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20章:祝福の鐘が鳴る前に
4話:祝福の鐘がなる頃に
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六月に入って十日が過ぎた頃、ランバートは一通の招待状を受け取ってヴィンセントの屋敷を訪れていた。
側には同じく招かれたファウストもいる。パーティーはアットホームで、かつ賑やかだった。
「ランバート!」
「アネット!」
二人の訪問に気付いたアネットが楽しそうに顔を綻ばせて駆け寄ってくる。そうしてランバートの前まで来ると、ファウストへも視線を向けて優雅に一礼をした。
「ファウストさんも、ようこそお越し下さいました」
「お招き、有り難うございます。この度はご結婚おめでとうございます」
「有り難う!」
自然な笑みで返したファウストに、アネットが満面の笑みを浮かべる。そしてその笑みを傍らのランバートへも向けた。
「色々迷惑かけたわね。でも、もう大丈夫よ」
「覚悟決まった?」
「えぇ、もう逃げはなし。私らしくないしね。これからはしっかりと旦那様を支えていくわ」
「応援してる」
ランバートも穏やかに笑った。互いに相手に心配をかけつつもここまできた、ある意味で同士のような気分だった。
「それにしても、婚約から十日程度って早いな」
「ヴィンが念のためにあれこれ準備してくれてたのと、後は」
「私のおかげよねー」
「うわぁ!!」
突然後ろから目隠しをされ、ランバートは素っ頓狂な声を上げる。ヒヤリとした女性の細い指にとても驚いた。
「母上!」
手を払いのけて後ろを向けば、母シルヴィアが悪戯っぽい顔をして笑っている。もういい年なのに、いつまで少女気分なんだ。
隣でファウストも驚いた顔をしたまま、言葉を飲み込んだようだった。
「なんで母上が」
「なんでって……私がアネットちゃんの後ろについて、あれこれ準備に手を貸したからよ」
「げっ」
よりにもよってこの人の後ろ盾とは、アネットも強運だ。これでアネットに表立って喧嘩を売るような貴族女性はいないだろう。
アネットも微妙な表情で笑っている。過分に苦笑っぽかった。
一方のシルヴィアは腰に手を当てて「ぷん」とした表情をする。これがまだ許される見かけで良かった。
「げっ、とはなによ母に向かって。もう、この子は本当に。そ・れ・よ・り!」
シルヴィアの視線がファウストへと向かう。誘惑的な青い瞳が男を見る女豹のようだ。もしくはリリスか。
「初めましてね、ファウスト。ランバートの母でシルヴィアと申します。貴方の事は主人からも聞いていますわ。ランバートがお世話になっています」
「初めまして、シルヴィア様。こちらこそ、彼にはお世話になっております」
「あら、どんなお世話をこの子はしているのかしら?」
「それは……」
明らかに目を泳がせるファウストというのも珍しい。ランバートはどう答えたらいいか分からず、アネットはおかしそうに笑っている。
「どうした?」
「あら、あなた」
「父上まで」
シルヴィアの姿を見つけたジョシュアまでもが近づいてくる。考えれば当然いるだろう。ヴィンセントとは同僚のような関係であり、もっと深い部分でも関係がある。これでシルヴィアがアネットの後ろ盾となって結婚準備をしたとなれば、夫婦そろって居てもおかしくはない。
ファウストを見れば多少緊張した表情をしている。だが、逃げはない。どういう反応をするのか、ランバートにも分からずドキドキしている。
「ランバートか。そういえば、花嫁の方がお前の友人だったね」
「あぁ、うん」
「ファウストはどうしんだい? 陛下の護衛か?」
ランバートの側で固まっているファウストが、夫婦並んだ二人を見て更に石化した。
シルヴィアはなんとなく察しただろう。ジョシュアの方はまだ分からない様子でいる。
