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21【騎士とダンス】
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舞踏会へと向かう馬車のなかで、バルトルトは当たり前のようにマレクの隣に座った。箱型の四輪馬車だというのに、向かいの席に座らなかったのは、単純にマレクの手を握りたかったのだろう。
わざわざ手袋を外して、手を重ねてきた。指には剣だこもあるし、手のひらには硬いマメができている。騎士の手は岩のようで、お世辞にも心地良いとは言えない。それでも、その手の温もりに包まれるのは好きだった。
バルトルトの膝上まで引っ張られて、腰を下ろした。隣を見上げると、素知らぬ顔で窓の外を眺めている。
言葉はなくても、離れたくないという想いが込められているような気がした。
マレクは瞼を閉じた。肩が触れる距離にいるため、心が休まらない。心音が耳元まで上がってきて、忙しなく駆け巡る。バルトルトにも鼓動の音が聞こえているかと思うと、気が気でない。
長いようで短い時間だった。ふたりを乗せた馬車は速度を緩めていき、やがて目的地に止まった。
先にバルトルトが降りると、貴婦人を相手にするように手を差し出してくる。茶化したわけでもない、真面目な顔で堂々とやってのける。
――こんなの、心臓がもたないって!
マレクは頬を赤らめながらも、手を取った。力強い手に支えられて、馬車のステップを降りた。
◆
ふたりで登城するのは二度目だったが、ホールに通されるのは初めてだった。隣にいるバルトルトの存在が頼もしく思えた。
入場前に、バルトルトとマレクの名前が高らかに呼ばれる。
舞踏会の会場は、国中の貴族が集まってきても余りある広さだった。天井には巨大なシャンデリアが垂れ下がっている。装飾を施された白い柱が等間隔に配置されていた。
赤絨毯を敷いた階段の先には、豪奢な席が設けられていた。国王と王妃は中央の玉座に着き、横には王族の面々が揃っている。
すでに衣装を纏った貴族たちが集まっている。
その中をバルトルトとマレクは歩き出した。周囲の視線が無遠慮に注がれる。
「ガドリン団長の隣のお方って」
「噂は本当だったのね」
貴婦人たちのささやき声が聞こえた。耳をすませて確かめるわけにはいかないが、きっといい噂ではないだろう。
もしここでひとつでも失敗すれば、バルトルトの評判を下げるかもしれない。そう思うだけで恐ろしかった。
マレクはバルトルトの腕にしがみつきながら、どうにか足が震えないように踏ん張った。
玉座に座った国王と、傍らの王妃の前に進む。バルトルトと同じく胸に手を当てて、頭を垂れる。
マレクは緊張で頭が真っ白になっても言えるように、挨拶の口上を練習していた。さすがに当主であるバルトルトは完璧にこなした。後にマレクも続く。
「アラバンド王国から参りました、マレク・プローポスと申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
アラバンドの名が出たとき、貴族たちのどよめきが上がった。実際、出生を隠すこともできた。しかし、プローポスの名を語るなら、アラバンド出身を隠すことはできない。
「ご苦労であったな、バルトルト卿並びに、マレク卿」
「よく来てくれましたね。今宵は存分に楽しんでください」
茶会の時とは違い、国王夫妻はその地位に違わぬ、威厳のある態度でふたりを迎えた。
脇に控えた王族にも次々と挨拶を済ませた。ホールの脇にはけると、ひとつの山を越えた気持ちになる。バルトルトと顔を見合わせてうなずく。互いの健闘を称えた。
国王夫妻がホールの中央に進み出すと、周囲の喧騒は一瞬にして静まり返った。王冠とティアラが眩しく光り輝き、ふたりの姿を神々しく映し出す。
楽器の演奏が鳴り響くと、国王夫妻のダンスが始まった。
薄桃色の妖精が国王の導きにしたがって、優雅に舞う。かたく握られたふたりの手、どれほど腰をそらしても受け止める国王の腕、息の合ったステップ。互いに笑みをたたえている。ふたりだからこそ作れる世界が広がっている。
聖域のような美しさに、貴婦人たちのため息が聞こえてきそうだ。マレクもふたりのダンスに見惚れてしまった。同時にバルトルトもこんなダンスを踊れたらいいと思った。
ダンスが終わると、国王はホールの中央で舞踏会の開会を宣言した。
国王夫妻が席に着いたところで、次に王族が踊り、その後にはデビュタントのダンスが始まった。
初々しい白いドレスを纏った令嬢と、礼服に着られている令息が踊り始める。
マレクはバルトルトとともに貴族の一員として、ホール横に控えていた。
きらびやかな舞踏を眺めるのではなく、貴族の顔を注意深く確かめた。アラバンドからの亡命者を探しているのだが、数が多く、中々難しい。
自由に見回りたいのに、ダンスを済ませないとバルトルトからも離れられない。
デビュタントがはけると、新婚や婚約を決めた貴族たちのダンスが始まる。
バルトルトはマレクの手を取って、ホールの中央に陣取った。
男同士で踊るのも珍しいのに、新婚だの、婚約だのという輪の中に入れられた。浮いて見えても仕方ない。
バルトルトは珍しく愉快そうに笑っている。
他の人にはこの微妙な表情を読み取れないだろうが、近くで観察してきたマレクにはわかる。
「何をそんなに面白そうな顔をしてるの? 僕は困ってるのに」
「顔に出ていたか。いや、マレクと踊れるのだと思ったら嬉しくてな」
これが嫌だと拒否できない理由だ。
マレクもバルトルトと踊れるのを何より楽しみにしていた。この日を待ち望んで練習に励んできた。バルトルトの笑顔が見られるなら、何もいらないとまで思っている。締め付けられる胸に手を置きながら、迷いなく伝えた。
「僕だってすごく嬉しいよ。この日を待っていたんだから」
新たな演奏が始まり、バルトルトの大きな手がマレクの背中を支えた。右手と左手が重なる。
ふたりは息を合わせて、同時に足を出した。
踊っている最中は、琥珀色の瞳から目を離さなかった。バルトルトも瞳の中の深い青に沈み込んだかのように、強く見つめてきた。
ここが舞踏会でなければ、また口づけをされていたかもしれない。
不埒な考えでいると、耳元にバルトルトの唇が息を吹き込んできた。背中からうなじにかけて、ぞわっと震える。
「そんな目で見つめられたら、我慢できなくなるだろう」
こんな公衆の面前で誘うように言われると、顔中に熱が集まってくる。
体が密着して、香油の香りを強く感じる。一緒に湯浴みをしたとき、同じ香油を体に塗り合った。結構、念入りにした。
「僕……」
途中まで言いかけてやめる。視界の端で地味な貴族服を纏った集団を見つけた。ホールの端も端で、居心地悪そうに数人が立っている。その中でも輪から離れたところに、知った顔があった。
癖のある金色の髪はくしゃくしゃで、頬は痩せこけている。灰青の目は、マレクを見つけると驚愕したように丸くなった。一目見てマレクだと気づいたということは、次兄のフベルトに間違いない。
次兄は慌ててどこかへ行ってしまう。
今すぐにでも次兄の行方を追いかけたいのだが、ダンスはまだ終わらない。バルトルトの言葉や仕草にのぼせ上がっている場合ではなかった。途中でダンスをやめるなど、できない。
思い通りにならず、もどかしかった。
「マレク、どうした?」
気づかわしげな優しい声が響いた。バルトルトを真っ直ぐ見られなくなって、瞼を伏せる。焼けるような熱視線を感じていたが、顔を上げる勇気はなかった。マレクは笑みを繕って、「何もないよ」と口にした。
演奏が終わると、真っ先にマレクの方から体を離した。目を見開くバルトルトに「少し夜風に当たってくるね」と伝えて、逃げるようにその場を去った。
わざわざ手袋を外して、手を重ねてきた。指には剣だこもあるし、手のひらには硬いマメができている。騎士の手は岩のようで、お世辞にも心地良いとは言えない。それでも、その手の温もりに包まれるのは好きだった。
バルトルトの膝上まで引っ張られて、腰を下ろした。隣を見上げると、素知らぬ顔で窓の外を眺めている。
言葉はなくても、離れたくないという想いが込められているような気がした。
マレクは瞼を閉じた。肩が触れる距離にいるため、心が休まらない。心音が耳元まで上がってきて、忙しなく駆け巡る。バルトルトにも鼓動の音が聞こえているかと思うと、気が気でない。
長いようで短い時間だった。ふたりを乗せた馬車は速度を緩めていき、やがて目的地に止まった。
先にバルトルトが降りると、貴婦人を相手にするように手を差し出してくる。茶化したわけでもない、真面目な顔で堂々とやってのける。
――こんなの、心臓がもたないって!
マレクは頬を赤らめながらも、手を取った。力強い手に支えられて、馬車のステップを降りた。
◆
ふたりで登城するのは二度目だったが、ホールに通されるのは初めてだった。隣にいるバルトルトの存在が頼もしく思えた。
入場前に、バルトルトとマレクの名前が高らかに呼ばれる。
舞踏会の会場は、国中の貴族が集まってきても余りある広さだった。天井には巨大なシャンデリアが垂れ下がっている。装飾を施された白い柱が等間隔に配置されていた。
赤絨毯を敷いた階段の先には、豪奢な席が設けられていた。国王と王妃は中央の玉座に着き、横には王族の面々が揃っている。
すでに衣装を纏った貴族たちが集まっている。
その中をバルトルトとマレクは歩き出した。周囲の視線が無遠慮に注がれる。
「ガドリン団長の隣のお方って」
「噂は本当だったのね」
貴婦人たちのささやき声が聞こえた。耳をすませて確かめるわけにはいかないが、きっといい噂ではないだろう。
もしここでひとつでも失敗すれば、バルトルトの評判を下げるかもしれない。そう思うだけで恐ろしかった。
マレクはバルトルトの腕にしがみつきながら、どうにか足が震えないように踏ん張った。
玉座に座った国王と、傍らの王妃の前に進む。バルトルトと同じく胸に手を当てて、頭を垂れる。
マレクは緊張で頭が真っ白になっても言えるように、挨拶の口上を練習していた。さすがに当主であるバルトルトは完璧にこなした。後にマレクも続く。
「アラバンド王国から参りました、マレク・プローポスと申します。本日はお招きいただき、ありがとうございます」
アラバンドの名が出たとき、貴族たちのどよめきが上がった。実際、出生を隠すこともできた。しかし、プローポスの名を語るなら、アラバンド出身を隠すことはできない。
「ご苦労であったな、バルトルト卿並びに、マレク卿」
「よく来てくれましたね。今宵は存分に楽しんでください」
茶会の時とは違い、国王夫妻はその地位に違わぬ、威厳のある態度でふたりを迎えた。
脇に控えた王族にも次々と挨拶を済ませた。ホールの脇にはけると、ひとつの山を越えた気持ちになる。バルトルトと顔を見合わせてうなずく。互いの健闘を称えた。
国王夫妻がホールの中央に進み出すと、周囲の喧騒は一瞬にして静まり返った。王冠とティアラが眩しく光り輝き、ふたりの姿を神々しく映し出す。
楽器の演奏が鳴り響くと、国王夫妻のダンスが始まった。
薄桃色の妖精が国王の導きにしたがって、優雅に舞う。かたく握られたふたりの手、どれほど腰をそらしても受け止める国王の腕、息の合ったステップ。互いに笑みをたたえている。ふたりだからこそ作れる世界が広がっている。
聖域のような美しさに、貴婦人たちのため息が聞こえてきそうだ。マレクもふたりのダンスに見惚れてしまった。同時にバルトルトもこんなダンスを踊れたらいいと思った。
ダンスが終わると、国王はホールの中央で舞踏会の開会を宣言した。
国王夫妻が席に着いたところで、次に王族が踊り、その後にはデビュタントのダンスが始まった。
初々しい白いドレスを纏った令嬢と、礼服に着られている令息が踊り始める。
マレクはバルトルトとともに貴族の一員として、ホール横に控えていた。
きらびやかな舞踏を眺めるのではなく、貴族の顔を注意深く確かめた。アラバンドからの亡命者を探しているのだが、数が多く、中々難しい。
自由に見回りたいのに、ダンスを済ませないとバルトルトからも離れられない。
デビュタントがはけると、新婚や婚約を決めた貴族たちのダンスが始まる。
バルトルトはマレクの手を取って、ホールの中央に陣取った。
男同士で踊るのも珍しいのに、新婚だの、婚約だのという輪の中に入れられた。浮いて見えても仕方ない。
バルトルトは珍しく愉快そうに笑っている。
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「何をそんなに面白そうな顔をしてるの? 僕は困ってるのに」
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これが嫌だと拒否できない理由だ。
マレクもバルトルトと踊れるのを何より楽しみにしていた。この日を待ち望んで練習に励んできた。バルトルトの笑顔が見られるなら、何もいらないとまで思っている。締め付けられる胸に手を置きながら、迷いなく伝えた。
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新たな演奏が始まり、バルトルトの大きな手がマレクの背中を支えた。右手と左手が重なる。
ふたりは息を合わせて、同時に足を出した。
踊っている最中は、琥珀色の瞳から目を離さなかった。バルトルトも瞳の中の深い青に沈み込んだかのように、強く見つめてきた。
ここが舞踏会でなければ、また口づけをされていたかもしれない。
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今すぐにでも次兄の行方を追いかけたいのだが、ダンスはまだ終わらない。バルトルトの言葉や仕草にのぼせ上がっている場合ではなかった。途中でダンスをやめるなど、できない。
思い通りにならず、もどかしかった。
「マレク、どうした?」
気づかわしげな優しい声が響いた。バルトルトを真っ直ぐ見られなくなって、瞼を伏せる。焼けるような熱視線を感じていたが、顔を上げる勇気はなかった。マレクは笑みを繕って、「何もないよ」と口にした。
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