勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。

イコ

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領地経営スタート

鑑定魔法

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 ブラフの鑑定魔法は、王城で行われた鑑定とは異なることがわかった。ブラフに鑑定してもらった結果を見て、前回との違いが明確になった。

 他の者たちの面接を終え、二人で夕食を取った後、その結果を書き出してみた。

 ♢

 名前:トオル・コガネイ
 年齢:23歳
 性別:男性
 称号:異世界召喚に巻き込まれた者
 職業:大工
 技術:大工仕事全般
 レベル:1
 体力:50
 魔力:10
 魅力:10
 運力:20
 固有スキル:カタログ召喚

 ♢

 これが王都での鑑定結果だ。そして、ブラフがしてくれた鑑定魔法による結果はこうだ。

 ♢

 名前:トオル・コガネイ
 年齢:23歳
 性別:男性
 称号:異世界召喚に巻き込まれた者
 職業:大工
 レベル:1
 生命力:30
 攻撃力:10
 守備力:10
 魔力量:5
 魔法力:2
 魔法守備力:3
 魅力:10
 運力:20
 通常スキル:槌《ハンマー》術(熟練度中級)、鋸《ノコギリ》術(熟練度中級)、射的術(熟練度上級)、木材加工術(熟練度中級)、鉄加工術(熟練度中級)、乗り物操縦術(熟練度中級)
 固有スキル:カタログ召喚(熟練度初級)《目録。展示物。商品。営業内容などについての目録や案内書ならば全て》、自動翻訳(熟練度MAX)
 知識スキル:異世界知識、異世界サバイバル術、異世界喧嘩術
 加護:???神からの加護(火の素質)

 ♢

 明らかにブラフの鑑定の方が、より詳しく内容が反映されている。

 大工技術としか書かれていなかった項目が、細かく分類され、俺が宮大工になりたいと思って磨いていた技術がしっかりと記載されている。普段から使っていた道具や技術も反映されていて、木材や鉄加工に加えて、様々な乗り物の免許を持っていることもスキルとして詳細に表記されている。

 さらに、体力とだけ表記されていた内容が、生命力や攻撃力、守備力にまで細分化されている。王都の鑑定では出てこなかった知識スキルや加護も含まれていた。

 ブラフの能力がいかに優れているか、改めて感じた。

「ブラフ」
「どうしたんだ?」

 夕食の後、リビングでお茶を飲みながら話すことにした。

「ブラフは天才だな」
「急に何を言ってるんだ?」

 呆れたような顔をするブラフだが、頬が少し赤くなっているのがわかる。彼が入れてくれた紅茶を手に取り、椅子に腰掛けた。

「具現化魔法にしても、鑑定魔法にしても、すごい魔法だぞ!」
「そういうことか……。でもね、私はずっと『不遇魔法使い』と言われてきたんだ」
「えっ、そうなのか? 俺から見ればすごい奴としか思えないけどな」
「本当にすごいのは、トオルの方だよ」
「俺が凄い?」

 この世界に来て、まだ何も大したことはしていない。カタログ召喚だって、まだ使い道を探っているところだ。

「トオルのカタログ召喚があったから、私の具現化魔法に意味ができた。鑑定魔法も同じだよ。トオルが村人を従者にしようと言わなければ、私は彼らに鑑定魔法を使おうとは思わなかった」

 ブラフは紅茶に口をつけ、ホッと息を吐いた。

「トオルが、私の力を引き出して、意味をくれたんだ」
「うーん、よくわからないけど、要は俺たちは良いコンビってことだな」
「ああ、トオルの発想や技術は、私には無いものばかりだ。私が城で学んでいたことは、机上の空論に過ぎなかった。実際に領地を見て、草原は広大で、荒地は想像以上に手が付けられていないことを思い知らされたよ」

 ブラフは真面目で謙虚だ。どこか自分の故郷の人々に似ているような気がして、親近感が湧いてきた。

「なぁ、ブラフ。お前は魔物を殺したことがあるか?」
「急だね。どうしたんだい?」

 異世界に来て、剣と魔法のファンタジーの世界にいながら、レベル上げをしないでいるのが、どうにも我慢できなかった。

「いいから、どうなんだ?」
「いや、ないね。訓練では人と戦ったことがあるから、剣術はそこそこ熟練しているけど、実際に魔物を殺したことはない」

 やっぱりか。

 ブラフはどこか自信がない態度を取ることが多い。だが、もしレベルを上げて自信をつけたら、彼の魔力ももっと向上して、さらに凄い存在になるのではないか?

「なぁ、一緒にレベル上げをしてみないか?」
「レベル上げ?」
「ああ、剣と魔法の異世界ファンタジーだぞ。俺たちには鑑定でレベルがわかる。それならレベルを上げることもできるはずだろ? やらない手はないって話さ」
「ちょっと、よくわからないんだけど……」
「そこからか?」

 この世界の人々が、異世界からの召喚について知っているとは聞いていた。だから、チート能力のことも理解しているだろうと思っていたが、物語自体の知識はあまり伝わっていないのかもしれない。

「じゃあ今日は村人雇用祝いだ。俺が剣と魔法の異世界ファンタジーの魅力を教えてやるよ」
「ふふ、トオルは本当に楽しそうだね」
「当たり前だろ? せっかく異世界に来たんだ、楽しまなきゃ損だぞ!」

 俺はネット小説やマンガ、アニメで得た知識を、存分にブラフに語り始めた。テレビで見た内容も交えつつ、話を盛り上げていく。

 それを聞いて、ブラフは楽しそうに笑ってくれた。初めて会った頃、彼はどこか作り笑いをしていたが、領地に来てからは、本当に楽しそうに笑うようになった。

「よし! まずは王道の異世界ファンタジーだ。異世界の王様が勇者を召喚するんだぞ!」

 俺は自分たちの状況に似た話から、わかりやすく異世界ファンタジーの話を語り始めた。

 こうして、夜にブラフと過ごす時間が続いていく中で、共通の話題がどんどん増えていった。
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