22 / 38
1章
5話 アスナ村魔物化事件(5)
しおりを挟む
だが事態は急変する。本隊がこちらへと合流すべく満身創痍できていたのだ。
「ハロルド副長!」
「クリス!」
戦場でも明るいオレンジの髪を見つけてクリスは走り寄った。彼もまた酷く疲弊していて、傷も多い。額からは汗が伝っている。それでも僅かに笑みを見せられただけ、この人は強い。
「何が」
「団長が訳の分からない奴と戦ってる。団長の剣が通らない」
「っ!」
それは……想像できないものだった。
クリスの中でルークは圧倒的な強さを誇っていて、最強だと勝手に思っていた。だからそんな人が押される姿なんて、想定していなかったんだ。
「それだけじゃない。洞窟の奥は何かしらの研究所で、人と魔物の混ざったのがいたらしい」
それはきっと、魔物に変えられた人だ。そしてそれはもう、皆が知っているんだと彼らの顔色を見れば分かった。
助けに、行かないと。魔物相手なら浄化の力は役に立つ。あの人を助ける力になるかもしれない。
本隊の来た方向を睨み付け、クリスは走っていた。背後で制止の声がかかったけれど聞かなかった。
心臓が痛い。嫌な予感がする。淀むような空気は凄く濃くて、鳥肌が立つ。
それでも向かったのは、助けたかったからだ。あの人を失う事を考えられなかったからだ。
木々をすり抜け、おびただしいオークとオーガの死体を横目に疾走したクリスの目の前に僅かに開けた場所が見える。
蹲り、苦しげなルークの背中が見える。その体から赤黒い何かが湧き上がっている。心臓が、ギュッと痛くなって手を伸ばす。距離がある。掛からないかもしれない。それでも唱えずにはいられない。
『ピュリフィティオ!』
銀の光が帯となってルークの体を包み込むと、赤黒いそれは動きを鈍らせる。
それでも十分じゃない。まだまだ足りない!
飛び込むように場所へと出たクリスは用意していた魔法を、僅かに見えていた男へと放った。
『ホーリーランス!』
三本の光の槍が男めがけて放たれる。それを男は飛び退いて避けている。その、僅かに開いた距離に滑り込んだクリスは素早くホーリーシールドを展開すると同時に、問答無用で浄化魔法をルークにかけた。
「団長、しっかり!」
声を掛けるが、彼は自身の腕を強く抱いて動けないままでいる。爪が腕に刺さって血を流してもまだそうしている。
黒い光が胸に光る。禍々しいそれは強い穢れだと分かる。
そっとそこを覗いて……クリスの目は大きく見開かれた。
心臓の上辺りに真っ黒い魔石が埋まっている。体に根を張るようにその周辺はボコボコと血管のような筋が浮き上がり、どうしたって取れる感じがしない。浄化も、叶うか分からない。
絶望が支配する。これはもう、二択だ。ルークを殺すか、この人が魔物に成り果てるか。どちらにしても、もう助かる道はない。
ジワリと、涙が浮かんだ。不意に思い出したんだ、頭を撫でる無骨な手を。硬くて、ちょっと力加減を間違った……温かい手を思い出した。
「殺せ」
「……え?」
低く声がして、見つめる。ルークは苦しそうにこちらを見上げていた。紫色の瞳は僅かに白目が黒く染まりそうになっている。食いしばる口元が、震えている。
「俺が俺であるうちに、殺せ」
「そんな……そんなの!」
「俺は、魔王になんてっ! ならない!」
「っ!」
それはあまりに絶望的だ。この胸にある魔石は魔王のものなのか。
嫌だと、泣きすがればいいのか。そうして事態が好転するならいくらでも泣きわめいて神に祈る。でも、そんなもので世の中は変わらない。絶望は変わらない。分かっている……。
だから、クリスは剣を抜いてそこに魔力を通した。
大きく振りかぶる、その剣がこんなに重いなんて、知らなかった。正義がこれほど、残酷なんてくそ食らえだ!
涙が止まらないクリスを見るルークの目が、緩く穏やかになる。苦しそうだった口元が笑みに変わる。そんな顔をされたら……この剣を振り下ろさなければならないじゃないかっ。
グッと奥歯を噛む。手にした剣に力が入る。結界魔法の中、邪魔されないうちに終わらせてしまう。それが、この場に居合わせたクリスの使命だと言い聞かせて。
足元を固め、気持ちを振り切って魔力を込めたクリスの剣は振り下ろされる。
はずだった。
「っ!」
直後、背中側から何かが腹を突き破った。衝撃と、理解が追いつかない事態にクリスは呆然と己の腹を見る。それは捻れた木の根のようで、地中深くから飛び出している。
動けなかった。視界が揺れて、掠れて力が抜けていく。ダラダラと地面に血が落ちていく。一瞬で頭がクラクラして、剣を取り落としたクリスに追い打ちをかけるように更に木の根が地中から飛び出して、前後左右から腹を突き破った。
「クリスぅ!」
声がする。それが、遠く思える。突き刺さった根は一瞬で引っ込み、そこから溢れた血はもうどうしたって止めようがない。
それでもまだ死なない。絶妙に致命傷は避けられていた。命を落とすにはまだ数分猶予があるだろう。
倒れたクリスを助け起こす大きな手がある。霞んで、もう詳細は見えないけれど必死に名を呼ぶ人がいる。温かなものが、頬を濡らしている。
「はははははっ! いい犠牲となってくれました! 憎いでしょう? その憎しみが貴方を堕とすのですよルーク団長!」
高笑いが聞こえる。あいつ、最初からこれが狙いで見ていたんだ。
「クリス、しっかりしろ! クリス!」
声がする。涙声だ。こんなの、目が見えなくたって分かる。
しくじった……救えなかった……この人に、死んでもらいたくない。違う何かになんて、なってもらいたくないのに。もう、力が何も入らない。
『諦めるのですか?』
不意に、声が聞こえた。それは耳元のような、胸の奥のような。厳しい女性の声がして、ほんの少し体が楽になる。銀色の光が、導くようにルークの胸元の魔石に集まる。
震えながらでも、手が持ち上がった。そうだ、まだ諦められない。この人だけでもどうにか、救わないと死ねない。
「ピュリ、フィ……オ」
微かな声で口にするも、魔力が通わない。僅かな魔力は何の足しにもならない。
「クリス止めろ! 止めてくれ!」
抱きしめてくる腕が震えている。もう、何も見えない。この目に映っているのは銀の光だけ。諦めるなと、厳しくも励ます誰かの意志だけ。
「ピュリ、フィ、ティオ」
途切れる声で紡ぐ呪文に、僅かに光が混ざる。それが希望だ。もう少し……もう、助からないならこの命の全部を込めて。この人を、魔王なんかに渡してたまるか。
魔力が体の底から溢れてくる。全てを燃やすように胸が熱い。未だ禍々しい光を宿す魔石に触れて、クリスは薄く笑みを浮かべた。
お前に、この人を渡しはしない。
『ピュリフィティオ』
愛しい言葉を紡ぐように、呪文は魔力と共に魔石を包む。真っ黒なそれは銀の光を吸い込み、徐々にその色を変えていく。赤く黒く呪うような魔力が押さえ込まれると同時に癒されていくみたいだ。
黒が消えて、光が宿っていく。金色の光がゆっくりと灯って、温かく優しい力を感じる。もう、これは誰かを呪ったりしない。
やりきった。それを深く感じると共に自分の中が閉じていく。もう、何かを感じていない。安堵と、やり遂げた気持ちと……寂しさがある。でももう、他は残っていないんだろう。
眠るような穏やかな心地で、クリスはスッと目を閉じた。
「ハロルド副長!」
「クリス!」
戦場でも明るいオレンジの髪を見つけてクリスは走り寄った。彼もまた酷く疲弊していて、傷も多い。額からは汗が伝っている。それでも僅かに笑みを見せられただけ、この人は強い。
「何が」
「団長が訳の分からない奴と戦ってる。団長の剣が通らない」
「っ!」
それは……想像できないものだった。
クリスの中でルークは圧倒的な強さを誇っていて、最強だと勝手に思っていた。だからそんな人が押される姿なんて、想定していなかったんだ。
「それだけじゃない。洞窟の奥は何かしらの研究所で、人と魔物の混ざったのがいたらしい」
それはきっと、魔物に変えられた人だ。そしてそれはもう、皆が知っているんだと彼らの顔色を見れば分かった。
助けに、行かないと。魔物相手なら浄化の力は役に立つ。あの人を助ける力になるかもしれない。
本隊の来た方向を睨み付け、クリスは走っていた。背後で制止の声がかかったけれど聞かなかった。
心臓が痛い。嫌な予感がする。淀むような空気は凄く濃くて、鳥肌が立つ。
それでも向かったのは、助けたかったからだ。あの人を失う事を考えられなかったからだ。
木々をすり抜け、おびただしいオークとオーガの死体を横目に疾走したクリスの目の前に僅かに開けた場所が見える。
蹲り、苦しげなルークの背中が見える。その体から赤黒い何かが湧き上がっている。心臓が、ギュッと痛くなって手を伸ばす。距離がある。掛からないかもしれない。それでも唱えずにはいられない。
『ピュリフィティオ!』
銀の光が帯となってルークの体を包み込むと、赤黒いそれは動きを鈍らせる。
それでも十分じゃない。まだまだ足りない!
飛び込むように場所へと出たクリスは用意していた魔法を、僅かに見えていた男へと放った。
『ホーリーランス!』
三本の光の槍が男めがけて放たれる。それを男は飛び退いて避けている。その、僅かに開いた距離に滑り込んだクリスは素早くホーリーシールドを展開すると同時に、問答無用で浄化魔法をルークにかけた。
「団長、しっかり!」
声を掛けるが、彼は自身の腕を強く抱いて動けないままでいる。爪が腕に刺さって血を流してもまだそうしている。
黒い光が胸に光る。禍々しいそれは強い穢れだと分かる。
そっとそこを覗いて……クリスの目は大きく見開かれた。
心臓の上辺りに真っ黒い魔石が埋まっている。体に根を張るようにその周辺はボコボコと血管のような筋が浮き上がり、どうしたって取れる感じがしない。浄化も、叶うか分からない。
絶望が支配する。これはもう、二択だ。ルークを殺すか、この人が魔物に成り果てるか。どちらにしても、もう助かる道はない。
ジワリと、涙が浮かんだ。不意に思い出したんだ、頭を撫でる無骨な手を。硬くて、ちょっと力加減を間違った……温かい手を思い出した。
「殺せ」
「……え?」
低く声がして、見つめる。ルークは苦しそうにこちらを見上げていた。紫色の瞳は僅かに白目が黒く染まりそうになっている。食いしばる口元が、震えている。
「俺が俺であるうちに、殺せ」
「そんな……そんなの!」
「俺は、魔王になんてっ! ならない!」
「っ!」
それはあまりに絶望的だ。この胸にある魔石は魔王のものなのか。
嫌だと、泣きすがればいいのか。そうして事態が好転するならいくらでも泣きわめいて神に祈る。でも、そんなもので世の中は変わらない。絶望は変わらない。分かっている……。
だから、クリスは剣を抜いてそこに魔力を通した。
大きく振りかぶる、その剣がこんなに重いなんて、知らなかった。正義がこれほど、残酷なんてくそ食らえだ!
涙が止まらないクリスを見るルークの目が、緩く穏やかになる。苦しそうだった口元が笑みに変わる。そんな顔をされたら……この剣を振り下ろさなければならないじゃないかっ。
グッと奥歯を噛む。手にした剣に力が入る。結界魔法の中、邪魔されないうちに終わらせてしまう。それが、この場に居合わせたクリスの使命だと言い聞かせて。
足元を固め、気持ちを振り切って魔力を込めたクリスの剣は振り下ろされる。
はずだった。
「っ!」
直後、背中側から何かが腹を突き破った。衝撃と、理解が追いつかない事態にクリスは呆然と己の腹を見る。それは捻れた木の根のようで、地中深くから飛び出している。
動けなかった。視界が揺れて、掠れて力が抜けていく。ダラダラと地面に血が落ちていく。一瞬で頭がクラクラして、剣を取り落としたクリスに追い打ちをかけるように更に木の根が地中から飛び出して、前後左右から腹を突き破った。
「クリスぅ!」
声がする。それが、遠く思える。突き刺さった根は一瞬で引っ込み、そこから溢れた血はもうどうしたって止めようがない。
それでもまだ死なない。絶妙に致命傷は避けられていた。命を落とすにはまだ数分猶予があるだろう。
倒れたクリスを助け起こす大きな手がある。霞んで、もう詳細は見えないけれど必死に名を呼ぶ人がいる。温かなものが、頬を濡らしている。
「はははははっ! いい犠牲となってくれました! 憎いでしょう? その憎しみが貴方を堕とすのですよルーク団長!」
高笑いが聞こえる。あいつ、最初からこれが狙いで見ていたんだ。
「クリス、しっかりしろ! クリス!」
声がする。涙声だ。こんなの、目が見えなくたって分かる。
しくじった……救えなかった……この人に、死んでもらいたくない。違う何かになんて、なってもらいたくないのに。もう、力が何も入らない。
『諦めるのですか?』
不意に、声が聞こえた。それは耳元のような、胸の奥のような。厳しい女性の声がして、ほんの少し体が楽になる。銀色の光が、導くようにルークの胸元の魔石に集まる。
震えながらでも、手が持ち上がった。そうだ、まだ諦められない。この人だけでもどうにか、救わないと死ねない。
「ピュリ、フィ……オ」
微かな声で口にするも、魔力が通わない。僅かな魔力は何の足しにもならない。
「クリス止めろ! 止めてくれ!」
抱きしめてくる腕が震えている。もう、何も見えない。この目に映っているのは銀の光だけ。諦めるなと、厳しくも励ます誰かの意志だけ。
「ピュリ、フィ、ティオ」
途切れる声で紡ぐ呪文に、僅かに光が混ざる。それが希望だ。もう少し……もう、助からないならこの命の全部を込めて。この人を、魔王なんかに渡してたまるか。
魔力が体の底から溢れてくる。全てを燃やすように胸が熱い。未だ禍々しい光を宿す魔石に触れて、クリスは薄く笑みを浮かべた。
お前に、この人を渡しはしない。
『ピュリフィティオ』
愛しい言葉を紡ぐように、呪文は魔力と共に魔石を包む。真っ黒なそれは銀の光を吸い込み、徐々にその色を変えていく。赤く黒く呪うような魔力が押さえ込まれると同時に癒されていくみたいだ。
黒が消えて、光が宿っていく。金色の光がゆっくりと灯って、温かく優しい力を感じる。もう、これは誰かを呪ったりしない。
やりきった。それを深く感じると共に自分の中が閉じていく。もう、何かを感じていない。安堵と、やり遂げた気持ちと……寂しさがある。でももう、他は残っていないんだろう。
眠るような穏やかな心地で、クリスはスッと目を閉じた。
33
あなたにおすすめの小説
出来損ないΩの猫獣人、スパダリαの愛に溺れる
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
旧題:オメガの猫獣人
「後1年、か……」
レオンの口から漏れたのは大きなため息だった。手の中には家族から送られてきた一通の手紙。家族とはもう8年近く顔を合わせていない。決して仲が悪いとかではない。むしろレオンは両親や兄弟を大事にしており、部屋にはいくつもの家族写真を置いているほど。けれど村の風習によって強制的に村を出された村人は『とあること』を成し遂げるか期限を過ぎるまでは村の敷地に足を踏み入れてはならないのである。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
ぼくが風になるまえに――
まめ
BL
「フロル、君との婚約を解消したいっ! 俺が真に愛する人は、たったひとりなんだっ!」
学園祭の夜、愛する婚約者ダレンに、突然別れを告げられた少年フロル。
――ああ、来るべき時が来た。講堂での婚約解消宣言!異世界テンプレ来ちゃったよ。
精霊の血をひく一族に生まれ、やがては故郷の風と消える宿命を抱えたフロルの前世は、ラノベ好きのおとなしい青年だった。
「ダレンが急に変わったのは、魅了魔法ってやつのせいじゃないかな?」
異世界チートはできないけど、好きだった人の目を覚ますくらいはできたらいいな。
切なさと希望が交錯する、ただフロルがかわいそかわいいだけのお話。ハピエンです。
ダレン×フロル
どうぞよろしくお願いいたします。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
異世界転移された傾国顔が、アラ還宰相の幼妻になって溺愛されるまでの話
ふき
BL
異世界に転移したカナトは、成り行きでアラ還の宰相ヴァルターと結婚することになる。
戸惑いながら迎えた初夜。衝動のキス、触れあう体温――そして翌朝から距離が遠ざかった。
「じゃあ、なんでキスなんてしたんだよ」
これは、若さを理由に逃げようとするアラ還宰相を、青年が逃がさない話。
ヴァルター×カナト
※サブCPで一部、近親関係を想起させる描写があります。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる