14 / 34
14【国王からの書簡】
しおりを挟む
マレクと過ごすようになって、六日目の朝。休暇は今日を入れて残り二日しかない。
届いた書簡に目を通したバルトルトは、うっかり握り潰すところだった。潰さずに済んだのは、力を込めるすんでで、おのれの置かれた身分を思い出したためだ。王家の印が施された忌々しい手紙は、国王からの呼び出しだった。
『バルトルト・ガドリン騎士団長並びに、恋仲と噂の美少年を城に連れてこい。我が王妃も真実を知りたいと前のめりになっている。この手紙を受け取ったら、すみやかに城に来い。尚、これは王の命令により、拒否権はない』
大体、そんな具合だった。
国王の命令に従うのは騎士たるものの使命。
そうはいっても、“恋仲と噂の美少年”という箇所で引っかかる。たった一度、街に出ただけで、噂になるだろうか。バルトルトとしては、目立ったつもりはなかった(少なくとも本人は疑っていない)。普通に遊びに出かけただけだと思っている。
あれから四日ほどしか経っていないのに、国王陛下にまで及ぶとは信じがたい。
それでも実際に、噂話は伝わりに伝わった。世話焼きが好きな王妃にまで届いているとは、気が重い。マレクの素性も判明していない中で、どう立ち回ればいいのか。誤魔化すこともできまい。バルトルトは頭を抱えたくなった。
とにかく、マレクの耳に入れなければ。
執事に言ってマレクを呼びつけることもできるが、バルトルトはそれをしない。自分の足で探しに行く。
簡単に呼びつけるよりもあの姿を自分で探すのが好きだ。声をかけたときに「バルトルト」と呼ばれるのが、どれほど嬉しいことか。
マレクの部屋の前でノックをせずに、ドアを開けた。
金色の髪が波打つように輝いて見える。深い海を宿した瞳が一点を眺めていた。
マレクの視線の先に何が見えるのか気になった。忍び寄って背中越しに目を向けると、木々が立っているだけだ。枝葉にも木立にも小動物の姿はなく、真新しいものは何もない。
窓の外を見ていた目が、バルトルトに向けられた。
「声ぐらいかけてよ」
「何か考え事をしているように見えてな」
近づきすぎたことに気づいたのは、マレクが飛び退いたからだ。赤く色づいた目元で睨みつけられても、嫌な気はしない。もっと誰にも見せない表情を見たいと思う。
「考え事はしていたけど、大したことじゃないよ」
「祖国のことか?」
マレクは頭を振る。「なんだかね」と前置きしたうえで、
「最近、ずっと昔のことを思い出すんだ。兄のことや子供の頃のこと。――実は僕、死の森に捨てられたんだ」
グロッスラリア王国では「死の森に捨てられた」というのは、冗談話として使われる。後は、親が子に「悪いことをすると死の森に連れて行かれるよ」と因果応報を教えるのに使うくらいだ。
というのも、死の森に一度入って、出たものはいないとされているからだ。
死の森は、アラバンド王国の南に位置し、グロッスラリア王国との境に広がっている。
言い伝えでは、人攫いが“生きていてはいけない子供を連れて行く場所”とされている。
立ち込めている霧の中に隠され、森の奥まで連れて行かれる。人攫いは短剣だけを与えて、子供たちを試す。生きて森を出られれば自由となるが、森の中で息絶えれば、死んだことも知られぬまま朽ちることになる。
出られたとしても行き場所はない。元いた場所に戻っても、いずれは違う手段で殺される。
それでも生きている限り、死臭がした道を歩き続けなければならない。森を出たときのことは、その時に考えればいい。
聞こえてくる茂みを揺らす音や遠吠えは、魔物が生きた血肉を求めて彷徨っているからだという。血の臭いをさせれば、飢えた魔物が襲いかかってくるだろう。遅かれ早かれ、行き着く場所は死だ。
そんな言い伝えにより、誰も近寄りたがらない。未開の地となっている。アラバンド側も「死の森」と名付けているのには多少驚いた。
マレクの告白を受けて、バルトルトは一切、笑わなかった。伝えていいものかと迷った末、慎重に声を絞り出した。
「俺も死の森にいたことがある」
冗談だと捉えられるかもしれない。しかしバルトルトの場合は冗談ではなかった。
本当に死の森にいたことがある。記憶が森の奥から始まっていた。
それまで自分がどんな場所で育ったのかも、どういった両親の間に生まれたのかも、わからなかった。
森を出るまで、短剣一つで獣と戦い続けた。その経験が剣技の腕にも繋がっている。
「その話をしても、誰も信じないでしょ?」
「だから、誰にも話したことがない」
「僕もだよ。絶対に馬鹿にされるから言わないんだ。でも、僕はバルトルトを信じるよ」
真っ直ぐな目をして言われると、マレクの話も真実味が帯びてくる。本当に死の森に捨てられたのかもしれない。
どうにか生き延びて、こうして立っている。
「俺も信じてやる」
大柄な言い方になったが、心からの言葉だ。
マレクは丸い瞳の中にバルトルトを映した。何度か瞬きを繰り返した後で、「ありがとう」と口元に笑みを浮かべる。
「僕らって、どちらも生きてちゃいけなかったのかな」
「そうかもな」
「でも、こうして生きてるよ」
生きて対峙しているのが運命なのかもしれないと、柄にもなく考えてしまう。
長く見つめ合うと、瞳の奥に吸い込まれそうになる。自分の間抜けな顔が写っているだけなのにも関わらずだ。
妙な雰囲気になる前に目を逸らした。口を開いたのはマレクの方だった。
「それで、何か用があったんじゃないの?」
「国王陛下からお召しだ。お前と俺とで城に出向き、拝謁する」
「拝謁? 何で?」
マレクの驚きは最もだった。
しかし、まさか騎士団長と美少年が恋仲として噂になっているなどとは、口が裂けても言えない。恋愛対象にもならないおじさんと噂になり、屋敷に囲われていると言われて、迷惑でしかないだろう。
バルトルトがどう伝えたものかと、考えを巡らせていると、マレクは声を上げた。
「もしかして、あれかな? ここの侍女たちに聞いたんだ。僕とバルトルトが恋仲で深い関係ってやつ!」
せっかく黙っていたのに、マレクは推し量らずに言葉にした。
羞恥で胸焼けしそうだったが、バルトルトは顔をしかめて耐えた。拷問を耐え抜くより、遥かに苦しい。身体に与えられた痛みなど何ともないのに、見えない傷は対処に困る。
その表情をどう捉えたのか、マレクは眉尻を下げた。悲しそうな顔をしたように、バルトルトには見えた。
「嫌だよね。英雄と名高い騎士団長が、素性もわからない僕と恋仲なんて」
当人とすれば、「英雄」と称されるよりかは「化け物」と呼ばれる方がしっくりくる。英雄も裏を返せば、たくさんの命を奪った化け物であるだろう。それが味方であるから「英雄」とされているだけだ。
皮肉でもなく、ただ無邪気にそう言えるのが、マレクの良さでもある。
「それなら、今ここで、お前の素性を明かせばいい。少なくとも俺には明かすべきではないか?」
時間を共にする中で、打ち解けてきた気はしている。
いずれ待っていれば、報告書が届くだろうが、できれば本人の口から語ってほしかった。信頼している証として、国王陛下に会う前に教えてほしい。
「そうだね、それはあるかも。でも、長くなるよ。いいの?」
「時間はある」
文机の椅子を引いて、腰かけた。
「ちゃんと聞いてくれるんだね」
マレクはひとしきり笑ってから、窓の外に目を向けた。横顔から笑みが消えた。
「僕の名前はマレク・プローポス。プローポス家は、アラバンド王国で百年続く侯爵家だったんだ」
届いた書簡に目を通したバルトルトは、うっかり握り潰すところだった。潰さずに済んだのは、力を込めるすんでで、おのれの置かれた身分を思い出したためだ。王家の印が施された忌々しい手紙は、国王からの呼び出しだった。
