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妹と買い物
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「……何で俺は外に出てるんだ?」
「それは私が誘ったからですね」
土曜の昼間、遼は聖雪に誘われて外出中だ。
基本的に遼は休日にあまり外出るようなことはせず、アニメを観て過ごしている。
今まではご飯を作ることはあっても、大体はコンビニで買った物を食べることが多かったのだから。
「まあ、いいんだが」
聖雪のお願いであるため、遼が断るわけがない。
それに今の聖雪は白のブラウスに黒のハイウエストのミニスカートとお洒落をしており、ナンパされる恐れだってある。
だから遼は聖雪についていき、他の男から彼女を守らないといけない。
「どこ行くんだ?」
「スーパーで食材の買い物です」
先週は母親と行った聖雪だが、今は新婚旅行でいないために遼を誘ったのだろう。
誘った理由はそれだけでないかもしれないが……。
「今日の晩ご飯は何かな?」
「スーパーで決めます。安いのあったらそっちのがいいですしね」
聖雪の言葉に遼は「そうか」と頷く。
基本的に聖雪の料理は何でも美味しいので、どんなのであっても問題はない。
それに作ってもらっている身だし、遼がどうこう言うのもおかしいだろう。
「えへへ。一緒に晩ご飯のお買い物って新婚みたいですね。名字も同じだし……」
「ん? 何て?」
「な、何でもありません」
小さい声だったから聞き返した遼だが、聖雪はプイっとそっぽを向いてしまった。
「兄さんはあのアニメと同じで、鈍感、難聴系主人公ですね」
「それは不本意だが、俺はあのアニメみたいにハーレムを作る気はない」
原作がギャルゲだけあって、主人公の周りには可愛い女の子がいっぱいだ。
「それは当たり前です」
力強く言った後に、聖雪は「兄さんは私だけを見てればいいんです……」と小声で呟く。
またも聞き取れなかった遼であるが、聞き返しても答えてくれそうにないので話題を変えることにした。
「聖雪の趣味って何かないの?」
「趣味ですか?」
突然聞かれたからか、聖雪は考えだす。
少し考えた後に耳まで真っ赤にし、聖雪は「兄さんとイチャイチャすることなんて言えない……」と小声で呟いた。
「私の趣味は家事とか読書ですかね」
落ち着かせるためか、深呼吸をしてそう答えた聖雪。
「引きこもりか」
「それを兄さんに言われる筋合いはないんですがね」
遼も休日は引きこもっているために、聖雪の言う通りだろう。
「兄さんはアニメ以外に趣味があるのですか?」
「俺は聖雪とイチャつくことだ」
そう言いながら遼は聖雪と手を繋ぐ。
繋がれたことでまたしても聖雪の顔は赤くなり、嬉しいのだろう。
とても可愛く思わず抱き締めたくなるが、今は外なので我慢した。
「本当に兄さんはシスコンです。趣味がそうなってしまうんですから」
「しょうがない。聖雪が可愛すぎるし」
「もう、兄さんは仕方ないですから~」
可愛いと言われたからか、聖雪は「えへへ」と口元が緩む。
笑顔に一瞬だけ心臓が高鳴るのを遼は感じたが、すぐに平常に戻る。
妹に恋愛感情を持つなんて、あってはならないことなのだから。
現実はアニメやゲームとは違い、義理であっても色々な障害がある。
だから妹を好きにならないのが一番だ。
「早くスーパー行こう」
「はい」
二人は手を繋ぎながらスーパーに向かうのだった。
☆ ☆ ☆
「聖雪とスーパーで買い物とか兄妹であることを実感する」
スーパーに着いた遼は、聖雪と一緒に何を買うか選んでいる。
ほとんど聖雪が選んでいるのだが。
「そうなのですか?」
「うん。だって恋人は一緒にご飯の買い物をするなんて少ないでしょ」
「そうですね。兄妹だからですね……」
肯定した聖雪であるが、どことなく悲しそうだ。
「どうした?」
「な、何でもありませんよ」
悲しそうな表情を遼に見せたくないかのように、聖雪はプイっと視線を反らす。
「そ、そんなことより早く買い物すませますよ。何食べたいですか?」
聞かれたので、遼は考え始める。
父親が再婚する前はコンビニで適当に買うか、スーパーの惣菜がメインが多く、何にしようかなんてあまり考えたことがなかった。
「聖雪の料理は美味しいから何でもいいんだけどな」
「それが一番困りますよ」
遼は「そうなのか?」と頷き、再び考え出す。
「んじゃあ、ピザ」
「……は?」
キョトンとする聖雪。
「ピザが食べたい。本格的なやつ」
「ちょ、待ってください。本格的なピザは作ったことがないです」
「そうなの?」
「はい。てか、家でピザ作る人は少ないんじゃないですかね」
