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機械都市編
070話 都市伝説
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-機械都市ギュノス国 クリスタルタワー-
「この階段長すぎ!この都市をデザインした人は機能性とか絶対考えて無い!」
「まあ、見た目重視でデザイナー担当が制作側の意向通りに仕上げるだろう、一級建築士を雇ってゲームの都市を設計するとか無駄な事はしないでしょうね。」
「そもそも、クリスタルで塔を作るとか非現実的でござる。」
ゲームに関するメタ発言は昔良く皆で話していたのを思い出す。
実際生身の感覚でゲームをしていると、不都合に感じる事が多いのは事実だ。
ゲーム制作陣はこの世界のNPCからすれば、八百万の神と言うべき存在だ。
「愚かな。この美しさが分からんとはな・・・この塔はゲームサービスが続いていたら暗黒神ザナファより強い追加ボスが実装予定だったのだ。」
「あ、私もそれ聞いた事有るけどSNS場で広まった都市伝説でしょう?」
「制作陣のみぞ知るってヤツですね。」
「デバッグ用の武器は欲しいでござるな。」
このSMOにはいくつかの都市伝説が存在する。
「世界に一つしか存在しないデバッグ用の武器」
全てのモンスターを問答無用の一撃で倒せる最強武器。
イベントチェック用に造られたデバッグ武器、ラスボスすらも一撃で葬る。
「スタッフの愚痴が書かれたアイテム」
スタッフがこっそりと不満を書いた没アイテム。
複数存在する、鍛冶師が造ったアイテムと言う噂も有る。
「暗黒化したクリスタルタワー」
没企画?未実装イベント。
噂の出所は不明、ゲーム雑誌のインタビュー記事との話。
「完璧な問答の出来るNPC」
超進化したAI、システムバグNPC。
ゲームマスターもしくはプレイヤー説が濃厚。
「未実装の大陸」
没フィールド?未実装イベント。
決まった手順を踏むと見えない大陸に入れる。
「黄色い巨大ダイヤモンド」
没アイテム?未実装イベント。
噂の出所は不明、ゲーム雑誌のインタビュー記事との話。
「倒す事の出来ないモンスター」
バグ。何らかのバグでHPが無限になってしまった説が濃厚。
・・・etc。
噂を数えればキリが無い。
実際に目撃した人間が殆ど居ない為、ただの都市伝説として語られている。
仮にバグや不具合でもアップデートでこっそりと修正してしまえば、以降発見される事は無い。
壁抜けや特殊技能高速化等のバグを含めたら数えきれない程有り、私がゲームを始める前にアップデート更新の際に修正されたりと色々有るのだと引退した元ギルドメンバーの友人に聞いた。
私自身そう言ったバグに遭遇した事は無いけど、最盛期の時はプロのシステムエンジニアのプレイヤー達はアップデート時の更新プログラムのソースコードを覗いて様々な憶測や考察が行われていたらしい。
結局、極少数の人間が遭遇したバグか嘘の風潮ではないかと言う程度の都市伝説でしかない。
「シノブ殿の出会った老婆は都市伝説のNPCではござらんか?」
「う~ん、そうなのかな?宝玉もあの老婆が壊したのかもね。」
「宝玉を破壊する為に造られたNPCが存在するって事ですか?それは『イベントフラグそのもの』なんじゃないですか?」
「・・・・・・」
サクラに対して咲耶が言った言葉が妙に気になった。
過去にも他のプレイヤーがあの老婆を目撃し、SNSで報告を上げた事が有るのだろうか?
現在この世界に居る私達にはゲームに関する過去ログをネットで調べる事は出来ない。
ああ、携帯が欲しい。
超もどかしい、ググりたい!
まさに携帯電話依存症は現代病の一種なのかも知れない。
「あの老婆がイベントフラグをON、OFFしている張本人って事?」
「シノブは深淵を垣間見たのだ!そして深淵もまたシノブを覗き、そして今も監視しているのだろう。サクラは見ていないのだろう?そのBBAを。」
「ああ、宿屋で罠に拘束されていたから見て無いでござる。」
サクラの台詞を聞いて咲耶の眉間に皺が出来る。
気に障ったと言う雰囲気を纏いサクラに喰って掛かる。
「ああん!?お前は2人で旅をしていた時からシノブにちょっかいを掛けて罠に嵌ってたんですか?馬鹿ですか?このネカマめ!」
「お主もネカマだったではござらんか!拙者を謀りおって!」
2人が口喧嘩を始めてDOSが止めに入る。
そうだ、今は入口で立ち話をしている場合じゃない。
咲耶の言ってた事が当たっていたらイベントフラグを強制的に立てる人物がクリスタルタワー内部にまだ居るかもしれない。
「我も見たいぞ!その深淵を!」
「うん、私も確かめたい。行こう!」
あの時、老婆が何か言っていた様な気がする。
何気ない事だったので忘れてしまった。
クリスタルタワーは破壊された痕跡は無く、いつもと同じ様子で聳え立っている。
だが本来薄く輝いてい見えるのだが、ドーム状に覆われた都市自体の電力供給が無く暗闇の為か輝き自体も失われている様子だ。
私達はクリスタルタワーの扉をこじ開け内部へと入って行った。
「この階段長すぎ!この都市をデザインした人は機能性とか絶対考えて無い!」
「まあ、見た目重視でデザイナー担当が制作側の意向通りに仕上げるだろう、一級建築士を雇ってゲームの都市を設計するとか無駄な事はしないでしょうね。」
「そもそも、クリスタルで塔を作るとか非現実的でござる。」
ゲームに関するメタ発言は昔良く皆で話していたのを思い出す。
実際生身の感覚でゲームをしていると、不都合に感じる事が多いのは事実だ。
ゲーム制作陣はこの世界のNPCからすれば、八百万の神と言うべき存在だ。
「愚かな。この美しさが分からんとはな・・・この塔はゲームサービスが続いていたら暗黒神ザナファより強い追加ボスが実装予定だったのだ。」
「あ、私もそれ聞いた事有るけどSNS場で広まった都市伝説でしょう?」
「制作陣のみぞ知るってヤツですね。」
「デバッグ用の武器は欲しいでござるな。」
このSMOにはいくつかの都市伝説が存在する。
「世界に一つしか存在しないデバッグ用の武器」
全てのモンスターを問答無用の一撃で倒せる最強武器。
イベントチェック用に造られたデバッグ武器、ラスボスすらも一撃で葬る。
「スタッフの愚痴が書かれたアイテム」
スタッフがこっそりと不満を書いた没アイテム。
複数存在する、鍛冶師が造ったアイテムと言う噂も有る。
「暗黒化したクリスタルタワー」
没企画?未実装イベント。
噂の出所は不明、ゲーム雑誌のインタビュー記事との話。
「完璧な問答の出来るNPC」
超進化したAI、システムバグNPC。
ゲームマスターもしくはプレイヤー説が濃厚。
「未実装の大陸」
没フィールド?未実装イベント。
決まった手順を踏むと見えない大陸に入れる。
「黄色い巨大ダイヤモンド」
没アイテム?未実装イベント。
噂の出所は不明、ゲーム雑誌のインタビュー記事との話。
「倒す事の出来ないモンスター」
バグ。何らかのバグでHPが無限になってしまった説が濃厚。
・・・etc。
噂を数えればキリが無い。
実際に目撃した人間が殆ど居ない為、ただの都市伝説として語られている。
仮にバグや不具合でもアップデートでこっそりと修正してしまえば、以降発見される事は無い。
壁抜けや特殊技能高速化等のバグを含めたら数えきれない程有り、私がゲームを始める前にアップデート更新の際に修正されたりと色々有るのだと引退した元ギルドメンバーの友人に聞いた。
私自身そう言ったバグに遭遇した事は無いけど、最盛期の時はプロのシステムエンジニアのプレイヤー達はアップデート時の更新プログラムのソースコードを覗いて様々な憶測や考察が行われていたらしい。
結局、極少数の人間が遭遇したバグか嘘の風潮ではないかと言う程度の都市伝説でしかない。
「シノブ殿の出会った老婆は都市伝説のNPCではござらんか?」
「う~ん、そうなのかな?宝玉もあの老婆が壊したのかもね。」
「宝玉を破壊する為に造られたNPCが存在するって事ですか?それは『イベントフラグそのもの』なんじゃないですか?」
「・・・・・・」
サクラに対して咲耶が言った言葉が妙に気になった。
過去にも他のプレイヤーがあの老婆を目撃し、SNSで報告を上げた事が有るのだろうか?
現在この世界に居る私達にはゲームに関する過去ログをネットで調べる事は出来ない。
ああ、携帯が欲しい。
超もどかしい、ググりたい!
まさに携帯電話依存症は現代病の一種なのかも知れない。
「あの老婆がイベントフラグをON、OFFしている張本人って事?」
「シノブは深淵を垣間見たのだ!そして深淵もまたシノブを覗き、そして今も監視しているのだろう。サクラは見ていないのだろう?そのBBAを。」
「ああ、宿屋で罠に拘束されていたから見て無いでござる。」
サクラの台詞を聞いて咲耶の眉間に皺が出来る。
気に障ったと言う雰囲気を纏いサクラに喰って掛かる。
「ああん!?お前は2人で旅をしていた時からシノブにちょっかいを掛けて罠に嵌ってたんですか?馬鹿ですか?このネカマめ!」
「お主もネカマだったではござらんか!拙者を謀りおって!」
2人が口喧嘩を始めてDOSが止めに入る。
そうだ、今は入口で立ち話をしている場合じゃない。
咲耶の言ってた事が当たっていたらイベントフラグを強制的に立てる人物がクリスタルタワー内部にまだ居るかもしれない。
「我も見たいぞ!その深淵を!」
「うん、私も確かめたい。行こう!」
あの時、老婆が何か言っていた様な気がする。
何気ない事だったので忘れてしまった。
クリスタルタワーは破壊された痕跡は無く、いつもと同じ様子で聳え立っている。
だが本来薄く輝いてい見えるのだが、ドーム状に覆われた都市自体の電力供給が無く暗闇の為か輝き自体も失われている様子だ。
私達はクリスタルタワーの扉をこじ開け内部へと入って行った。
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