ここは上手く言い逃れをしようか。思って口を開こうとしたランバートよりも前に、ファウストが両親へ向かい一歩前に出た。
「ジョシュア様、シルヴィア様、ご挨拶が遅れました。ランバートと、お付き合いをさせて頂いています」
その言葉に一番驚いたのは、多分ランバートだった。いつか言わなければと思っていた。けれどそれは今ではないと思ってしまった。隠すわけではなかったけれど、誤魔化そうとした時点で隠すのと大差なかったのだろう。
申し訳なくファウストを見ると、やっぱり緊張した顔をしていた。こんな顔をしたファウストをあまり見た事はない。握った手は微妙に震えていた。この人もまた、緊張と怖さがあるのだと分かった。
ジョシュアは驚いたように目を丸くして固まっている。この父もあれこれ修羅場を渡ってきたが、こんな顔をしたのを見た事がない。
一方のシルヴィアの方はもうニヤニヤが止まらない感じだった。
「本気か、ランバート?」
ジョシュアの問いに、ランバートはビクリと肩を震わせる。真っ直ぐな瞳に見られ、萎縮もする。だが逃げてはいけない。遊びではない、本物をようやく手に入れたのだから。
「本気だよ、父上」
「そうか……」
ふと考える素振りをしたジョシュアだったが、やがて穏やかに温かく笑った。その表情で、許された事を知る。同じ瞳がファウストにも向けられ、ファウストの手からも力が抜けていった。
「歓迎しよう、ファウスト。だがまさか、うちの息子と君がとは」
「?」
「君の父君は、嫌な顔をすると思うよ」
楽しそうに笑ったジョシュアに、ファウストは険しい目をする。違う意味で力が入った事にランバートは二人の関係が未だ凍り付いているのだと分かった。
「父は関係ありません」
「……そうか」
どこか寂しそうに、ジョシュアが笑った。
なんにしてもヴィンセントとアネットの結婚前お披露目パーティーはつつがなく進んでいる。カールとクラウルも招かれ、実に楽しそうに幼馴染みは話し込んでいる。アネットは家の人達にちょこちょこと指示を出しつつ、シルヴィアにあれこれ聞いている。
室内の喧騒を聞きながら、ランバートとファウストは二人で庭の椅子に腰を下ろしていた。
「それにしても、驚いた。まさか挨拶するなんて思っていなかったから」
苦笑して言ったランバートに、ファウストは真剣な目を向けてくる。ドキドキする黒い瞳はどこまでも深く、真っ直ぐに吸い込まれそうになる。
「いつかご挨拶にとは思っていた。まさかこんな場所でとは思わなかったが」
「俺も思わなかったよ」
「だが、誤魔化すつもりもなかった。濁せば次になんと言えばいいか分からなくなる」
申し訳なく、でも嬉しい。逃げた自分とは違い、真剣に考えてくれているファウストの強さが嬉しい。
「ごめん、俺は濁そうとした」
素直に謝れば、頭をぽんぽんと撫でられる。見上げた先は優しい笑みだ。
「焦ったし、驚いただろ」
「ん」
「でも、お前もちゃんと言ってくれた。握ってくれた手がとても心強かったよ」
僅かな苦笑、弱く優しい笑み。包み込むように温かいそれらが心地よい。
自然と距離が縮まる。隣り合って、自然と手を握った。
「反対されたらどうしようかと思っていたんだ」
ランバートは素直な気持ちを伝えた。握った手に、少し力が入ったのが分かった。同じように握り返し、ランバートは微笑んだ。
「でも、それでも俺はファウストを選んだ。俺は、ファウストと一緒に生きていこうと決めたから」
「珍しいな、お前がそんな事を言うなんて」
「当てられてるのかもね。アネットもヴィンセントさんも、なんだか羨ましいくらいラブラブだから」
幸せな人達を見て、微笑ましく祝福するけれどどこか切なくもなる。妙にファウストの事を意識して、視線が、気配が、言葉が気になってきた。これが、特別な相手というものなんだろう。
そっと寄り添って、ファウストの手が肩を抱く。それに甘えて肩に頭を乗せている。
このままゆっくりと時間は過ぎていくんだろう。願わくば末永く、どこまでも続いて行けばいいと願った。
側には同じく招かれたファウストもいる。パーティーはアットホームで、かつ賑やかだった。
「ランバート!」
「アネット!」
二人の訪問に気付いたアネットが楽しそうに顔を綻ばせて駆け寄ってくる。そうしてランバートの前まで来ると、ファウストへも視線を向けて優雅に一礼をした。
「ファウストさんも、ようこそお越し下さいました」
「お招き、有り難うございます。この度はご結婚おめでとうございます」
「有り難う!」
自然な笑みで返したファウストに、アネットが満面の笑みを浮かべる。そしてその笑みを傍らのランバートへも向けた。
「色々迷惑かけたわね。でも、もう大丈夫よ」
「覚悟決まった?」
「えぇ、もう逃げはなし。私らしくないしね。これからはしっかりと旦那様を支えていくわ」
「応援してる」
ランバートも穏やかに笑った。互いに相手に心配をかけつつもここまできた、ある意味で同士のような気分だった。
「それにしても、婚約から十日程度って早いな」
「ヴィンが念のためにあれこれ準備してくれてたのと、後は」
「私のおかげよねー」
「うわぁ!!」
突然後ろから目隠しをされ、ランバートは素っ頓狂な声を上げる。ヒヤリとした女性の細い指にとても驚いた。
「母上!」
手を払いのけて後ろを向けば、母シルヴィアが悪戯っぽい顔をして笑っている。もういい年なのに、いつまで少女気分なんだ。
隣でファウストも驚いた顔をしたまま、言葉を飲み込んだようだった。
「なんで母上が」
「なんでって……私がアネットちゃんの後ろについて、あれこれ準備に手を貸したからよ」
「げっ」
よりにもよってこの人の後ろ盾とは、アネットも強運だ。これでアネットに表立って喧嘩を売るような貴族女性はいないだろう。
アネットも微妙な表情で笑っている。過分に苦笑っぽかった。
一方のシルヴィアは腰に手を当てて「ぷん」とした表情をする。これがまだ許される見かけで良かった。
「げっ、とはなによ母に向かって。もう、この子は本当に。そ・れ・よ・り!」
シルヴィアの視線がファウストへと向かう。誘惑的な青い瞳が男を見る女豹のようだ。もしくはリリスか。
「初めましてね、ファウスト。ランバートの母でシルヴィアと申します。貴方の事は主人からも聞いていますわ。ランバートがお世話になっています」
「初めまして、シルヴィア様。こちらこそ、彼にはお世話になっております」
「あら、どんなお世話をこの子はしているのかしら?」
「それは……」
明らかに目を泳がせるファウストというのも珍しい。ランバートはどう答えたらいいか分からず、アネットはおかしそうに笑っている。
「どうした?」
「あら、あなた」
「父上まで」
シルヴィアの姿を見つけたジョシュアまでもが近づいてくる。考えれば当然いるだろう。ヴィンセントとは同僚のような関係であり、もっと深い部分でも関係がある。これでシルヴィアがアネットの後ろ盾となって結婚準備をしたとなれば、夫婦そろって居てもおかしくはない。
ファウストを見れば多少緊張した表情をしている。だが、逃げはない。どういう反応をするのか、ランバートにも分からずドキドキしている。
「ランバートか。そういえば、花嫁の方がお前の友人だったね」
「あぁ、うん」
「ファウストはどうしんだい? 陛下の護衛か?」
ランバートの側で固まっているファウストが、夫婦並んだ二人を見て更に石化した。
シルヴィアはなんとなく察しただろう。ジョシュアの方はまだ分からない様子でいる。
ここは上手く言い逃れをしようか。思って口を開こうとしたランバートよりも前に、ファウストが両親へ向かい一歩前に出た。
