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閑話休題 -次に向けての準備期間-
閑話休題 -45話-[ドーモ。ドワーフ=サン。②]
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ゲートを閉じて改めて周囲を見回してみたが、
土の国らしく余る土地が多いのか氷龍の巣よりも広大であることが見て取れた。
それに中央と思しき場所には標高がめちゃ高い山がある事から、
あそこが俺たちが目指すべき地竜の王様が居るところなのだろう。
「で、ここはそもそも島なのか?」
『島かどうかは微妙なところだ。
地続きなのは確かだが島までの道のりが海で隠れたり現れたりするからな』
なんだっけ。[とんぼろ現象]だっけ?
「じゃあ来ようと思えば誰でも来られるのか?」
『いや、それは無い。
道が隠れている状態だと水深は3mを超えるから海の魔物に襲われるし、
現れたとしても道とは言えない線が出る程度だからどちらにしろ海に浸かることになる』
海の魔物は凶暴で小さくても大きくてもランク7が平均と言われている。
水中戦のノウハウがなければPTだとしても各個撃破されるのがオチだしな。
ついでに縦横無尽に数倍の速度で動き回り、
四面楚歌で底の見えない増援とくれば人間も心折れるのは必然か。
あれ? うちの国って漁師で生計立ててる奴多いよな……。
海に出ないからあまり気にしていなかったけど今度海辺の町に行ってご教授願おうかな。
『それに道程が10㎞と長くとても人が来られる環境ではない』
「なるほどねぇ。それなら余程のスキルが無いと来られないか……。
で、ここはどのあたりになるんだ?」
『説明する』
そういうと土精ウォルベズは乾燥して固まった地面を隆起させてこの島の全容を表現してくれた。
以前アクアとアルシェも氷でパノラマを造ったこともあるし、
この方法なら全員にわかりやすく説明できるな。
パノラマの周囲に全員が立ったことを確認したウォルベズが説明を始める。
『そちらの細くなっている先が人の住む土地に繋がる箇所だ。
そして俺たちは今ここにいる』
『近くに集落があるですか?』
「あ、これ集落なのだ?」
『その通り。ここから少し行った先にドワーフの村がある。
精霊使いが必要としている者たちではなく普通のドワーフだが』
俺が目当てにしているドワーフは竜との混血だから、
ウォルベズが説明した彼らは本来のドワーフという事なのだろう。
とはいえ、採掘や鍛造技術は凄いと俺の世界でなっているドワーフも、
この世界では人族とあまり接触しないことで詳しい情報はほぼない状態。
この世界においては森人[テレリ]、山人[ドワーフ]、海人[ヴァンヤール]と分かれるエルフだが、
最古の妖精と言われる存在で長い年月で確固たる種族の地位を確立している。
マリエルのカエル妖精の遠縁と言えば遠縁なのがテレリ族かなって微妙なラインの話。
時々変わり者が出て人の世で活動していても里の場所とかは漏らすことがないとか。
なので彼らの村に立ち寄ると何が起こるかわからない。
そもそも鍛冶スキルを持っているのかもわからん。
いや、でも土精王ティターン様は混血ドワーフの情報を持っていたんだしそれなりには期待できるはずだよな。
「一旦訪問して受け入れてもらえたら拠点にしよう。
宿は無いだろうから泊めてもらうか土地を借りてノイに簡易拠点を作ってもらうかだな」
今回はアルシェ達とは別行動でこっちは少数だからクーを連れて来ていない為、
快適な[影別荘]を利用することが出来ない。
都度帰るでもいいけどちょっと最近甘え過ぎだし、
便利がなかった時期の様にここで気を引き締めておきたい。
「わははーー!!何もないのだーー!!」
「頼むからドワーフの村で何もないとか言ってくれるなよぉ…」
『アルシェとマリエルがちゃんと教えて込んでいるらしいです。
真面目な話をしている時はマスターから話を振られるまでは黙っている事って』
「そういえばティターン様の時も無駄に喋りはしなかったな」
なんだろうね。
奥さんに専業主婦と子供の世話を任せっきりにして仕事ばかりの旦那の気分だな。
少し見ないうちに子供は成長している。
うちの子供は利発な精霊ばかりだからその成長速度もひとしおだ。
「お父さんを置いて大人にならないでくれよ」
『はい!ベルはまだまだ子供でいます!』
『僕も、まだ大人になる予定はない』
おうおう、可愛い末っ子共め。
なんて可愛いんだ。本当に食べたいくらいに可愛い。
チラッ。チラッ。
『あ、上4人は早く大人になりたいと思っているですよ。
アニマはともかくボクも含めて3人はお父さんの助けになりたいと思っているですから』
「それはそれで嬉しいぞぉ~。すりすり」
『はいはい。まぁボクたちが大人になったその時にお父さんが居るかは別ですが』
そうなんだよなぁ。すりすり。
ぞんざいな扱いだけど頰すりを嫌がらなくなったノイ。
数年以内に勇者メリオがお役目を達成するだろうし、
俺も彼と同時に元の世界に戻ることになる予定だからな。
一応保護者は見つけてサブマスターにしているから衣食住の問題は解決し始めているけど、
こいつらの成長していく姿を見守り続けられないのは悲しい。
ちゅっ…ずぞぞぞぞぞぞ。
『っ!それは嫌です!』パチン!
