オメガの花魁

花園侑

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5話「花魁の拒絶」

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5話「花魁の拒絶」

 「……っん、あ……。」
 「白雪。気持ちいいんだね。もうすぐヒートだからかな。いつもよりも敏感になっている。」
 ヒート前やヒート中は自分でも認めたくは無いが客との行為に快楽を感じていた。
 「……そう、だね。来週辺りかな?」
 「また来るからね。白雪、そろそろいきそうなのでは?」
 「……っあ!!」
 ユキは全身を震わせながら達した。
 「はぁ、はぁ。」
 「大丈夫か?今日はここまでにしよう。」「でも君まだ達してないよ。」
 「俺はいいよ。ヒート中にたくさん流し込んでやるから。」
 「そうだね。次はいつ来てくれるの?」
 「今度のヒートになったらかな。他の客よりもたくさん金出すから俺を優先して欲しい」
 「わかった。楽しみにしてる。」

 そして客が帰った後。
 「他の客よりもたくさん金出す。か……。結局金なんだな。はぁ。そうだ。そろそろ九条さんが来てくれる時間だ。早く支度を……。」
 そうしていると扉の先から声がした。
 「九条です。」
 「……!!入って。」
 ユキは毎晩この時間に九条と話すのがここでの唯一の楽しみになっていた。
 「九条さん。こんばんは。」
 「ユキさん。」
 九条は部屋に入った途端かすかに甘い香りがすることに気づく。
 (この香り……。どうやらもうすぐヒートか。またユキさんが苦しんでしまう。)
 九条は懐からあるものを取り出しユキに手渡した。
 「これは?」
 「抑制剤です。少しでも楽になればと。」
 「抑制剤か……。ありがたいけどここでは使ったらいけないんだ。ごめんなさい。」
 ユキはそう言って九条から差し出された抑制剤を彼に返す。
 「そうですか。俺、ユキさんを絶対ここから救い出します。俺と一緒に来て欲しい。」
 「それはあなたが私を身請けしてくれるってこと?」
 「そう。あなたはここで苦しむべきじゃない。だから……。」
 ユキは九条の言葉に涙を流す。
 「……待ってるね。」

 1週間後。ユキはヒートに苦しんでいた。
 「はぁ、はぁ。……っあ!!」
 ここではオメガを売り出しているため抑制剤は使えない。特にヒートがないと店が成り立たないのだ。そのためこの店の彼らはヒート中はひたすら客の相手をするのだった。
 「白雪。ちょうどヒートだね。もう我慢できない!!俺との子を孕んで欲しい。そして子供が出来たら俺が君を身請けするよ。」
 ユキの部屋に入ってきた客はユキの身体に触れ着物を脱がし始める。しかし。
 「……嫌!!」
 ユキははじめて客を拒絶した。客の頬を叩いてその客から離れる。
 (……九条さん、九条さんじゃないと駄目だ!!)
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