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甘味
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この世界で初めて作ったお菓子。それは、大抵の女の子なら作ったことがあるクッキー。バターの風味を生かし、さくさくに仕上げました。そして、もうひとつ。これも、殆どの人が食べたことがあるであろうホットケーキ。これでもかとフワッフワの限界に挑戦しました。蜂蜜とシロップにジャムを添えて、さあ召し上がれ。この季節の宝石、苺に似たパピコという果物でジャムも作りましたぁ。希少な砂糖はかなり少なめなので、消費期限は要冷蔵で2日もつかなぁ。
早速、お昼のデザートとしてミカエル様にお出しした。途中で、今来ているお客様に差し上げたいと言われたので、料理長が作ったクッキーを箱に詰めて渡した。素人が作ったものは渡せない。
「凄いな・・・・」
見た目だけで誉めてもらえたよ。
「フフフ、頑張りました。前の世界にいたときに、このふわふわ感と高さを1月程、研究した甲斐がありました。そんなに甘くはないですが、一口食べてから、蜂蜜とシロップ、ジャムでお好みの甘さにして食べてください。ジャムは、パピコです」
ナイフを入れただけで目がビックリしている。そして、一口。
「・・・・初めての食感だ。それに甘すぎない。砂糖を使った菓子は甘すぎる物だと思っていたが、これなら」
ミカエル様は、シロップに蜂蜜をほんの少しだけ掛けるのがお好みらしい。あっという間になくなった。お気に召したようだ。暫くは、この2つのレパートリーを広げていこう。そうしよう。
一夜明けて、今日も嫌なことに、あの第二王子殿下が来る。昨日中に私の荷物は、ミカエル様の隣室に移してある。万一のことも考えて、部屋を移った。そこは、実は奥さんのための部屋だけど、ミカエル様がいいと言うなら、遠慮なく使わせてもらう。昨日と違って、ミカエル様は騎士団の訓練には行かず、ここにいてくれるから、怖くはないけど朝から気が重い。
ふたりで朝食を終え、ミカエル様は執務室ではなくここで書類仕事だ。執務室では第二王子が来たときに、隠れられないし見つかる可能性も高い。私ひとりをここに残せば、私が不安になるだろうというミカエル様の心遣いだ。
私は、昨日、書庫から持ち出してきた世界の植物についての本を読んでいる。探しているものがあるのだ。まず、サトウキビに類する植物。ここでは、砂糖は、甜菜によく似たギムリという植物から作られている。甜菜に似た植物があるなら、サトウキビだってあるはずだ。この国は、比較的温暖で、南の方は、暑いくらいだと言っていたから、植物図鑑に出ているかもしれない。次に、カカオ。これも、南の方ならありそうだ。もしらしたら、薬に分類されているかもしれない。昔は、元の世界でも薬だった。
ないなぁ、と思いながら、4冊目に手をかけたとき、玄関が騒がしくなった。
「来たようだな。スミレは、この部屋か私の寝室に隠れているといい。自分の部屋は駄目だ。あやつが探すかもしれん。そのようなことはさせるつもりはないがな」
「わか、わかりました」
不安な顔をしているのは分かっている。条件反射だ。異母兄に植え付けられた忌まわしい・・・・。私が震えているのを感じ取って、落ち着かせるように私の頭を撫でながら腕の中に包んでくれる。それだけで、ほっと息を吐くことができた。私もミカエル様の背中に腕を廻して、抱きついた。
私、もうこの人なしで生きられないんじゃないだろうか?
