転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫

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愛しき印

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お風呂から上がって、寝間着に着替えてすぐに部屋に向かった。

いつも以上にぐずぐずに後ろを慣らされて、アルくんの熱を受け入れた。
腹の奥がアルくんので満たされて擦られて身体がビクビク震える。

いつも以上に敏感な場所ばかりを狙われている気がする。

シーツを握りしめて声が漏れる。

前をアルくんに触られるとすぐに身体を震わせてイった。
落ち着く暇もなくすぐにまた気持ちよくなって、涙が出る。

俺が逃げないように抱きしめて、腹の奥が熱くなる。

「んんぁっ、あ…アルくっ…あぁっ!!」

「ユート…俺のユート」

耳元で囁いて、耳からも気持ちいい感覚がして中を締め付ける。

手が触れるところ、吐息を感じるところ、全てが気持ちよくなる。
どのくらいイったか分からないが、アルくんは萎える気配がない。

敏感なところを抉られて、俺のも大きくなる。
すぐにアルくんに前も擦られて俺はイかされた。

まともに喋る事が出来ず、喘ぎ声しか出ない。
熱い、全身が熱い…いつもどのくらいで熱が引いたんだろう。
分からないほど、どんどん身体が欲に従順になる。

「いっ、あ、あぁっ、ぅ…んんっ」

「ユート、ごめ…止まらないっ」

アルくんが吐息混じりに口にして、部屋の空気が変わった。
肌身離さず身に付けているペンダントが軽く光った。

アルくんの周りの空気が熱くなり、赤みがある瞳だったのに右目が黄色く変わっていた。
痛いのかと不安に思っていたが、アルくんは痛そうには見えない。

むしろ、興奮した顔で俺を見つめていた。

「愛してる」と脳が溶けてしまいそうなほど優しく甘く呟いた。

腹のさらに奥底にアルくんが入ってきた。
今まで感じた事がないものが身体中で痺れた。

「あ、あぁぁっっっ!!!!」

「ユート…はぁ、ゆーと…」

なんだろうここ、頭が可笑しくなりそうだ。
ずっとイっていたから俺からは何も出ないと思っていた。
突かれる度に身体が痙攣してイってしまう。

気持ちいい気持ちいい、何これ何これ…気持ちいいのが止まらない。

アルくんにしがみついて、身体を揺さぶられながら頭が真っ白になる。
首に感じた小さな痛みすら気にならないほど俺の身体は快楽に支配される。

唇が触れ合い、舌を撫でられて吸われて唇を離して絶頂した。

愛されて愛して、気持ちが満たされていく。

優しいアルくんの笑みに頬を撫でられて、さすがに体力が持たずに意識を失った。






ーーー

「んっ…」

「おはよう、ユート」

鳥の囀りと共に意識が戻る。

横にはアルくんが寝ていて、太陽の光よりも眩しい笑顔を向けていた。
俺も「おはよう」と言おうと口を開いた。

出てきた声は、あまりにもいつもと違うかすれた声だった。
アルくんに謝られたけど、俺は大丈夫だと言おうと思って声が出ないから笑みを浮かべてアルくんに抱きついた。

これで伝わればいいな、俺は喉の痛みもアルくんとした印だから嬉しいよ。

アルくんは少し下がって、俺の喉をゆっくりと舐めた。
すぐに痛みが引いてきて、声も元に戻った。

「ありがとうアルくん」

「俺のせいだからこのくらいなんて事はないよ」

「これはアルくんのものっていう印だから嬉しいよ」

「…その、ごめん」

アルくんの不安を和らげようと思ったが、また曇った表情になってしまった。

理由を聞いてみたら、最初の不安とは別物だと言っていた。
少し身体が怠くて、アルくんに抱き上げられてベッドから離れた。

普段身だしなみを整えるための鏡の前に立って、今の俺の状態を見てびっくりした。

上は寝間着のシャツを着て、下は下着姿なのは知っていた。
でも首筋や太もも、見えるだけでも無数の赤い点や歯形が見えた。

自分では自覚がなかったけど、こんなに跡が付いていたのか。
確かにこれはお風呂に入ってもしばらくは消えない印だ。

「すまない、調子に乗りすぎた…すぐに消す」

「いいよ、アルくんが愛してくれた印だから」

「でも…」

「それに制服を着ちゃえば見えないから」

制服の下で、俺とアルくんだけの秘密の印。
それがあるだけで、幸せな気分になる。

アルくんに「痛かったら絶対に言って」と真剣な顔をされた。
頷いて、ゆっくり床に支えられながら降りた。

怠い腰はアルくんが触れて治してくれて唇が触れ合った。
触れるだけのいつものおはようのキス。

俺は顔を真っ赤にして固まっていた。

アルくんは分かっていなかったがすぐに気付いた。

「キスで、イったのか」

「うぅ…思い出して…今までこんな事なかったのに」

「すまない昨日無茶させて…傷じゃないが、どうやって治すんだ?」

触れただけで興奮するなんて変態だと思われたよね。
俺の方がアルくんに幻滅されてしまう。

アルくんは俺を抱きしめて「さすがに今、手を出したらユートを学校に行かせられない」と独り言のように呟いていた。
腹に当たる大きなものに、俺だけじゃないんだと安心した。

出来る事ならアルくんとずっと一緒にいたい。
でもアルくんは騎士団長で俺は学校がある、それは現実的ではない。

今は昨日のようにする時間も体力もない。

だから続きは帰ってからとアルくんに囁くと美しい顔で微笑まれた。
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