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9 ある大臣サイド
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王女殿下がお茶の支度をさせると言いおき、退室された。
殿下がいない事で気の緩んだ者が話し出す。
「植民地…」
「今より暮らしが良くなると思えぬが」
「今だって、少し貧乏なだけだ。他国と比べたら古い馬車に乗っているとかな。新しい物を買えないだけでそう悪くも無い。」
「殿下は、大国の暮らしを我々にさせようと思うから…」
「ああ。小国は、小国の暮らし方でいいのに…」
「人一倍責任を感じておられるのさ。正に高貴なる者の義務。」
「当の本人はどうだ?」
嘲笑がそこかしこで漏れる。
「婚約破棄した挙げ句、男爵令嬢なんかと結婚してあっという間に飽きただと」
「どーせ女なんて飽きる。恋なんて冷める」
気障な男が吐き捨てる。本気の恋など存在しないが持論らしい。
「今は酒場の給仕女とよろしくやってるぞ」
くそっ、誰かの罵る声が聞こえる。誰も無作法を止めない。同じ気持ちだから。
「おいボウズ。いつまで居るんだ」
なんだ、まだ居たのかと第一王子を見る。あの下半身の緩い王は、子沢山でそこらじゅうの婢に子を産ませている。名を覚えるのも面倒と生まれ順で喚ばれる子供。
青い顔だな。何も発言できない様子にやはり低脳だと納得する。
「あ、あの、叔母上に恋人がいて。腹が立って。婚約破棄は、本気じゃないっていうか」
「殿下に恋人が?それがどうした?」
「ああそうだ。殿下もアーサーも弁えるておられる」
掛け合いの二人が不思議そうに話の通じない子供を見つめる。王族に恋人がいて何だというんだ?そもそも隣国に押し付けられた婚約じゃないか?お前如き殿下と釣り合わないだろう?
「本気じゃない!?はっ!ゴミが」
気障な男が王族が軽々しく口を開くなと吐き捨てる。
「もう遅い!いや口にした瞬間終わったのだ」
「ああ、お前の発言・行動は常に監視されているんだ。一度でも口に出しましたら、おしまいなんだよ。」
隣国に筒抜け。
男爵令嬢が産んだたった一人の子供。産後は、二度と産めないように手術され、飽きられ、離婚も出来ず無理矢理生かされている女の子供。
「まぁ、陛下の死後2年。はー。良く持ったほうか?こんなものか?」
どっか行けと子供が手で払われている。
「なー。やっぱりゴミ親子を差し出そう。殿下は我々の希望」
「殿下だけは手放せない」
何かいい案は無いか話合う。
殿下が、かつて王宮で女官長を勤めた女性を伴いお茶を振る舞う。
王宮の真の機能は殿下の元に集約され、正しく機能している。
影や雲・月・星、王の直属の者達。汚れ仕事すら淡々と王ただ一人の為に尽くす。陛下の指しがねであったり、自ら殿下に忠誠を誓った者ら。
我らの真の王。
殿下がいない事で気の緩んだ者が話し出す。
「植民地…」
「今より暮らしが良くなると思えぬが」
「今だって、少し貧乏なだけだ。他国と比べたら古い馬車に乗っているとかな。新しい物を買えないだけでそう悪くも無い。」
「殿下は、大国の暮らしを我々にさせようと思うから…」
「ああ。小国は、小国の暮らし方でいいのに…」
「人一倍責任を感じておられるのさ。正に高貴なる者の義務。」
「当の本人はどうだ?」
嘲笑がそこかしこで漏れる。
「婚約破棄した挙げ句、男爵令嬢なんかと結婚してあっという間に飽きただと」
「どーせ女なんて飽きる。恋なんて冷める」
気障な男が吐き捨てる。本気の恋など存在しないが持論らしい。
「今は酒場の給仕女とよろしくやってるぞ」
くそっ、誰かの罵る声が聞こえる。誰も無作法を止めない。同じ気持ちだから。
「おいボウズ。いつまで居るんだ」
なんだ、まだ居たのかと第一王子を見る。あの下半身の緩い王は、子沢山でそこらじゅうの婢に子を産ませている。名を覚えるのも面倒と生まれ順で喚ばれる子供。
青い顔だな。何も発言できない様子にやはり低脳だと納得する。
「あ、あの、叔母上に恋人がいて。腹が立って。婚約破棄は、本気じゃないっていうか」
「殿下に恋人が?それがどうした?」
「ああそうだ。殿下もアーサーも弁えるておられる」
掛け合いの二人が不思議そうに話の通じない子供を見つめる。王族に恋人がいて何だというんだ?そもそも隣国に押し付けられた婚約じゃないか?お前如き殿下と釣り合わないだろう?
「本気じゃない!?はっ!ゴミが」
気障な男が王族が軽々しく口を開くなと吐き捨てる。
「もう遅い!いや口にした瞬間終わったのだ」
「ああ、お前の発言・行動は常に監視されているんだ。一度でも口に出しましたら、おしまいなんだよ。」
隣国に筒抜け。
男爵令嬢が産んだたった一人の子供。産後は、二度と産めないように手術され、飽きられ、離婚も出来ず無理矢理生かされている女の子供。
「まぁ、陛下の死後2年。はー。良く持ったほうか?こんなものか?」
どっか行けと子供が手で払われている。
「なー。やっぱりゴミ親子を差し出そう。殿下は我々の希望」
「殿下だけは手放せない」
何かいい案は無いか話合う。
殿下が、かつて王宮で女官長を勤めた女性を伴いお茶を振る舞う。
王宮の真の機能は殿下の元に集約され、正しく機能している。
影や雲・月・星、王の直属の者達。汚れ仕事すら淡々と王ただ一人の為に尽くす。陛下の指しがねであったり、自ら殿下に忠誠を誓った者ら。
我らの真の王。
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