隻翼の月に吠える。

みん

文字の大きさ
48 / 58
気高き翼

1

しおりを挟む

「ん、……っ」

 啄むような口付けを繰り返して、お互いの髪を乱すように頭を掻き抱く。
 息継ぎで開いた唇は簡単にユイセルに塞がれて、隙間から舌を捩じ込まれた。

「リア……っ、ちゅ、リア……っ」
「ユイ、ん、……っ」

 吐息さえも奪うような荒々しいキス。
 普段のユイセルからは想像し得ない強引さに、ミナリアはただ酔いしれた。

「ふぁ……っ」

 ユイセルの舌が上顎を掠めて、くすぐったさに体を捩る。
 外れた唇を追って、ユイセルはミナリアの顎を掬った。

「ま、……っ、んむ……っ」
「待てない」

 腰を掻き抱かれ、体が密着する。
 ユイセルの体温が服越しに伝わって心地良い。
 ぼんやりとし始めた脳が思考を止め、目の前のユイセルで全てが塗り替えられる。

 いつの間にか横たえられたベッドの上。
 気が付けば耳の横に両手を突いたユイセルが、自分を見下ろしていた。

「は、はぁ……、あ……?」
「リア……とろんてしてる……可愛い」

 頬を染めて自分を見つめるユイセルの方が可愛いと思った。
 くったりと力の抜けた体で、ユイセルの髪を梳くように撫でる。
 ほのかな幸せを感じて微笑むと、ユイセルの目がぎらりと熱を孕んだ。

「リア……狙ってやってる?」
「……何をだ?」
「んーん、大丈夫。リアは、リアだった」

 釈然としないままにユイセルは何かを納得してミナリアの額に唇を寄せた。
 自分の体を跨ぐように這ったユイセルの唇が、ミナリアの首筋に寄せられる。

「ぁ……」

 初めて触れられる肌に、ぞわりと腹の底から何かが湧き上がる。
 べろりと舐め上げられて、その感覚はミナリア体をわかりやすく跳ねさせた。

「ん……っ!」

 反射でユイセルの髪を掴みかけて、はっとして手を離す。
 行き場を失った手のやり場に困って、ミナリアはユイセルの胸元のシャツを握った。

「……ねぇ、リア」

 不意に呼びかけられて、真っ直ぐに緑の目を見上げる。

「あざとい」

 ミナリアは再びユイセルに唇を塞がれた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー

白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿) 金持ち‪社長・溺愛&執着 α‬ × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω 幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。 ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。 発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう 離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。 すれ違っていく2人は結ばれることができるのか…… 思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいα‬の溺愛、身分差ストーリー ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

処理中です...