「行ってくる。不安なら、隣の部屋にいるがいい」
ミカエル様は、一度強く抱き締めてくれた後、仮面とマントを羽織ながら、部屋を後にした。そのすぐ後、本を片手にミカエル様の寝室に移動したのは、言うまでもない。
暫くして、隣の部屋の扉が開いた音がした。さっとベッドの脇に移動して隠れる。寝室の扉が開いた。
「スミレ、出てきても大丈夫だ。あれは、帰った」
ほっとして、ミカエル様に駆け寄る。
「ありがとうございました。迷惑をかけてすみません」
「迷惑などとは思っていない。あやつが来たのは、こちらの手落ちだ」
ぽんぽんと頭を撫でてくれる。
その笑顔、いただきました♪
「しかし、あれがこれくらいで諦めるとも思えん。陛下との謁見まで後4日ある。その間はなるべく外には出ないように。私も離宮から離れないようにする。暫くは、不便をかけるが、出来るか?」
「・・・・分かりました。我慢します」
「いい子だ。ところで、探していたものは見つかったのか?」
あれ?なんか子供扱い?保護対象になってる?
大丈夫か、私!
「むぅ、子供じゃないです!」
「それは、失礼した。外に出たいのを我慢する子供と同じ顔だったのでな」
「・・・・探し物は見つかりました。これとこのふたつです」
「ほぉ。ククリにミストーレとサルヴか。詳しくはあちらで聞こう」
クスクス笑わないで。
どうせ、この顔も子供みたいだと思ってるんでしょうけど!
「・・・・」
「そう拗ねるな。悪かった。お詫びに明後日、城下に連れて行こう。断ろうと思っていたが、一緒に行くならいいだろう。但し、私から離れないと約束してくれ」
「する。します。絶対ですよ?」
思わず、服を掴んで詰め寄ってしまった。謁見が終わるまでは無理かなぁと諦めていたから、絶対に行きたい。
「そんなに行きたいのか?」
「当たり前です。この離宮と庭しかまだ見てないんですよ。ああ、禁足地も見ましたけど。お城以外の場所がどんなところなのか、街並みとか見たいです」
「だが、行くなら未成年の振りをしてもらう。だから、スカートの丈が膝下になるが、いいか?」
「そんなの気にしません。向こうでは、膝上くらいのを履いてましたから。って、あれ?こっちでは、年齢でスカートの丈が違うんですか?」
「言ってなかったか?女性は、学園に上がる10歳までは膝丈、成人までは膝下丈、成人後は踝より長くなる」
「へえ。あー!だから、用意されていたドレスは全部膝下丈だったんですね」
お仕着せは、年齢に関係なく踝までの長さと決まっているらしい。知らなかった。
「それは、気がつかなかった。年齢に合わせたものを用意しよう」
要らないというわけにはいかないんだろうなぁ。
「なるべく、シンプルなのをお願いします」
「そのあたりは、プリシラに相談してくれ」
「分かりました。勝ち取ってみせます」
ぐっと拳を握って宣言した。ミカエル様は、笑っているが、プリシラは、可愛いのが好きっぽいのだ。フリフリが多かった気がする。
さあ、ここからは、浮かれた気分を抑えつつ、ククリにミストーレとサルヴの話しだ。ククリがカカオによく似た植物で、ミストーレとサルヴがサトウキビだ。3種類とも王都から2週間ほどのところで自生している。どうやら、この世界では、熱帯でなくても育つようだ。ミストーレとサルヴは、見た目だけで判断したから、実物で試してみないとわからないが、ククリの方は、この実を加工したものが鉄分不足の人に処方される薬になっているから、間違いないだろう。とは言っても、これも検証は必要だ。早速、ミカエル様にまずククリとミストーレを取り寄せてもらうことにした。このふたつは、生命力が強く大量に採れるが、あまり需要がないから雑草より厄介な害草となっているため、運送費くらいで取り寄せられると言うことだった。サルヴは、湿地に生えるので、数はあるが手に入れにくい。
「さて、このククリとミストーレをどうするつもりだ?」
「ミストーレは、ギムリとは少し違いますが、同じように砂糖の原料になるかもしれません。サルヴもですが、あちらの世界ではこれらと似た植物から砂糖を抽出しています。勿論、ギムリに似た植物からもです。似ているだけなので、取り寄せてみないと何とも言えません。どちらか、若しくは両方が原料になるかもしれません。ククリは・・・・フフフ、美味しいお菓子になる予定です♪私の一番大好きなお菓子です♪その為にも砂糖はたくさん欲しいんです。ミストーレがそうなら、たくさん出来そうですよね♪」
ミカエル様は、トントンと指をならしながら、難しい顔で何事か考え始めた。何か問題でもあったろうか?
