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40話 勉強 1
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「数学と理科、どっちからやる?」
「俺は数学かな。化学とかは得意な分野が入ってるから心配してない」
「わたしも数学をお願いしたいな」
「ん。じゃあ、やろっか」
その言葉で全員が数学のワークに手を付ける。提出するから、というのもあるが、基本的に数学のテストの問題はワークから出るからだ。
つまるところワークさえやってれば赤点回避は案外余裕だってことだ。
ワークは基礎とかが中心だから、解けない問題も割りかし少ない。だが、数学の不安要素はなんと言っても公式が多いってことだ。似たり寄ったりな公式が多すぎて訳が分からん。
「なぁ、瑠魅。ここってなんでこの公式じゃ答えが出ないんだ?」
早速出てきたよ。やっぱり二次関数は嫌いだ。グラフなんて将来役に立つことないだろ?ぶっちゃけ算数が出来れば困らない。
「うん。ここはね……」
瑠魅が俺の隣まで移動してきて隣に座る。そのまま俺のワークを覗き込む。
勉強に集中しろと言われるかもだが、めっちゃ良い匂いがする。同じシャンプーを使ってるはずなのに、こうも変わるもんなのか?
「わかった?」
「あ、あぁ。めっちゃ分かりやすい説明だったよ」
どうやらこの問題は普通にやれば解けるらしい。複雑化するのは悪い癖だな。難しい問題ばかりやると、どうも簡単な問題も解けなくなる。
………あ、もしかしてそれは俺だけか?
「むぅ……ねぇ、蓮君。ここ教えてくれない?」
「お、俺?瑠魅の方がわかりやすいぞ?」
「私が教えるよ」
スっと立ち上がると、俺の時同様姫乃の隣に座る。そのまま姫乃のワークを覗き込んで問題の確認している。
まさか姫乃のヤツ……ってそんなわけないか。さすがの姫乃もそんなことを考えての発言じゃないだろう。
「さて、俺もワークを進めるか」
ふむ、まったくわからん。応用問題ってなに?なんでこんなムズい問題を更にムズくするん?
解かせる気ないやん。
「瑠……」
視線を上げて瑠魅を呼ぼうとすると、ちょうどコッチを見ていた姫乃と目が合った。今も瑠魅は姫乃に丁寧に説明しているのに、だ。
なんで俺の方を?姫野は頭はバカだけど、良い奴だ。人の話を疎かにするような人間じゃない。
となると、偶然か。なら、気にする必要も無いよな。現に姫乃も慌てて視線を問題の方へ移してるし。
けど、困ったな。これじゃ進めようにも進められないぞ。この問題を解きたいと言う謎の意地が俺のなかに生まれてしまってる。
こうなるとテコでも俺の心は動かない。…………テコの使い方、これで合ってるよな?
「わぁ、ほんとだ!ありがと瑠魅ちゃん」
「ううん。役に立てたなら良かった」
なんだろう。この気持ちは。なんだか、二人のこのやり取りを見てるいると心が穏やかになる。やはり百合なるものは至高なのかもしれないな。
「蓮翔、さっき呼んだ?」
「あっ、おう。実はこの問題が……」
「うん。見せて」
この後は特に何も無く、数学の勉強は進んだ。時折姫乃と目が合うことはあったが、それ以外では特に気にすることはなかった。
うん。こうやって考えると、俺は今すごい状況だと思う。
普段はあまり気にしないが、やっぱり姫乃はかなり可愛いと思う。目が合えば意識せざるを得ない程度には。
もし俺が瑠魅に好意を抱いてなければ姫乃一択だったかもしれない。まぁ、姫乃は俺の事を弟だと思ってる節があるが……。まぁ、それは置いておこう。
あとは瑠魅だ。はっきり言ってドストライクだ。性格は然ることながら、その容姿も正しく理想系のそれだ。
ひとつ屋根の下で自分の好みと完全一致する人物が居るんだ。
ここだけの話、毎日理性をすり減らしながら生活している。瑠魅の一挙手一投足に対して勝手に俺の目は追ってしまっている。
「よし。じゃあ、数学はこの辺にして、ちょっと休もう」
後半は全く違うことを考えていた。気が付いたら一時間も経っていた。
「そうだね。じゃあ私がお茶を用意するよ」
「おけ、任せた」
そこで俺はとある過ちに気付く。だがもう遅い。
「じゃあ、わたしも手伝うよ!」
どうやら、それは杞憂で終わりそうだ。
瑠魅もやってしまった、という顔をしているが、それすらも姫乃は気づかないようだ。
「俺は数学かな。化学とかは得意な分野が入ってるから心配してない」
「わたしも数学をお願いしたいな」
「ん。じゃあ、やろっか」
その言葉で全員が数学のワークに手を付ける。提出するから、というのもあるが、基本的に数学のテストの問題はワークから出るからだ。
つまるところワークさえやってれば赤点回避は案外余裕だってことだ。
ワークは基礎とかが中心だから、解けない問題も割りかし少ない。だが、数学の不安要素はなんと言っても公式が多いってことだ。似たり寄ったりな公式が多すぎて訳が分からん。
「なぁ、瑠魅。ここってなんでこの公式じゃ答えが出ないんだ?」
早速出てきたよ。やっぱり二次関数は嫌いだ。グラフなんて将来役に立つことないだろ?ぶっちゃけ算数が出来れば困らない。
「うん。ここはね……」
瑠魅が俺の隣まで移動してきて隣に座る。そのまま俺のワークを覗き込む。
勉強に集中しろと言われるかもだが、めっちゃ良い匂いがする。同じシャンプーを使ってるはずなのに、こうも変わるもんなのか?
