242 / 450
閑話休題 -次に向けての準備期間-
閑話休題 -46話-[ドーモ。ドワーフ=サン。③]
しおりを挟む
土精ウォルベズの案内に従って岩だの穴だのを避けて進んでいくと、
迂回せざるを得ない大岩の向こう側に煙が上がっているのが見えた。
「ドワーフの里が近いけど、ウォルベズも交流は無いんだよな?」
『竜を探すことを優先したから交流は無い。
地形を把握してすぐに王に報告したら岩に擬態して待機していた』
「先を見てくるのだー!」
ドワーフとはいえこの世界の言語は統一されていると聞いたから、
いくら人里離れた竜の島出身者でも言葉は通じると願いたい。
まぁブルー・ドラゴンでも同じ言語だったんだし大丈夫かな。
しかし、さっそく問題が起こったようだ。
先を見てくると村へ先行していたタルテューフォがドタドタと勢いよく戻って来た。
若干殺気が漏れているのか、迫力が[ヤマノサチ]のそれになっているから何かあったのだろう。
「にーにぃ!あいつら何か失礼だったぞっ!
タルのこと指差して魔物だ魔物だって!殺していいっ!?」
「馬鹿たれ、とりあえず落ち着いて話をしろ。
あんまり殺気立つな、余計なすれ違いが起こる元だぞ」
「むぅー!!わかったっ!!」
わかってない迫力の言葉と声量。
とりあえず落ち着かせる為に頬を挟んでムニムニマッサージで解してやり、
猫っ可愛がりの様に頭をわしゃわしゃ撫で繰り回してやればボルテージも下がって来た。
「おら、何があったか話してみろ」
村の方も騒ぎが広がったのか耳を澄ませばザワツキがここまで伝わってくる。
あっちが攻勢に出てこちらに来る可能性もあるし先に事情を確認しないと。
「タルが村に着いたらすぐに近くに居た女が騒ぎ出して、
大勢が家から出てきて「獣人?何故この村に……」とか聞こえたから元の姿に戻って見せたら、
魔物だ!魔物だ!ヤマノサチだぞ!って言い始めて「精霊使いの悪夢が終わっていないのにさらに問題が……」って」
「精霊使い? 俺以外の精霊使いがここに先に辿り着いていたのか?
いや、でも悪夢とか言われてるから友好的な話じゃないか……」
「あとは「1匹なら殺してしまおう」「やろうやろう!」って流れて行って、
ずっと酷い言葉をみんなに言われたっ!ねぇ!殺していいっ!?」
「すぐ殺そうとするのはダメだぞ。
事情を聴いて敵対するかどうか判断する為に俺と一緒に村に行こう。
ストレス発散なら後で付き合ってやるから今は一旦我慢してくれ」
「うぅ~~~~~!!!!」
ガシッ!!!ギュ~~~~~ッ!!!
と悔しさを飲み込もうと頑張ってくれるタルを抱き締めながら頭も撫でる。
これだけで俺のHPが徐々に減っているのが聖獣[ヤマノサチ]のポテンシャルの恐ろしさよ。
「ウォルベズはドワーフが精霊使いを敵視しているって知っていたか?」
『知っていれば伝えていた。
その精霊使いについても知らないがいくつか潜伏先に使われそうな洞窟は教えられる』
「状況次第では調べるからあとで教えてくれ」
あとはうちの娘たちもだな。
あんまり知らない土地で離れたくはないのだけれどここはウォルベズも居るし頼ろう。
「無精以外の精霊は居ない方が話が円滑に出来そうだから、
ノイはフラムとベルを頼むな」
『わかったです』
「ウォルベズも悪いけどこいつらを頼むな」
『了解だ』
子供たち全員の頭を撫でてからウォルベズに護衛を頼む。
ずっと追っていた俺以外に確認されている精霊使いの足取りがずっと辿れなかったのはこんなところに引き籠っていたからだろうか?
それにしては問題を起こしてドワーフを警戒させている様だしどういう人物なんだか。
「フリューネは俺と一緒に行こう。
タルを魔物と言ったならお前も勘違いしてもらえるかもしれない。
精霊使いとしてではなく魔物使いとして話をしてみる」
『宗八と離されないならペットの役でもやってあげるよ』
「ワイバーンとかに変化は出来ないか?
出来る出来ないに関わらず喋るのは無しでな」
『似た姿には出来るけど完全じゃないね。
それに大きさもそれなりに大きくなっちゃうよ?』
「すまんが変化を頼む。今のままじゃ風格があり過ぎだ」
俺の言葉選びが気に入ったのかフリューネは上機嫌で身体の構造を組み替えていく。
今までは俺の肩上に手を置き、
脚を股関節に引っ掛け尻尾を身体に巻き付けてバランスが取れる程度の大きさだった。
だいたい大きめのグリーンイグアナ位。
それがファンタジー世界でよく見る、人より大きい程度の翼竜になった。
背にあった翼が腕と融合し、
なるほど確かにこれこそがワイバーン。この世界のワイバーンなんだろう。
翼を畳んで四足歩行で寄って来るその姿は、
元の世界の映画で観た小型の肉食翼竜に酷似していた。
『どうだい?』
「うん、小物感が増したな。
これなら自分らの近くに住む地竜の関係者とは思わないだろう」
流石に俺の背中に張り付くには腕部分の爪がデカく鋭く肩を掴むには適していなかったので、
俺の後を追って付いてきてもらう事にした。
翼の構造上、前腕は親指だけで支えているだろうに軽快な走りを楽しむ余裕があるらしい。
「じゃあ行ってくる」
『マスター、気を付けるですよ』
『『いってらっしゃい』』
迂回せざるを得ない大岩の向こう側に煙が上がっているのが見えた。
「ドワーフの里が近いけど、ウォルベズも交流は無いんだよな?」
『竜を探すことを優先したから交流は無い。
地形を把握してすぐに王に報告したら岩に擬態して待機していた』
「先を見てくるのだー!」
ドワーフとはいえこの世界の言語は統一されていると聞いたから、
いくら人里離れた竜の島出身者でも言葉は通じると願いたい。
まぁブルー・ドラゴンでも同じ言語だったんだし大丈夫かな。
しかし、さっそく問題が起こったようだ。
先を見てくると村へ先行していたタルテューフォがドタドタと勢いよく戻って来た。
若干殺気が漏れているのか、迫力が[ヤマノサチ]のそれになっているから何かあったのだろう。
「にーにぃ!あいつら何か失礼だったぞっ!
