【完結】もしも願いが叶うならあの時の約束を

翠月 歩夢

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過去と私と彼との約束2

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『ふーん。野良猫ねー、じゃ潤はみにくいアヒルの子って感じだよね』
『え?なんで?』
『なんか周りから貶されたりしてもめげないで頑張ってるとことか。不幸ながらに頑張ってそう』
『それ褒められてるの……?不幸なの前提じゃない……?』
『褒めてるよ。それにそんなこと言ったら野良猫も褒めてないでしょ』
『そうかなぁ?僕はねこ、好きだよー?野良猫でも』
『なら私も不幸でも頑張っている人は好きだよ』

 こんな感じで潤は明るくて素直だったから話しているのはとても楽しかった。

 私はあのとき、あまり考えずに潤のことを《不幸》と言ってたんだけど……今思うと潤は本当に幸せじゃなかったんじゃないかって思うんだ。
だって……潤はいつもアザがあったり、みんなが親と一緒に帰るのに1人で帰ったりしてたから。
もしかしたら親にあんまり愛されていなかったんじゃないか。そういう所は似てるかも。
 ……私も他人から愛されたりはしなかったから。なのに潤と私は真逆だった。
多分潤は潤なりに、私は私なりに出した答えが逆だったのだろう。

《愛されるために頑張るか》
《愛されるのを諦めるか》

……潤はそうやって頑張っていたのに、私はそれに気づかないで潤の明るさに……優しさに甘えてしまっていたんだろう。
だから次に会えたときは謝って、許してもらおうとしていた。だけど……もう、潤は忘れているかもしれない。私のことを。
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