11 / 13
新しい朝(1)
しおりを挟む
朝起きたら目が少し腫れて重かった。男はベッドにいない。目が腫れていることがよかったと思えるくらい眩しく、美しい朝だった。
窓が開け放たれてカーテンが揺れている。風が通り抜け新しい空気が入り込むたびに、コーヒーの匂いを攫っていく。
「おはよう、コーヒー飲む?」
男はTシャツにスウェットというラフな格好でキッチンに立っていた。ふと自分の横を見るとベッドに同じようなTシャツとスウェットが用意されている。それを着用してみたが、どちらも男のサイズでブカブカだった。
私はダイニングテーブルに向かった。私が座るなり男は横からコーヒーと、トーストの横にスクランブルエッグが添えられているプレートを目の前に置く。一度キッチンに戻りサラダボールも追加で置かれた。
私と男の朝の違いにしばらく呆然としていた。
全てが丁寧で贅沢に見えた。男は食事を済ましたのかコーヒーだけを持って私の前に座った。
男はアイコンタクトで私に朝食を勧める。
私が食パンをかじった時に窓から風が入って私の髪を攫った。
私は窓の方を向いて、そして男の方を見た。
男が私を見つめている。
私は美味しいと言おうとして、何故かそれがおかしくて、少し笑った。
「こんなことなら、もっと早い段階で、薬でも盛って朝まで監禁すればよかった」
男は、冗談だ、と言って笑う。
私は席を立ち、男の座っているところまで歩いた。男は突然のことで少し椅子を引いて、歩いてくる私の方へ向いた。
私はこういう時にどんな風にお願いをすればいいのかわからなかった。こんな朝は人生で初めてだった。感動で胸が震えているのが自分でもよくわかった。
私は男の顔に手を伸ばした。
「もう他の誰にも触られたくない」
自分でも唐突すぎると思う。しかしこれ以上の言葉は、胸につかえて出てこなかった。
今にも泣き出しそうだった。朝はそれくらい美しかった。
私は男に恐る恐るキスをする。男は私の顔を撫でようと私の顔の横まで手を伸ばしていた。私はその手を掴んで自分の顔に当てた。
男はもう片方の手も顔に当てて引き寄せた。
私の腫れた目にキスをする。
「昨日ずっと泣いてた」
男はそう言うと唇にキスをした。
「もう俺以外、誰も触らない」
私は頷いて口を開けた。
その口を男は塞いだ。そのまま何度も何度も舌を絡ませ、キスをした。
男は私を腕に抱きながらゆっくり立ち上がり、私の腰に手を回してベッドへ誘う。
朝日に照らされたベッドは、恐ろしいくらいに白く輝いていた。私は少し感動で立ち止まってしまう。
「怖くなったら言えばいい」
私は首を横に振った。男は私のTシャツを後ろから脱がし、ベッドに上がろうとする私からスウェットを脱がした。男は服を脱ぎながらベッドに上がり、覆いかぶさる。
男は体を私に押し当てる。男と私のペニスがお互いにどのくらい熱を帯びているのかわかるぐらい体は密着させた。
男は私にキスをした後、首筋から鎖骨まで愛おしそうに舐めた。私は思わず吐息を漏らす。私は今まで、この男がどんな風に人を愛するかなんて考えたこともなかった。
男はゆっくり私の乳首を吸う。男にされたことがないことばかりで緊張から体を強張らせた。男はそれを感じてか私の下半身に移動して、私のペニスをゆっくり咥えた。久しぶりの感触に思わず声をあげる。男はペニスを咥える口を少し外し、自分の指を舐める。そしてもう一度ペニスを咥えられ、指をゆっく挿入された瞬間、私は身をよじらせた。
「はぁっ……あっ……あっ……」
男はペニスを口の中で優しく愛撫する。恐る恐る私の後ろの穴も指をゆっくり出したり、入れたり、かき回したりする。それは前に会った時に私の口にしてくれた愛撫そのものだった。あの時の男の顔を思い出すと快感が爪先から何度も駆け上がってきた。
窓が開け放たれてカーテンが揺れている。風が通り抜け新しい空気が入り込むたびに、コーヒーの匂いを攫っていく。
「おはよう、コーヒー飲む?」
男はTシャツにスウェットというラフな格好でキッチンに立っていた。ふと自分の横を見るとベッドに同じようなTシャツとスウェットが用意されている。それを着用してみたが、どちらも男のサイズでブカブカだった。
私はダイニングテーブルに向かった。私が座るなり男は横からコーヒーと、トーストの横にスクランブルエッグが添えられているプレートを目の前に置く。一度キッチンに戻りサラダボールも追加で置かれた。
私と男の朝の違いにしばらく呆然としていた。
全てが丁寧で贅沢に見えた。男は食事を済ましたのかコーヒーだけを持って私の前に座った。
男はアイコンタクトで私に朝食を勧める。
私が食パンをかじった時に窓から風が入って私の髪を攫った。
私は窓の方を向いて、そして男の方を見た。
男が私を見つめている。
私は美味しいと言おうとして、何故かそれがおかしくて、少し笑った。
「こんなことなら、もっと早い段階で、薬でも盛って朝まで監禁すればよかった」
男は、冗談だ、と言って笑う。
私は席を立ち、男の座っているところまで歩いた。男は突然のことで少し椅子を引いて、歩いてくる私の方へ向いた。
私はこういう時にどんな風にお願いをすればいいのかわからなかった。こんな朝は人生で初めてだった。感動で胸が震えているのが自分でもよくわかった。
私は男の顔に手を伸ばした。
「もう他の誰にも触られたくない」
自分でも唐突すぎると思う。しかしこれ以上の言葉は、胸につかえて出てこなかった。
今にも泣き出しそうだった。朝はそれくらい美しかった。
私は男に恐る恐るキスをする。男は私の顔を撫でようと私の顔の横まで手を伸ばしていた。私はその手を掴んで自分の顔に当てた。
男はもう片方の手も顔に当てて引き寄せた。
私の腫れた目にキスをする。
「昨日ずっと泣いてた」
男はそう言うと唇にキスをした。
「もう俺以外、誰も触らない」
私は頷いて口を開けた。
その口を男は塞いだ。そのまま何度も何度も舌を絡ませ、キスをした。
男は私を腕に抱きながらゆっくり立ち上がり、私の腰に手を回してベッドへ誘う。
朝日に照らされたベッドは、恐ろしいくらいに白く輝いていた。私は少し感動で立ち止まってしまう。
「怖くなったら言えばいい」
私は首を横に振った。男は私のTシャツを後ろから脱がし、ベッドに上がろうとする私からスウェットを脱がした。男は服を脱ぎながらベッドに上がり、覆いかぶさる。
男は体を私に押し当てる。男と私のペニスがお互いにどのくらい熱を帯びているのかわかるぐらい体は密着させた。
男は私にキスをした後、首筋から鎖骨まで愛おしそうに舐めた。私は思わず吐息を漏らす。私は今まで、この男がどんな風に人を愛するかなんて考えたこともなかった。
男はゆっくり私の乳首を吸う。男にされたことがないことばかりで緊張から体を強張らせた。男はそれを感じてか私の下半身に移動して、私のペニスをゆっくり咥えた。久しぶりの感触に思わず声をあげる。男はペニスを咥える口を少し外し、自分の指を舐める。そしてもう一度ペニスを咥えられ、指をゆっく挿入された瞬間、私は身をよじらせた。
「はぁっ……あっ……あっ……」
男はペニスを口の中で優しく愛撫する。恐る恐る私の後ろの穴も指をゆっくり出したり、入れたり、かき回したりする。それは前に会った時に私の口にしてくれた愛撫そのものだった。あの時の男の顔を思い出すと快感が爪先から何度も駆け上がってきた。
10
あなたにおすすめの小説
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる