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13【騎士とデート】
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屋敷の周辺は高級住宅地で、人はまばらだったが、商業区に入ると、人が溢れかえっていた。
道を歩いていると、すぐに客引きに会う。マレクも何度もほいほいついていっては、バルトルトに連れ戻された。
人の波に押されても、大きな身体は遠目からでも見つけられる。
しかし、マレクはそうもいかない。何度もはぐれそうになるからと、迷い子を引くように手を繋がれた。
串で刺した焼肉やら、水あめで固めた果物やら、平べったいお菓子やら、マレクは片っ端から食べた。
アラバンドでは、高い税金をかけられていて、庶民には手が出せなかった。グロッスラリア王国は、そうではないらしい。質素な服を着た民も、ローブを纏った旅人も足を止めて、買い求めていた。
兵士の監視の目もそれほど感じない。マレクは隠れるように旧市街で生活していたから、こんな大通りを堂々と歩くのは久しぶりだ。顔を隠していても、誰にも咎められない。
商店街の一角は少々お高いのか、人の波が穏やかになっていた。ようやく息をつけるようになって、マレクは隣を歩くバルトルトをこっそり見た。
お忍びでフードを被っていても、バルトルトは有名人である。すれ違う民からも、よく声をかけられた。当人はうなずくだけで、素っ気ない態度をしている。それでも団長の人となりは承知しているのか、民たちの笑顔は崩れなかった。
マレクはバルトルトを興味深く見ていたためか、前方不注意になっていた。
「危ない!」と横から腕が伸ばされた。その動きでフードが後ろに落ちた。
前から来た男の子とぶつかりそうだった。母親がどうにか男の子を抱き上げると、「すみません」としきりに謝ってくる。むしろ、前を見ていなかった自分が悪い。「いえ、僕の方も見ていなくて」と謝罪をした。
親子は急いで立ち去っていく。
危険は過ぎたのに、バルトルトの太い腕はマレクの腰に巻き付いていた。男一人がもたれかかってもびくともしない体幹。力を込められた腕は両手で触れると固くて、なぜか鼓動が早くなる。顔が熱くて上げられないでいると、「大丈夫か?」と声が降ってきた。
「だ、大丈夫です。は、離して」
緊張して敬語になり、たどたどしくなった。腕が下げられると、マレクはよろめいた。まだ自分の足で立つ構えをしていなかった。
今度は自分からバルトルトの胸に飛び込む体勢になった。まるで抱き付いているかのようである。
周りから女性の声が上がったのは、気のせいであってほしい。公衆の面前で、男二人が抱き合っている。しかもひとりは有名人の騎士団長であり、もうひとりは出処不明の貴族然とした男。
マレクは手を突っぱねて、素早く身体を離したが、周りの視線はどこにも行かない。ふたりだけに注がれている。
「ごめんなさい、抱き着いたりして」
「いや、特に悪い気はしない」
誰に抱き着かれても平然と構えられるバルトルトが羨ましかった。事故とはいえ、逞しい身体に抱き留められただけでも、マレクの鼓動は激しく鳴った。呼吸を苦しくさせる。
「しっかり前を見て歩け。しかし、そんなに興味深いものがここにあったのか?」
バルトルトはマレクが店を見ていて不注意を起こしたと思っているらしい。本当は鈍感な騎士団長を盗み見ていたなどと言えるわけがない。
「あーうん。このぬいぐるみが可愛いなと思って」
何とか目についた、くまのぬいぐるみを指差した。首に括り付けられたリボンには、自分の目と同じ色の宝石がついている。
値段はなかなかのものだろう。バルトルトはくまのぬいぐるみとマレクを何度も見比べてから、深くうなずいた。自分の中で何かを納得したらしい。
「わかった。買おう」
「え! いいよ!」
止めようとバルトルトの袖を引っ張るが、力はまったく敵わない。騎士を生業とする巨体は、ぬいぐるみたちが集まった可愛らしい店内へと入っていった。マレクは仕方なく、バルトルトの後を追って店に入った。
◆
店を出る頃には、マレクはぬいぐるみを抱きかかえていた。バルトルトがためらいなく買って押し付けてきたからだ。飼育するわけでもないのに「お前が世話しろ」と言いつけた。
マレクは心から欲していなかったが、ぬいぐるみの柔らかさに屈した。頬を押し付けたりした。
ふわふわした毛先と、もこもこした身体に腕を巻き付けると、わんこを思い出す。父のせいで手放すことになったわんこだ。
兄も母も可愛がっていたのに、父は人間も犬も、あらゆる生物が嫌いだった。おそらく自分以外の誰も愛せないのだろう。我が子ですら冷たい目で見ていた。
こんなに柔らかくて温かい存在なのに。
ぬいぐるみに顔を埋めていると、バルトルトが吹き出した。困ったように眉は歪んでいたが、明らかに口元は緩んでいた。あの厳つい顔が笑っている。それだけで、マレクは面食らった。
この人もこんな顔ができるのか。野性味のある男の顔に、可愛らしさを見つけた。ふと頬に触れたくなって、マレクは自分の手を強く握りしめた。急に自分の手が汚らわしく感じた。
――「触れてくれるな、あの女のような面をして!」
母に似ていることが自慢だった。男として生まれても、亡くなった母の面影が自分の中にあるのは誇りだった。伝え聞いてきた話だけではなく、母の生きている証だと思ってきた。
だが、それは父にとって、憎悪でしかなかった。母は父のもとにあっても、心は誰のものにもならなかった。ずっと、亡くなった前の夫を想っていたらしい。頑なな心のせいで、屋敷の敷地に作った塔に幽閉されていたそうだ。
亡くなるときもひとりだった。兄だけが喪に服して、母は故郷に送られたという。
バルトルトといると、忘れたはずの過去が時折、顔を出してくる。マレクは泣きたくなって、誤魔化すように笑った。
汚らわしく感じた手を逞しい指が掴んだ。頼もしく、ただ壊れないほどの力加減で、握り込められる。ためらいはなかった。足が動く。
「行くぞ」
その一言でマレクもバルトルトの手を握り返した。きっと、バルトルトはこの手で自分を殴りつけたり、叩いたりしない。こうやって迷い子を導くように、どこにでも連れて行ってくれる。
バルトルトの手は怖くない。マレクを絶対に傷つけたりしないと思えるから、怖くないのだろう。
ふたりは日が暮れるまで王都を歩き続けた。ふたりの手は屋敷に戻るまでの間、終始握られていた。
目撃した民衆は、こぞってふたりの噂をした。
「騎士団長が謎の美青年と仲睦まじく歩いていた」だの、「恋人のように親密な様子だった」だの、「仲良く同じお屋敷に帰っていった」だのと、噂好きの婦人の間で瞬く間に広がっていった。
緊張していた隣国との睨み合いも無くなり、幸せな話題を欲していた民衆は歓迎した。あの化け物騎士団長が愛した男とはどんな人物なのか、いくつか予想も立った。
どこぞの貴族という話は信憑性が高いため、面白くはなかった。
人は噂話で真実を追い求めない。真実から遠ざかっていても、面白ければ面白いほどいい。
その中で有力なのは、顔の白さからいって、アラバンド王国の捕虜というものだった。
騎士団長が国王を斬った際に、離宮にいたのが彼だった。国王の愛妾に生ませた王子である。彼は思慮深く、勇敢で、王の子にしては聡明だった。見初めた騎士団長はすぐに囲い、このグロッスラリア王国に連れてきたという説だった。
実際には、アラバンド王に世継ぎはいなかったという。側室や正室の間での世継ぎ争い、殺し合いが行われ、生き残ったとしても皆、短命に終わった。
それが真実だとしても、民衆は亡国の王子説が好きだった。
噂話は物語となり、王宮の侍女たちにまで届いた。侍女たちは、普段の無骨な騎士団長を知っていた。
令嬢にも令息にも、一切、なびかない男が、美青年を自分の屋敷に囲っている。それは溺愛の匂いがする。侍女たちはロマンス小説の虜だった。美青年が子供の頃から幽閉されているという尾ひれもつけた。
美青年は暴君に長年、冷遇されてきた王子である。暴君は敵国の騎士団長に討たれた。本来は父親を殺された仇になるところを、王子は感謝をして、一目惚れをした。騎士団長もまた、王子の強い矜持を見て、心を奪われた。
ふたりは両片想い。今は小説でいうところの中盤だ。ここから物語は、終盤へと向かうのだろう。
城に務める侍女から王妃、国王へと噂話が伝わっていったのは当然の流れだった。そして、噂を聞きつけた国王は、バルトルトの元に一通の書簡を送りつけた。
道を歩いていると、すぐに客引きに会う。マレクも何度もほいほいついていっては、バルトルトに連れ戻された。
人の波に押されても、大きな身体は遠目からでも見つけられる。
しかし、マレクはそうもいかない。何度もはぐれそうになるからと、迷い子を引くように手を繋がれた。
串で刺した焼肉やら、水あめで固めた果物やら、平べったいお菓子やら、マレクは片っ端から食べた。
アラバンドでは、高い税金をかけられていて、庶民には手が出せなかった。グロッスラリア王国は、そうではないらしい。質素な服を着た民も、ローブを纏った旅人も足を止めて、買い求めていた。
兵士の監視の目もそれほど感じない。マレクは隠れるように旧市街で生活していたから、こんな大通りを堂々と歩くのは久しぶりだ。顔を隠していても、誰にも咎められない。
商店街の一角は少々お高いのか、人の波が穏やかになっていた。ようやく息をつけるようになって、マレクは隣を歩くバルトルトをこっそり見た。
お忍びでフードを被っていても、バルトルトは有名人である。すれ違う民からも、よく声をかけられた。当人はうなずくだけで、素っ気ない態度をしている。それでも団長の人となりは承知しているのか、民たちの笑顔は崩れなかった。
マレクはバルトルトを興味深く見ていたためか、前方不注意になっていた。
「危ない!」と横から腕が伸ばされた。その動きでフードが後ろに落ちた。
前から来た男の子とぶつかりそうだった。母親がどうにか男の子を抱き上げると、「すみません」としきりに謝ってくる。むしろ、前を見ていなかった自分が悪い。「いえ、僕の方も見ていなくて」と謝罪をした。
親子は急いで立ち去っていく。
危険は過ぎたのに、バルトルトの太い腕はマレクの腰に巻き付いていた。男一人がもたれかかってもびくともしない体幹。力を込められた腕は両手で触れると固くて、なぜか鼓動が早くなる。顔が熱くて上げられないでいると、「大丈夫か?」と声が降ってきた。
「だ、大丈夫です。は、離して」
緊張して敬語になり、たどたどしくなった。腕が下げられると、マレクはよろめいた。まだ自分の足で立つ構えをしていなかった。
今度は自分からバルトルトの胸に飛び込む体勢になった。まるで抱き付いているかのようである。
周りから女性の声が上がったのは、気のせいであってほしい。公衆の面前で、男二人が抱き合っている。しかもひとりは有名人の騎士団長であり、もうひとりは出処不明の貴族然とした男。
マレクは手を突っぱねて、素早く身体を離したが、周りの視線はどこにも行かない。ふたりだけに注がれている。
「ごめんなさい、抱き着いたりして」
「いや、特に悪い気はしない」
誰に抱き着かれても平然と構えられるバルトルトが羨ましかった。事故とはいえ、逞しい身体に抱き留められただけでも、マレクの鼓動は激しく鳴った。呼吸を苦しくさせる。
「しっかり前を見て歩け。しかし、そんなに興味深いものがここにあったのか?」
バルトルトはマレクが店を見ていて不注意を起こしたと思っているらしい。本当は鈍感な騎士団長を盗み見ていたなどと言えるわけがない。
「あーうん。このぬいぐるみが可愛いなと思って」
何とか目についた、くまのぬいぐるみを指差した。首に括り付けられたリボンには、自分の目と同じ色の宝石がついている。
値段はなかなかのものだろう。バルトルトはくまのぬいぐるみとマレクを何度も見比べてから、深くうなずいた。自分の中で何かを納得したらしい。
「わかった。買おう」
「え! いいよ!」
止めようとバルトルトの袖を引っ張るが、力はまったく敵わない。騎士を生業とする巨体は、ぬいぐるみたちが集まった可愛らしい店内へと入っていった。マレクは仕方なく、バルトルトの後を追って店に入った。
◆
店を出る頃には、マレクはぬいぐるみを抱きかかえていた。バルトルトがためらいなく買って押し付けてきたからだ。飼育するわけでもないのに「お前が世話しろ」と言いつけた。
マレクは心から欲していなかったが、ぬいぐるみの柔らかさに屈した。頬を押し付けたりした。
ふわふわした毛先と、もこもこした身体に腕を巻き付けると、わんこを思い出す。父のせいで手放すことになったわんこだ。
兄も母も可愛がっていたのに、父は人間も犬も、あらゆる生物が嫌いだった。おそらく自分以外の誰も愛せないのだろう。我が子ですら冷たい目で見ていた。
こんなに柔らかくて温かい存在なのに。
ぬいぐるみに顔を埋めていると、バルトルトが吹き出した。困ったように眉は歪んでいたが、明らかに口元は緩んでいた。あの厳つい顔が笑っている。それだけで、マレクは面食らった。
この人もこんな顔ができるのか。野性味のある男の顔に、可愛らしさを見つけた。ふと頬に触れたくなって、マレクは自分の手を強く握りしめた。急に自分の手が汚らわしく感じた。
――「触れてくれるな、あの女のような面をして!」
母に似ていることが自慢だった。男として生まれても、亡くなった母の面影が自分の中にあるのは誇りだった。伝え聞いてきた話だけではなく、母の生きている証だと思ってきた。
だが、それは父にとって、憎悪でしかなかった。母は父のもとにあっても、心は誰のものにもならなかった。ずっと、亡くなった前の夫を想っていたらしい。頑なな心のせいで、屋敷の敷地に作った塔に幽閉されていたそうだ。
亡くなるときもひとりだった。兄だけが喪に服して、母は故郷に送られたという。
バルトルトといると、忘れたはずの過去が時折、顔を出してくる。マレクは泣きたくなって、誤魔化すように笑った。
汚らわしく感じた手を逞しい指が掴んだ。頼もしく、ただ壊れないほどの力加減で、握り込められる。ためらいはなかった。足が動く。
「行くぞ」
その一言でマレクもバルトルトの手を握り返した。きっと、バルトルトはこの手で自分を殴りつけたり、叩いたりしない。こうやって迷い子を導くように、どこにでも連れて行ってくれる。
バルトルトの手は怖くない。マレクを絶対に傷つけたりしないと思えるから、怖くないのだろう。
ふたりは日が暮れるまで王都を歩き続けた。ふたりの手は屋敷に戻るまでの間、終始握られていた。
目撃した民衆は、こぞってふたりの噂をした。
「騎士団長が謎の美青年と仲睦まじく歩いていた」だの、「恋人のように親密な様子だった」だの、「仲良く同じお屋敷に帰っていった」だのと、噂好きの婦人の間で瞬く間に広がっていった。
緊張していた隣国との睨み合いも無くなり、幸せな話題を欲していた民衆は歓迎した。あの化け物騎士団長が愛した男とはどんな人物なのか、いくつか予想も立った。
どこぞの貴族という話は信憑性が高いため、面白くはなかった。
人は噂話で真実を追い求めない。真実から遠ざかっていても、面白ければ面白いほどいい。
その中で有力なのは、顔の白さからいって、アラバンド王国の捕虜というものだった。
騎士団長が国王を斬った際に、離宮にいたのが彼だった。国王の愛妾に生ませた王子である。彼は思慮深く、勇敢で、王の子にしては聡明だった。見初めた騎士団長はすぐに囲い、このグロッスラリア王国に連れてきたという説だった。
実際には、アラバンド王に世継ぎはいなかったという。側室や正室の間での世継ぎ争い、殺し合いが行われ、生き残ったとしても皆、短命に終わった。
それが真実だとしても、民衆は亡国の王子説が好きだった。
噂話は物語となり、王宮の侍女たちにまで届いた。侍女たちは、普段の無骨な騎士団長を知っていた。
令嬢にも令息にも、一切、なびかない男が、美青年を自分の屋敷に囲っている。それは溺愛の匂いがする。侍女たちはロマンス小説の虜だった。美青年が子供の頃から幽閉されているという尾ひれもつけた。
美青年は暴君に長年、冷遇されてきた王子である。暴君は敵国の騎士団長に討たれた。本来は父親を殺された仇になるところを、王子は感謝をして、一目惚れをした。騎士団長もまた、王子の強い矜持を見て、心を奪われた。
ふたりは両片想い。今は小説でいうところの中盤だ。ここから物語は、終盤へと向かうのだろう。
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