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1章
6話 特別な人(14)
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◇◆◇
しっかりと抱き潰してしまった……。
自分の下で気絶したクリスを見つめて、ルークはやらかした事を反省しつつ己を抜いた。
本当は抜くのが惜しいくらい気持ちがよかった。同時に、過去のは遊びだったんだと明確に自覚した。
魔力の高い者は己の魔力を循環させるのが苦手だ。
この状態はあまり体によくないし、魔力が凝ると痛みにもなる。
解決方法としてはバンバン魔力を使って発散するか、こうしたセックスで循環させるか。ルークは両方やっていた。
だが今日のはそんなものではない。脳まで溶けて理性を失い、心の底から欲しいと思うようなものだった。
恋人などいらないと思っていたルークが欲した唯一。愛しいという感情がある種の狂気のように相手を求めるなんて、想像すらしていなかった。
それくらいクリスは可愛くて、愛おしくて、守りたいと壊したいの両方を感じた。不慣れな快楽に翻弄されて泣く姿は包んで守りたいと思うのに、己の事で一杯になっていくのだろう彼をもっと求めてしまっていた。
「はぁ……精神修行だな」
壊してなるものか。必ず、この手で守ってみせる。それだけの力を掴んでみせようと奮い立つ。手を握り、ルークは一つ苦笑した。
立ち上がり、クリスにシーツを巻き付けて自分は脱ぎ捨てたローブを羽織り桶とタオルを持って戻ってくる。
水を魔法でぬるま湯にしてタオルを濡らし、それでクリスの体を丁寧に拭いていった。
柔く白い肌は所々愛し合った証が赤く残っている。こんな事、今までなかった。
「俺にも独占欲があったんだな」
抱き合っている間中、「こいつは俺のだ」という強い意識があったと思う。だからこそ刻むように残してしまった。
『クリーン』
まだ柔らかくヒクつく部分に指を差し込み、洗浄の魔法をかける。これを放っておくと腹を痛くする。
「それにしても、エロいな……」
たとえクリーンをかけて綺麗になっても、クリスの身体的な反応は生きている。ヒクヒクと形のいい後孔は物欲しげにしている。それを見ているとまた己の中心が熱くなる気がして、ルークは意識的に目を逸らした。
あらかた拭いたが髪はしっとりと汗に濡れている。なによりルークの体は汗だくだ。
丁寧にシーツにくるんだクリスを抱き上げ、顔も隠してから室内のベルを鳴らして自分はさっさと温泉へと向かう。これで戻ってきた時には寝具も綺麗なはずだ。
掛け流しの湯は疲れた体に染みる。夏とはいえ、裸で抱き合えば体も冷える。
クリスの体を抱きかかえたまま湯に浸かるルークは、腕の中でスヨスヨと眠る彼を見つめて微笑んだ。
肌には生気があり、すよかやな寝息をたてている。時折長い睫が震えるのも可愛いと思う。怪我をして、いつ意識が戻るのかと不安や後悔に苛まれていた時とはまったく違う寝顔だ。
「ほんと、俺はどうなってしまったんだろうな」
色恋なんて馬鹿らしい。そう豪語していた過去の自分を思いながら幸せそうに微笑むルークは、とても満ち足りた顔をしていた。
しっかりと抱き潰してしまった……。
自分の下で気絶したクリスを見つめて、ルークはやらかした事を反省しつつ己を抜いた。
本当は抜くのが惜しいくらい気持ちがよかった。同時に、過去のは遊びだったんだと明確に自覚した。
魔力の高い者は己の魔力を循環させるのが苦手だ。
この状態はあまり体によくないし、魔力が凝ると痛みにもなる。
解決方法としてはバンバン魔力を使って発散するか、こうしたセックスで循環させるか。ルークは両方やっていた。
だが今日のはそんなものではない。脳まで溶けて理性を失い、心の底から欲しいと思うようなものだった。
恋人などいらないと思っていたルークが欲した唯一。愛しいという感情がある種の狂気のように相手を求めるなんて、想像すらしていなかった。
それくらいクリスは可愛くて、愛おしくて、守りたいと壊したいの両方を感じた。不慣れな快楽に翻弄されて泣く姿は包んで守りたいと思うのに、己の事で一杯になっていくのだろう彼をもっと求めてしまっていた。
「はぁ……精神修行だな」
壊してなるものか。必ず、この手で守ってみせる。それだけの力を掴んでみせようと奮い立つ。手を握り、ルークは一つ苦笑した。
立ち上がり、クリスにシーツを巻き付けて自分は脱ぎ捨てたローブを羽織り桶とタオルを持って戻ってくる。
水を魔法でぬるま湯にしてタオルを濡らし、それでクリスの体を丁寧に拭いていった。
柔く白い肌は所々愛し合った証が赤く残っている。こんな事、今までなかった。
「俺にも独占欲があったんだな」
抱き合っている間中、「こいつは俺のだ」という強い意識があったと思う。だからこそ刻むように残してしまった。
『クリーン』
まだ柔らかくヒクつく部分に指を差し込み、洗浄の魔法をかける。これを放っておくと腹を痛くする。
「それにしても、エロいな……」
たとえクリーンをかけて綺麗になっても、クリスの身体的な反応は生きている。ヒクヒクと形のいい後孔は物欲しげにしている。それを見ているとまた己の中心が熱くなる気がして、ルークは意識的に目を逸らした。
あらかた拭いたが髪はしっとりと汗に濡れている。なによりルークの体は汗だくだ。
丁寧にシーツにくるんだクリスを抱き上げ、顔も隠してから室内のベルを鳴らして自分はさっさと温泉へと向かう。これで戻ってきた時には寝具も綺麗なはずだ。
掛け流しの湯は疲れた体に染みる。夏とはいえ、裸で抱き合えば体も冷える。
クリスの体を抱きかかえたまま湯に浸かるルークは、腕の中でスヨスヨと眠る彼を見つめて微笑んだ。
肌には生気があり、すよかやな寝息をたてている。時折長い睫が震えるのも可愛いと思う。怪我をして、いつ意識が戻るのかと不安や後悔に苛まれていた時とはまったく違う寝顔だ。
「ほんと、俺はどうなってしまったんだろうな」
色恋なんて馬鹿らしい。そう豪語していた過去の自分を思いながら幸せそうに微笑むルークは、とても満ち足りた顔をしていた。
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