「ジョシュア様、シルヴィア様、ご挨拶が遅れました。ランバートと、お付き合いをさせて頂いています」
その言葉に一番驚いたのは、多分ランバートだった。いつか言わなければと思っていた。けれどそれは今ではないと思ってしまった。隠すわけではなかったけれど、誤魔化そうとした時点で隠すのと大差なかったのだろう。
申し訳なくファウストを見ると、やっぱり緊張した顔をしていた。こんな顔をしたファウストをあまり見た事はない。握った手は微妙に震えていた。この人もまた、緊張と怖さがあるのだと分かった。
ジョシュアは驚いたように目を丸くして固まっている。この父もあれこれ修羅場を渡ってきたが、こんな顔をしたのを見た事がない。
一方のシルヴィアの方はもうニヤニヤが止まらない感じだった。
「本気か、ランバート?」
ジョシュアの問いに、ランバートはビクリと肩を震わせる。真っ直ぐな瞳に見られ、萎縮もする。だが逃げてはいけない。遊びではない、本物をようやく手に入れたのだから。
「本気だよ、父上」
「そうか……」
ふと考える素振りをしたジョシュアだったが、やがて穏やかに温かく笑った。その表情で、許された事を知る。同じ瞳がファウストにも向けられ、ファウストの手からも力が抜けていった。
「歓迎しよう、ファウスト。だがまさか、うちの息子と君がとは」
「?」
「君の父君は、嫌な顔をすると思うよ」
楽しそうに笑ったジョシュアに、ファウストは険しい目をする。違う意味で力が入った事にランバートは二人の関係が未だ凍り付いているのだと分かった。
「父は関係ありません」
「……そうか」
どこか寂しそうに、ジョシュアが笑った。
なんにしてもヴィンセントとアネットの結婚前お披露目パーティーはつつがなく進んでいる。カールとクラウルも招かれ、実に楽しそうに幼馴染みは話し込んでいる。アネットは家の人達にちょこちょこと指示を出しつつ、シルヴィアにあれこれ聞いている。
室内の喧騒を聞きながら、ランバートとファウストは二人で庭の椅子に腰を下ろしていた。
「それにしても、驚いた。まさか挨拶するなんて思っていなかったから」
苦笑して言ったランバートに、ファウストは真剣な目を向けてくる。ドキドキする黒い瞳はどこまでも深く、真っ直ぐに吸い込まれそうになる。
「いつかご挨拶にとは思っていた。まさかこんな場所でとは思わなかったが」
「俺も思わなかったよ」
「だが、誤魔化すつもりもなかった。濁せば次になんと言えばいいか分からなくなる」
申し訳なく、でも嬉しい。逃げた自分とは違い、真剣に考えてくれているファウストの強さが嬉しい。
「ごめん、俺は濁そうとした」
素直に謝れば、頭をぽんぽんと撫でられる。見上げた先は優しい笑みだ。
「焦ったし、驚いただろ」
「ん」
「でも、お前もちゃんと言ってくれた。握ってくれた手がとても心強かったよ」
僅かな苦笑、弱く優しい笑み。包み込むように温かいそれらが心地よい。
自然と距離が縮まる。隣り合って、自然と手を握った。
「反対されたらどうしようかと思っていたんだ」
ランバートは素直な気持ちを伝えた。握った手に、少し力が入ったのが分かった。同じように握り返し、ランバートは微笑んだ。
「でも、それでも俺はファウストを選んだ。俺は、ファウストと一緒に生きていこうと決めたから」
「珍しいな、お前がそんな事を言うなんて」
「当てられてるのかもね。アネットもヴィンセントさんも、なんだか羨ましいくらいラブラブだから」
幸せな人達を見て、微笑ましく祝福するけれどどこか切なくもなる。妙にファウストの事を意識して、視線が、気配が、言葉が気になってきた。これが、特別な相手というものなんだろう。
そっと寄り添って、ファウストの手が肩を抱く。それに甘えて肩に頭を乗せている。
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