「いった!?」
愛が高まり、頬へのキスから自然な流れで吸い付きを始めたのに、
速攻でノイからビンタされた。
セリア先生にも怒られたから跡が残らない様に配慮した甘吸いに留めるつもりだったのに、
ノイにとってはトラウマ級に嫌な事だったのかもしれない。
小さいお手手の割にダメージの通るしっかりとしたビンタだった。
『吸い付き以外ならある程度許容するです。あれは嫌です』
「はい」
土の国らしく余る土地が多いのか氷龍の巣よりも広大であることが見て取れた。
それに中央と思しき場所には標高がめちゃ高い山がある事から、
あそこが俺たちが目指すべき地竜の王様が居るところなのだろう。
「で、ここはそもそも島なのか?」
『島かどうかは微妙なところだ。
地続きなのは確かだが島までの道のりが海で隠れたり現れたりするからな』
なんだっけ。[とんぼろ現象]だっけ?
「じゃあ来ようと思えば誰でも来られるのか?」
『いや、それは無い。
道が隠れている状態だと水深は3mを超えるから海の魔物に襲われるし、
現れたとしても道とは言えない線が出る程度だからどちらにしろ海に浸かることになる』
海の魔物は凶暴で小さくても大きくてもランク7が平均と言われている。
水中戦のノウハウがなければPTだとしても各個撃破されるのがオチだしな。
ついでに縦横無尽に数倍の速度で動き回り、
四面楚歌で底の見えない増援とくれば人間も心折れるのは必然か。
あれ? うちの国って漁師で生計立ててる奴多いよな……。
海に出ないからあまり気にしていなかったけど今度海辺の町に行ってご教授願おうかな。
『それに道程が10㎞と長くとても人が来られる環境ではない』
「なるほどねぇ。それなら余程のスキルが無いと来られないか……。
で、ここはどのあたりになるんだ?」
『説明する』
そういうと土精ウォルベズは乾燥して固まった地面を隆起させてこの島の全容を表現してくれた。
以前アクアとアルシェも氷でパノラマを造ったこともあるし、
この方法なら全員にわかりやすく説明できるな。
パノラマの周囲に全員が立ったことを確認したウォルベズが説明を始める。
『そちらの細くなっている先が人の住む土地に繋がる箇所だ。
そして俺たちは今ここにいる』
『近くに集落があるですか?』
「あ、これ集落なのだ?」
『その通り。ここから少し行った先にドワーフの村がある。
精霊使いが必要としている者たちではなく普通のドワーフだが』
俺が目当てにしているドワーフは竜との混血だから、
ウォルベズが説明した彼らは本来のドワーフという事なのだろう。
とはいえ、採掘や鍛造技術は凄いと俺の世界でなっているドワーフも、
この世界では人族とあまり接触しないことで詳しい情報はほぼない状態。
この世界においては森人[テレリ]、山人[ドワーフ]、海人[ヴァンヤール]と分かれるエルフだが、
最古の妖精と言われる存在で長い年月で確固たる種族の地位を確立している。
マリエルのカエル妖精の遠縁と言えば遠縁なのがテレリ族かなって微妙なラインの話。
時々変わり者が出て人の世で活動していても里の場所とかは漏らすことがないとか。
なので彼らの村に立ち寄ると何が起こるかわからない。
そもそも鍛冶スキルを持っているのかもわからん。
いや、でも土精王ティターン様は混血ドワーフの情報を持っていたんだしそれなりには期待できるはずだよな。
「一旦訪問して受け入れてもらえたら拠点にしよう。
宿は無いだろうから泊めてもらうか土地を借りてノイに簡易拠点を作ってもらうかだな」
今回はアルシェ達とは別行動でこっちは少数だからクーを連れて来ていない為、
快適な[影別荘]を利用することが出来ない。
都度帰るでもいいけどちょっと最近甘え過ぎだし、
便利がなかった時期の様にここで気を引き締めておきたい。
「わははーー!!何もないのだーー!!」
「頼むからドワーフの村で何もないとか言ってくれるなよぉ…」
『アルシェとマリエルがちゃんと教えて込んでいるらしいです。
真面目な話をしている時はマスターから話を振られるまでは黙っている事って』
「そういえばティターン様の時も無駄に喋りはしなかったな」
なんだろうね。
奥さんに専業主婦と子供の世話を任せっきりにして仕事ばかりの旦那の気分だな。
少し見ないうちに子供は成長している。
うちの子供は利発な精霊ばかりだからその成長速度もひとしおだ。
「お父さんを置いて大人にならないでくれよ」
『はい!ベルはまだまだ子供でいます!』
『僕も、まだ大人になる予定はない』
おうおう、可愛い末っ子共め。
なんて可愛いんだ。本当に食べたいくらいに可愛い。
チラッ。チラッ。
『あ、上4人は早く大人になりたいと思っているですよ。
アニマはともかくボクも含めて3人はお父さんの助けになりたいと思っているですから』
「それはそれで嬉しいぞぉ~。すりすり」
『はいはい。まぁボクたちが大人になったその時にお父さんが居るかは別ですが』
そうなんだよなぁ。すりすり。
ぞんざいな扱いだけど頰すりを嫌がらなくなったノイ。
数年以内に勇者メリオがお役目を達成するだろうし、
俺も彼と同時に元の世界に戻ることになる予定だからな。
一応保護者は見つけてサブマスターにしているから衣食住の問題は解決し始めているけど、
こいつらの成長していく姿を見守り続けられないのは悲しい。
ちゅっ…ずぞぞぞぞぞぞ。
『っ!それは嫌です!』パチン!
「いった!?」
愛が高まり、頬へのキスから自然な流れで吸い付きを始めたのに、
速攻でノイからビンタされた。
セリア先生にも怒られたから跡が残らない様に配慮した甘吸いに留めるつもりだったのに、
ノイにとってはトラウマ級に嫌な事だったのかもしれない。
小さいお手手の割にダメージの通るしっかりとしたビンタだった。
『吸い付き以外ならある程度許容するです。あれは嫌です』
「はい」
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