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第5話 魔女の時間厳守論 (※)
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服屋は大体10時開店なのでその前に床屋に行った。さっぱりしたあと開店と同時に紳士服屋に入店したが、必要最低限とはいえ思いの外時間がかかり、息急き切って会社に戻ったのは11時半。もう12時までに昼食を作ることは不可能だと感じ、先に謝ろうと2階の事務所の扉を開けた。
暗い事務所に入って聞こえてきた荒々しい嬌声の出所も、意味も、すぐに理解できた。窓からの逆光がそのシルエットを生々しく、また印象的にしていた。
「誰だ……あっ……誰だてめぇは!」
ソファの上で四つん這いになり、尻に男性器を突っ込まれている男性が、息も絶え絶えに虚勢を張る。
「あれは時間も守れない新しい従業員だ」
ゆっくり奥深くまで差し込まれ男は顎を突き上げ身悶えする。
「ノブ、こっちへ来い、こいつは見られると興奮するんだ」
「やめ……やめて……」
「大丈夫だ、NDAは締結してある。ほら、今日は私をいかせるまで我慢するんだろ?」
真下さんの指示と、男の拒絶で僕はその場を一歩も動けない。
「早く来い、もうこいつは限界だぞ」
真下さんはそう言い、自分のそれをさらに深く差し込む。
「あぁっ……あぁっ……もういきたいっ……」
真下さんが男性器を突き刺す動きに合わせ男が歪んだ声で言葉を溢す。その声がどんどんとうわずり、声が声にならなくなってきた。しかし、荒々しい呼吸で男性が限界を迎えそうになった瞬間、真下さんは男性の性器の付け根を握る。
「あああああっ……いかせて……! いかせてぇ……!」
「あいつにお願いしろ、こっちにきて見てくださいって」
男はうわ言のように何かを言っているが、ここまで聞こえなかった。真下さんは男の顎を掴み上体を仰け反らせるように手を引いた。
「ああああああっ!」
「いい子だから言ってごらん? ここがいいんだろ?」
「お……お願いします……こ……こっちに来て……」
「こっちに来てください、だ」
「こっちに……来てください……!」
しばらくその場から動けなかったが、再度名前を呼ばれて、2人のそばまで歩き出した。近くに行けば行くほど真下さんへの違和感が増す。僕が男の目の前に来たところで、真下さんは男の性器から手をゆっくりと外し、腰を両手で掴んだ。
男に腰を打ち付けるたび、真下さんのはだけた服から隆々たる腹筋が見え隠れする。男は快楽を求めて自ら上体を起こし、自身の顔も性器も恥ずかしげもなく僕の眼前に晒す。涎を垂らし、声にならない声で呻く男は、その嬌声に似合わない中年だった。何度か腰を揺すられ、限界を迎えたその中年は勢いよく精液を飛ばす。その白濁がソファに落ちるたび、男は恍惚として息を漏らし震えた。
真下さんは男から性器を引き抜き、ローテーブルにあったティッシュの箱を男性の前に投げつける。そしてソファに沈み込みながら吐き捨てた。
「時間だ」
その言葉に僕は時計を見る。11時45分だった。男はいそいそと自身と、自身の撒き散らしたソファの精液を拭き、服を整え事務所をあとにした。
僕は真下さんの男性器をじっと見つめていて、男が出ていったことを扉を閉める音で知る。それは脈を打っており、はだけたブラウスに届きそうなほど反り立っていた。
真下さんはコンドームを乱暴に剥がしてゴミ箱に入れる。そして、おさまらない男性器を無理やりパンツスーツにねじ込みながら立ち上がった。
「時間を守らないお前が悪い」
その苛立ちを宿す口調で、自分が今どんな顔をしているのだろうと慌てて取り繕う。
「すみませんでした……」
謝って俯いた視界の先に、真下さんの綺麗な手が伸びてきた。その手が簡単に僕の性器を取り出した時に気がついた。あんな狂気を見て勃起していたことを。
「そこに座れ」
乱暴に腹を押され、僕は反対側のソファに腰から落ちる。真下さんは陽炎のように僕の股間に吸い込まれ、視界から消えた。
真下さんの唇が性器に触れた瞬間。今まで感じたことのない触覚で、関係のない映像が頭をよぎる。それは彼女を思いながら自慰をしている自分の姿だった。彼女は会社に出入りする仕出屋の従業員だった。一生懸命に働くその姿に惹かれ、気がつかれないように見つめては家で自慰に耽る。そんな惨めな自分を上から見ているような不思議な感覚に囚われ、一気に罪悪感が噴き出した。
「余計なことを考えるな」
少し萎えた僕の性器を吐き出しながら、彼女は冷酷な声で言い放つ。真下さんが咥えるその姿を見ていられなくなって、顔を背け声が漏れないように口を手で押さえた。真下さんはその口調や態度からは考えられないくらい熱心に僕を慰める。まるで甘えているかのように吸っては吐き出し、僕の輪郭をなぞる。そんな優しい愛撫に耐えることなどできず、自分でも恥ずかしくなるほど簡単に精液を吐き出した。
真下さんは僕の精液を飲み込んで、しばらく俯いて顔を上げなかった。何を考えているのか見当もつかなかった。
「今日の昼飯はこれでいい、午後は14時からだ」
その蚊の鳴くような声になぜか胸を締め付けられ、何かを言いかけたがそれは遮られた。彼女が胸に飛び込んできて魔法で僕の胸を満たしたからだ。
「男にいかされるのは屈辱か? 明日からはリハビリだと思って私のことを女だと思え」
真下さんの見当違いな言葉とその悲しそうな声に驚き、否定することさえできない。僕の言葉など待たずに彼女は足早に部屋を出て行った。1人残された事務所で、昨日の夜中のような孤独を味わいはしなかった。昨日今日で目まぐるしく変わる魔女の表情に翻弄され、僕は孤独を感じることすら忘れていたのだ。
暗い事務所に入って聞こえてきた荒々しい嬌声の出所も、意味も、すぐに理解できた。窓からの逆光がそのシルエットを生々しく、また印象的にしていた。
「誰だ……あっ……誰だてめぇは!」
ソファの上で四つん這いになり、尻に男性器を突っ込まれている男性が、息も絶え絶えに虚勢を張る。
「あれは時間も守れない新しい従業員だ」
ゆっくり奥深くまで差し込まれ男は顎を突き上げ身悶えする。
「ノブ、こっちへ来い、こいつは見られると興奮するんだ」
「やめ……やめて……」
「大丈夫だ、NDAは締結してある。ほら、今日は私をいかせるまで我慢するんだろ?」
真下さんの指示と、男の拒絶で僕はその場を一歩も動けない。
「早く来い、もうこいつは限界だぞ」
真下さんはそう言い、自分のそれをさらに深く差し込む。
「あぁっ……あぁっ……もういきたいっ……」
真下さんが男性器を突き刺す動きに合わせ男が歪んだ声で言葉を溢す。その声がどんどんとうわずり、声が声にならなくなってきた。しかし、荒々しい呼吸で男性が限界を迎えそうになった瞬間、真下さんは男性の性器の付け根を握る。
「あああああっ……いかせて……! いかせてぇ……!」
「あいつにお願いしろ、こっちにきて見てくださいって」
男はうわ言のように何かを言っているが、ここまで聞こえなかった。真下さんは男の顎を掴み上体を仰け反らせるように手を引いた。
「ああああああっ!」
「いい子だから言ってごらん? ここがいいんだろ?」
「お……お願いします……こ……こっちに来て……」
「こっちに来てください、だ」
「こっちに……来てください……!」
しばらくその場から動けなかったが、再度名前を呼ばれて、2人のそばまで歩き出した。近くに行けば行くほど真下さんへの違和感が増す。僕が男の目の前に来たところで、真下さんは男の性器から手をゆっくりと外し、腰を両手で掴んだ。
男に腰を打ち付けるたび、真下さんのはだけた服から隆々たる腹筋が見え隠れする。男は快楽を求めて自ら上体を起こし、自身の顔も性器も恥ずかしげもなく僕の眼前に晒す。涎を垂らし、声にならない声で呻く男は、その嬌声に似合わない中年だった。何度か腰を揺すられ、限界を迎えたその中年は勢いよく精液を飛ばす。その白濁がソファに落ちるたび、男は恍惚として息を漏らし震えた。
真下さんは男から性器を引き抜き、ローテーブルにあったティッシュの箱を男性の前に投げつける。そしてソファに沈み込みながら吐き捨てた。
「時間だ」
その言葉に僕は時計を見る。11時45分だった。男はいそいそと自身と、自身の撒き散らしたソファの精液を拭き、服を整え事務所をあとにした。
僕は真下さんの男性器をじっと見つめていて、男が出ていったことを扉を閉める音で知る。それは脈を打っており、はだけたブラウスに届きそうなほど反り立っていた。
真下さんはコンドームを乱暴に剥がしてゴミ箱に入れる。そして、おさまらない男性器を無理やりパンツスーツにねじ込みながら立ち上がった。
「時間を守らないお前が悪い」
その苛立ちを宿す口調で、自分が今どんな顔をしているのだろうと慌てて取り繕う。
「すみませんでした……」
謝って俯いた視界の先に、真下さんの綺麗な手が伸びてきた。その手が簡単に僕の性器を取り出した時に気がついた。あんな狂気を見て勃起していたことを。
「そこに座れ」
乱暴に腹を押され、僕は反対側のソファに腰から落ちる。真下さんは陽炎のように僕の股間に吸い込まれ、視界から消えた。
真下さんの唇が性器に触れた瞬間。今まで感じたことのない触覚で、関係のない映像が頭をよぎる。それは彼女を思いながら自慰をしている自分の姿だった。彼女は会社に出入りする仕出屋の従業員だった。一生懸命に働くその姿に惹かれ、気がつかれないように見つめては家で自慰に耽る。そんな惨めな自分を上から見ているような不思議な感覚に囚われ、一気に罪悪感が噴き出した。
「余計なことを考えるな」
少し萎えた僕の性器を吐き出しながら、彼女は冷酷な声で言い放つ。真下さんが咥えるその姿を見ていられなくなって、顔を背け声が漏れないように口を手で押さえた。真下さんはその口調や態度からは考えられないくらい熱心に僕を慰める。まるで甘えているかのように吸っては吐き出し、僕の輪郭をなぞる。そんな優しい愛撫に耐えることなどできず、自分でも恥ずかしくなるほど簡単に精液を吐き出した。
真下さんは僕の精液を飲み込んで、しばらく俯いて顔を上げなかった。何を考えているのか見当もつかなかった。
「今日の昼飯はこれでいい、午後は14時からだ」
その蚊の鳴くような声になぜか胸を締め付けられ、何かを言いかけたがそれは遮られた。彼女が胸に飛び込んできて魔法で僕の胸を満たしたからだ。
「男にいかされるのは屈辱か? 明日からはリハビリだと思って私のことを女だと思え」
真下さんの見当違いな言葉とその悲しそうな声に驚き、否定することさえできない。僕の言葉など待たずに彼女は足早に部屋を出て行った。1人残された事務所で、昨日の夜中のような孤独を味わいはしなかった。昨日今日で目まぐるしく変わる魔女の表情に翻弄され、僕は孤独を感じることすら忘れていたのだ。
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