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22話 それから
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「あ……うぐ」
体を動かそうとした時、全身に鈍い痛みが走った。
「ここは……家、なのか?」
俺はゆっくりと目を開けた。そこは先程まで居た質素な空間ではなく、俺が訪れた家……瑠魅の家だった。
もしかしたら、さっきの痛みはこの世界に戻ってきた反動、もしくは……寿命を奪われた副反応か。
「んん……」
「っ……瑠魅!」
机を挟んだ逆側から声がした。俺は急いで立ち上がり瑠魅の方へと向かう。
意識が覚醒して若干思考にモヤが掛かっている状態で急に歩いたものだから、机の足に小指をぶつけた。
小指……テメェ絶対にわざとぶつかってんだろ。じゃなきゃこんなに頻繁に当たらねぇって。
俺はそんな愚痴を心の中で零しながら瑠魅にそっと触れる。
「大丈夫か?」
「……蓮、翔?」
「立てそうか?」
「今は無理そう……」
瑠魅はきっとまだ整理しきれていない。俺だってそうだ。さっきのは本当は夢で………神太さんだって……。
「クソッ!」
「………どうしたの、蓮翔?」
「ごめん、瑠魅……ホントにごめん」
俺があの神から提案された時に即決していれば、神太さんが死ぬことは無かった。こんなに瑠魅を悲しませることもなかった。
俺と話したいっていう純粋な思いを踏みにじったあの神には怒りを感じている。
でも、そう感じる度に自分自身の無力さを痛感する。
「蓮翔……気にしないで」
「強がらなくて良い。瑠魅がどれだけ辛いかなんて俺はさっぱり分からない。けど、俺だって辛い。だから
瑠魅はもっと辛いと思う……だから……もう我慢なんてしなくても良いんだ。今だけは……な?」
俺は瑠魅の体ゆっくりと起こして抱きしめた。瑠魅の体温を感じた。瑠魅から女子特有の匂いのほのか感じた。
でも、俺はそんなことを気にする余裕すらなかった。ただ、俺の事をこんなに思ってくれて、こんなに頑張ってくれた彼女を悲しませたままにしたくなかった。
「もう……強がらなくて良いんだよ」
俺はできる限り優しく撫でる声を掛け、瑠魅の髪をそっと撫でる。サラサラとしていて撫でていて心地の良い髪質だった。
「うぅ……お父さん……ごめんなさい……私……」
瑠魅は我慢していた感情が崩壊したように、涙を流しながら言葉を紡いでいった。
「よしよし……」
「うぅ……ごめんなさい、本当に……」
次第に声は小さくなっていく。
更にもう少し経つと完全に声は聞こえなくなった。
俺は瑠魅の顔を覗き込む。すると、どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ。
耳を澄ますと可愛い寝息が聞こえる。
いや、俺は変態か?いや、思春期男子だし仕方がないよな。
「俺だけでも明るく……居ないとだよな。瑠魅を今支えられるのは俺だけだ。俺がしっかりとしないと」
辛いからって泣き叫べば良いってもんじゃない。辛いからこそ前を向かなければ。
神太さんの事を思うなら、ずっと後ろを向いているよりも、無理にでも前を向いて、瑠魅を幸せにしないと。
「………って心でも頭でも分かってんだけどな」
俺の瞳からまた涙が零れる。その一粒の涙が頬を伝って落ちていく。もう、俺の涙腺は涙を止めることはせず、何粒も何粒も俺の目から零れていく。
瑠魅が泣いてる姿を見て、俺もまた泣きそうになった。あの場は何とか耐えることが出来たが、こうして一人で考え事をしてしまうと、どうも思い出してしまうらしい。
「はぁ……俺ってダメだな……なぁ、止まってくれよ、頼むから」
俺は止まることの知らない涙を何度も何度も拭う。
涙を流しながら俺は何度も後悔した。自分の無力さな何度も苛立ちを覚えた。
「瑠魅……楽しい一年間にさせるからな」
そっと瑠魅の頬を撫でる。瑠魅の肌はスベスベでモチモチとしていた。同じ人間とは思えないほどだ。
「………お父さん」
閉じた瞳に一粒の涙を浮かべ、そう呟く。
「………この状態は不味いな」
この状況でかなり不謹慎だが……興奮しちゃいそう。
さすがにこんな状態の女の子を襲うほど落ちぶれていた無いが……それでも俺の煩悩と思春期の妄想が加速しそうだ。
全く……こんな状況で興奮できる俺の思春期君は鋼メンタルすぎはしないか?
「よいっしょっと……」
俺は瑠魅を抱きかかえるようにして、持ち上げる。
「軽っ……。貧弱な俺でも、瑠魅に触ったら折れちゃうんじゃないか?」
俺はどこにあるか分からないベッドに向けて歩き出した。
一応言うが、そういう目的じゃないからな?勘違いするなよ?
~~~~~~~~~~~~
<作者コメント>
ここまで読んでいただきありがとうございます!