『バルトルト・ガドリン騎士団長並びに、恋仲と噂の美少年を城に連れてこい。我が王妃も真実を知りたいと前のめりになっている。この手紙を受け取ったら、すみやかに城に来い。尚、これは王の命令により、拒否権はない』
大体、そんな具合だった。
国王の命令に従うのは騎士たるものの使命。
そうはいっても、“恋仲と噂の美少年”という箇所で引っかかる。たった一度、街に出ただけで、噂になるだろうか。バルトルトとしては、目立ったつもりはなかった(少なくとも本人は疑っていない)。普通に遊びに出かけただけだと思っている。
あれから四日ほどしか経っていないのに、国王陛下にまで及ぶとは信じがたい。
それでも実際に、噂話は伝わりに伝わった。世話焼きが好きな王妃にまで届いているとは、気が重い。マレクの素性も判明していない中で、どう立ち回ればいいのか。誤魔化すこともできまい。バルトルトは頭を抱えたくなった。
とにかく、マレクの耳に入れなければ。
執事に言ってマレクを呼びつけることもできるが、バルトルトはそれをしない。自分の足で探しに行く。
簡単に呼びつけるよりもあの姿を自分で探すのが好きだ。声をかけたときに「バルトルト」と呼ばれるのが、どれほど嬉しいことか。
マレクの部屋の前でノックをせずに、ドアを開けた。
金色の髪が波打つように輝いて見える。深い海を宿した瞳が一点を眺めていた。
マレクの視線の先に何が見えるのか気になった。忍び寄って背中越しに目を向けると、木々が立っているだけだ。枝葉にも木立にも小動物の姿はなく、真新しいものは何もない。
窓の外を見ていた目が、バルトルトに向けられた。
「声ぐらいかけてよ」
「何か考え事をしているように見えてな」
近づきすぎたことに気づいたのは、マレクが飛び退いたからだ。赤く色づいた目元で睨みつけられても、嫌な気はしない。もっと誰にも見せない表情を見たいと思う。
「考え事はしていたけど、大したことじゃないよ」
「祖国のことか?」
マレクは頭を振る。「なんだかね」と前置きしたうえで、
「最近、ずっと昔のことを思い出すんだ。兄のことや子供の頃のこと。――実は僕、死の森に捨てられたんだ」
グロッスラリア王国では「死の森に捨てられた」というのは、冗談話として使われる。後は、親が子に「悪いことをすると死の森に連れて行かれるよ」と因果応報を教えるのに使うくらいだ。
というのも、死の森に一度入って、出たものはいないとされているからだ。
死の森は、アラバンド王国の南に位置し、グロッスラリア王国との境に広がっている。
言い伝えでは、人攫いが“生きていてはいけない子供を連れて行く場所”とされている。
立ち込めている霧の中に隠され、森の奥まで連れて行かれる。人攫いは短剣だけを与えて、子供たちを試す。生きて森を出られれば自由となるが、森の中で息絶えれば、死んだことも知られぬまま朽ちることになる。
出られたとしても行き場所はない。元いた場所に戻っても、いずれは違う手段で殺される。
それでも生きている限り、死臭がした道を歩き続けなければならない。森を出たときのことは、その時に考えればいい。
聞こえてくる茂みを揺らす音や遠吠えは、魔物が生きた血肉を求めて彷徨っているからだという。血の臭いをさせれば、飢えた魔物が襲いかかってくるだろう。遅かれ早かれ、行き着く場所は死だ。
そんな言い伝えにより、誰も近寄りたがらない。未開の地となっている。アラバンド側も「死の森」と名付けているのには多少驚いた。
マレクの告白を受けて、バルトルトは一切、笑わなかった。伝えていいものかと迷った末、慎重に声を絞り出した。
「俺も死の森にいたことがある」
冗談だと捉えられるかもしれない。しかしバルトルトの場合は冗談ではなかった。
本当に死の森にいたことがある。記憶が森の奥から始まっていた。
それまで自分がどんな場所で育ったのかも、どういった両親の間に生まれたのかも、わからなかった。
森を出るまで、短剣一つで獣と戦い続けた。その経験が剣技の腕にも繋がっている。
「その話をしても、誰も信じないでしょ?」
「だから、誰にも話したことがない」
「僕もだよ。絶対に馬鹿にされるから言わないんだ。でも、僕はバルトルトを信じるよ」
真っ直ぐな目をして言われると、マレクの話も真実味が帯びてくる。本当に死の森に捨てられたのかもしれない。
どうにか生き延びて、こうして立っている。
「俺も信じてやる」
大柄な言い方になったが、心からの言葉だ。
マレクは丸い瞳の中にバルトルトを映した。何度か瞬きを繰り返した後で、「ありがとう」と口元に笑みを浮かべる。
「僕らって、どちらも生きてちゃいけなかったのかな」
「そうかもな」
「でも、こうして生きてるよ」
生きて対峙しているのが運命なのかもしれないと、柄にもなく考えてしまう。
長く見つめ合うと、瞳の奥に吸い込まれそうになる。自分の間抜けな顔が写っているだけなのにも関わらずだ。
妙な雰囲気になる前に目を逸らした。口を開いたのはマレクの方だった。
「それで、何か用があったんじゃないの?」
「国王陛下からお召しだ。お前と俺とで城に出向き、拝謁する」
「拝謁? 何で?」
マレクの驚きは最もだった。
しかし、まさか騎士団長と美少年が恋仲として噂になっているなどとは、口が裂けても言えない。恋愛対象にもならないおじさんと噂になり、屋敷に囲われていると言われて、迷惑でしかないだろう。
バルトルトがどう伝えたものかと、考えを巡らせていると、マレクは声を上げた。
「もしかして、あれかな? ここの侍女たちに聞いたんだ。僕とバルトルトが恋仲で深い関係ってやつ!」
せっかく黙っていたのに、マレクは推し量らずに言葉にした。
羞恥で胸焼けしそうだったが、バルトルトは顔をしかめて耐えた。拷問を耐え抜くより、遥かに苦しい。身体に与えられた痛みなど何ともないのに、見えない傷は対処に困る。
その表情をどう捉えたのか、マレクは眉尻を下げた。悲しそうな顔をしたように、バルトルトには見えた。
「嫌だよね。英雄と名高い騎士団長が、素性もわからない僕と恋仲なんて」
当人とすれば、「英雄」と称されるよりかは「化け物」と呼ばれる方がしっくりくる。英雄も裏を返せば、たくさんの命を奪った化け物であるだろう。それが味方であるから「英雄」とされているだけだ。
皮肉でもなく、ただ無邪気にそう言えるのが、マレクの良さでもある。
「それなら、今ここで、お前の素性を明かせばいい。少なくとも俺には明かすべきではないか?」
時間を共にする中で、打ち解けてきた気はしている。
いずれ待っていれば、報告書が届くだろうが、できれば本人の口から語ってほしかった。信頼している証として、国王陛下に会う前に教えてほしい。
「そうだね、それはあるかも。でも、長くなるよ。いいの?」
「時間はある」
文机の椅子を引いて、腰かけた。
「ちゃんと聞いてくれるんだね」
マレクはひとしきり笑ってから、窓の外に目を向けた。横顔から笑みが消えた。
「僕の名前はマレク・プローポス。プローポス家は、アラバンド王国で百年続く侯爵家だったんだ」
29
あなたにおすすめの小説
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる
ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。
・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。
・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。
・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる