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それぞれの願いと約束2
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「……行ってみるか」
確か、その神社は山の上にあった。
少し寂れた神社で、前は活気があったらしいが今はもうお参りする人はお年寄りくらいだと聞いた。
いわゆる、地域神というやつだ。
「……これか」
今の時期は彼岸だ。
彼岸の時期にはあの世から死んだ人が帰ってくると言われている。
そして、彼岸の時には彼岸花が咲く。
その名の通り彼岸の時期に咲く花だ。
真っ赤な血のような色をしている。
それが神社に続く階段の両端に咲いている。
そして、階段の上には赤い鳥居がある。
僕は階段を上り始めた。
1段1段ゆっくりと。
神様がいっていた場所はここで間違いない。
そう、確信しながら。
「……あかね……?」
鳥居をくぐった瞬間。
1瞬周りが白く光った。
そして。
目を開けた時、茜がそこにいた。
「……潤」
「茜、なのか?」
「そうだよ」
「本当に?」
「うん」
茜に会えたという喜びより戸惑いの方が大きかった。
まるで、試練ではない。
だってただ神社に来て、鳥居をくぐったら茜がいた。
でも戸惑っているのは僕だけで。
茜は儚く笑っている。
「神様からね、聞いてたんだ」
「……何を?」
そういって茜は話し始めた。
まず、試練というのはただの飾りだということ。
別に最初から願いは叶えるつもりだったらしい。
ならどうしてこんなことをしたんだろう。
次に会えるのは彼岸の間だけということ。
これは彼岸が過ぎたら帰らないといけないという決まりがあるらしい。
あながち言われてることも間違いではないようだと思った。
そして、最後にこの神社が取り壊されてしまうこと。
冬に入る前にここは取り壊されてしまうらしい。
なんでも土地開発が進み、寂れた神社を壊して新しく建物を造ろうということみたいだ。
神様のいっていた時間が無いというのはこういうことだったらしい。
その神様はというと。
神社の拝殿に腰掛けて僕らの方を見ていた。
神様はゆっくり話しかけてきた。
「願いが叶って満足か?」
「ああ」
「そうか。ならいい」
さっきの話を聞いたあとではなんとなく軽口を叩く気にもなれない。
だけど。
聞きたいことがある。
さっきの話を聞いて思ったことを聞いてみよう。
確か、その神社は山の上にあった。
少し寂れた神社で、前は活気があったらしいが今はもうお参りする人はお年寄りくらいだと聞いた。
いわゆる、地域神というやつだ。
「……これか」
今の時期は彼岸だ。
彼岸の時期にはあの世から死んだ人が帰ってくると言われている。
そして、彼岸の時には彼岸花が咲く。
その名の通り彼岸の時期に咲く花だ。
真っ赤な血のような色をしている。
それが神社に続く階段の両端に咲いている。
そして、階段の上には赤い鳥居がある。
僕は階段を上り始めた。
1段1段ゆっくりと。
神様がいっていた場所はここで間違いない。
そう、確信しながら。
「……あかね……?」
鳥居をくぐった瞬間。
1瞬周りが白く光った。
そして。
目を開けた時、茜がそこにいた。
「……潤」
「茜、なのか?」
「そうだよ」
「本当に?」
「うん」
茜に会えたという喜びより戸惑いの方が大きかった。
まるで、試練ではない。
だってただ神社に来て、鳥居をくぐったら茜がいた。
でも戸惑っているのは僕だけで。
茜は儚く笑っている。
「神様からね、聞いてたんだ」
「……何を?」
そういって茜は話し始めた。
まず、試練というのはただの飾りだということ。
別に最初から願いは叶えるつもりだったらしい。
ならどうしてこんなことをしたんだろう。
次に会えるのは彼岸の間だけということ。
これは彼岸が過ぎたら帰らないといけないという決まりがあるらしい。
あながち言われてることも間違いではないようだと思った。
そして、最後にこの神社が取り壊されてしまうこと。
冬に入る前にここは取り壊されてしまうらしい。
なんでも土地開発が進み、寂れた神社を壊して新しく建物を造ろうということみたいだ。
神様のいっていた時間が無いというのはこういうことだったらしい。
その神様はというと。
神社の拝殿に腰掛けて僕らの方を見ていた。
神様はゆっくり話しかけてきた。
「願いが叶って満足か?」
「ああ」
「そうか。ならいい」
さっきの話を聞いたあとではなんとなく軽口を叩く気にもなれない。
だけど。
聞きたいことがある。
さっきの話を聞いて思ったことを聞いてみよう。
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