狙われた優子

雄太

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勝也の叫び

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毅彦の家のダイニングでは勝也が窓の傍で外を見ながら立っている。
その近くで優子と毅彦が立っている。
「実はあの日…」
「……」

※回想
相武商事の外の裏口に康太と勝也が立っている。
「ゆ、優子にこれから会いたい? 一体何の用が?」
「もしかしたら妹は親父と暮らすことになるわけだろ? だからそのことでいろいろ話したいことがあるんだよ」
「でも優子はまだ自分が相武家の子だってことは知らないんですよ」
「分かってるさ。だからあんたは妹に俺のことは何も言わずに家に連れてきてくれればいい。詳しいことは俺が話すから」
康太が考え込む。
「妹をつれてきたらおまえはすぐ会社に戻ってくれていいからさ。あとは俺と妹だけで話すから」
「そんなに妹に会いたいんですか?」
「ああ、実はさ、親父からあいつの実の母親の体調が最近優れないって聞いてね、そのことであいつに話があるんだよ」
「でも…」
「何だ、俺が実の妹に会っちゃいけないのか?」
「いえ、そんなことは…」
「あんた、うちの親父にはいろいろよくしてもらってんだとが」
「……そうですか、分かりました」
「さっきも言ったけど、俺のことは何も話さずにな。俺の妹だってことは俺の口から言うから」
太が携帯をズボンから取り出す。
※回想が終わる

毅彦の家のダイニングで勝也が窓の外を見ながら薄ら笑いを浮かべる。
優子と毅彦が勝也を見ている。
「(優子を見ながら)こいつの父親はうちの親父に昔から頭が上がらないから、俺から頼まれれば断れないと思ってね」
「どうしてそんな馬鹿なことを…」
「ポッと出のこいつに下手すれば将来うちの財産を半分持ってかれるわけだろ?冗談じゃないよ。それに親父は俺そっちのけで優子のことで頭が一杯だし…」
「……」
「とにかくこいつは俺にとって目障りだったんだよ。いくらボンクラ息子でも、俺はこの家の長男だぞ! 長男!」
「……」
「だからちょっと友達と脅かしてやるつもりであんなことを…」
「(ため息をつきながら)まったく、度量の狭い、情けない奴め!」
勝也の目は真っ赤。
優子が急に立ち上がる。
「!」
「私、やっぱり家に帰ります」
「ゆ、優子……」
「正直に話します。私がここに来てもいいかなと思ったのは、父に裏切られたと思ったからなんです。父と同じ屋根の下で暮らすのが堪えられなかったからなんです」
「ゆ、優子…」
「だから相武さんのことを身勝手な人だと思いつつ、今日お邪魔させてもらいました」
「……」
「(嬉しそうに)でも父はただ騙されてただけだったんですね……」
「……」


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