「わかった?」
「あ、あぁ。めっちゃ分かりやすい説明だったよ」
どうやらこの問題は普通にやれば解けるらしい。複雑化するのは悪い癖だな。難しい問題ばかりやると、どうも簡単な問題も解けなくなる。
………あ、もしかしてそれは俺だけか?
「むぅ……ねぇ、蓮君。ここ教えてくれない?」
「お、俺?瑠魅の方がわかりやすいぞ?」
「私が教えるよ」
スっと立ち上がると、俺の時同様姫乃の隣に座る。そのまま姫乃のワークを覗き込んで問題の確認している。
まさか姫乃のヤツ……ってそんなわけないか。さすがの姫乃もそんなことを考えての発言じゃないだろう。
「さて、俺もワークを進めるか」
ふむ、まったくわからん。応用問題ってなに?なんでこんなムズい問題を更にムズくするん?
解かせる気ないやん。
「瑠……」
視線を上げて瑠魅を呼ぼうとすると、ちょうどコッチを見ていた姫乃と目が合った。今も瑠魅は姫乃に丁寧に説明しているのに、だ。
なんで俺の方を?姫野は頭はバカだけど、良い奴だ。人の話を疎かにするような人間じゃない。
となると、偶然か。なら、気にする必要も無いよな。現に姫乃も慌てて視線を問題の方へ移してるし。
けど、困ったな。これじゃ進めようにも進められないぞ。この問題を解きたいと言う謎の意地が俺のなかに生まれてしまってる。
こうなるとテコでも俺の心は動かない。…………テコの使い方、これで合ってるよな?
「わぁ、ほんとだ!ありがと瑠魅ちゃん」
「ううん。役に立てたなら良かった」
なんだろう。この気持ちは。なんだか、二人のこのやり取りを見てるいると心が穏やかになる。やはり百合なるものは至高なのかもしれないな。
「蓮翔、さっき呼んだ?」
「あっ、おう。実はこの問題が……」
「うん。見せて」
この後は特に何も無く、数学の勉強は進んだ。時折姫乃と目が合うことはあったが、それ以外では特に気にすることはなかった。
うん。こうやって考えると、俺は今すごい状況だと思う。
普段はあまり気にしないが、やっぱり姫乃はかなり可愛いと思う。目が合えば意識せざるを得ない程度には。
もし俺が瑠魅に好意を抱いてなければ姫乃一択だったかもしれない。まぁ、姫乃は俺の事を弟だと思ってる節があるが……。まぁ、それは置いておこう。
あとは瑠魅だ。はっきり言ってドストライクだ。性格は然ることながら、その容姿も正しく理想系のそれだ。
ひとつ屋根の下で自分の好みと完全一致する人物が居るんだ。
ここだけの話、毎日理性をすり減らしながら生活している。瑠魅の一挙手一投足に対して勝手に俺の目は追ってしまっている。
「よし。じゃあ、数学はこの辺にして、ちょっと休もう」
後半は全く違うことを考えていた。気が付いたら一時間も経っていた。
「そうだね。じゃあ私がお茶を用意するよ」
「おけ、任せた」
そこで俺はとある過ちに気付く。だがもう遅い。
「じゃあ、わたしも手伝うよ!」
どうやら、それは杞憂で終わりそうだ。
瑠魅もやってしまった、という顔をしているが、それすらも姫乃は気づかないようだ。
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