「・・・・まあ、やってみてからだな」
どうやら、自己完結したようだ。それならいいか、と放置することにした。
早速、お昼のデザートとしてミカエル様にお出しした。途中で、今来ているお客様に差し上げたいと言われたので、料理長が作ったクッキーを箱に詰めて渡した。素人が作ったものは渡せない。
「凄いな・・・・」
見た目だけで誉めてもらえたよ。
「フフフ、頑張りました。前の世界にいたときに、このふわふわ感と高さを1月程、研究した甲斐がありました。そんなに甘くはないですが、一口食べてから、蜂蜜とシロップ、ジャムでお好みの甘さにして食べてください。ジャムは、パピコです」
ナイフを入れただけで目がビックリしている。そして、一口。
「・・・・初めての食感だ。それに甘すぎない。砂糖を使った菓子は甘すぎる物だと思っていたが、これなら」
ミカエル様は、シロップに蜂蜜をほんの少しだけ掛けるのがお好みらしい。あっという間になくなった。お気に召したようだ。暫くは、この2つのレパートリーを広げていこう。そうしよう。
一夜明けて、今日も嫌なことに、あの第二王子殿下が来る。昨日中に私の荷物は、ミカエル様の隣室に移してある。万一のことも考えて、部屋を移った。そこは、実は奥さんのための部屋だけど、ミカエル様がいいと言うなら、遠慮なく使わせてもらう。昨日と違って、ミカエル様は騎士団の訓練には行かず、ここにいてくれるから、怖くはないけど朝から気が重い。
ふたりで朝食を終え、ミカエル様は執務室ではなくここで書類仕事だ。執務室では第二王子が来たときに、隠れられないし見つかる可能性も高い。私ひとりをここに残せば、私が不安になるだろうというミカエル様の心遣いだ。
私は、昨日、書庫から持ち出してきた世界の植物についての本を読んでいる。探しているものがあるのだ。まず、サトウキビに類する植物。ここでは、砂糖は、甜菜によく似たギムリという植物から作られている。甜菜に似た植物があるなら、サトウキビだってあるはずだ。この国は、比較的温暖で、南の方は、暑いくらいだと言っていたから、植物図鑑に出ているかもしれない。次に、カカオ。これも、南の方ならありそうだ。もしらしたら、薬に分類されているかもしれない。昔は、元の世界でも薬だった。
ないなぁ、と思いながら、4冊目に手をかけたとき、玄関が騒がしくなった。
「来たようだな。スミレは、この部屋か私の寝室に隠れているといい。自分の部屋は駄目だ。あやつが探すかもしれん。そのようなことはさせるつもりはないがな」
「わか、わかりました」
不安な顔をしているのは分かっている。条件反射だ。異母兄に植え付けられた忌まわしい・・・・。私が震えているのを感じ取って、落ち着かせるように私の頭を撫でながら腕の中に包んでくれる。それだけで、ほっと息を吐くことができた。私もミカエル様の背中に腕を廻して、抱きついた。
私、もうこの人なしで生きられないんじゃないだろうか?
「行ってくる。不安なら、隣の部屋にいるがいい」
ミカエル様は、一度強く抱き締めてくれた後、仮面とマントを羽織ながら、部屋を後にした。そのすぐ後、本を片手にミカエル様の寝室に移動したのは、言うまでもない。
暫くして、隣の部屋の扉が開いた音がした。さっとベッドの脇に移動して隠れる。寝室の扉が開いた。
「スミレ、出てきても大丈夫だ。あれは、帰った」
ほっとして、ミカエル様に駆け寄る。
「ありがとうございました。迷惑をかけてすみません」
「迷惑などとは思っていない。あやつが来たのは、こちらの手落ちだ」
ぽんぽんと頭を撫でてくれる。
その笑顔、いただきました♪
「しかし、あれがこれくらいで諦めるとも思えん。陛下との謁見まで後4日ある。その間はなるべく外には出ないように。私も離宮から離れないようにする。暫くは、不便をかけるが、出来るか?」
「・・・・分かりました。我慢します」
「いい子だ。ところで、探していたものは見つかったのか?」
あれ?なんか子供扱い?保護対象になってる?
