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8 マード
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6時間目とホームルームが終わり、飛頼は部活に向かう。体育館につくと1年生と2年生が準備をしていた。
「あ~3年引退しね~かな~早く俺らで試合したいよな」
「大丈夫だろ?あいつら大して強くないし キャプテンは部外の奴に負けるし」
「フハッ おいおい3年来たらやベーよ」
飛頼が廊下で会った後輩二人は懲りずに3年生と加賀田の陰口を叩く。
(また言ってんな つーか準備しろっての まっ 1on1挑める口実になるけどな)
「3年が大して強くないか~ でも加賀田は違うだろ?」
「あ!上白先輩!」
「なあ お前ら加賀田に勝てる?」
「いえ……」
「大して強くない3年なんだろ?」
「いや加賀田先輩は別と言うか」
「マジか~じゃあどっちでも良いから俺にバスケ教えてくれない?」
「はい?」
「大して強くない3年の中でも更に強くない俺にならお前らの上手さなら教えられると思ってさ」
「どうしろと?」
「1on1」
「あ~ 別に良いですけど……」
そう言ってボールを持った片方がもう1人と目を合わせて笑う。
(いちいち目合わせてんじゃねーよ)
飛頼は表に出さずに毒づく。
「じゃあ 俺からでも良いですか?」
「ああ」
先に挑んできた2年生はドリブルを始める。
コートにボールをつく低い音とバスケットシューズの擦れる甲高い音が響く。ニヤニヤと笑いながらドリブルする2年生に飛頼は言う。
「何か楽しそうだな」
「いえ別……」
話してる最中に飛頼はボールを奪い取る。
「そっか」
飛頼はそう言ってオフェンスの位置につき、振り向きながら続けた。
「俺は楽しい」
少し笑って見せるとドリブルで右に向かうと見せてレッグスルーを駆使して左へ進路を変える。フェイクにかかった2年生は何とか追い付くも飛頼はそのまま後ろに下がってミドルを決める。
「何回戦にしとく?」
2年生は予想外の展開に顔が真剣になる。
「3で」
「OK」
2年生はドリブルしながらフェイクをかけるが飛頼には意味がなかった。動きが遅く見える飛頼にとってそれはただの無駄な動きとなりフェイクから次の動作へ移ろうとする手元からボールを奪うのは簡単だった。
「あ……」
思わず2年生は声を出す。
「どした?」
「いえ……」
「そっか 呆気ないから もっかいオフェンスでチャンスやるよ」
「アザっす」
テンションがかなり下がった2年生は本気でゴールを取りに向かい、飛頼はわざとシュートを狙えるようゴール下まで来れるように手を抜いた。2年生は飛頼との感覚が空いた瞬間を逃さずシュートを打つ。飛頼はそれを思い切り地面に叩きつける。コートにボールの大きな音が響く中、気がつけば他の部活の生徒の注目が集まり、体育館は静まっていた。
「俺の勝ちでOK?」
「え……あ はい」
2年生はひきつった顔で笑った。
「お前もやろーぜ」
飛頼は残ったもう1人の2年生に声をかける。
「え……いや どうしよっかな」
「お前言ってたじゃん 加賀田のこと陰で『よく平気な顔して部活来れるよな』って 教えてくれよ負けたヤツはどんな顔でバスケしたら良いのかを」
飛頼はそう言ってボールを投げる。
仕方なくボールを持った生徒が1on1を始める。飛頼は完全に動きを読みきって進路をふさぎ2年生はボールを飛頼に渡すしかなかった。飛頼はオフェンスになるとドリブルで翻弄したあとフリースローラインから飛び上がる。
「マジかよ!?」
男子バレー部の誰かが思わず声を出して驚く中、飛頼は右手にボールを持ったままあり得ない高さに到達し、そのままダンクシュートを決める。
再び静まったコートにボールが思い切り叩きつけられる。そして一気に歓声が上がる。
「今の見た?ヤバくない!?」
「何メートルとんだ!?」
「男バスにあんなやついたのか!」
「待ってあの人どこのクラス!?」
歓声の中で飛頼は2年生二人に話す。
「へぇ~ 負けたヤツはそーゆー顔してバスケしてれば良いのか……でも加賀田は違ったけどな 加賀田に教えてもらった方が楽しめるんじゃね?お前ら」
「おい上白 何で皆騒いでんだよ」
