あ、いま気づいたけど俺って神様に対してタメ口きいてたよ。あまりの驚きに素になってたから忘れてました。しかもよく考えると神様が敬語だったりする。なんて罰あたりな。よく怒られないな。神様なので寛容なのかな。いまさら口調を変えても変だし、これで貫こう。
「どうやら御神木に宿っていたようですね。小さな赤い宝石のようなものが貴方の体に取り込まれたかと思います」
「ああ、あれがそうなのか。っていうか御神木だったのね、あのブナの木」
「ええ、お蔭で我々も貴方を見つけることができました」
「え? 俺を探していたの?」
「そうなのです。ずっと探していたのですが……。どの世界にいるのかさえわかりませんでした。それが今回、魂の核の欠片を初めて取り込まれことで我々にも感知できたのです」
「え、そうするとそれまでの俺の魂は? もしかして核が一切無かったとか?」
「そうまさに抜け殻とでもいうべきか――」
「俺の人生に対して失礼じゃね!?」
大した人生じゃなかったけど、俺なりに精一杯生きてたのに。酷い。
「そ、それで貴方には別世界に転生して頂き、御自身の魂の核を全て回収してもらいたいのです」
「なぜそんなことをわざわざしなければ――」
「迷惑なんです」
いま、そこだけ十二神全員が口を揃えなかったか?
「な、なにが?」
「貴方の核の欠片が憑りつくと莫大な力を得ることができます。しかし、ほとんどの者がその力を制御することができません。地球は御神木だったので本当に運が良かったのです。他の世界では憑りついた対象が暴走して大変なことになっているのです」
今度は、ヴァル神の言葉に周りの神様たちがしきりに頷いていた。
「憑依した化け物みたいな扱いは止めて欲しいんだが。一応、俺の魂そのものなんだろ」
「ということで、次の世界に飛ばしますね」
「待て待て待て待て!!」
「はい? なんでしょう?」
ヴァル神が不思議そうに首を傾げる。
「俺は最終的に何回異世界に転生しないといけないんだ」
「さあ、魂の欠片の数ですかね。その世界につき恐らく一つだと思いますが」
「んでその欠片は全部で幾つなんだ?」
「さあ、砕け散った大きさによっても変わりますし」
「それを全部集めると俺はどうなるんだ?」
「さあ、あなたのことはあなたにしかわからないです」
「ちょっと無責任すぎやしねーか!? それに異世界に行ってすぐに死んだらどうするんだ!」
「それは大丈夫だと思うのですが……」
「異世界に転生するんだよな。赤子なんだよな? 獣にでも襲われたらあっという間に死ぬと思うが」
「獣ごときじゃ大丈夫かと。あ、でもドラゴンとかに喰われると不味いかもしれないですね」
「おい待てよ!? 何だよその危険な世界は!」
「仕方ないですね。では幾つかスキルを授けましょう」
「儂は加護を授けてやろう」「俺も」「では私も」
気づいたら神様に囲まれて体のあちこちを弄られていた。
「止めろよ! くすぐったいだろ! おい!? お前どさくさに紛れてどこ触っているんだよ!」
神様にもゲイはいるのかよ。俺はそいつを睨みつける。
「失礼だな。俺はバイだ」
「黙れっ! いいからやめろぉおおお!」
「それでは検討を祈ります」
「え!?」
ヴァル神は眩しいほどの笑顔だった。というかそもそも全身がキラキラしていたんだった。
ああ、意識が薄らいでいく。くっ、それをいいことに奴が俺の股間を――。
こうして俺は次の世界に転移した。
海人が旅立った天界には再び静謐が戻っていた。
「なあ、全員の加護は流石に不味くなかったじゃろうか」
長身の神様がぼそっと呟いた。他の神たちが「あっ」と小さく呟き、目を彷徨わせる。
「ま、まあ、彼だからいいんじゃないですか」
ヴァル神が大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせていた。しかし、その額にはびっしりと汗を掻いていた。