拙い文章や表現で分かりにくい部分は多々あると思います。作者自身も何度も読み直して添削はしていたますが、語彙力がたったの五のゴミなので、こんな文章に……面目ありません。
それに、内容がかなり薄いです。読んでいて、端折り過ぎな部分も多々ありました……。重ね重ねになりますが、申し訳ございません。
とりあえずここで一区切りです。あとは普通の恋愛系のお話になります。
一話一話の間隔もかなり空いてしまい、申し訳なく思っています。ですが、これからはちゃんとした恋愛系の話を書けるので、もしかしたら投稿間隔が短くなるかもしれません。
誤字脱字、質問や感想等あれば気軽にコメントお願いします。
長くなりましたが、これからもこの作品を読んでいただければ光栄です。
体を動かそうとした時、全身に鈍い痛みが走った。
「ここは……家、なのか?」
俺はゆっくりと目を開けた。そこは先程まで居た質素な空間ではなく、俺が訪れた家……瑠魅の家だった。
もしかしたら、さっきの痛みはこの世界に戻ってきた反動、もしくは……寿命を奪われた副反応か。
「んん……」
「っ……瑠魅!」
机を挟んだ逆側から声がした。俺は急いで立ち上がり瑠魅の方へと向かう。
意識が覚醒して若干思考にモヤが掛かっている状態で急に歩いたものだから、机の足に小指をぶつけた。
小指……テメェ絶対にわざとぶつかってんだろ。じゃなきゃこんなに頻繁に当たらねぇって。
俺はそんな愚痴を心の中で零しながら瑠魅にそっと触れる。
「大丈夫か?」
「……蓮、翔?」
「立てそうか?」
「今は無理そう……」
瑠魅はきっとまだ整理しきれていない。俺だってそうだ。さっきのは本当は夢で………神太さんだって……。
「クソッ!」
「………どうしたの、蓮翔?」
「ごめん、瑠魅……ホントにごめん」
俺があの神から提案された時に即決していれば、神太さんが死ぬことは無かった。こんなに瑠魅を悲しませることもなかった。
俺と話したいっていう純粋な思いを踏みにじったあの神には怒りを感じている。
でも、そう感じる度に自分自身の無力さを痛感する。
「蓮翔……気にしないで」
「強がらなくて良い。瑠魅がどれだけ辛いかなんて俺はさっぱり分からない。けど、俺だって辛い。だから
瑠魅はもっと辛いと思う……だから……もう我慢なんてしなくても良いんだ。今だけは……な?」
俺は瑠魅の体ゆっくりと起こして抱きしめた。瑠魅の体温を感じた。瑠魅から女子特有の匂いのほのか感じた。
でも、俺はそんなことを気にする余裕すらなかった。ただ、俺の事をこんなに思ってくれて、こんなに頑張ってくれた彼女を悲しませたままにしたくなかった。
「もう……強がらなくて良いんだよ」
俺はできる限り優しく撫でる声を掛け、瑠魅の髪をそっと撫でる。サラサラとしていて撫でていて心地の良い髪質だった。
「うぅ……お父さん……ごめんなさい……私……」
瑠魅は我慢していた感情が崩壊したように、涙を流しながら言葉を紡いでいった。
「よしよし……」
「うぅ……ごめんなさい、本当に……」
次第に声は小さくなっていく。
更にもう少し経つと完全に声は聞こえなくなった。
俺は瑠魅の顔を覗き込む。すると、どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ。
耳を澄ますと可愛い寝息が聞こえる。
いや、俺は変態か?いや、思春期男子だし仕方がないよな。
「俺だけでも明るく……居ないとだよな。瑠魅を今支えられるのは俺だけだ。俺がしっかりとしないと」
辛いからって泣き叫べば良いってもんじゃない。辛いからこそ前を向かなければ。
神太さんの事を思うなら、ずっと後ろを向いているよりも、無理にでも前を向いて、瑠魅を幸せにしないと。
「………って心でも頭でも分かってんだけどな」
俺の瞳からまた涙が零れる。その一粒の涙が頬を伝って落ちていく。もう、俺の涙腺は涙を止めることはせず、何粒も何粒も俺の目から零れていく。
瑠魅が泣いてる姿を見て、俺もまた泣きそうになった。あの場は何とか耐えることが出来たが、こうして一人で考え事をしてしまうと、どうも思い出してしまうらしい。
「はぁ……俺ってダメだな……なぁ、止まってくれよ、頼むから」
俺は止まることの知らない涙を何度も何度も拭う。
涙を流しながら俺は何度も後悔した。自分の無力さな何度も苛立ちを覚えた。
「瑠魅……楽しい一年間にさせるからな」
そっと瑠魅の頬を撫でる。瑠魅の肌はスベスベでモチモチとしていた。同じ人間とは思えないほどだ。
「………お父さん」
閉じた瞳に一粒の涙を浮かべ、そう呟く。
「………この状態は不味いな」
この状況でかなり不謹慎だが……興奮しちゃいそう。
さすがにこんな状態の女の子を襲うほど落ちぶれていた無いが……それでも俺の煩悩と思春期の妄想が加速しそうだ。
全く……こんな状況で興奮できる俺の思春期君は鋼メンタルすぎはしないか?
「よいっしょっと……」
俺は瑠魅を抱きかかえるようにして、持ち上げる。
「軽っ……。貧弱な俺でも、瑠魅に触ったら折れちゃうんじゃないか?」
俺はどこにあるか分からないベッドに向けて歩き出した。
一応言うが、そういう目的じゃないからな?勘違いするなよ?
~~~~~~~~~~~~
<作者コメント>
ここまで読んでいただきありがとうございます!
拙い文章や表現で分かりにくい部分は多々あると思います。作者自身も何度も読み直して添削はしていたますが、語彙力がたったの五のゴミなので、こんな文章に……面目ありません。
それに、内容がかなり薄いです。読んでいて、端折り過ぎな部分も多々ありました……。重ね重ねになりますが、申し訳ございません。
とりあえずここで一区切りです。あとは普通の恋愛系のお話になります。
一話一話の間隔もかなり空いてしまい、申し訳なく思っています。ですが、これからはちゃんとした恋愛系の話を書けるので、もしかしたら投稿間隔が短くなるかもしれません。
誤字脱字、質問や感想等あれば気軽にコメントお願いします。
長くなりましたが、これからもこの作品を読んでいただければ光栄です。
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