そう話しかけたのは加賀田だった。
「あ 1on1してたらミラクルショットが決まってさ それで一時的にな」
「そっか……他の奴らは?」
「まだ来てない」
「あいつら……お前らも準備頼んだぞ」
「はい」
加賀田は2年生二人に準備を促し、バスケットシューズを履く。3年生が集まり、練習が始まると加賀田は学年関係なく指示を出す。
「1年どうした声出せ!」
「はい!」
「やっぱスゲーな アイツ」
飛頼が小さくそう言って練習していると加賀田から注意を受ける。
「上白 マークしろ!」
「了解!」
飛頼は慌ててディフェンスにつく。
(相変わらず容赦ねーけどな……)
いつも通りの部活が始まる。
ーー
水曜日の放課後、飛頼はカフェに向かった。
「こんにちは」
「お!練習するかの」
「はい 今日はお休みなんですか?外にcloseってなってますけど」
「水曜は定休日にしたんじゃ ちょっとしたトレーニングから始めてみようかの」
「あ はい」
「ビュートディレクションオープンワールド」
二人はビュートに向かう。
「では早速じゃが エルガイアを身に纏うことからやってみよう」
「纏う?」
「そう体の内にも外にもな まあ自分の物にするってイメージかの」
「はあ……」
優志は手をかざして大きなシャボン玉のような物を出す。
「うわ!スゲー!」
そのシャボン玉のようなものは優しい音を鳴らして現れた。
「ナイスリアクション!」
「あ……はあ」
(何か調子狂うな)
「そしたらこの中に入ってみなさい」
「入り口は?」
「探してみれば?」
飛頼は周囲をぐるぐる回るが見当たらない。
「ヒント!触っても大丈夫」
優志がヒントを与え、飛頼はシャボン玉に触れてみる。手で触るとそれは手の形に合わせて凹み、放すともとに戻った。
「シャボン玉みたいに割れないのか」
飛頼はもう一度触れ、次は右肩まで腕をシャボン玉に入れてみる。そして右足、顔、全身をシャボン玉の中に入れて優志を見る。
「入りました。」
「よし 今君はわしが作り出した身に纏いやすいエルガイアを纏っている」
飛頼はそう言われて自分の腕を触る。
「特に変化は分かんないですが」
「そーゆーもんじゃ 次は深呼吸してみよう」
飛頼は深呼吸を繰り返す。
「今これで君はエルガイアを内側にも纏うことが出来た」
「こんなに早くですか?」
「このシャボン玉みたいな部屋の中に居るからじゃよ 外ではそんなに簡単にはできんよ」
「ほぉ~」
「ではマードを生成させてみよう」
「マード?」
「アティスがエルガイアを使うのに必須となるためのアイテムじゃよ 利き手は右で良かったかの?」
「はい」
「では右手を出して何も考えず深呼吸してみなさい 頭の中をクリアにしてひたすら深呼吸する そしてクリアに出来たら意識は掌に集中させる 深呼吸は続けたままじゃ 始め」
飛頼はシャボン玉のような空間で目を閉じて深呼吸をする。始めてから5分経過した頃に右掌に少し温度が感じとれ始めた。
「今掌が暖まっているはずじゃ そのまま集中を切らさず深呼吸じゃ ひたすら部屋の空気を取り入れるように」
飛頼は深呼吸を続け、時間は10分が経過した。すると微かに白い光が掌に現れては消えて点滅し始めた。
「そのまま集中じゃ 呼吸を続けて」
15分で光は点滅せずに光り続けた。
「順調じゃ まだ行けるぞ」
20分で光は横に少し伸び、25分で掌から少しはみ出すまでの長さになる。
「疲れてきたかの?腕がブレて来たぞ もう少し頑張れ」
30分で拳三つ分程の大きさになり、優志はそこで止めた。
「よし マードを掴むんじゃ」
飛頼は光を掴む。
「もう集中を解いても大丈夫じゃよ」
目を開けて飛頼はマードを確認する。
「これがマードですか?」
「まだマードではないが繰り返す内にマードになる 上白君は傘差したことある?それともかっぱボーイ?」
「ありますよ!何ですかかっぱボーイって!」
「最初に会ったとき傘も差さずに雨にうたれてたから傘よりかっぱなのかな~と」
「あれは急な雨で……」
「マードの完成形は傘位の長さでな?」
「聞けぇ……」
飛頼は小さくそう言って話を聞く。
「完成したら剣にもなる」
「どうしたら剣になるんですか?」
「それは完成したら自分の目で確かめて見ると良い わしが今見せても良いがそれじゃあつまらん 今日はここまでにしよう」
「分かりました」
「手を開いて力を抜けばその光は消える」
飛頼はマードをじっと見て消さなかった。
「どうした?」
「何か勿体ない気がして 時間をかけて集中したんで……」
「訓練を積んで行けばいずれはこの部屋なしで一瞬で作れる」
「そいえば どーして途中で止めたんですか?」
「腕もブレて疲れてきていたからな」
「はあ……疲れる……?俺的には疲れよりもリラックスした気分でした」
「この部屋はエルガイアが詰まっているからの エルガイアは人を癒す力も持っているから疲れを感じ取れなかったんじゃ」
「へ~」
飛頼は掌を開いて光を消す。
「さてこの部屋も必要ないな」
優志は手をかざして部屋を消した。
部屋は綺麗な音を鳴らして消える。
「……!おっと……」
部屋が消えた瞬間飛頼は足をふらつかせた。
「何か……急に……体が重い」
「君の周りのエルガイアが消えたからの さあ帰ろうか ガテアディレクションオープンワールド」
カフェに戻ると飛頼は椅子に座り込む。
「ちょっと休んでも良いですか?」
「勿論じゃ 水を出そう」
「すみません」
優志は水を差し出しながら話す。
「アティスになれる者の適性度にはランクがあってなまず前提として男性であること そして適性ランクのSランクがビュートで生まれ育ったエルガイアと相性が良い者 Aランクはビュートで生まれ育った者 Bランクは地球で生まれ育ったエルガイアと相性が良い者 Cランクが地球で育った者 Dランク 女性 と言ったところかの Sは訓練の時間が短く エルガイアを修得するのに1週間 マードを生成するのに1週間の合計2週間でアティスになり Aは1ヶ月と1ヶ月で2ヶ月 Bは2ヶ月と1ヶ月で3ヶ月 Cは6ヶ月と6ヶ月で1年以上又は不可 Dは不可となっておる」
「俺はじゃあCですか?」
「残念ながらCの不可じゃろう だが君の場合はアイデックと契約しエルガイアを持った状態だからの イレギュラーなんじゃよ」
「適性度聞いたら自信が……しかも不可って……」
「自信無くすかもしれんのう だがわしに任せてくれ 適性度なんて物は関係ない程君を強くする だから君が自信を無くそうと無くさまいと正直に話せる」
飛頼はその言葉に優志らしいと思い、同時にそう思った自分が優志を理解しつつあることに気づいた。
「あ~3年引退しね~かな~早く俺らで試合したいよな」
「大丈夫だろ?あいつら大して強くないし キャプテンは部外の奴に負けるし」
「フハッ おいおい3年来たらやベーよ」
飛頼が廊下で会った後輩二人は懲りずに3年生と加賀田の陰口を叩く。
(また言ってんな つーか準備しろっての まっ 1on1挑める口実になるけどな)
「3年が大して強くないか~ でも加賀田は違うだろ?」
「あ!上白先輩!」
「なあ お前ら加賀田に勝てる?」
「いえ……」
「大して強くない3年なんだろ?」
「いや加賀田先輩は別と言うか」
「マジか~じゃあどっちでも良いから俺にバスケ教えてくれない?」
「はい?」
「大して強くない3年の中でも更に強くない俺にならお前らの上手さなら教えられると思ってさ」
「どうしろと?」
「1on1」
「あ~ 別に良いですけど……」
そう言ってボールを持った片方がもう1人と目を合わせて笑う。
(いちいち目合わせてんじゃねーよ)
飛頼は表に出さずに毒づく。
「じゃあ 俺からでも良いですか?」
「ああ」
先に挑んできた2年生はドリブルを始める。
コートにボールをつく低い音とバスケットシューズの擦れる甲高い音が響く。ニヤニヤと笑いながらドリブルする2年生に飛頼は言う。
「何か楽しそうだな」
「いえ別……」
話してる最中に飛頼はボールを奪い取る。
「そっか」
飛頼はそう言ってオフェンスの位置につき、振り向きながら続けた。
「俺は楽しい」
少し笑って見せるとドリブルで右に向かうと見せてレッグスルーを駆使して左へ進路を変える。フェイクにかかった2年生は何とか追い付くも飛頼はそのまま後ろに下がってミドルを決める。
「何回戦にしとく?」
2年生は予想外の展開に顔が真剣になる。
「3で」
「OK」
2年生はドリブルしながらフェイクをかけるが飛頼には意味がなかった。動きが遅く見える飛頼にとってそれはただの無駄な動きとなりフェイクから次の動作へ移ろうとする手元からボールを奪うのは簡単だった。