「そ、そうじゃな……」
神たちは必死に頷いていた。我々は悪くないと――。
なんだ。ここはどこだ? 俺は死んだんだよな。周りを見渡す。部屋の所々に白みがかった石造りの太い円柱があった。天井を見あげる。石造りのドーム状だ。細まった中央部から眩い光が降り注ぎ、俺にスポットライトを当てていた。
ここは神殿か? 形からするとまるでギリシアのパンテオン神殿のようだな。まー行ったことないから適当だけど。
「あのー。聞いていますか?」
どうやら俺は神殿の中央に立っているようだ。しかし、視線が……視線が痛いよ。なんせ十二人の人?に取り囲まれている。みなさん全身がキラキラと発光していて顔がよく見えないな。囲まれると学生時代の嫌な記憶を思い出すから止めてくれ。
「ここはどこ? あなたたちは誰?」
「ああ、良かった。我々はそうですね……。一般的には神と呼ばれる存在ですかね。ちなみに私の事はヴァルとお呼びください」
十二人、いや十二神か。その中の一人が一歩前に出て俺に話しかける。神様の代表なのかな?
「そうですか。ヴァルさんね」
「驚かないんですね」
淡白な俺の返事に神様の方が驚いていた。そりゃまあ、死んだのは理解しているし。
「そうするとここは天国?」
「いえ違います」
「地獄って思っていたのと違うな。そこのキラキラしている人達って神なんですよね。神って実は鬼だったとかいうオチですか?」
「し、失礼な!」
「アーリー! あなたは控えなさい」
「くっ……」
一際ガタイの良いキラキラさんが声を荒げて俺に近づこうとした。が、ヴァル神が手を上げて制する。
「ここは地獄でもありません。神々の集う神域とでも呼べばいいでしょうか」
「神様の集会場ってところね」
「ま、まあそうですね。それと海人さん、あなたは死んではいません」
「えっ――。そうなの? なら何で俺はこんな所に」
「もうあの世界、地球ですか。そこに居る必要が無くなったからです」
「ほえ? 仰る意味が全く分かりません」
「うーん。なんと説明したら理解してもらえるでしょうか。そうですねえ、貴方には魂があります」
「まあ、そうだろうね」
じゃないと肉体を失ったいまもここにいる理由が説明できないし。
「ただ、今の魂はとても不完全で小さいんですね」
「はあ」
魂に大小なんてあったんだ。
「あなたの魂の核が砕けて、色々な世界に飛び散ってしまっているのです」
「え――。それって普通なの!?」
「いえ残念ながらとっても異常な事です。通常はその世界で全てが完結します。死んだら同じ世界で生まれ変わるだけです。何に生まれ変わるかは前世の行いによって決まります。神々が考課し処遇を決めています」
「天国と地獄には行かないということ? というか存在しない?」
「いや存在しますし、稀にあります。ただ、善悪どちらかに突き抜けている場合です」
学生でいうと飛び級か落第みたいなもの? 若しくは会社のS判定とF判定みたいなものか。
「とりあえず、それについては置いておきましょう。いまは貴方の話ですからね」
「まあ、そうだよな。それで何で俺の魂の核が飛び散ってしまったんだ?」
「まあ、それも置いておいて話を進めましょう」
「置いておけるか!?」
なんで魂とか砕けているんだよ。そこかなり重要なんですけど。個人的に。
「う……。じ、実はその理由は我々にもよくわかっていないのです」
「それでも神なの?」
「か、神だって格上の――」
「ヴァル!?」
長身の神様がヴァル神を諫める。あれ? このヴァル神が一番偉いってわけでもないのかな。
「あ、いえ……。とりあえず話を戻しましょう。貴方は地球で魂の核の一部を取り戻すことに成功しました」
「なんすかそれ?」
あ、いま気づいたけど俺って神様に対してタメ口きいてたよ。あまりの驚きに素になってたから忘れてました。しかもよく考えると神様が敬語だったりする。なんて罰あたりな。よく怒られないな。神様なので寛容なのかな。いまさら口調を変えても変だし、これで貫こう。
