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優しい男(1)
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男は、女よりも、ずっと優しい。
私は今まで、自分や他者の性別について特段、気にとめたことはない。学生時代は幾人かの女を抱いたし、社会人になってからも女に困るようなことはなかった。
しかし、男を知ってから、女とは寝なくなった。
私はとても卑しい。
合意のみで男に抱かれるだけでは飽き足らず、金を払って、私を抱かない男を探すようになった。
ホテルの一室、この部屋に響く音は、私の短く浅い呼吸だけ。ベッドの前にある1人がけのソファの上で、私は裸で自分の尿道にブジーを挿入しようとしている。
正面にいる男の名を、私は知らない。男はスーツの上着だけを脱いだ格好で、ベッドに腰掛け、私を眺めている。
私がローションを注ぎ足そうとすると、男はそれを取り上げ、ペニスとブジーの間に垂らしてくれる。
この男と会うのは、今日で2回目だ。
この男に会う前、何度か別人と試したことがある。しかしうまくいかなかった。
条件を提示し、多めの金を積んだのにもかかわらず、最終的に私が屈辱を味わう羽目になる。皆、途中で金は要らないと言い、私を犯すのだ。
しかし、この男は私を凌辱することも、金をせびることもしなかった。
とても色気のある男で、私の理想とはかけ離れていた。私の求めていたのはもっと、汚い男だった。
注意深くローションを垂らす伏し目の男を見つめながら、徐々にブジーを差し込んで行く。部屋に響く徐々に高まる呼吸。
「奥まで入ったみたいだね、少し回してごらん?」
男は、私に言う。
私はブジーを少しひねり、出したり入れたりする。快楽が背中を走り抜け、弾む吐息。
下を向いて快楽を貪る私の頬に男の手が伸びる。羽を持ち上げるかのように、私の顎を僅かに、そして優しく触れた。
「ほら、こっちを向いて」
男は必要以上に触れない。
私に触れることもしない男が、まっすぐ見ている、それがたまらなく私の欲望をかき乱すのだ。私は出し入れしていたブジーを少し、また少し、と奥に入れる。
「もっと脚を開いて」
言われた通り、脚を開き、ブジーを押し込んでいく。
「ああ……とてもよく見えるようになった」
男の優しい声が私の羞恥心を煽り立てる。
私はたまらなくなりブジーを目的のところへ突き動かす。そして何度も何度も奥を刺激する。
男の目から逃れるよう息を荒げ、しかし男の目から逃れられぬ羞恥心の中で、絶頂を迎える。
「こっちを向いて顔をよく見せて」
私は荒い息で揺れる視界に、男を迎え入れる。
「もう一度、手を動かしてごらん」
犬のように息を上げながら、言われるがままにブジーを揺らす。快楽による多幸感に涙がにじむが、それを制御することができない。
「イくところ、もう一回見せて」
私は動かしていたブジーを一気に目的の場所に押し込んでいく。汗が身体中から吹き出すのを感じる。
そして声にならない声をあげて、2度目の絶頂を迎えた。私の太ももに、ボタボタと涙と汗が落ちる。
「そんなに泣いて……気持ちよかった?」
男は嬉しそうに言う。
膝からソファを降りた私は四つん這いで、しかし、ブジーの入ったままのペニスを片手でこすりながら、男の股へと進む。
男の股間に顔を埋め、男の形を確かめる。その下で、息を切らし激しく自分自身を慰めた。
男の大きな手が、私の髪の毛に触れる気配を感じる。
「咥えながら、したいの?」
私は男の股の中で何度も、何度も、頷く。男は頭を抱えながら立ち上がる。私の呼吸音は男の股間に吸収され、私が自分の手で慰める淫靡な音だけが辺りを支配した。
私はその間男の股間に顔を擦り付けて、猛る雄に懇願する。視界の端に落ちる、ネクタイ、シャツ。最後に男は下半身に纏っている一切のものを床に落とした。
私は尻尾を振りながら主人に飛び込む犬のように、さっき形を確認した男のペニスを舌でなぞる。
「今日も顔にかけて欲しい?」
私は男の腹に顔を埋めて頷く。男は私の頭から手を離し、再びベッドに座り直す。
私は夢中で男の股へ向かう。太ももを頬で割り開きその温度を切望する。そこはとても熱く、さっきかいた汗で冷やされた体にはとても気持ちがいい。そのまま奥へ進み、自分を慰めていない方の手で男のペニスを掴んで咥える。
口いっぱいにそれを含んで、自分の両手も同じ速度で動かす。私は何度か急ぎすぎて絶頂を迎えそうになるが、その度に速度を緩めて我慢した。
男は私の襟足をそっとおさえながら前かがみになる。
「もっと……ゆっくりでもいいんだよ」
私は咥えた男のそれが一層太くなるのを感じる。男は、手を伸ばし、私のブジーを少しずつ抜く。その快感に私は一層動きを早める。
「ああ……そんなに急がないでくれ……」
男は私のブジーを抜いたその瞬間、両手で私の頭を掴んで、男のペニスを私の口から引き抜いた。
私の顔に男の熱い液がボタ、ボタと降り注いだ。
私は上を向いて口で空気を吸い込んだ。
男がかけた熱い液体と、息苦しさからの解放とで、足の先から押し寄せる快楽の波を感じる。
私は息急き切って絶頂を迎え、自分の膝の上に自分の白濁を余すことなく吐き出した。
そして水面から顔を出したかの如く、空気を求めた。
私は今まで、自分や他者の性別について特段、気にとめたことはない。学生時代は幾人かの女を抱いたし、社会人になってからも女に困るようなことはなかった。
しかし、男を知ってから、女とは寝なくなった。
私はとても卑しい。
合意のみで男に抱かれるだけでは飽き足らず、金を払って、私を抱かない男を探すようになった。
ホテルの一室、この部屋に響く音は、私の短く浅い呼吸だけ。ベッドの前にある1人がけのソファの上で、私は裸で自分の尿道にブジーを挿入しようとしている。
正面にいる男の名を、私は知らない。男はスーツの上着だけを脱いだ格好で、ベッドに腰掛け、私を眺めている。
私がローションを注ぎ足そうとすると、男はそれを取り上げ、ペニスとブジーの間に垂らしてくれる。
この男と会うのは、今日で2回目だ。
この男に会う前、何度か別人と試したことがある。しかしうまくいかなかった。
条件を提示し、多めの金を積んだのにもかかわらず、最終的に私が屈辱を味わう羽目になる。皆、途中で金は要らないと言い、私を犯すのだ。
しかし、この男は私を凌辱することも、金をせびることもしなかった。
とても色気のある男で、私の理想とはかけ離れていた。私の求めていたのはもっと、汚い男だった。
注意深くローションを垂らす伏し目の男を見つめながら、徐々にブジーを差し込んで行く。部屋に響く徐々に高まる呼吸。
「奥まで入ったみたいだね、少し回してごらん?」
男は、私に言う。
私はブジーを少しひねり、出したり入れたりする。快楽が背中を走り抜け、弾む吐息。
下を向いて快楽を貪る私の頬に男の手が伸びる。羽を持ち上げるかのように、私の顎を僅かに、そして優しく触れた。
「ほら、こっちを向いて」
男は必要以上に触れない。
私に触れることもしない男が、まっすぐ見ている、それがたまらなく私の欲望をかき乱すのだ。私は出し入れしていたブジーを少し、また少し、と奥に入れる。
「もっと脚を開いて」
言われた通り、脚を開き、ブジーを押し込んでいく。
「ああ……とてもよく見えるようになった」
男の優しい声が私の羞恥心を煽り立てる。
私はたまらなくなりブジーを目的のところへ突き動かす。そして何度も何度も奥を刺激する。
男の目から逃れるよう息を荒げ、しかし男の目から逃れられぬ羞恥心の中で、絶頂を迎える。
「こっちを向いて顔をよく見せて」
私は荒い息で揺れる視界に、男を迎え入れる。
「もう一度、手を動かしてごらん」
犬のように息を上げながら、言われるがままにブジーを揺らす。快楽による多幸感に涙がにじむが、それを制御することができない。
「イくところ、もう一回見せて」
私は動かしていたブジーを一気に目的の場所に押し込んでいく。汗が身体中から吹き出すのを感じる。
そして声にならない声をあげて、2度目の絶頂を迎えた。私の太ももに、ボタボタと涙と汗が落ちる。
「そんなに泣いて……気持ちよかった?」
男は嬉しそうに言う。
膝からソファを降りた私は四つん這いで、しかし、ブジーの入ったままのペニスを片手でこすりながら、男の股へと進む。
男の股間に顔を埋め、男の形を確かめる。その下で、息を切らし激しく自分自身を慰めた。
男の大きな手が、私の髪の毛に触れる気配を感じる。
「咥えながら、したいの?」
私は男の股の中で何度も、何度も、頷く。男は頭を抱えながら立ち上がる。私の呼吸音は男の股間に吸収され、私が自分の手で慰める淫靡な音だけが辺りを支配した。
私はその間男の股間に顔を擦り付けて、猛る雄に懇願する。視界の端に落ちる、ネクタイ、シャツ。最後に男は下半身に纏っている一切のものを床に落とした。
私は尻尾を振りながら主人に飛び込む犬のように、さっき形を確認した男のペニスを舌でなぞる。
「今日も顔にかけて欲しい?」
私は男の腹に顔を埋めて頷く。男は私の頭から手を離し、再びベッドに座り直す。
私は夢中で男の股へ向かう。太ももを頬で割り開きその温度を切望する。そこはとても熱く、さっきかいた汗で冷やされた体にはとても気持ちがいい。そのまま奥へ進み、自分を慰めていない方の手で男のペニスを掴んで咥える。
口いっぱいにそれを含んで、自分の両手も同じ速度で動かす。私は何度か急ぎすぎて絶頂を迎えそうになるが、その度に速度を緩めて我慢した。
男は私の襟足をそっとおさえながら前かがみになる。
「もっと……ゆっくりでもいいんだよ」
私は咥えた男のそれが一層太くなるのを感じる。男は、手を伸ばし、私のブジーを少しずつ抜く。その快感に私は一層動きを早める。
「ああ……そんなに急がないでくれ……」
男は私のブジーを抜いたその瞬間、両手で私の頭を掴んで、男のペニスを私の口から引き抜いた。
私の顔に男の熱い液がボタ、ボタと降り注いだ。
私は上を向いて口で空気を吸い込んだ。
男がかけた熱い液体と、息苦しさからの解放とで、足の先から押し寄せる快楽の波を感じる。
私は息急き切って絶頂を迎え、自分の膝の上に自分の白濁を余すことなく吐き出した。
そして水面から顔を出したかの如く、空気を求めた。
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