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親子の絆
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国道沿いの道を竹野が早足で歩いている。
やがて「竹野のマンションが見えてくる。
竹野の家のダイニングでは智也と竹野の妻がテーブルを挟んで、対面して座っていガチャッと、ドアが開く音がする。竹野が部屋に帰ってくる
竹野、真央の顔を見て驚く。
「?」
妻が竹野に、
「ちょっとこっちに来て!」
竹野が妻の隣に座る。
妻が険しい顔で竹野を見る。
「ねえ、彼女は?」
「……」
妻は険しい表情。
「私に何か隠してることはない?」
「はあ?」
「この人は森田智也さんの娘さんなの」
「何だって!」
「……」
「おい、どうしてあいつの娘がここにいるんだ?」
妻が厳しい表情で竹野を見る。
「おい、お前、一体何しにうちに来たんだ?」
すると、悲痛な顔で妻が竹野の方を向き、竹野の左の頬をバシーン!と平手打ちする。
「お、おまえ…」
竹野が驚いた表情で妻を見る。
真っ赤になった竹野の左の頬。
「この期に及んで、見苦しい姿を晒すのは止めて!」
妻が右手に持っている白い指輪を竹野に見せる。
竹野は指輪を見て、目を丸くする。
「私達の結婚指輪よ」
愕然とする竹野。
「この人が持って来てくれたの」
「あ、あの、それは……」
「ゴミ箱に捨てられてたって。この森田真央さんって方が見つけてくれたらしいわ。」
「ひょっとして先日の森田さんの娘さん?
真央がうなづく。
「森田さんは痴漢した手に白い指輪がはめてあったのを目撃したそうね」
ブルブルと、妻の手は震えている。
「何のつもり? 私達の結婚指輪を……」
怯えた表情の竹野。
妻確かにすごく安物の指輪よ。結婚当時お金がなくて、そんな安物しか買えなかった」
竹野が目を閉じる。
「だからって、あなた……」
「す、すまなかったああ」
突然竹野は泣き崩れる。
「ねえ、どうしてなの?」
竹野は今度は真央に向かって、
「もうし訳ありませんでした」
竹野を冷ややかに見つめる真央。
「どうしてあんな嘘をついたんです?」
「怖かったんです。痴漢した時にあなたに私の指輪を見られ、あなたのお父さんが女性にそのことを話そうとしてたんで」
「……」
「だが女性は、すぐ隣のあなたのお父さんを疑ってるようでした」
「それであなたが犯人にされる前に、私の父を犯人にして、その場を乗り切ろうとしたんですね?」
コックリとうなずく。
真央の肩がワナワナと震えている
「なんて卑怯な人なのよ!」
妻が竹野の両襟を持ち、掴みかかる。
「あの時僕は、経営していたここの一階のコンビニが潰れ、毎日が憂鬱だったんです」
妻は涙目で竹野の襟を掴んでいる。
「それでムシャクシャして、ついあんなことを…」
「甘えるのもいい加減にしてよ!」
竹野を一喝する妻
竹野はうつろな目で、部屋の隅を見つめている。
妻が真央に深々と頭を下げる。
「本当に、本当にごめんなさい」
真央「これから警察に行きましょう」
竹野がうなずく。
妻が深々と真央に頭を下げる。
「本当に申し訳ありませんでした」
三人は席を立つ。
夕方、森田家のリビングでは由紀・智也・翔子がテレビを観ている。
「真央、どこに行ったのかしら? もうすぐ夕食なのに」
「……」
すると部屋のドアが開く。そこに真央の姿が。
翔子「真央、どこに行ってたの?」
すると真央がニコッと微笑む。
「父さん、やったよ!」
「?」
朝、リビングで翔子がテーブルの上を片付けている。
智也はスーツ姿。真央・由紀が制服姿でテレビを観ている。
「あなたたち、そろそろ時間でしょ?」
智也が部屋の時計を見る。
「じゃあ、行くから」
智也が鞄を持って席を立つ。
真央と由紀も腰を上げる。
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい」
智也・真央・由紀が出かける。
朝、竹野宅のリビングでは竹野が手を組んで、黙ってテーブルに座っている。
妻が厳しい表情でやって来る。
「この間うちに来た森田さんの娘さね」
「……」
「まだ若いのに、とてもしっかりしてたわ
ね」
竹野がため息をつく。
妻「あなたもいつまでふらふらしてるつもり?」
竹野が唇を噛む。
トラックが国道を通るブワ―ンという音がする中、国道沿いの道を智也・真央・由紀が道を歩いている。
「ねえお父さん」
「うん?」
「やっぱりお父さんは背広姿が一番似合うよ」
真央も笑顔で智也を見る。
「そうか?」
照れる智也。真央の左腕には智也からプレゼントされた腕時計が。
真央が腕時計を見る。
「その時計どうだ?」
「うん、とっても気に入ってるよ」
「ねえ父さん、来月のあたしの誕生日には何プレゼントしてくれるの?」
「さあな」
「大丈夫よ、由紀。父さんは家族思い。からきっと素敵な物をくれるわよ」
「そうよね」
「父さん、これからは何があっても父さんのことを信じるからね」
智也は嬉しそう。
(完)
やがて「竹野のマンションが見えてくる。
竹野の家のダイニングでは智也と竹野の妻がテーブルを挟んで、対面して座っていガチャッと、ドアが開く音がする。竹野が部屋に帰ってくる
竹野、真央の顔を見て驚く。
「?」
妻が竹野に、
「ちょっとこっちに来て!」
竹野が妻の隣に座る。
妻が険しい顔で竹野を見る。
「ねえ、彼女は?」
「……」
妻は険しい表情。
「私に何か隠してることはない?」
「はあ?」
「この人は森田智也さんの娘さんなの」
「何だって!」
「……」
「おい、どうしてあいつの娘がここにいるんだ?」
妻が厳しい表情で竹野を見る。
「おい、お前、一体何しにうちに来たんだ?」
すると、悲痛な顔で妻が竹野の方を向き、竹野の左の頬をバシーン!と平手打ちする。
「お、おまえ…」
竹野が驚いた表情で妻を見る。
真っ赤になった竹野の左の頬。
「この期に及んで、見苦しい姿を晒すのは止めて!」
妻が右手に持っている白い指輪を竹野に見せる。
竹野は指輪を見て、目を丸くする。
「私達の結婚指輪よ」
愕然とする竹野。
「この人が持って来てくれたの」
「あ、あの、それは……」
「ゴミ箱に捨てられてたって。この森田真央さんって方が見つけてくれたらしいわ。」
「ひょっとして先日の森田さんの娘さん?
真央がうなづく。
「森田さんは痴漢した手に白い指輪がはめてあったのを目撃したそうね」
ブルブルと、妻の手は震えている。
「何のつもり? 私達の結婚指輪を……」
怯えた表情の竹野。
妻確かにすごく安物の指輪よ。結婚当時お金がなくて、そんな安物しか買えなかった」
竹野が目を閉じる。
「だからって、あなた……」
「す、すまなかったああ」
突然竹野は泣き崩れる。
「ねえ、どうしてなの?」
竹野は今度は真央に向かって、
「もうし訳ありませんでした」
竹野を冷ややかに見つめる真央。
「どうしてあんな嘘をついたんです?」
「怖かったんです。痴漢した時にあなたに私の指輪を見られ、あなたのお父さんが女性にそのことを話そうとしてたんで」
「……」
「だが女性は、すぐ隣のあなたのお父さんを疑ってるようでした」
「それであなたが犯人にされる前に、私の父を犯人にして、その場を乗り切ろうとしたんですね?」
コックリとうなずく。
真央の肩がワナワナと震えている
「なんて卑怯な人なのよ!」
妻が竹野の両襟を持ち、掴みかかる。
「あの時僕は、経営していたここの一階のコンビニが潰れ、毎日が憂鬱だったんです」
妻は涙目で竹野の襟を掴んでいる。
「それでムシャクシャして、ついあんなことを…」
「甘えるのもいい加減にしてよ!」
竹野を一喝する妻
竹野はうつろな目で、部屋の隅を見つめている。
妻が真央に深々と頭を下げる。
「本当に、本当にごめんなさい」
真央「これから警察に行きましょう」
竹野がうなずく。
妻が深々と真央に頭を下げる。
「本当に申し訳ありませんでした」
三人は席を立つ。
夕方、森田家のリビングでは由紀・智也・翔子がテレビを観ている。
「真央、どこに行ったのかしら? もうすぐ夕食なのに」
「……」
すると部屋のドアが開く。そこに真央の姿が。
翔子「真央、どこに行ってたの?」
すると真央がニコッと微笑む。
「父さん、やったよ!」
「?」
朝、リビングで翔子がテーブルの上を片付けている。
智也はスーツ姿。真央・由紀が制服姿でテレビを観ている。
「あなたたち、そろそろ時間でしょ?」
智也が部屋の時計を見る。
「じゃあ、行くから」
智也が鞄を持って席を立つ。
真央と由紀も腰を上げる。
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい」
智也・真央・由紀が出かける。
朝、竹野宅のリビングでは竹野が手を組んで、黙ってテーブルに座っている。
妻が厳しい表情でやって来る。
「この間うちに来た森田さんの娘さね」
「……」
「まだ若いのに、とてもしっかりしてたわ
ね」
竹野がため息をつく。
妻「あなたもいつまでふらふらしてるつもり?」
竹野が唇を噛む。
トラックが国道を通るブワ―ンという音がする中、国道沿いの道を智也・真央・由紀が道を歩いている。
「ねえお父さん」
「うん?」
「やっぱりお父さんは背広姿が一番似合うよ」
真央も笑顔で智也を見る。
「そうか?」
照れる智也。真央の左腕には智也からプレゼントされた腕時計が。
真央が腕時計を見る。
「その時計どうだ?」
「うん、とっても気に入ってるよ」
「ねえ父さん、来月のあたしの誕生日には何プレゼントしてくれるの?」
「さあな」
「大丈夫よ、由紀。父さんは家族思い。からきっと素敵な物をくれるわよ」
「そうよね」
「父さん、これからは何があっても父さんのことを信じるからね」
智也は嬉しそう。
(完)
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