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ジェイク×レイバン
幸せな食卓を
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静かで平和な山間の村マローネにある、大きな木と小ぶりな店舗兼自宅の建物。赤い三角屋根のそこは温かく穏やかで、村の子供達がお菓子を買いにくる。
その家の裏手にある大きな木の根元の墓碑に、レイバンは猫の形をしたクッキーを置いた。
「今日も上手に焼けたよ、ジェイさん」
墓碑には『ジェイク・ヘースティング』の名があり、誰が置いたのか手摘みの野花が備えてある。これは子供達で、お菓子を買いにくるついでみたいに置いていくのだ。
レイバンは定年の五年前に退団し、ジェイクがいるマローネ村へときた。
沢山、辛い事があった。ゼロスが事故で亡くなり、ウェールズとの戦いでチェスター、トビー、トレヴァー、ボリスが亡くなった。ランバートは心を壊した。
それでも隊を支えようとした。ファウスト退団後、騎士団を率いたのは恩のあるグリフィスだった。リッツを亡くしても必死に守り続ける人を支えたいと願い頑張ったレイバンは、彼の引退と同時に騎士団を去ったのだった。
この村でジェイクは小さなレストランを開いていた。村の食材を使った家庭料理で美味しいと評判だった。
そこに転がり込んだレイバンを、彼は変わらず愛してくれて大事にしてくれた。
ここでの生活で、レイバンはお菓子作りを担当した。とは言ってもジェイクの得意なケーキはあんまりで、クッキーや小さな焼き菓子ばかりだった。
十年と少し、楽しく穏やかな生活が続いた。
けれどジェイクも年齢には勝てない。それでもかなりの長生きだったと思う。体調を崩して寝付いて一年、八十歳でこの世を去った。医療に格差のある小さな村で八十はかなり大往生で、本人もそれは認めていて、レイバンも理解していた。
だからこそ亡くなる時、比較的穏やかな気持ちでいられた。村の人達も来て言葉をかけて、レイバンを気遣ってくれて一緒に泣いて一緒に送り出した。
ジェイクも、とても穏やかな様子だった。
それからも商品を焼き菓子だけにして店は続けている。地元じゃキノコ採り名人なんて呼ばれて、子供達もよく遊びにきたりする。その子達にお菓子の作り方を教えたり、一緒に遊んだり。それであっという間に一日が過ぎて行くのである。
それでもふと、寂しくなる時はある。少し体調が悪い時や、寒い日。温めてくれる人を探してしまう。いないと分かっているのに。
月日が流れて、ジェイクが亡くなってから七年くらいが経った。
その年は雪の降り始めが早く、寒さも続いた。レイバンは七七歳になっていた。
「ごほ……はぁ、はぁ……」
風邪が長引いている。暖炉に火を入れても寒く感じる。食欲もあまりなくて、自慢の鼻もあまり利かない。何よりも息が長く続かない感じがした。
「レイバンさん、無理をしないで寝てね」
「おじいちゃん、大丈夫?」
直ぐ隣に住んでいる母子はよくこの店にお菓子を買いにきてくれて、ジェイクを亡くし一人になったレイバンを気遣い夕飯を一緒にすることも多い。レイバンが倒れた時、気づいてくれたのはこの母子だった。
「んっ、大丈夫だよ」
掠れた声でまだ幼い女の子の頭を撫でるレイバンの手は、いつの間にか皺が目立つものになっていた。
この手は血を知っている。人の命を奪う手だった。そんな手で作ったものを誰かに食べてもらうのは申し訳なく思っていたが、ジェイクは「国と人を守った手だ。自信持て」と言ってくれた。
もう当時の面影はない。短く切った爪、手には小麦粉や蜂蜜、砂糖といった匂いが染みている。
随分、素敵な手になったものだ。
「おじいちゃんの手、良い匂い」
「長くお菓子を作っていたもの」
「私、好き!」
「ありがとうっ、ごほ」
少し話すだけで急き込んでしまう。その度に胸の辺りが痛んでいる。声も出ているのか怪しいものだ。
「大丈夫ですか? やっぱりお医者様に」
「あぁ、いや。いいんだ」
今年は風邪の子も多いと聞く。レイバンはもういい年だ、今更医者にかかったってほんの少し長生きするだけ。それなら未来のある子供達が一人でも多く元気でいてくれればいい。
「明日、また様子を見にきますね」
「いいよ、気にしなくて。これから旦那さん、帰ってくるんだろ?」
彼女らの旦那は隣の町に出稼ぎに出ていて、月に一度くらい戻ってくる。そして今日は建国祭だ。
「おにいちゃん、はい」
「?」
女の子が手に何かを握らせる。それは銀色の猫の置物だ。建国祭の飾りだろう。
「おじいちゃん、猫好きだから」
「うん。ありがとう」
まだ持ち上がる手で頭を撫でて、それをそっと近くに置く。銀色で、ちょっと澄ました顔をしているそれはどことなくジェイクに似ている気がした。
「おーい、いるのか?」
「あっ、お父さん!」
家の戸口で声がして、女の子が駆けていく。母親の方はどことなく心配そうにこちらを見て迷っているから、レイバンは笑って頷いた。
「行って。俺は大丈夫だから」
「でも」
「……年だからね。何があっても二人のせいじゃないし、むしろ俺はジェイさんに会いたいから、安らかだと思うよ」
「そんな事!」
「……レシピ、ベッドの下にある。それ、持っていって」
「え?」
「こんな事しかお礼できないのが、申し訳ないんだけど」
「そんな!」
「それにね、誰かにこの味を引き継いで欲しいんだ」
ジェイクが書きためていた、作れるようにって。でも、レイバンは作れなかった。レシピの通りに作っても、一緒に食べてくれる大事な人がいない。味だけ真似てもそれに意味はなくて、寧ろ苦しくなるから。
「持っていって」
「……明日また、様子見にきますから」
「……ありがとう」
恵まれている。こんなに気に掛けてくれる人がいてくれる。
ゼロスはクラウルと一緒だった。トビーとステンも一緒だった。チェスターと、リカルドも。トレヴァーは一人で死んで、死体は戻らなかった。キアランはこの頃を境に凄く冷たくなった気がする。それと、酷く胃を病んだ。結局慢性的な胃炎と胃潰瘍、それに伴い胃に何度か穴が空いてリタイアし、ウルバスが引退して行き場のなくなった騎士団員の入れる施設を作ってそこに行った。その後は話を聞かない。
ランバートも最後は一人だったみたいだ。ファウストが死んだ直後は酷く荒れて、いっそ後を追うんじゃないかと思った。実際、そういう事も多少はあった。でもある日を境にピタリとそれがなくなり、王都にも顔を出すようになった。それでも最後を過ごした郊外の屋敷を離れる事はできず、そこで一人で息を引き取ったらしい。
レイバンが葬儀に参加できたのは、実はランバートだけだ。ゼロス、トレヴァーは葬儀はあったが遺体はなかった。トビー、チェスター、ステンは現地で朽ちた。ボリスの葬儀はクシュナートだった。
頑張った仲間の死が、苦しかった。皆、どんな気持ちで最後を迎えたのか。そんな事を思った。
でも、案外その時には笑っていたんじゃないかと思う。苦しくて辛くて誰かを恨んだり憎んだりするんじゃなく、「後を任せた」という気持ちだったんじゃないかと、今なら思う。
「ごは、あっ、はぁ、ごほっ!」
静かな室内の、見慣れた天井。一人長く生き残ったレイバンも、また誰かに託したい。大切にしている味を、あの人の思いを、自分の思いを……。
息ができない。溺れてるみたいだ。苦しくて意識が朦朧として……ふと、知っている匂いがした。
「シ……チュウ?」
建国祭の日、ジェイクがよく作ってくれた。朝からコトコト、店とは別に煮込んでいた。
『夕飯まで待てよ、レイバン。ちゃんと食わせてやるから』
『分かってるよ、ジェイさん。美味しそうな匂いだね』
『俺の秘伝のレシピだからな』
そんな風に言っていた料理。
「ジェイ、さん」
会いたいな。今、凄く寒い。本当はもうずっと、会いたくてたまらなかったんだ。
「ガ……トウ、ショ……コラ……食べたい」
ほんのりとする甘い匂い。ジェイクの作るガトーショコラ。レイバンの、一番のお気に入り。
『ほら、レイバン出来たぞ』
「うん……いた、だきま、す。ジェイ、さん……」
津々と綿のような雪が降る。とても静かな建国祭の夜。幸せな匂いと、優しく温かい思い出に抱かれて。
END
その家の裏手にある大きな木の根元の墓碑に、レイバンは猫の形をしたクッキーを置いた。
「今日も上手に焼けたよ、ジェイさん」
墓碑には『ジェイク・ヘースティング』の名があり、誰が置いたのか手摘みの野花が備えてある。これは子供達で、お菓子を買いにくるついでみたいに置いていくのだ。
レイバンは定年の五年前に退団し、ジェイクがいるマローネ村へときた。
沢山、辛い事があった。ゼロスが事故で亡くなり、ウェールズとの戦いでチェスター、トビー、トレヴァー、ボリスが亡くなった。ランバートは心を壊した。
それでも隊を支えようとした。ファウスト退団後、騎士団を率いたのは恩のあるグリフィスだった。リッツを亡くしても必死に守り続ける人を支えたいと願い頑張ったレイバンは、彼の引退と同時に騎士団を去ったのだった。
この村でジェイクは小さなレストランを開いていた。村の食材を使った家庭料理で美味しいと評判だった。
そこに転がり込んだレイバンを、彼は変わらず愛してくれて大事にしてくれた。
ここでの生活で、レイバンはお菓子作りを担当した。とは言ってもジェイクの得意なケーキはあんまりで、クッキーや小さな焼き菓子ばかりだった。
十年と少し、楽しく穏やかな生活が続いた。
けれどジェイクも年齢には勝てない。それでもかなりの長生きだったと思う。体調を崩して寝付いて一年、八十歳でこの世を去った。医療に格差のある小さな村で八十はかなり大往生で、本人もそれは認めていて、レイバンも理解していた。
だからこそ亡くなる時、比較的穏やかな気持ちでいられた。村の人達も来て言葉をかけて、レイバンを気遣ってくれて一緒に泣いて一緒に送り出した。
ジェイクも、とても穏やかな様子だった。
それからも商品を焼き菓子だけにして店は続けている。地元じゃキノコ採り名人なんて呼ばれて、子供達もよく遊びにきたりする。その子達にお菓子の作り方を教えたり、一緒に遊んだり。それであっという間に一日が過ぎて行くのである。
それでもふと、寂しくなる時はある。少し体調が悪い時や、寒い日。温めてくれる人を探してしまう。いないと分かっているのに。
月日が流れて、ジェイクが亡くなってから七年くらいが経った。
その年は雪の降り始めが早く、寒さも続いた。レイバンは七七歳になっていた。
「ごほ……はぁ、はぁ……」
風邪が長引いている。暖炉に火を入れても寒く感じる。食欲もあまりなくて、自慢の鼻もあまり利かない。何よりも息が長く続かない感じがした。
「レイバンさん、無理をしないで寝てね」
「おじいちゃん、大丈夫?」
直ぐ隣に住んでいる母子はよくこの店にお菓子を買いにきてくれて、ジェイクを亡くし一人になったレイバンを気遣い夕飯を一緒にすることも多い。レイバンが倒れた時、気づいてくれたのはこの母子だった。
「んっ、大丈夫だよ」
掠れた声でまだ幼い女の子の頭を撫でるレイバンの手は、いつの間にか皺が目立つものになっていた。
この手は血を知っている。人の命を奪う手だった。そんな手で作ったものを誰かに食べてもらうのは申し訳なく思っていたが、ジェイクは「国と人を守った手だ。自信持て」と言ってくれた。
もう当時の面影はない。短く切った爪、手には小麦粉や蜂蜜、砂糖といった匂いが染みている。
随分、素敵な手になったものだ。
「おじいちゃんの手、良い匂い」
「長くお菓子を作っていたもの」
「私、好き!」
「ありがとうっ、ごほ」
少し話すだけで急き込んでしまう。その度に胸の辺りが痛んでいる。声も出ているのか怪しいものだ。
「大丈夫ですか? やっぱりお医者様に」
「あぁ、いや。いいんだ」
今年は風邪の子も多いと聞く。レイバンはもういい年だ、今更医者にかかったってほんの少し長生きするだけ。それなら未来のある子供達が一人でも多く元気でいてくれればいい。
「明日、また様子を見にきますね」
「いいよ、気にしなくて。これから旦那さん、帰ってくるんだろ?」