タルのこと指差して魔物だ魔物だって!殺していいっ!?」
「馬鹿たれ、とりあえず落ち着いて話をしろ。
あんまり殺気立つな、余計なすれ違いが起こる元だぞ」
「むぅー!!わかったっ!!」
わかってない迫力の言葉と声量。
とりあえず落ち着かせる為に頬を挟んでムニムニマッサージで解してやり、
猫っ可愛がりの様に頭をわしゃわしゃ撫で繰り回してやればボルテージも下がって来た。
「おら、何があったか話してみろ」
村の方も騒ぎが広がったのか耳を澄ませばザワツキがここまで伝わってくる。
あっちが攻勢に出てこちらに来る可能性もあるし先に事情を確認しないと。
「タルが村に着いたらすぐに近くに居た女が騒ぎ出して、
大勢が家から出てきて「獣人?何故この村に……」とか聞こえたから元の姿に戻って見せたら、
魔物だ!魔物だ!ヤマノサチだぞ!って言い始めて「精霊使いの悪夢が終わっていないのにさらに問題が……」って」
「精霊使い? 俺以外の精霊使いがここに先に辿り着いていたのか?
いや、でも悪夢とか言われてるから友好的な話じゃないか……」
「あとは「1匹なら殺してしまおう」「やろうやろう!」って流れて行って、
ずっと酷い言葉をみんなに言われたっ!ねぇ!殺していいっ!?」
「すぐ殺そうとするのはダメだぞ。
事情を聴いて敵対するかどうか判断する為に俺と一緒に村に行こう。
ストレス発散なら後で付き合ってやるから今は一旦我慢してくれ」
「うぅ~~~~~!!!!」
ガシッ!!!ギュ~~~~~ッ!!!
と悔しさを飲み込もうと頑張ってくれるタルを抱き締めながら頭も撫でる。
これだけで俺のHPが徐々に減っているのが聖獣[ヤマノサチ]のポテンシャルの恐ろしさよ。
「ウォルベズはドワーフが精霊使いを敵視しているって知っていたか?」
『知っていれば伝えていた。
その精霊使いについても知らないがいくつか潜伏先に使われそうな洞窟は教えられる』
「状況次第では調べるからあとで教えてくれ」
あとはうちの娘たちもだな。
あんまり知らない土地で離れたくはないのだけれどここはウォルベズも居るし頼ろう。
「無精以外の精霊は居ない方が話が円滑に出来そうだから、
ノイはフラムとベルを頼むな」
『わかったです』
「ウォルベズも悪いけどこいつらを頼むな」
『了解だ』
子供たち全員の頭を撫でてからウォルベズに護衛を頼む。
ずっと追っていた俺以外に確認されている精霊使いの足取りがずっと辿れなかったのはこんなところに引き籠っていたからだろうか?
それにしては問題を起こしてドワーフを警戒させている様だしどういう人物なんだか。
「フリューネは俺と一緒に行こう。
タルを魔物と言ったならお前も勘違いしてもらえるかもしれない。
精霊使いとしてではなく魔物使いとして話をしてみる」
『宗八と離されないならペットの役でもやってあげるよ』
「ワイバーンとかに変化は出来ないか?
出来る出来ないに関わらず喋るのは無しでな」
『似た姿には出来るけど完全じゃないね。
それに大きさもそれなりに大きくなっちゃうよ?』
「すまんが変化を頼む。今のままじゃ風格があり過ぎだ」
俺の言葉選びが気に入ったのかフリューネは上機嫌で身体の構造を組み替えていく。
今までは俺の肩上に手を置き、
脚を股関節に引っ掛け尻尾を身体に巻き付けてバランスが取れる程度の大きさだった。
だいたい大きめのグリーンイグアナ位。
それがファンタジー世界でよく見る、人より大きい程度の翼竜になった。
背にあった翼が腕と融合し、
なるほど確かにこれこそがワイバーン。この世界のワイバーンなんだろう。
翼を畳んで四足歩行で寄って来るその姿は、
元の世界の映画で観た小型の肉食翼竜に酷似していた。
『どうだい?』
「うん、小物感が増したな。
これなら自分らの近くに住む地竜の関係者とは思わないだろう」
流石に俺の背中に張り付くには腕部分の爪がデカく鋭く肩を掴むには適していなかったので、
俺の後を追って付いてきてもらう事にした。
翼の構造上、前腕は親指だけで支えているだろうに軽快な走りを楽しむ余裕があるらしい。
「じゃあ行ってくる」
『マスター、気を付けるですよ』
『『いってらっしゃい』』
10
あなたにおすすめの小説
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる