平凡ばあちゃんの思い出話

序文

　辛いこともあれば、楽しいこともある。子ども時代、青春時代、お見合いをして結婚、子どもが生まれて、孫が生まれて、最近はひ孫も生まれました。
　そんな普通の人生が始まったのは80年とちょっと前です。
　まずは、わたしがこんなものを書こうと思ったきっかけについて少し。
　私は、自分が歩んできた人生を、気ままに孫たちと話すことが多いのですが、ある時、「おばあちゃんの人生、小説にしたらおもしろいとおもうよ！」と言われました。でも、小説なんて長い文章はもう書けません。集中力もないし、なにより、誰かが夢中になって読んでくれるような文章を書く才能なんて、80年の間に身につかず仕舞いですから！小学生の頃、作文の授業、当時は「つづりかた」と言われていた授業が最も嫌いな授業のひとつだったくらいです。1時間、鉛筆を持って、書き出しの文章がまとまらずに頭を抱えていたというのも、遠い昔のことです。
　でも、孫たちが夢中になって聞いてくれる昔語りを、わたしの命の終わりと共に全部あの世へ持って行ってしまうのも勿体無いような気がします。だから、徒然なるままに、思い出したときに、日記のように、パラパラと書いていくのも悪くないかもしれないと思うのです。
 長くなるか、短く終わるか。わたしの残り時間次第ですが、どうぞお付き合いください。