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真夜中の街
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家族が皆いない夜、ふと目を覚ました。
中身が十八歳で一人で留守番くらい出来ると思っていた。
強い風が窓を叩き、隙間風からヒューヒューと音が聞こえる。
ベッドから上半身だけ起こして、ガタガタ震える窓を掴む。
音は聞こえなくなったが、手を離したら意味がない。
今頃母とリーナはお呼ばれした屋敷で優雅に過ごしているのかな。
喉が渇いたから水でも飲もうと台所に向かった。
外を見ると、まだ暗いから夜なのが分かる。
二度寝する気が起きないほどすっかり目が覚めてしまった。
台所にある水を溜めている樽の蓋を開けた。
中は丁度切らしていて、空の樽の中を覗き込んだ。
ないと分かると余計に喉が渇いて仕方ない。
家の裏に井戸があり、そこから水を汲んで使っている。
夜中に外を出歩くのは普段なら怒られる話だが、今は怒る人は誰もいない。
危険な事は分かっているが、家の近くだし気を付けていれば大丈夫だよな。
懐中電灯と護身用に細長い物干し竿を手に持って家を出た。
いつもは人が歩いている道も今では誰もいなくて、別の怖さがある。
急いで井戸まで走り、木製のバケツを井戸の中に落とした。
引き上げるのは水が入っているから力がいる。
全身の体重を使ってゆっくりバケツを引き上げる。
もっと食べておくんだった、体重が軽くて俺ごと持っていかれそうだ。
裕福な家庭ではないから、お腹いっぱいは食べる事が出来ないけど。
やっとバケツが上がり、水が入ったバケツを持つ。
コップ一杯分でいいのに、溢れるほど水が入ってたらそうなるよな。
全身が疲れてきた、水を飲んだらぐっすり寝れそうだ。
必要な水以外を戻して、残りの水は持ってきていたコップに入れる。
喉に冷たい水が流れ込んできて、まるで砂漠でオアシスを見つけた時のように感動した。
バケツを井戸に戻している時、何処からか唸るような恐ろしい声が聞こえた。
まさか誰か喧嘩してる?地下街では他人から奪う人が多く、日常的に行われる喧嘩は死人が出る事もある。
早く家に戻ろうと物干し竿とコップを持って慌てて家に向かって走る。
その時、手に違和感がありなんだろうと手を見つめる。
懐中電灯を井戸の近くで落としてしまった。
唸り声も近くで聞こえて、視線を声の方に向けた。
喧嘩にしては一人の声しか聞こえない、もしかして怪我をしているのか?
怪我も珍しくない、でも怪我をしているなら無視も出来ない。
確認のために近付くと、薄暗い奥の道に後ろ姿が見えた。
苦しそうに唸り声を上げて、その姿は過去を思い出す。
気付いた頃には手で背中に触れて声を掛けていた。
触れて気付いたが、ざらざらしていて人間の肌には感じなかった。
この世界には人間の他に魔物も存在している。
国の結界で魔物が入ってこないようになっているから安心だと母は言っていた。
でも、ゲームではその結界が劣化していて割れた結界の隙間から魔物が入ってくる事もある。
魔物は人間よりも本能で動く生き物で、怖くないといったら嘘になる。
でも、今は苦しんでいる事には変わりない。
家に帰れば救急箱があったはずだ、少し待ってもらい家に向かって走った。
家に入り、手に持っていた物干し竿とコップを玄関に置いて家の中を探す。
母しか救急箱の場所が分からず、何処にあるんだと棚を片っ端から探す。
自分の部屋も一応探して、家の中が空き巣にあったように物が散乱していた。
片付けるのは後にも出来る、今は怪我人の治療が先だ。
その時、棚の奥から木箱が出てきて救急箱だとすぐに分かった。
奥を探すために乗っていた台から降りて急いで怪我をしている魔物のところに向かった。
しかし、そこにはもう誰もいなくて救急箱を抱えて立つ俺だけだった。
もう行っちゃったのか、誰かに手当てをされたのならいいけど心配だな。
何処から来たのか帰ったのか分からないが確認のしようがない。
家族のところに帰ったのかな、だったらいいけど。
「あ、あの!」
家に帰ろうと思ったら、俺の他に誰かが居るのに気付かなくて驚いて目を丸くした。
心臓が飛び出そうなほどびっくりした、俺以外にここに人がいるとは思わなかった。
空に太陽が昇り始めて、俺とその人の姿が見えるようになる。
長い黒髪が綺麗な少女、彼女の姿を見て血の気が引いた。
彼女は気にしていないのか、俺にここにいた魔物の居場所を聞いてきた。
知るはずはないが、そんな事より今はこの場から逃げたかった。
彼女はもしかしてゲームのヒロイン?だとしたらここにいた魔物は……
俺が何も知らない事を知ると、すぐに解放してくれて慌てて家に帰った。
まさかこんなところで会うとは思わなかった。
彼女と騎士団長の出会いはここだっけ?意識していなかったら言われてみればそうかもしれない。
じゃあ魔物は騎士団長か、だとしたらと考えて小さく息を吐いた。
ゲームでの彼しか知らないが、これからの事を考えて怪我が何ともなくなっているから良かったとホッとした。
そしてその後、散々した家を片付けている時に母とリーナが帰ってきて二人に物凄く怒られた。
中身が十八歳で一人で留守番くらい出来ると思っていた。
強い風が窓を叩き、隙間風からヒューヒューと音が聞こえる。
ベッドから上半身だけ起こして、ガタガタ震える窓を掴む。
音は聞こえなくなったが、手を離したら意味がない。
今頃母とリーナはお呼ばれした屋敷で優雅に過ごしているのかな。
喉が渇いたから水でも飲もうと台所に向かった。
外を見ると、まだ暗いから夜なのが分かる。
二度寝する気が起きないほどすっかり目が覚めてしまった。
台所にある水を溜めている樽の蓋を開けた。
中は丁度切らしていて、空の樽の中を覗き込んだ。
ないと分かると余計に喉が渇いて仕方ない。
家の裏に井戸があり、そこから水を汲んで使っている。
夜中に外を出歩くのは普段なら怒られる話だが、今は怒る人は誰もいない。
危険な事は分かっているが、家の近くだし気を付けていれば大丈夫だよな。
懐中電灯と護身用に細長い物干し竿を手に持って家を出た。
いつもは人が歩いている道も今では誰もいなくて、別の怖さがある。
急いで井戸まで走り、木製のバケツを井戸の中に落とした。
引き上げるのは水が入っているから力がいる。
全身の体重を使ってゆっくりバケツを引き上げる。
もっと食べておくんだった、体重が軽くて俺ごと持っていかれそうだ。
裕福な家庭ではないから、お腹いっぱいは食べる事が出来ないけど。
やっとバケツが上がり、水が入ったバケツを持つ。
コップ一杯分でいいのに、溢れるほど水が入ってたらそうなるよな。
全身が疲れてきた、水を飲んだらぐっすり寝れそうだ。
必要な水以外を戻して、残りの水は持ってきていたコップに入れる。
喉に冷たい水が流れ込んできて、まるで砂漠でオアシスを見つけた時のように感動した。
バケツを井戸に戻している時、何処からか唸るような恐ろしい声が聞こえた。
まさか誰か喧嘩してる?地下街では他人から奪う人が多く、日常的に行われる喧嘩は死人が出る事もある。
早く家に戻ろうと物干し竿とコップを持って慌てて家に向かって走る。
その時、手に違和感がありなんだろうと手を見つめる。
懐中電灯を井戸の近くで落としてしまった。
唸り声も近くで聞こえて、視線を声の方に向けた。
喧嘩にしては一人の声しか聞こえない、もしかして怪我をしているのか?
怪我も珍しくない、でも怪我をしているなら無視も出来ない。
確認のために近付くと、薄暗い奥の道に後ろ姿が見えた。
苦しそうに唸り声を上げて、その姿は過去を思い出す。
気付いた頃には手で背中に触れて声を掛けていた。
触れて気付いたが、ざらざらしていて人間の肌には感じなかった。
この世界には人間の他に魔物も存在している。
国の結界で魔物が入ってこないようになっているから安心だと母は言っていた。
でも、ゲームではその結界が劣化していて割れた結界の隙間から魔物が入ってくる事もある。
魔物は人間よりも本能で動く生き物で、怖くないといったら嘘になる。
でも、今は苦しんでいる事には変わりない。
家に帰れば救急箱があったはずだ、少し待ってもらい家に向かって走った。
家に入り、手に持っていた物干し竿とコップを玄関に置いて家の中を探す。
母しか救急箱の場所が分からず、何処にあるんだと棚を片っ端から探す。
自分の部屋も一応探して、家の中が空き巣にあったように物が散乱していた。
片付けるのは後にも出来る、今は怪我人の治療が先だ。
その時、棚の奥から木箱が出てきて救急箱だとすぐに分かった。
奥を探すために乗っていた台から降りて急いで怪我をしている魔物のところに向かった。
しかし、そこにはもう誰もいなくて救急箱を抱えて立つ俺だけだった。
もう行っちゃったのか、誰かに手当てをされたのならいいけど心配だな。
何処から来たのか帰ったのか分からないが確認のしようがない。
家族のところに帰ったのかな、だったらいいけど。
「あ、あの!」
家に帰ろうと思ったら、俺の他に誰かが居るのに気付かなくて驚いて目を丸くした。
心臓が飛び出そうなほどびっくりした、俺以外にここに人がいるとは思わなかった。
空に太陽が昇り始めて、俺とその人の姿が見えるようになる。
長い黒髪が綺麗な少女、彼女の姿を見て血の気が引いた。
彼女は気にしていないのか、俺にここにいた魔物の居場所を聞いてきた。
知るはずはないが、そんな事より今はこの場から逃げたかった。
彼女はもしかしてゲームのヒロイン?だとしたらここにいた魔物は……
俺が何も知らない事を知ると、すぐに解放してくれて慌てて家に帰った。
まさかこんなところで会うとは思わなかった。
彼女と騎士団長の出会いはここだっけ?意識していなかったら言われてみればそうかもしれない。
じゃあ魔物は騎士団長か、だとしたらと考えて小さく息を吐いた。
ゲームでの彼しか知らないが、これからの事を考えて怪我が何ともなくなっているから良かったとホッとした。
そしてその後、散々した家を片付けている時に母とリーナが帰ってきて二人に物凄く怒られた。
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