「あ……」
思わず2年生は声を出す。
「どした?」
「いえ……」
「そっか 呆気ないから もっかいオフェンスでチャンスやるよ」
「アザっす」
テンションがかなり下がった2年生は本気でゴールを取りに向かい、飛頼はわざとシュートを狙えるようゴール下まで来れるように手を抜いた。2年生は飛頼との感覚が空いた瞬間を逃さずシュートを打つ。飛頼はそれを思い切り地面に叩きつける。コートにボールの大きな音が響く中、気がつけば他の部活の生徒の注目が集まり、体育館は静まっていた。
「俺の勝ちでOK?」
「え……あ はい」
2年生はひきつった顔で笑った。
「お前もやろーぜ」
飛頼は残ったもう1人の2年生に声をかける。
「え……いや どうしよっかな」
「お前言ってたじゃん 加賀田のこと陰で『よく平気な顔して部活来れるよな』って 教えてくれよ負けたヤツはどんな顔でバスケしたら良いのかを」
飛頼はそう言ってボールを投げる。
仕方なくボールを持った生徒が1on1を始める。飛頼は完全に動きを読みきって進路をふさぎ2年生はボールを飛頼に渡すしかなかった。飛頼はオフェンスになるとドリブルで翻弄したあとフリースローラインから飛び上がる。
「マジかよ!?」
男子バレー部の誰かが思わず声を出して驚く中、飛頼は右手にボールを持ったままあり得ない高さに到達し、そのままダンクシュートを決める。
再び静まったコートにボールが思い切り叩きつけられる。そして一気に歓声が上がる。
「今の見た?ヤバくない!?」
「何メートルとんだ!?」
「男バスにあんなやついたのか!」
「待ってあの人どこのクラス!?」
歓声の中で飛頼は2年生二人に話す。
「へぇ~ 負けたヤツはそーゆー顔してバスケしてれば良いのか……でも加賀田は違ったけどな 加賀田に教えてもらった方が楽しめるんじゃね?お前ら」
「おい上白 何で皆騒いでんだよ」
そう話しかけたのは加賀田だった。
「あ 1on1してたらミラクルショットが決まってさ それで一時的にな」
「そっか……他の奴らは?」
「まだ来てない」
「あいつら……お前らも準備頼んだぞ」
「はい」
加賀田は2年生二人に準備を促し、バスケットシューズを履く。3年生が集まり、練習が始まると加賀田は学年関係なく指示を出す。
「1年どうした声出せ!」
「はい!」
「やっぱスゲーな アイツ」
飛頼が小さくそう言って練習していると加賀田から注意を受ける。
「上白 マークしろ!」
「了解!」
飛頼は慌ててディフェンスにつく。
(相変わらず容赦ねーけどな……)
いつも通りの部活が始まる。
ーー
水曜日の放課後、飛頼はカフェに向かった。
「こんにちは」
「お!練習するかの」
「はい 今日はお休みなんですか?外にcloseってなってますけど」
「水曜は定休日にしたんじゃ ちょっとしたトレーニングから始めてみようかの」
「あ はい」
「ビュートディレクションオープンワールド」
二人はビュートに向かう。
「では早速じゃが エルガイアを身に纏うことからやってみよう」
「纏う?」
「そう体の内にも外にもな まあ自分の物にするってイメージかの」
「はあ……」
優志は手をかざして大きなシャボン玉のような物を出す。
「うわ!スゲー!」
そのシャボン玉のようなものは優しい音を鳴らして現れた。
「ナイスリアクション!」
「あ……はあ」
(何か調子狂うな)
「そしたらこの中に入ってみなさい」
「入り口は?」
「探してみれば?」
飛頼は周囲をぐるぐる回るが見当たらない。
「ヒント!触っても大丈夫」
優志がヒントを与え、飛頼はシャボン玉に触れてみる。手で触るとそれは手の形に合わせて凹み、放すともとに戻った。
「シャボン玉みたいに割れないのか」
飛頼はもう一度触れ、次は右肩まで腕をシャボン玉に入れてみる。そして右足、顔、全身をシャボン玉の中に入れて優志を見る。
「入りました。」
「よし 今君はわしが作り出した身に纏いやすいエルガイアを纏っている」
飛頼はそう言われて自分の腕を触る。
「特に変化は分かんないですが」
「そーゆーもんじゃ 次は深呼吸してみよう」
飛頼は深呼吸を繰り返す。
「今これで君はエルガイアを内側にも纏うことが出来た」
「こんなに早くですか?」
「このシャボン玉みたいな部屋の中に居るからじゃよ 外ではそんなに簡単にはできんよ」
「ほぉ~」
「ではマードを生成させてみよう」
「マード?」
「アティスがエルガイアを使うのに必須となるためのアイテムじゃよ 利き手は右で良かったかの?」
「はい」
「では右手を出して何も考えず深呼吸してみなさい 頭の中をクリアにしてひたすら深呼吸する そしてクリアに出来たら意識は掌に集中させる 深呼吸は続けたままじゃ 始め」
飛頼はシャボン玉のような空間で目を閉じて深呼吸をする。始めてから5分経過した頃に右掌に少し温度が感じとれ始めた。
「今掌が暖まっているはずじゃ そのまま集中を切らさず深呼吸じゃ ひたすら部屋の空気を取り入れるように」
飛頼は深呼吸を続け、時間は10分が経過した。すると微かに白い光が掌に現れては消えて点滅し始めた。
「そのまま集中じゃ 呼吸を続けて」
15分で光は点滅せずに光り続けた。
「順調じゃ まだ行けるぞ」
20分で光は横に少し伸び、25分で掌から少しはみ出すまでの長さになる。
「疲れてきたかの?腕がブレて来たぞ もう少し頑張れ」
30分で拳三つ分程の大きさになり、優志はそこで止めた。
「よし マードを掴むんじゃ」
飛頼は光を掴む。
「もう集中を解いても大丈夫じゃよ」
目を開けて飛頼はマードを確認する。
「これがマードですか?」
「まだマードではないが繰り返す内にマードになる 上白君は傘差したことある?それともかっぱボーイ?」
「ありますよ!何ですかかっぱボーイって!」
「最初に会ったとき傘も差さずに雨にうたれてたから傘よりかっぱなのかな~と」
「あれは急な雨で……」
「マードの完成形は傘位の長さでな?」
「聞けぇ……」
飛頼は小さくそう言って話を聞く。
「完成したら剣にもなる」
「どうしたら剣になるんですか?」
「それは完成したら自分の目で確かめて見ると良い わしが今見せても良いがそれじゃあつまらん 今日はここまでにしよう」
「分かりました」
「手を開いて力を抜けばその光は消える」
飛頼はマードをじっと見て消さなかった。
「どうした?」
「何か勿体ない気がして 時間をかけて集中したんで……」
「訓練を積んで行けばいずれはこの部屋なしで一瞬で作れる」
「そいえば どーして途中で止めたんですか?」
「腕もブレて疲れてきていたからな」
「はあ……疲れる……?俺的には疲れよりもリラックスした気分でした」
「この部屋はエルガイアが詰まっているからの エルガイアは人を癒す力も持っているから疲れを感じ取れなかったんじゃ」
「へ~」
飛頼は掌を開いて光を消す。
「さてこの部屋も必要ないな」
優志は手をかざして部屋を消した。
部屋は綺麗な音を鳴らして消える。
「……!おっと……」
部屋が消えた瞬間飛頼は足をふらつかせた。
「何か……急に……体が重い」
「君の周りのエルガイアが消えたからの さあ帰ろうか ガテアディレクションオープンワールド」
カフェに戻ると飛頼は椅子に座り込む。
「ちょっと休んでも良いですか?」
「勿論じゃ 水を出そう」
「すみません」
優志は水を差し出しながら話す。
「アティスになれる者の適性度にはランクがあってなまず前提として男性であること そして適性ランクのSランクがビュートで生まれ育ったエルガイアと相性が良い者 Aランクはビュートで生まれ育った者 Bランクは地球で生まれ育ったエルガイアと相性が良い者 Cランクが地球で育った者 Dランク 女性 と言ったところかの Sは訓練の時間が短く エルガイアを修得するのに1週間 マードを生成するのに1週間の合計2週間でアティスになり Aは1ヶ月と1ヶ月で2ヶ月 Bは2ヶ月と1ヶ月で3ヶ月 Cは6ヶ月と6ヶ月で1年以上又は不可 Dは不可となっておる」
「俺はじゃあCですか?」
「残念ながらCの不可じゃろう だが君の場合はアイデックと契約しエルガイアを持った状態だからの イレギュラーなんじゃよ」
「適性度聞いたら自信が……しかも不可って……」
「自信無くすかもしれんのう だがわしに任せてくれ 適性度なんて物は関係ない程君を強くする だから君が自信を無くそうと無くさまいと正直に話せる」
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