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48話 恋バナ 1
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「明日はついにテストだな」
「はぁ……そういうのは言わないでくれ」
今日は久々に俺、海斗、亮、陽斗の四人で帰宅だ。テスト期間中で部活がないからこうして揃って帰宅出来る。瑠魅はあの一件以来姫乃とさらに仲良くなったようで、二人だけで居るのも何度か見かけた。
「てかさ、陽斗の事が好きな女子が居るんだけどよ、話聞くか?」
雑談をしながら俺の家に向かう途中、海斗からある爆弾が投下された。
思春期の男子はこの手の話題に敏感だ。それも友達の話となれば食いつくしかない。
「あぁ……いんや。別にいいわ」
「え、そうか?」
いつもの陽斗にしては珍しく食いつきが悪い。いつも彼女が欲しいと嘆いていたあの陽斗がこんな調子とは……どういうことなんだろうか……?
海斗もまさか断られるとは思ってなかったのか、戸惑っている。
「どうしたの、陽斗。いつものバカ加減はどこに行ったの?」
そんななか、亮はいつも通りの調子だった。
いつもの陽斗ならば亮の煽りに必ず反応していたはずだが、今回は亮をちらっと見るだけで、すぐさま前に視線を戻していた。
「陽斗もテスト前で緊張してんじゃないのか?」
「はぁ……どうせ楓奏だろ?」
陽斗は誰なのか検討がついてるみたいだ。俺としては楓奏が誰なのか分からないので、是非どんな人なのか説明して欲しいところだが……この様子を見るにその楓奏と言う人にウンザリしてるようだな。
「カナちゃんもだけど、今回は違うんだなぁ」
どうやら陽斗の予想は外れたようだ。
陽斗は人当たりも良いしモテるのは当然なんだろうが、そんなウンザリしてる姿を見てると何様なんだと言ってやりたくなる。
まぁ、俺も姫乃のことがあるし大っぴらには言えないんだが。
「じゃあ誰だよ?」
「彩華ちゃんだよ」
あぁ、もうマジでやめてくれ。そんなに沢山人名を出さないでくれ。俺そんなに言われてもわからんて。
「彩華かぁ……俺の好みじゃねぇなぁ」
「そうなの?彩華ちゃん、結構可愛いと思うけど……陽斗って理想が高そう」
どうやら、さやかさん?を知らないのこの中で俺だけのようだ。そもそも俺の友好関係は広くないし、知らなくても仕方がない……のかな。
「でも、彩華ちゃんはお前と違って頭も良いじゃんか」
亮の追い討ちだ。陽斗は暗記系は得意だが、それ以外は基本赤点回避か赤点だ。まぁ、俺と似たような感じだな。
「うっせ。と言うよりも俺は亮がいつ付き合うのか知りたいけどな」
「へ?俺?」
「それな。最近冬華と頻繁に話してんじゃん」
そういえば確かに最近冬華が教室に居ない時が多い。結果として姫乃と瑠魅が仲良くなっているんだが。まさかそんな事があったとはな。
「い、いや。あれはただ友達として話してるだけだよ」
「でも、そのおかげでほかの女子が近づかなくなったもんな」
「そりゃ冬華が相手じゃ勝ち目は薄いって感じんだろ。亮も満更でもなさそうだし」
そうなのか。さすがは冬華だな。あの亮を懐柔するとは。
「てか、さっきから一言も話さないけど、体調悪いのか?」
陽斗がコチラを見ながら言うのでそれに合わせて他の二人もコチラを見てきた。
この話題が始まってから俺は一言も話してない。もちろん話題に付いていけない、というのもあるが、やはり姫乃の一言が脳裏にチラついて意識してしまう。
変なボロが出るかもしれないし、なんだか気恥しくてどうも口が開かなかった。
「いやぁ……俺には難しい話題で付いていけなかったんだよ」
誤魔化すようにして笑いながら言い訳をした。俺は別にウソを言ってる訳じゃない。ただ、それが全てじゃないだけだ。
「まぁ、蓮翔にはもう居るもんなぁ」
「確かにねぇ。蓮にとっては付き合うとか今更って感じだよね」
「羨ましいよなぁ……蓮翔が相手じゃなければ寝取ってたぜ」
「「キモイな」」
「嘘に決まってんだろ!」
からかってきてるのかどうかすら分からないが、話の流れや亮の口ぶり的に恋愛関連だろう……が、全くわからん。
「それで姫乃とはどこまでいったんだよ?」
「…………は?」
なんでここで姫乃の名前が出てくるんだ?
