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その鎧を外すのは
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しおりを挟む「俺は、……そんなに、弱く見えるか?」
最初に吐き出したのはそんな言葉だった。
はぁ? と声を出したのはガタムだ。
ルーインはガタムを視線だけで黙らせて、ミナリアの言葉に真剣に向き合った。
「戦闘能力だけだったら、ミナリアが強いことはみんなもう知ってるんじゃないかな。誰かに弱いって言われたの?」
「いや……あの程度の魔物に負けるように見えるのかと」
ミナリアは自分の手のひらをじっと見つめた。
数多の魔物を屠ってきた手。
守るために身につけた力は、けして弱くはなかった。
しかし、他でもないユイセルだけが、ミナリアの力を信用しない。
「あー……なんとなくわかった」
ミナリアの言葉に最初に反応したのはルーインだった。
ルーインは言葉を探して何度か唸ると、何かを覚悟したようにミナリアに向き直った。
「ミナリアさ……もし、家族が、誰かに怪我とかさせられたらどう思うの?」
急な話題転換に付いて行けずにミナリアは二度瞬きをした。
それでも、この問いの先に答えがあるのだとミナリアは真剣に脳内でシチュエーションを再生した。
「……すまない、家族が怪我をしている場面が思い付かない」
カラザールもシャトマーニもミナリアよりも強者である。
常に兵に守られているムザルについても想像は難しかった。
「う、そ、そっか……じゃあユイセルくんは?」
「ユイセル? ……今日は相手を殺したが」
「違う! そうじゃなくて、ユイセルくんに対してどう思ったの?」
ミナリアはあの時の感情を振り返った。
怪我をしたユイセル。
母を、翼を失った時の絶望。
そして、また大切なものを守れなかったという、後悔。
「……絶望、した」
「そりゃまた苛烈だね?!」
ルーインと二人で頭を抱え始めた時。
お手上げのルーインに助け船を出したのは、これまで傍観していたガタムだった。
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