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2章:ロッカーナ演習事件
4話:密かな夜会
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その夜、ファウストはオーソンの部屋で報告書を読み返していた。被害者たちの細かな証言や、駆けつけた隊員の証言まで。そのどこかにヒントが無いかと探したが、そう簡単なものではなかった。
外が暗くなり、食事に出ていたオーソンに呼ばれるまで、ファウストはそうしていた。おかげで食事をとり損ねた。
「後で何か用意いたしましょうか」
「いや、構わない。風呂だけは入りたいが」
「用意しております」
ファウストの後ろにオーソンが従い、そこにウェインも合流する。そうして自室の前に到着したのだが、ファウストは扉を開ける前に立ちどまった。
「ファウスト様?」
「……あいつ、既に勝手知ったるように忍び込んだな」
溜息まじりのその言葉に、オーソンが剣を抜こうとする。だがファウストはそれを制して、扉を開けた。
部屋の中は紅茶の良い香りがする。そして、月光だけの中にランバートが待ち構えるようにして微笑んでいる。その不敵な顔に、ファウストは溜息をついた。
「早かったな」
「新人がお待たせするわけには参りませんので。風呂は諦めましたが」
「あとで俺と一緒に入ればいい」
そう言って部屋に入り、用意された紅茶に口をつける。驚いているオーソンを背後からせっついて扉を閉めたウェインも、同じように紅茶に手を伸ばした。
「オーソン、先に紹介しておく。ランバートだ」
「改めまして。ランバート・ヒッテルスバッハと申します」
深々と頭を下げたランバートに、オーソンは更に驚いた顔をした。
「王都にヒッテルスバッハの子息が入団したとは噂で聞いていたが、まさかこんな形で会う事があるとは」
「それほど驚くことではございません、オーソン様。四家の人間なんて珍しくはありません。実際、ファウスト様だってシュトライザー家の人間です」
「いや、それはそうだが……」
困ったような顔をするオーソンに紅茶をすすめたランバートは、全員が席についたのを確認して自分も空いている場所に座る。
それを見届けてから、ファウストは厳しい視線をランバートに向けた。
「どうだ?」
その一言で通じるだろう。多くを言わなくてもいい相手は楽だ。
ランバートも理解しているように頷いて、全員を見回して口を開き始めた。
「ピアースという人物と、その周囲の数人に接触できました。商家グループだそうで、けっこう話し上手の気のいい奴らです」
「早速とはすごいね、ランバート。やっぱり巻き込んで正解」
「どうせなら最初からそうして下さると良かったのに」
指を鳴らして明るく言うウェインに、苦笑したランバートが恨みごとを言う。これにはファウストも申し訳なく苦笑するしかなかった。
「本当は巻き込みたくはなかったんだが、どうにも手詰まりでな」
「この事、他の団長達には?」
その言葉に、ファウストは深刻な顔で首を横に振った。
「現地調査をしてからにしたくて、襲撃事件に関しては上げていない。事が公になればすぐにでも内部監査が入る。そうなれば相手かまわず犯人探しが始まるからな。疑わしいとなれば徹底的に調べ上げるのが奴らだ。そうなる前に説得し、連行したい」
「貴方は少し優しすぎます。貴方だって責任を問われるでしょうに」
苦笑し、気遣わしい表情で指摘されて、ファウストは困った顔をして頷く。実際責任を取らねばならない立場ではあるし、隠したとなれば余計に奴らに叱られる。謹慎、減俸なんてのは既に覚悟済みだ。
それでもこの犯人を庇いたいのは、そもそもの自殺を止められなかった責任を感じているからだ。やっている事に賛同はできなくても、その気持ちは理解できた。
「それで、話した感じはどうだった?」
「やはり、貴族社会の縮図がここにはあるようです。ただ、虐めの対象は力の弱い小貴族のみに向けられているようです。商人が金を持ち始めているから、商家の人間に矛先を向けるリスクは犯していないのだと言っていました」
「確かに、最近は商家の邸宅の方が大きくなり始めております。逆に貴族は力を弱めているようで」
「それが更にストレスになっているのかな。手堅くコツコツ仕事と商売を誠実にしている家は王都でも力を保持しているけれど、汚い手で稼いでいた奴らは力を失っていく。王都はだいぶ、それで綺麗になってきたよね」
ウェインの言葉に頷きつつ、ランバートは更に話を続けた。
「家の鬱積した歪みが、ここに出ているように俺も思いました。ロディは小貴族の出身ですし、声を上げられるような子ではなかったようです。加害者たちからしたら、こんなに都合のいい相手はいなかったのでしょう」
そう言いながらも、ランバートの表情は歪む。こいつの性格からして、虐めの加害者というのは理解しがたく、嫌悪の対象なのだろう。さっぱりとして、家柄で人を見るような事のない奴だ。口にしない怒りが滲み出ている。
「虐めを苦にしての自殺で、間違いないのだろうな」
ファウストの表情も落ち込む。どれ程に悩み、苦しんだだろう。団長になってから五年、報告はあっても自殺というのは初めてだ。
大抵は虐めの報告があり、すぐに被害者を王都に呼んで話を聞き、対処してきた。声を上げられないほど気の弱い者がいる。そこに目が届かなかった。
「……自殺ではないと、考える者もいるようです」
静かな一言が室内に浸透していく。ファウストの表情が凍り付くのを、ランバートは静かな瞳で見ていた。徐々に怒りに震えてくる。声が、なかなか出ない。どういう意味か、それを考えると怒りの矛先が分からなくなる。
「どういうことだ」
「詳しくは話してくれませんでしたし、話した人物も確信があるわけではないと思います。そういう噂を聞いた、というレベルの話です。裏が取れるまでは、下手な動きは取らない方が良いかと思います」
「いいから言え」
どうしても声に怒気が混じる。ランバートが悪いわけでも、この事について話した奴が悪いわけでもない。そんな事は十分承知している。だが、腹の底から湧くような怒りが声を震わせ、どうしようもなく溢れてきてしまう。
ランバートは静かに一つ頷いた。そして、とても静かに口を開いた。
「そういう遊びがあるらしいと、言っていました。ごっこ遊びのような。勿論、本当に殺す気なんて当人たちにはなかったでしょうが、結果は」
重苦しい空気が室内に充満する。ファウストの周囲はどんどん気温が下がっていくような、寒々しい空気が満ちる。殺気に近い怒りが周囲の人間を恐怖させている事にも、ファウストは気付かない。それほどに怒りが体中を包んでいた。
だが、その額をツンと突く指がある。気付き、驚いて顔を上げると、深い海の瞳とぶつかる。深い怒りを同じように秘めながらも、それを隠し静かに見つめる瞳が。
指がもう一度、トンッと眉間の皺をつつく。それをただ、キョトンと見ていた。
「怖い顔をしていても、周囲を凍り付かせるだけですよ。それに、あんまり眉間に皺ばかり寄せていたら消えなくなります。綺麗な顔が台無しですよ」
「ランバート、お前な……」
この場で、なんでこいつはこういう事が言えるんだ。最後はとても綺麗な、胡散臭い笑みを浮かべて言ったランバートに呆れながらも、力が抜けていくのを感じる。そして次には、深い溜息だ。
「お叱りは後で聞きますから、とりあえず落ち着いてください。秋の夜長とは言いますが、時間は有限です。今後の取り仕切り、お願いします」
何か言ってやろうと思って何度か口を開いたが、もう何も出てこない。結局言葉が見つからず、脱力だ。
そうすると不意に腹の虫が悲鳴を上げる。緊張で感じていなかった空腹を妙に感じるようになる。
「もしかして、食べ損ねたんですか?」
「あぁ。さすがに、腹が減ったか」
「俺で良ければ、何か作りますよ。よろしければ、オーソン様とウェイン様も」
「君が作るのか?」
オーソンが驚いた顔でランバートに問う。それに、ランバートは素直に頷いた。
「厨房と食材をお貸しいただけますか?」
「あぁ、それは構わないが」
「それでは少し、席を外します」
そう言って出て行ったランバートの背を、残された皆が呆然と見送った。
「彼は本当に、ヒッテルスバッハの子息なのですか?」
オーソンの問いかけはもっともなことだろう。普通、貴族は自分の手で料理などしない。それどころか、お茶の支度だってしない。四家と呼ばれる大貴族の子息なら、部屋の片づけだって自分ではしないだろう。
だが、ファウストは慣れたように溜息をつくと、紅茶を一口飲む。最近この味にも慣れてきた。店で飲むのと変わりない味は、一朝一夕のものではない。
「あいつは多趣味だからな」
「変わり者もつけないと。とにかく、貴族の常識には当てはめられないよ。器用で色んな事ができるから」
その言葉に、オーソンは「はぁ……」としか答えようがなかった。
外が暗くなり、食事に出ていたオーソンに呼ばれるまで、ファウストはそうしていた。おかげで食事をとり損ねた。
「後で何か用意いたしましょうか」
「いや、構わない。風呂だけは入りたいが」
「用意しております」
ファウストの後ろにオーソンが従い、そこにウェインも合流する。そうして自室の前に到着したのだが、ファウストは扉を開ける前に立ちどまった。
「ファウスト様?」
「……あいつ、既に勝手知ったるように忍び込んだな」
溜息まじりのその言葉に、オーソンが剣を抜こうとする。だがファウストはそれを制して、扉を開けた。
部屋の中は紅茶の良い香りがする。そして、月光だけの中にランバートが待ち構えるようにして微笑んでいる。その不敵な顔に、ファウストは溜息をついた。
「早かったな」
「新人がお待たせするわけには参りませんので。風呂は諦めましたが」
「あとで俺と一緒に入ればいい」
そう言って部屋に入り、用意された紅茶に口をつける。驚いているオーソンを背後からせっついて扉を閉めたウェインも、同じように紅茶に手を伸ばした。
「オーソン、先に紹介しておく。ランバートだ」
「改めまして。ランバート・ヒッテルスバッハと申します」
深々と頭を下げたランバートに、オーソンは更に驚いた顔をした。
「王都にヒッテルスバッハの子息が入団したとは噂で聞いていたが、まさかこんな形で会う事があるとは」
「それほど驚くことではございません、オーソン様。四家の人間なんて珍しくはありません。実際、ファウスト様だってシュトライザー家の人間です」
「いや、それはそうだが……」
困ったような顔をするオーソンに紅茶をすすめたランバートは、全員が席についたのを確認して自分も空いている場所に座る。
それを見届けてから、ファウストは厳しい視線をランバートに向けた。
「どうだ?」
その一言で通じるだろう。多くを言わなくてもいい相手は楽だ。
ランバートも理解しているように頷いて、全員を見回して口を開き始めた。
「ピアースという人物と、その周囲の数人に接触できました。商家グループだそうで、けっこう話し上手の気のいい奴らです」
「早速とはすごいね、ランバート。やっぱり巻き込んで正解」
「どうせなら最初からそうして下さると良かったのに」
指を鳴らして明るく言うウェインに、苦笑したランバートが恨みごとを言う。これにはファウストも申し訳なく苦笑するしかなかった。
「本当は巻き込みたくはなかったんだが、どうにも手詰まりでな」
「この事、他の団長達には?」
その言葉に、ファウストは深刻な顔で首を横に振った。
「現地調査をしてからにしたくて、襲撃事件に関しては上げていない。事が公になればすぐにでも内部監査が入る。そうなれば相手かまわず犯人探しが始まるからな。疑わしいとなれば徹底的に調べ上げるのが奴らだ。そうなる前に説得し、連行したい」
「貴方は少し優しすぎます。貴方だって責任を問われるでしょうに」
苦笑し、気遣わしい表情で指摘されて、ファウストは困った顔をして頷く。実際責任を取らねばならない立場ではあるし、隠したとなれば余計に奴らに叱られる。謹慎、減俸なんてのは既に覚悟済みだ。
それでもこの犯人を庇いたいのは、そもそもの自殺を止められなかった責任を感じているからだ。やっている事に賛同はできなくても、その気持ちは理解できた。
「それで、話した感じはどうだった?」
「やはり、貴族社会の縮図がここにはあるようです。ただ、虐めの対象は力の弱い小貴族のみに向けられているようです。商人が金を持ち始めているから、商家の人間に矛先を向けるリスクは犯していないのだと言っていました」
「確かに、最近は商家の邸宅の方が大きくなり始めております。逆に貴族は力を弱めているようで」
「それが更にストレスになっているのかな。手堅くコツコツ仕事と商売を誠実にしている家は王都でも力を保持しているけれど、汚い手で稼いでいた奴らは力を失っていく。王都はだいぶ、それで綺麗になってきたよね」
ウェインの言葉に頷きつつ、ランバートは更に話を続けた。
「家の鬱積した歪みが、ここに出ているように俺も思いました。ロディは小貴族の出身ですし、声を上げられるような子ではなかったようです。加害者たちからしたら、こんなに都合のいい相手はいなかったのでしょう」
そう言いながらも、ランバートの表情は歪む。こいつの性格からして、虐めの加害者というのは理解しがたく、嫌悪の対象なのだろう。さっぱりとして、家柄で人を見るような事のない奴だ。口にしない怒りが滲み出ている。
「虐めを苦にしての自殺で、間違いないのだろうな」
ファウストの表情も落ち込む。どれ程に悩み、苦しんだだろう。団長になってから五年、報告はあっても自殺というのは初めてだ。
大抵は虐めの報告があり、すぐに被害者を王都に呼んで話を聞き、対処してきた。声を上げられないほど気の弱い者がいる。そこに目が届かなかった。
「……自殺ではないと、考える者もいるようです」
静かな一言が室内に浸透していく。ファウストの表情が凍り付くのを、ランバートは静かな瞳で見ていた。徐々に怒りに震えてくる。声が、なかなか出ない。どういう意味か、それを考えると怒りの矛先が分からなくなる。
「どういうことだ」
「詳しくは話してくれませんでしたし、話した人物も確信があるわけではないと思います。そういう噂を聞いた、というレベルの話です。裏が取れるまでは、下手な動きは取らない方が良いかと思います」
「いいから言え」
どうしても声に怒気が混じる。ランバートが悪いわけでも、この事について話した奴が悪いわけでもない。そんな事は十分承知している。だが、腹の底から湧くような怒りが声を震わせ、どうしようもなく溢れてきてしまう。
ランバートは静かに一つ頷いた。そして、とても静かに口を開いた。
「そういう遊びがあるらしいと、言っていました。ごっこ遊びのような。勿論、本当に殺す気なんて当人たちにはなかったでしょうが、結果は」
重苦しい空気が室内に充満する。ファウストの周囲はどんどん気温が下がっていくような、寒々しい空気が満ちる。殺気に近い怒りが周囲の人間を恐怖させている事にも、ファウストは気付かない。それほどに怒りが体中を包んでいた。
だが、その額をツンと突く指がある。気付き、驚いて顔を上げると、深い海の瞳とぶつかる。深い怒りを同じように秘めながらも、それを隠し静かに見つめる瞳が。
指がもう一度、トンッと眉間の皺をつつく。それをただ、キョトンと見ていた。
「怖い顔をしていても、周囲を凍り付かせるだけですよ。それに、あんまり眉間に皺ばかり寄せていたら消えなくなります。綺麗な顔が台無しですよ」
「ランバート、お前な……」
この場で、なんでこいつはこういう事が言えるんだ。最後はとても綺麗な、胡散臭い笑みを浮かべて言ったランバートに呆れながらも、力が抜けていくのを感じる。そして次には、深い溜息だ。
「お叱りは後で聞きますから、とりあえず落ち着いてください。秋の夜長とは言いますが、時間は有限です。今後の取り仕切り、お願いします」
何か言ってやろうと思って何度か口を開いたが、もう何も出てこない。結局言葉が見つからず、脱力だ。
そうすると不意に腹の虫が悲鳴を上げる。緊張で感じていなかった空腹を妙に感じるようになる。
「もしかして、食べ損ねたんですか?」
「あぁ。さすがに、腹が減ったか」
「俺で良ければ、何か作りますよ。よろしければ、オーソン様とウェイン様も」
「君が作るのか?」
オーソンが驚いた顔でランバートに問う。それに、ランバートは素直に頷いた。
「厨房と食材をお貸しいただけますか?」
「あぁ、それは構わないが」
「それでは少し、席を外します」
そう言って出て行ったランバートの背を、残された皆が呆然と見送った。
「彼は本当に、ヒッテルスバッハの子息なのですか?」
オーソンの問いかけはもっともなことだろう。普通、貴族は自分の手で料理などしない。それどころか、お茶の支度だってしない。四家と呼ばれる大貴族の子息なら、部屋の片づけだって自分ではしないだろう。
だが、ファウストは慣れたように溜息をつくと、紅茶を一口飲む。最近この味にも慣れてきた。店で飲むのと変わりない味は、一朝一夕のものではない。
「あいつは多趣味だからな」
「変わり者もつけないと。とにかく、貴族の常識には当てはめられないよ。器用で色んな事ができるから」
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