大丈夫か、私!
「むぅ、子供じゃないです!」
「それは、失礼した。外に出たいのを我慢する子供と同じ顔だったのでな」
「・・・・探し物は見つかりました。これとこのふたつです」
「ほぉ。ククリにミストーレとサルヴか。詳しくはあちらで聞こう」
クスクス笑わないで。
どうせ、この顔も子供みたいだと思ってるんでしょうけど!
「・・・・」
「そう拗ねるな。悪かった。お詫びに明後日、城下に連れて行こう。断ろうと思っていたが、一緒に行くならいいだろう。但し、私から離れないと約束してくれ」
「する。します。絶対ですよ?」
思わず、服を掴んで詰め寄ってしまった。謁見が終わるまでは無理かなぁと諦めていたから、絶対に行きたい。
「そんなに行きたいのか?」
「当たり前です。この離宮と庭しかまだ見てないんですよ。ああ、禁足地も見ましたけど。お城以外の場所がどんなところなのか、街並みとか見たいです」
「だが、行くなら未成年の振りをしてもらう。だから、スカートの丈が膝下になるが、いいか?」
「そんなの気にしません。向こうでは、膝上くらいのを履いてましたから。って、あれ?こっちでは、年齢でスカートの丈が違うんですか?」
「言ってなかったか?女性は、学園に上がる10歳までは膝丈、成人までは膝下丈、成人後は踝より長くなる」
「へえ。あー!だから、用意されていたドレスは全部膝下丈だったんですね」
お仕着せは、年齢に関係なく踝までの長さと決まっているらしい。知らなかった。
「それは、気がつかなかった。年齢に合わせたものを用意しよう」
要らないというわけにはいかないんだろうなぁ。
「なるべく、シンプルなのをお願いします」
「そのあたりは、プリシラに相談してくれ」
「分かりました。勝ち取ってみせます」
ぐっと拳を握って宣言した。ミカエル様は、笑っているが、プリシラは、可愛いのが好きっぽいのだ。フリフリが多かった気がする。
さあ、ここからは、浮かれた気分を抑えつつ、ククリにミストーレとサルヴの話しだ。ククリがカカオによく似た植物で、ミストーレとサルヴがサトウキビだ。3種類とも王都から2週間ほどのところで自生している。どうやら、この世界では、熱帯でなくても育つようだ。ミストーレとサルヴは、見た目だけで判断したから、実物で試してみないとわからないが、ククリの方は、この実を加工したものが鉄分不足の人に処方される薬になっているから、間違いないだろう。とは言っても、これも検証は必要だ。早速、ミカエル様にまずククリとミストーレを取り寄せてもらうことにした。このふたつは、生命力が強く大量に採れるが、あまり需要がないから雑草より厄介な害草となっているため、運送費くらいで取り寄せられると言うことだった。サルヴは、湿地に生えるので、数はあるが手に入れにくい。
「さて、このククリとミストーレをどうするつもりだ?」
「ミストーレは、ギムリとは少し違いますが、同じように砂糖の原料になるかもしれません。サルヴもですが、あちらの世界ではこれらと似た植物から砂糖を抽出しています。勿論、ギムリに似た植物からもです。似ているだけなので、取り寄せてみないと何とも言えません。どちらか、若しくは両方が原料になるかもしれません。ククリは・・・・フフフ、美味しいお菓子になる予定です♪私の一番大好きなお菓子です♪その為にも砂糖はたくさん欲しいんです。ミストーレがそうなら、たくさん出来そうですよね♪」
ミカエル様は、トントンと指をならしながら、難しい顔で何事か考え始めた。何か問題でもあったろうか?
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どうやら、自己完結したようだ。それならいいか、と放置することにした。
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