50 / 52
ペンダントの力
しおりを挟む
「痛みは?」
「おかげで痛みはなくなった」
「じゃあアルくんを助けに行こう!」
「……」
俺の言葉に金髪のアルくんは何も言わなかった。
アルくんが危ない目に遭ってるなら助けにいきたい。
彼が助けに行きたいと思わなくても、アルくんになにかあったらまた彼も苦しむ。
彼はそれでいいのか?彼もアルくんなら自分を大切にしないのかな。
完全な神竜の意味はよく分からない。
でも、自分の気持ちならよく分かっている。
金髪のアルくんに手を差し伸ばすと、視線だけ俺の方に向けた。
「俺は諦めないから」とはっきりそう言った。
「後悔しないか?」
「しないよ、アルくんなら分かるよね…アルくんの中で俺が大きな存在なら俺はそれ以上にアルくんの存在が大きいんだから」
金髪のアルくんは小さく笑みを浮かべて、俺の手を握った。
その笑みは嬉しいというより、ちょっと意地悪な感じがした。
手と手が触れ合うとすぐに引き寄せられて、金髪のアルくんの腕の中におさまった。
その瞬間、空間に大きな亀裂が入った。
すぐに空間が割れて、周りの景色が変わった。
真っ暗な夜だったが外灯が照らしていて、見渡す。
見た事がない道の真ん中にいて、金髪のアルくんの真横になにかが通り過ぎた。
銃弾の音が聞こえてきて、戦いの真っ最中にいた。
空間から抜け出そうとしていたが、俺はずっと何処にいたんだ。
金髪のアルくんは「魔力のぶつかり合いでやはり空間が耐えられなかったか」と言っていた。
空間が壊れる事分かっていたのか、アルくんの魔力が限界だったから維持出来なかったのか。
「ユート!!」
「アルくん!」
いつものアルくんの声が聞こえて、アルくんの方を見る前に目を覆われた。
後ろにいるのは金髪のアルくんで目を隠す手を外そうと触れた。
しかし、びくともしなくて金属が混じり合う音が聞こえた。
アルくんが誰かと戦っているのに俺は何も出来ない。
守りたいのに何も出来ないなんてもう嫌だ。
ペンダントをギュッと握りしめると、温かくなった。
俺を守ってくれるならアルくんも守ってよ。
目を覆う手が離れて、視界にアルくんと長い爪を向ける男が見えた。
あの男は空間で目が覚めた時にいた男だ。
ペンダントの力で怪我を負っていたのを覚えている。
アルくんは攻撃を受け止めながら俺の名前を呼んでいた。
手になにかを握っていて、自分の手を見ると長槍が握られていた。
理由は分からないが、俺でもアルくんを助けられる。
人に刃を向けるのが怖くて、足が震える。
それでもアルくんと男の間に割り込むように長槍を振り下ろした。
地面に突き刺さる前に強風が二人を引き剥がした。
ダメージはなかったが、アルくんの前に立ち長槍を向けた。
「ユート、それは…」
「分からないけど、アルくんを守りたいって思ったら突然出てきて」
「ユートの想いの力か」
俺の想いの力、アルくんを守れるなら詳しい事は後回しでいい。
突然現れた俺を見て男は舌打ちして、男の後ろに小柄な男が現れた。
「こんな奴ら一人で十分だ!」「強がんなよ、さすがに黒竜相手に苦戦してるんじゃないのか?」と争いが始まった。
その視線が俺達に向けられて、爪と鞭が襲ってきた。
アルくんは爪を弾き返して一歩前に出た。
俺を見て安心してくれたのか、押され気味だったのが押していた。
俺もアルくんのために戦うんだと、鞭を払おうとしたが長槍に絡みついた。
少しでも手が緩んだら持っていかれるほどの強い力だ。
身長は俺とそう変わらないのに、腕力は俺よりも強い。
「そんなヒョロヒョロで僕に勝てると思った?」
「うっ…ぐっ」
「力の持ち腐れだね、その力…僕にちょうだいよ…お前より使いこなせるからさ」
長槍を思いっきり引っ張られると俺の身体も小柄な男に近付く。
足を踏ん張っても全く効果はない。
「おかげで痛みはなくなった」
「じゃあアルくんを助けに行こう!」
「……」
俺の言葉に金髪のアルくんは何も言わなかった。
アルくんが危ない目に遭ってるなら助けにいきたい。
彼が助けに行きたいと思わなくても、アルくんになにかあったらまた彼も苦しむ。
彼はそれでいいのか?彼もアルくんなら自分を大切にしないのかな。
完全な神竜の意味はよく分からない。
でも、自分の気持ちならよく分かっている。
金髪のアルくんに手を差し伸ばすと、視線だけ俺の方に向けた。
「俺は諦めないから」とはっきりそう言った。
「後悔しないか?」
「しないよ、アルくんなら分かるよね…アルくんの中で俺が大きな存在なら俺はそれ以上にアルくんの存在が大きいんだから」
金髪のアルくんは小さく笑みを浮かべて、俺の手を握った。
その笑みは嬉しいというより、ちょっと意地悪な感じがした。
手と手が触れ合うとすぐに引き寄せられて、金髪のアルくんの腕の中におさまった。
その瞬間、空間に大きな亀裂が入った。
すぐに空間が割れて、周りの景色が変わった。
真っ暗な夜だったが外灯が照らしていて、見渡す。
見た事がない道の真ん中にいて、金髪のアルくんの真横になにかが通り過ぎた。
銃弾の音が聞こえてきて、戦いの真っ最中にいた。
空間から抜け出そうとしていたが、俺はずっと何処にいたんだ。
金髪のアルくんは「魔力のぶつかり合いでやはり空間が耐えられなかったか」と言っていた。
空間が壊れる事分かっていたのか、アルくんの魔力が限界だったから維持出来なかったのか。
「ユート!!」
「アルくん!」
いつものアルくんの声が聞こえて、アルくんの方を見る前に目を覆われた。
後ろにいるのは金髪のアルくんで目を隠す手を外そうと触れた。
しかし、びくともしなくて金属が混じり合う音が聞こえた。
アルくんが誰かと戦っているのに俺は何も出来ない。
守りたいのに何も出来ないなんてもう嫌だ。
ペンダントをギュッと握りしめると、温かくなった。
俺を守ってくれるならアルくんも守ってよ。
目を覆う手が離れて、視界にアルくんと長い爪を向ける男が見えた。
あの男は空間で目が覚めた時にいた男だ。
ペンダントの力で怪我を負っていたのを覚えている。
アルくんは攻撃を受け止めながら俺の名前を呼んでいた。
手になにかを握っていて、自分の手を見ると長槍が握られていた。
理由は分からないが、俺でもアルくんを助けられる。
人に刃を向けるのが怖くて、足が震える。
それでもアルくんと男の間に割り込むように長槍を振り下ろした。
地面に突き刺さる前に強風が二人を引き剥がした。
ダメージはなかったが、アルくんの前に立ち長槍を向けた。
「ユート、それは…」
「分からないけど、アルくんを守りたいって思ったら突然出てきて」
「ユートの想いの力か」
俺の想いの力、アルくんを守れるなら詳しい事は後回しでいい。
突然現れた俺を見て男は舌打ちして、男の後ろに小柄な男が現れた。
「こんな奴ら一人で十分だ!」「強がんなよ、さすがに黒竜相手に苦戦してるんじゃないのか?」と争いが始まった。
その視線が俺達に向けられて、爪と鞭が襲ってきた。
アルくんは爪を弾き返して一歩前に出た。
俺を見て安心してくれたのか、押され気味だったのが押していた。
俺もアルくんのために戦うんだと、鞭を払おうとしたが長槍に絡みついた。
少しでも手が緩んだら持っていかれるほどの強い力だ。
身長は俺とそう変わらないのに、腕力は俺よりも強い。
「そんなヒョロヒョロで僕に勝てると思った?」
「うっ…ぐっ」
「力の持ち腐れだね、その力…僕にちょうだいよ…お前より使いこなせるからさ」
長槍を思いっきり引っ張られると俺の身体も小柄な男に近付く。
足を踏ん張っても全く効果はない。
57
あなたにおすすめの小説
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
既読無視の年下幼馴染みの部屋に行ったら、アイドルグッズだらけだった。しかも推しは俺
スノウマン(ユッキー)
BL
国民的アイドルの朝比奈 春人(あさひな はると)はいつもラインを既読無視する年下の幼馴染、三上 直(みかみ なお)の部屋をとある理由で訪れる。すると部屋の中はアイドルのグッズだらけだった、しかも全部春人の。
『幼馴染の弟ポジジョン×国民的アイドルのお兄さん』になる前のドタバタコメディです。
ゲーム世界の貴族A(=俺)
猫宮乾
BL
妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。
贖罪公爵長男とのんきな俺
侑希
BL
異世界転生したら子爵家に生まれたけれど自分以外一家全滅という惨事に見舞われたレオン。
貴族生活に恐れ慄いたレオンは自分を死んだことにして平民のリオとして生きることにした。
一方公爵家の長男であるフレドリックは当時流行っていた児童小説の影響で、公爵家に身を寄せていたレオンにひどい言葉をぶつけてしまう。その後すぐにレオンが死んだと知らされたフレドリックは、以降十年、ひたすらそのことを悔いて生活していた。
そして十年後、二人はフレドリックとリオとして再会することになる。
・フレドリック視点は重め、レオン及びリオ視点は軽め
・異世界転生がちょいちょい発生する世界。色々な世界の色々な時代からの転生者の影響で文明が若干ちぐはぐ。
・世界観ふんわり 細かいことは気にしないで読んでください。
・CP固定・ご都合主義・ハピエン
・他サイト掲載予定あり
難攻不落の異名を持つ乙女ゲーム攻略対象騎士が選んだのは、モブ医者転生者の俺でした。
一火
BL
――聖具は汝に託された。覚醒せよ、選ばれし者
その言葉と共に、俺の前世の記憶が蘇る。
あれ……これもしかして「転生したら乙女ゲームの中でした」ってやつじゃないか?
よりにもよって、モブの町医者に。
「早く治癒魔法を施してくれ」
目の前にいるのは……「ゲームのバグ」とまで呼ばれた、攻略不可能の聖騎士イーサン!?
町医者に転生したものの、魔法の使いをすっかり忘れてしまった俺。
何故か隣にあった現代日本の医療器具を「これだ」と手に取る。
「すみません、今日は魔法が売り切れの為、物理で処置しますねー」
「……は!?」
何を隠そう、俺は前世でも医者だったんだ。物理治療なら任せてくれ。
これが後に、一世一代の大恋愛をする2人の出会いだった。
ひょんな事から、身体を重ねることになったイーサンとアオ。
イーサンにはヒロインと愛する結末があると分かっていながらもアオは、与えられる快楽と彼の人柄に惹かれていく。
「イーサンは僕のものなんだ。モブは在るべき姿に戻れよ」
そして現れる、ゲームの主人公。
――……どうして主人公が男なんだ? 女子高生のはずだろう。
ゲーム内に存在し得ないものが次々と現れる謎現象、そして事件。この世界は、本当にあの乙女ゲームの世界なのだろうか?
……謎が謎を呼ぶ、物語の結末は。
――「義務で抱くのは、もう止めてくれ……」
――結局俺は……どう足掻いてもモブでしかない。
2人の愛は、どうなってしまうのか。
これは不器用な初恋同士と、彼らの愉快な仲間たちが織り成す、いちばん純粋な恋の物語。
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる