【完】深い青へと消えた君

翠月 歩夢

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海に浮かぶ星空

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 海に、星をまく。


 海に、月を浮かばせる。


 星はゆらゆらと波に揺られて散らばっていき、月はふよふよと流れていく。


 まるで頭上にあるキャンバスを写し取ったかのような景色がそこには広がっている。


 やっと、君に見せたい星空ができたんだ。君には見えているのだろうか。


 もし、この光が届くなら……あの日言えなかった言葉を。



 ――月が綺麗ですね



 あの日とは違う、ひんやりとした潮風に吹かれながらぽつりと呟いた。


 今更届くはずのない、想いをのせて。
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