彼女らの旦那は隣の町に出稼ぎに出ていて、月に一度くらい戻ってくる。そして今日は建国祭だ。
「おにいちゃん、はい」
「?」
女の子が手に何かを握らせる。それは銀色の猫の置物だ。建国祭の飾りだろう。
「おじいちゃん、猫好きだから」
「うん。ありがとう」
まだ持ち上がる手で頭を撫でて、それをそっと近くに置く。銀色で、ちょっと澄ました顔をしているそれはどことなくジェイクに似ている気がした。
「おーい、いるのか?」
「あっ、お父さん!」
家の戸口で声がして、女の子が駆けていく。母親の方はどことなく心配そうにこちらを見て迷っているから、レイバンは笑って頷いた。
「行って。俺は大丈夫だから」
「でも」
「……年だからね。何があっても二人のせいじゃないし、むしろ俺はジェイさんに会いたいから、安らかだと思うよ」
「そんな事!」
「……レシピ、ベッドの下にある。それ、持っていって」
「え?」
「こんな事しかお礼できないのが、申し訳ないんだけど」
「そんな!」
「それにね、誰かにこの味を引き継いで欲しいんだ」
ジェイクが書きためていた、作れるようにって。でも、レイバンは作れなかった。レシピの通りに作っても、一緒に食べてくれる大事な人がいない。味だけ真似てもそれに意味はなくて、寧ろ苦しくなるから。
「持っていって」
「……明日また、様子見にきますから」
「……ありがとう」
恵まれている。こんなに気に掛けてくれる人がいてくれる。
ゼロスはクラウルと一緒だった。トビーとステンも一緒だった。チェスターと、リカルドも。トレヴァーは一人で死んで、死体は戻らなかった。キアランはこの頃を境に凄く冷たくなった気がする。それと、酷く胃を病んだ。結局慢性的な胃炎と胃潰瘍、それに伴い胃に何度か穴が空いてリタイアし、ウルバスが引退して行き場のなくなった騎士団員の入れる施設を作ってそこに行った。その後は話を聞かない。
ランバートも最後は一人だったみたいだ。ファウストが死んだ直後は酷く荒れて、いっそ後を追うんじゃないかと思った。実際、そういう事も多少はあった。でもある日を境にピタリとそれがなくなり、王都にも顔を出すようになった。それでも最後を過ごした郊外の屋敷を離れる事はできず、そこで一人で息を引き取ったらしい。
レイバンが葬儀に参加できたのは、実はランバートだけだ。ゼロス、トレヴァーは葬儀はあったが遺体はなかった。トビー、チェスター、ステンは現地で朽ちた。ボリスの葬儀はクシュナートだった。
頑張った仲間の死が、苦しかった。皆、どんな気持ちで最後を迎えたのか。そんな事を思った。
でも、案外その時には笑っていたんじゃないかと思う。苦しくて辛くて誰かを恨んだり憎んだりするんじゃなく、「後を任せた」という気持ちだったんじゃないかと、今なら思う。
「ごは、あっ、はぁ、ごほっ!」
静かな室内の、見慣れた天井。一人長く生き残ったレイバンも、また誰かに託したい。大切にしている味を、あの人の思いを、自分の思いを……。
息ができない。溺れてるみたいだ。苦しくて意識が朦朧として……ふと、知っている匂いがした。
「シ……チュウ?」
建国祭の日、ジェイクがよく作ってくれた。朝からコトコト、店とは別に煮込んでいた。
『夕飯まで待てよ、レイバン。ちゃんと食わせてやるから』
『分かってるよ、ジェイさん。美味しそうな匂いだね』
『俺の秘伝のレシピだからな』
そんな風に言っていた料理。
「ジェイ、さん」
会いたいな。今、凄く寒い。本当はもうずっと、会いたくてたまらなかったんだ。
「ガ……トウ、ショ……コラ……食べたい」
ほんのりとする甘い匂い。ジェイクの作るガトーショコラ。レイバンの、一番のお気に入り。
『ほら、レイバン出来たぞ』
「うん……いた、だきま、す。ジェイ、さん……」
津々と綿のような雪が降る。とても静かな建国祭の夜。幸せな匂いと、優しく温かい思い出に抱かれて。
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