「そうか。無理ならパスタで」
「なら大丈夫です」
二人はパスタに使う食材を選ぶのだった。
「それは私が誘ったからですね」
土曜の昼間、遼は聖雪に誘われて外出中だ。
基本的に遼は休日にあまり外出るようなことはせず、アニメを観て過ごしている。
今まではご飯を作ることはあっても、大体はコンビニで買った物を食べることが多かったのだから。
「まあ、いいんだが」
聖雪のお願いであるため、遼が断るわけがない。
それに今の聖雪は白のブラウスに黒のハイウエストのミニスカートとお洒落をしており、ナンパされる恐れだってある。
だから遼は聖雪についていき、他の男から彼女を守らないといけない。
「どこ行くんだ?」
「スーパーで食材の買い物です」
先週は母親と行った聖雪だが、今は新婚旅行でいないために遼を誘ったのだろう。
誘った理由はそれだけでないかもしれないが……。
「今日の晩ご飯は何かな?」
「スーパーで決めます。安いのあったらそっちのがいいですしね」
聖雪の言葉に遼は「そうか」と頷く。
基本的に聖雪の料理は何でも美味しいので、どんなのであっても問題はない。
それに作ってもらっている身だし、遼がどうこう言うのもおかしいだろう。
「えへへ。一緒に晩ご飯のお買い物って新婚みたいですね。名字も同じだし……」
「ん? 何て?」
「な、何でもありません」
小さい声だったから聞き返した遼だが、聖雪はプイっとそっぽを向いてしまった。
「兄さんはあのアニメと同じで、鈍感、難聴系主人公ですね」
「それは不本意だが、俺はあのアニメみたいにハーレムを作る気はない」
原作がギャルゲだけあって、主人公の周りには可愛い女の子がいっぱいだ。
「それは当たり前です」
力強く言った後に、聖雪は「兄さんは私だけを見てればいいんです……」と小声で呟く。
またも聞き取れなかった遼であるが、聞き返しても答えてくれそうにないので話題を変えることにした。
「聖雪の趣味って何かないの?」
「趣味ですか?」
突然聞かれたからか、聖雪は考えだす。
少し考えた後に耳まで真っ赤にし、聖雪は「兄さんとイチャイチャすることなんて言えない……」と小声で呟いた。
「私の趣味は家事とか読書ですかね」
落ち着かせるためか、深呼吸をしてそう答えた聖雪。
「引きこもりか」
「それを兄さんに言われる筋合いはないんですがね」
遼も休日は引きこもっているために、聖雪の言う通りだろう。
「兄さんはアニメ以外に趣味があるのですか?」
「俺は聖雪とイチャつくことだ」
そう言いながら遼は聖雪と手を繋ぐ。
繋がれたことでまたしても聖雪の顔は赤くなり、嬉しいのだろう。
とても可愛く思わず抱き締めたくなるが、今は外なので我慢した。
「本当に兄さんはシスコンです。趣味がそうなってしまうんですから」
「しょうがない。聖雪が可愛すぎるし」
「もう、兄さんは仕方ないですから~」
可愛いと言われたからか、聖雪は「えへへ」と口元が緩む。
笑顔に一瞬だけ心臓が高鳴るのを遼は感じたが、すぐに平常に戻る。
妹に恋愛感情を持つなんて、あってはならないことなのだから。
現実はアニメやゲームとは違い、義理であっても色々な障害がある。
だから妹を好きにならないのが一番だ。
「早くスーパー行こう」
「はい」
二人は手を繋ぎながらスーパーに向かうのだった。
☆ ☆ ☆
「聖雪とスーパーで買い物とか兄妹であることを実感する」
スーパーに着いた遼は、聖雪と一緒に何を買うか選んでいる。
ほとんど聖雪が選んでいるのだが。
「そうなのですか?」
「うん。だって恋人は一緒にご飯の買い物をするなんて少ないでしょ」
「そうですね。兄妹だからですね……」
肯定した聖雪であるが、どことなく悲しそうだ。
「どうした?」
「な、何でもありませんよ」
悲しそうな表情を遼に見せたくないかのように、聖雪はプイっと視線を反らす。
「そ、そんなことより早く買い物すませますよ。何食べたいですか?」
聞かれたので、遼は考え始める。
父親が再婚する前はコンビニで適当に買うか、スーパーの惣菜がメインが多く、何にしようかなんてあまり考えたことがなかった。
「聖雪の料理は美味しいから何でもいいんだけどな」
「それが一番困りますよ」
遼は「そうなのか?」と頷き、再び考え出す。
「んじゃあ、ピザ」
「……は?」
キョトンとする聖雪。
「ピザが食べたい。本格的なやつ」
「ちょ、待ってください。本格的なピザは作ったことがないです」
「そうなの?」
「はい。てか、家でピザ作る人は少ないんじゃないですかね」
「そうか。無理ならパスタで」
「なら大丈夫です」
二人はパスタに使う食材を選ぶのだった。
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