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第一世界 ロージェン(さあ、魔王討伐だ!)
第七話 まずはお金を稼がないと?
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「おいこれなんてどうだ?」
「オラ、それだけは嫌ダ!」
オーグが涙目で種族特性ともいえる鼻を押さえる。
□依頼内容:オークの討伐
□依頼ランク:九級
□達成条件:五匹(討伐部位は鼻)
□報酬:5,000ジェン
□期限:特になし
「お前、いつもオラはオークじゃない!って言っている癖に。何気に同類視してないか?」
「だ、だけども……」
「カイト、オーグを虐めるのはよしなさいよ」
「ちぇっ、結構割りが良さそうだったんだけどな」
俺は手にとった札を元の掲示板へと戻す。
「ねえ、とりあえずギルドランクを上げるの?」
「ああそうか。なら個別で依頼を受けないと駄目だよな」
「オラ、いきなり一人は自信がねえ!」
「オーグ、お前は十分強いと思うぞ」
レベル10だし、HP450ってかなりのものだ。さっきも酒場の奴らを見たがレベル10を超えている奴らは多くなかった。まあ、一階だったからかもしれないが。
「そうよ、今までも森で色んな魔物と戦っていたじゃない」
「でも……。都会はすんげーこええダ」
まあ、始めくらいは皆で受けてもいいか。
「なら、これにしようぜ」
□依頼内容:ウォーウルフの討伐
□依頼ランク:九級
□達成条件:三匹(討伐部位は牙)
□報酬:2,100ジェン
□期限:特になし
「ウォーウルフなら森で何匹も倒したから大丈夫ダ!」
「無難な感じでいいんじゃない」
「じゃ、決まりだな」
その依頼をパーティで受けてギルドを後にする。
「次は、武器と装備を揃えようか」
「ねえ、カイト」
「なんだ?」
「あなた武器を買うお金もっているの?」
「オ、オラ、お金なんて全然もってないど!」
「そうよね。私達は孤児院を出たばかりだし、この街に入るのにお金を使い果たしちゃったわよね」
「まさか、今日は晩飯抜ぎか……」
「それよりこのままじゃ野宿になるわよ」
「今すぐ依頼にいごう!」
ルシアとオーグが隣で騒いでいた。何を言っているんだこいつら。あ――。
「すっかり忘れてた」
俺は踵を返し、急いでギルドへ戻る。
「ちょっとカイト! いきなりどうしたのよ」
ギルドに入ると先ほどとは別のカウンターに行く。
「ここが買い取りカウンターでいいのか?」
「ええ、でも手ぶらのようですが」
猫耳の受付嬢が首を傾げる。あ、豚娘と違ってこっちは可愛いかも。
「それは問題ない。それよりここにゴブリンとか出してもいいのか?」
「えっ。いえ、討伐部位の耳だけにして下さいよ!」
「まあまあいいから。それ位のサイズを出したいんだが」
「もう! じゃあ裏手に回ってください。そこに倉庫がありますから」
そう言うと担当者はカウンターの裏へと下がっていった。俺らはぐるっと建物を回って裏手を目指す。ギルドの大きさを再度痛感させられたよ。
「では、ここにどうぞ」
猫耳ちゃんが倉庫の床を指さす。どうやらここはモンスターや獣などを解体する場所のようだ。
「あいよ。どっこらしょっと」
床の上にドスンとそれを降ろした。
「ひ、ひぇぇええ!?」
「あれ?」
猫娘は倉庫の柱に爪を立ててよじ登っていた。尻尾と髪の毛? が逆立っていた。
「何を騒いでおる! お、おい!? こ、これはゴブリンジェネラルじゃねーか!?」
猫ちゃんの悲鳴と男の叫び声の所為で、わらわらと人が集まって来た。
「おい、これ死んだ直後のようだぞ」
「なんだと!? おいお前っ!」
「な、な、なんでしょうか」
筋肉モリモリのおやっさんに胸倉を掴まれた。物凄い形相だ。目が血走っていて怖い。
「これを何処で手に入れた! それより他にもジェネラルはいたのか!」
「え、ええ、まあ、あと三体ほど」
「なんだと!? 今すぐに城に伝令を走らせろ! ゴブリンの巣が出来上がっているに違いない。討伐隊を募ってゴブリンキングを倒さないと街が襲われるぞ!」
「は、はいっ!」
あー。なんかこういう展開は読み覚えがあるな。まさか自分がそうなるとは。ゴブリンだからそこまで大騒ぎするものではないと思っていたよ。だってジェネラルいうてもゴブリンだよ。
「あ、あのー」
「なんだ、まだあるのか!?」
「いえ、討伐隊の必要はありません」
「なにを言っているんだ! ゴブリンキングは冒険者では手に負えん!」
「い、いえ、ここに」
騒ぎになるだろうが仕方がない。このままではさらに大事になりそうだ。ゴブリンキングを床へと放り出す。
「な、なんだとぉおおお!?」
ゴブリンジェネラルもまだ残ってたな。ポイポイポイっと全て吐き出した。
「カイト、あなたもうヤケになっているでしょ」
ルシアが呆れていた。あれ? 思った以上に周りの反応が薄かった。周りを見渡すと、皆が口をあんぐりと開けて固まっていた。あー馬鹿みたいに口をあけるっていうのはまさにこういうシーンを指しているのか。
「それでこれ売れる?」
「……」
「おーい。聞こえているか?」
特に俺の胸倉を掴んだまま固まっているオッサン。口が臭いんだけど。歯をちゃんと磨いているか? オッサンの目の前で手の平を何度も振る。
「こ、これは……。お前が殺ったのか?」
「いやぁ~。偶然森の中に落ちてまして――」
「んなわけあるか!?」
ですよねー。はあ、面倒くさい。
「で、売れるのか? 売れないならもう仕舞うぞ」
「そういえばお前これをどこから!?」
「買わないなら仕舞いますよ」
「わ、わかった。ちょっと待ってくれ。査定をしないと。おい、お前ら! なに呆けていやがる! さっさと仕事をしろ!」
いや、あんたも今までずっと呆けていたじゃん。っていうか買い取り担当者の猫ちゃんは柱に掴まったままで仕事しないのかよ。
はい。買い取り査定額が出ました。
まずは、ゴブリンの耳
500 ジェン×100個 = 50,000 ジェン
うーん。改めて貨幣価値を考えてみよう。
鉄貨 :10 ジェン
銅貨 :100 ジェン
銀貨 :1,000 ジェン
金貨 :10,000 ジェン
白金貨:100,000 ジェン
ちなみに冒険初心者向けの宿は一泊二食付で300ジェン、つまり銅貨3枚。とすると……1ジェンは日本円にするとおおよそ10円か。まあ、十倍しておけば大体の金銭感覚は掴めるだろう。
そうすると駆け出しの冒険者は一日にゴブリン一体を仕留める程度でいいのか? あーでも武器や防具を揃えないといけないし、二体位は仕留めないといけないのかな。
さ、次いってみよう。
ゴブリンジェネラル
200,000 ジェン×4体 = 800,000ジェン
うっそ、日本円にして一体で二百万円。コンパクトカーが買えてしまう。
最後にゴブリンキング
3,000,000 ジェン
暫し無言になりました。確かにこれは大騒ぎするな。俺はしてはいけないことをしてしまったぽい。というかそんな魔物があんな片田舎に出現しないで欲しい。うーむ、まさかの日本円換算で三千万円……。そんな大金手にしたことないよ。ど、ど、どうしよう。
「おう、これでいいか?」
「いいも悪いもわからないのでそれでいいや」
「カイト、オラたちは今日、野宿しないですみそうか?」
「お前って本当に馬鹿なんだな……」
「オラは豚だ!」
ああさいですか。オーグはお気楽でいいよな。俺はあまりの大金に心臓がバクバクいってるよ。
「現金にしますか? それともカードに入金しますか?」
「はい?」
いつのまにか猫耳の娘が立ち直っていた。まだ涙目なのが気になるが。
「現金ですと白金貨三十八枚と金貨五枚になりますが」
「カードってギルドカードに? それはどこでも使えるのか?」
「ええ、武器屋や防具屋、宿や酒場など大体使えますよ。一部の屋台では使えませんが」
「じゃあ、とりあえず金貨一枚と銀貨と銅貨をそれぞれ十枚で。それ以外は全てカードに入れてくれ」
「かしこまりました」
こうして俺は金持ちになった。
「オラ、それだけは嫌ダ!」
オーグが涙目で種族特性ともいえる鼻を押さえる。
□依頼内容:オークの討伐
□依頼ランク:九級
□達成条件:五匹(討伐部位は鼻)
□報酬:5,000ジェン
□期限:特になし
「お前、いつもオラはオークじゃない!って言っている癖に。何気に同類視してないか?」
「だ、だけども……」
「カイト、オーグを虐めるのはよしなさいよ」
「ちぇっ、結構割りが良さそうだったんだけどな」
俺は手にとった札を元の掲示板へと戻す。
「ねえ、とりあえずギルドランクを上げるの?」
「ああそうか。なら個別で依頼を受けないと駄目だよな」
「オラ、いきなり一人は自信がねえ!」
「オーグ、お前は十分強いと思うぞ」
レベル10だし、HP450ってかなりのものだ。さっきも酒場の奴らを見たがレベル10を超えている奴らは多くなかった。まあ、一階だったからかもしれないが。
「そうよ、今までも森で色んな魔物と戦っていたじゃない」
「でも……。都会はすんげーこええダ」
まあ、始めくらいは皆で受けてもいいか。
「なら、これにしようぜ」
□依頼内容:ウォーウルフの討伐
□依頼ランク:九級
□達成条件:三匹(討伐部位は牙)
□報酬:2,100ジェン
□期限:特になし
「ウォーウルフなら森で何匹も倒したから大丈夫ダ!」
「無難な感じでいいんじゃない」
「じゃ、決まりだな」
その依頼をパーティで受けてギルドを後にする。
「次は、武器と装備を揃えようか」
「ねえ、カイト」
「なんだ?」
「あなた武器を買うお金もっているの?」
「オ、オラ、お金なんて全然もってないど!」
「そうよね。私達は孤児院を出たばかりだし、この街に入るのにお金を使い果たしちゃったわよね」
「まさか、今日は晩飯抜ぎか……」
「それよりこのままじゃ野宿になるわよ」
「今すぐ依頼にいごう!」
ルシアとオーグが隣で騒いでいた。何を言っているんだこいつら。あ――。
「すっかり忘れてた」
俺は踵を返し、急いでギルドへ戻る。
「ちょっとカイト! いきなりどうしたのよ」
ギルドに入ると先ほどとは別のカウンターに行く。
「ここが買い取りカウンターでいいのか?」
「ええ、でも手ぶらのようですが」
猫耳の受付嬢が首を傾げる。あ、豚娘と違ってこっちは可愛いかも。
「それは問題ない。それよりここにゴブリンとか出してもいいのか?」
「えっ。いえ、討伐部位の耳だけにして下さいよ!」
「まあまあいいから。それ位のサイズを出したいんだが」
「もう! じゃあ裏手に回ってください。そこに倉庫がありますから」
そう言うと担当者はカウンターの裏へと下がっていった。俺らはぐるっと建物を回って裏手を目指す。ギルドの大きさを再度痛感させられたよ。
「では、ここにどうぞ」
猫耳ちゃんが倉庫の床を指さす。どうやらここはモンスターや獣などを解体する場所のようだ。
「あいよ。どっこらしょっと」
床の上にドスンとそれを降ろした。
「ひ、ひぇぇええ!?」
「あれ?」
猫娘は倉庫の柱に爪を立ててよじ登っていた。尻尾と髪の毛? が逆立っていた。
「何を騒いでおる! お、おい!? こ、これはゴブリンジェネラルじゃねーか!?」
猫ちゃんの悲鳴と男の叫び声の所為で、わらわらと人が集まって来た。
「おい、これ死んだ直後のようだぞ」
「なんだと!? おいお前っ!」
「な、な、なんでしょうか」
筋肉モリモリのおやっさんに胸倉を掴まれた。物凄い形相だ。目が血走っていて怖い。
「これを何処で手に入れた! それより他にもジェネラルはいたのか!」
「え、ええ、まあ、あと三体ほど」
「なんだと!? 今すぐに城に伝令を走らせろ! ゴブリンの巣が出来上がっているに違いない。討伐隊を募ってゴブリンキングを倒さないと街が襲われるぞ!」
「は、はいっ!」
あー。なんかこういう展開は読み覚えがあるな。まさか自分がそうなるとは。ゴブリンだからそこまで大騒ぎするものではないと思っていたよ。だってジェネラルいうてもゴブリンだよ。
「あ、あのー」
「なんだ、まだあるのか!?」
「いえ、討伐隊の必要はありません」
「なにを言っているんだ! ゴブリンキングは冒険者では手に負えん!」
「い、いえ、ここに」
騒ぎになるだろうが仕方がない。このままではさらに大事になりそうだ。ゴブリンキングを床へと放り出す。
「な、なんだとぉおおお!?」
ゴブリンジェネラルもまだ残ってたな。ポイポイポイっと全て吐き出した。
「カイト、あなたもうヤケになっているでしょ」
ルシアが呆れていた。あれ? 思った以上に周りの反応が薄かった。周りを見渡すと、皆が口をあんぐりと開けて固まっていた。あー馬鹿みたいに口をあけるっていうのはまさにこういうシーンを指しているのか。
「それでこれ売れる?」
「……」
「おーい。聞こえているか?」
特に俺の胸倉を掴んだまま固まっているオッサン。口が臭いんだけど。歯をちゃんと磨いているか? オッサンの目の前で手の平を何度も振る。
「こ、これは……。お前が殺ったのか?」
「いやぁ~。偶然森の中に落ちてまして――」
「んなわけあるか!?」
ですよねー。はあ、面倒くさい。
「で、売れるのか? 売れないならもう仕舞うぞ」
「そういえばお前これをどこから!?」
「買わないなら仕舞いますよ」
「わ、わかった。ちょっと待ってくれ。査定をしないと。おい、お前ら! なに呆けていやがる! さっさと仕事をしろ!」
いや、あんたも今までずっと呆けていたじゃん。っていうか買い取り担当者の猫ちゃんは柱に掴まったままで仕事しないのかよ。
はい。買い取り査定額が出ました。
まずは、ゴブリンの耳
500 ジェン×100個 = 50,000 ジェン
うーん。改めて貨幣価値を考えてみよう。
鉄貨 :10 ジェン
銅貨 :100 ジェン
銀貨 :1,000 ジェン
金貨 :10,000 ジェン
白金貨:100,000 ジェン
ちなみに冒険初心者向けの宿は一泊二食付で300ジェン、つまり銅貨3枚。とすると……1ジェンは日本円にするとおおよそ10円か。まあ、十倍しておけば大体の金銭感覚は掴めるだろう。
そうすると駆け出しの冒険者は一日にゴブリン一体を仕留める程度でいいのか? あーでも武器や防具を揃えないといけないし、二体位は仕留めないといけないのかな。
さ、次いってみよう。
ゴブリンジェネラル
200,000 ジェン×4体 = 800,000ジェン
うっそ、日本円にして一体で二百万円。コンパクトカーが買えてしまう。
最後にゴブリンキング
3,000,000 ジェン
暫し無言になりました。確かにこれは大騒ぎするな。俺はしてはいけないことをしてしまったぽい。というかそんな魔物があんな片田舎に出現しないで欲しい。うーむ、まさかの日本円換算で三千万円……。そんな大金手にしたことないよ。ど、ど、どうしよう。
「おう、これでいいか?」
「いいも悪いもわからないのでそれでいいや」
「カイト、オラたちは今日、野宿しないですみそうか?」
「お前って本当に馬鹿なんだな……」
「オラは豚だ!」
ああさいですか。オーグはお気楽でいいよな。俺はあまりの大金に心臓がバクバクいってるよ。
「現金にしますか? それともカードに入金しますか?」
「はい?」
いつのまにか猫耳の娘が立ち直っていた。まだ涙目なのが気になるが。
「現金ですと白金貨三十八枚と金貨五枚になりますが」
「カードってギルドカードに? それはどこでも使えるのか?」
「ええ、武器屋や防具屋、宿や酒場など大体使えますよ。一部の屋台では使えませんが」
「じゃあ、とりあえず金貨一枚と銀貨と銅貨をそれぞれ十枚で。それ以外は全てカードに入れてくれ」
「かしこまりました」
こうして俺は金持ちになった。
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