「はぁ……そういうのは言わないでくれ」
今日は久々に俺、海斗、亮、陽斗の四人で帰宅だ。テスト期間中で部活がないからこうして揃って帰宅出来る。瑠魅はあの一件以来姫乃とさらに仲良くなったようで、二人だけで居るのも何度か見かけた。
「てかさ、陽斗の事が好きな女子が居るんだけどよ、話聞くか?」
雑談をしながら俺の家に向かう途中、海斗からある爆弾が投下された。
思春期の男子はこの手の話題に敏感だ。それも友達の話となれば食いつくしかない。
「あぁ……いんや。別にいいわ」
「え、そうか?」
いつもの陽斗にしては珍しく食いつきが悪い。いつも彼女が欲しいと嘆いていたあの陽斗がこんな調子とは……どういうことなんだろうか……?
海斗もまさか断られるとは思ってなかったのか、戸惑っている。
「どうしたの、陽斗。いつものバカ加減はどこに行ったの?」
そんななか、亮はいつも通りの調子だった。
いつもの陽斗ならば亮の煽りに必ず反応していたはずだが、今回は亮をちらっと見るだけで、すぐさま前に視線を戻していた。
「陽斗もテスト前で緊張してんじゃないのか?」
「はぁ……どうせ楓奏だろ?」
陽斗は誰なのか検討がついてるみたいだ。俺としては楓奏が誰なのか分からないので、是非どんな人なのか説明して欲しいところだが……この様子を見るにその楓奏と言う人にウンザリしてるようだな。
「カナちゃんもだけど、今回は違うんだなぁ」
どうやら陽斗の予想は外れたようだ。
陽斗は人当たりも良いしモテるのは当然なんだろうが、そんなウンザリしてる姿を見てると何様なんだと言ってやりたくなる。
まぁ、俺も姫乃のことがあるし大っぴらには言えないんだが。
「じゃあ誰だよ?」
「彩華ちゃんだよ」
あぁ、もうマジでやめてくれ。そんなに沢山人名を出さないでくれ。俺そんなに言われてもわからんて。
「彩華かぁ……俺の好みじゃねぇなぁ」
「そうなの?彩華ちゃん、結構可愛いと思うけど……陽斗って理想が高そう」
どうやら、さやかさん?を知らないのこの中で俺だけのようだ。そもそも俺の友好関係は広くないし、知らなくても仕方がない……のかな。
「でも、彩華ちゃんはお前と違って頭も良いじゃんか」
亮の追い討ちだ。陽斗は暗記系は得意だが、それ以外は基本赤点回避か赤点だ。まぁ、俺と似たような感じだな。
「うっせ。と言うよりも俺は亮がいつ付き合うのか知りたいけどな」
「へ?俺?」
「それな。最近冬華と頻繁に話してんじゃん」
そういえば確かに最近冬華が教室に居ない時が多い。結果として姫乃と瑠魅が仲良くなっているんだが。まさかそんな事があったとはな。
「い、いや。あれはただ友達として話してるだけだよ」
「でも、そのおかげでほかの女子が近づかなくなったもんな」
「そりゃ冬華が相手じゃ勝ち目は薄いって感じんだろ。亮も満更でもなさそうだし」
そうなのか。さすがは冬華だな。あの亮を懐柔するとは。
「てか、さっきから一言も話さないけど、体調悪いのか?」
陽斗がコチラを見ながら言うのでそれに合わせて他の二人もコチラを見てきた。
この話題が始まってから俺は一言も話してない。もちろん話題に付いていけない、というのもあるが、やはり姫乃の一言が脳裏にチラついて意識してしまう。
変なボロが出るかもしれないし、なんだか気恥しくてどうも口が開かなかった。
「いやぁ……俺には難しい話題で付いていけなかったんだよ」
誤魔化すようにして笑いながら言い訳をした。俺は別にウソを言ってる訳じゃない。ただ、それが全てじゃないだけだ。
「まぁ、蓮翔にはもう居るもんなぁ」
「確かにねぇ。蓮にとっては付き合うとか今更って感じだよね」
「羨ましいよなぁ……蓮翔が相手じゃなければ寝取ってたぜ」
「「キモイな」」
「嘘に決まってんだろ!」
からかってきてるのかどうかすら分からないが、話の流れや亮の口ぶり的に恋愛関連だろう……が、全くわからん。
「それで姫乃とはどこまでいったんだよ?」
「…………は?」
なんでここで姫乃の名前が出てくるんだ?
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