「どうやら御神木に宿っていたようですね。小さな赤い宝石のようなものが貴方の体に取り込まれたかと思います」
「ああ、あれがそうなのか。っていうか御神木だったのね、あのブナの木」
「ええ、お蔭で我々も貴方を見つけることができました」
「え? 俺を探していたの?」
「そうなのです。ずっと探していたのですが……。どの世界にいるのかさえわかりませんでした。それが今回、魂の核の欠片を初めて取り込まれことで我々にも感知できたのです」
「え、そうするとそれまでの俺の魂は? もしかして核が一切無かったとか?」
「そうまさに抜け殻とでもいうべきか――」
「俺の人生に対して失礼じゃね!?」
大した人生じゃなかったけど、俺なりに精一杯生きてたのに。酷い。
「そ、それで貴方には別世界に転生して頂き、御自身の魂の核を全て回収してもらいたいのです」
「なぜそんなことをわざわざしなければ――」
「迷惑なんです」
いま、そこだけ十二神全員が口を揃えなかったか?
「な、なにが?」
「貴方の核の欠片が憑りつくと莫大な力を得ることができます。しかし、ほとんどの者がその力を制御することができません。地球は御神木だったので本当に運が良かったのです。他の世界では憑りついた対象が暴走して大変なことになっているのです」
今度は、ヴァル神の言葉に周りの神様たちがしきりに頷いていた。
「憑依した化け物みたいな扱いは止めて欲しいんだが。一応、俺の魂そのものなんだろ」
「ということで、次の世界に飛ばしますね」
「待て待て待て待て!!」
「はい? なんでしょう?」
ヴァル神が不思議そうに首を傾げる。
「俺は最終的に何回異世界に転生しないといけないんだ」
「さあ、魂の欠片の数ですかね。その世界につき恐らく一つだと思いますが」
「んでその欠片は全部で幾つなんだ?」
「さあ、砕け散った大きさによっても変わりますし」
「それを全部集めると俺はどうなるんだ?」
「さあ、あなたのことはあなたにしかわからないです」
「ちょっと無責任すぎやしねーか!? それに異世界に行ってすぐに死んだらどうするんだ!」
「それは大丈夫だと思うのですが……」
「異世界に転生するんだよな。赤子なんだよな? 獣にでも襲われたらあっという間に死ぬと思うが」
「獣ごときじゃ大丈夫かと。あ、でもドラゴンとかに喰われると不味いかもしれないですね」
「おい待てよ!? 何だよその危険な世界は!」
「仕方ないですね。では幾つかスキルを授けましょう」
「儂は加護を授けてやろう」「俺も」「では私も」
気づいたら神様に囲まれて体のあちこちを弄られていた。
「止めろよ! くすぐったいだろ! おい!? お前どさくさに紛れてどこ触っているんだよ!」
神様にもゲイはいるのかよ。俺はそいつを睨みつける。
「失礼だな。俺はバイだ」
「黙れっ! いいからやめろぉおおお!」
「それでは検討を祈ります」
「え!?」
ヴァル神は眩しいほどの笑顔だった。というかそもそも全身がキラキラしていたんだった。
ああ、意識が薄らいでいく。くっ、それをいいことに奴が俺の股間を――。
こうして俺は次の世界に転移した。
海人が旅立った天界には再び静謐が戻っていた。
「なあ、全員の加護は流石に不味くなかったじゃろうか」
長身の神様がぼそっと呟いた。他の神たちが「あっ」と小さく呟き、目を彷徨わせる。
「ま、まあ、彼だからいいんじゃないですか」
ヴァル神が大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせていた。しかし、その額にはびっしりと汗を掻いていた。
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