オメガの花魁

花園侑

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6話「ヒート中の再会」

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6話「ヒート」

 ユキははじめて客を拒絶した。
 (……九条さん、九条さんじゃないと駄目!!)
 拒絶された客は一瞬驚いた顔を見せた。それから白雪に怒鳴った。
 「どういうつもりだ!お前はオメガなのだからアルファの俺との子を孕む。それが目的だろう?このフェロモンも俺を誘惑している癖に何が嫌なんだ?」
 「嫌なものは嫌だ!もう抱かれたくない!!あの人以外には触れられたくないんだ!!」
 「九条か?最近やたら親しげな男がいたな。でもあいつとはまだしたことがないんだろう?俺のが貢いでいるからな。俺は他の客よりも1番お前に貢いでいる。なのに何が嫌なんだ?まだ金が足りないか?」
 (金、金、金……!!そういう事じゃないんだよ!!)
 そして客は無理やりユキを押し倒し着物を全て脱がす。
 「嫌!やめて……!!」
 「気持ちよくするだけだ。何も嫌なことはしない。」
 「……っ!!」
 ユキは客にされるがまま抱かれてしまった。行為中ずっと涙が溢れてくる。
 (……九条さん、九条さん!!早く来てよ。今日、ヒートだよ。僕に触れていいのはあなただけ。)
 客との行為が終わり客はすぐに帰っていった。そして今回ユキが客の頬を叩いたことが楼主に知られてしまった。その後ユキは楼主にきつく叱られてしまった。
 「なぜ拒絶した!?あのお客様はお前に1番貢いでいる客なのだぞ。わかっているのか!?」
 「申し訳ありません。今日は、したくなかったんです。具合が悪くて。」
 「悪阻か?妊娠ならすぐに堕ろすんだぞ。」
 「はい……。」
 部屋に戻ったユキは九条を待っていた。
 (苦しい……。はやく来て……!!)
 「ユキさん!」
 「九条、さん……。」
 部屋に入った九条はフェロモンにやられそうになる。フェロモンはアルファの本能を刺激しユキを孕ませたいと思ってしまった。
 「ユキ、さん。まさか……!!」
 「今日、ヒートなんだ……。九条さん、お願い、抱いて。」
 むせかえるような甘い香りに耐えながら九条は言った。
 「抱け、ないです……。俺は、あなたがここで苦しんでいるのを誰より見てきた……。俺はあなたを傷つけられない。」
 そして部屋にユキ一人残して立ち去った。
 「……九条さん。どうして。私はあなたと……。」
 部屋に一人残された白雪は涙を流す。それから九条は白雪の部屋に訪れることはなかった。
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