化け物騎士は元令息の血塗られた手を離さない

コムギ

文字の大きさ
27 / 34

27【血飛沫】

しおりを挟む
 バルトルトが死の森へと向かう中、マレクは見知らぬ牢獄にいた。薄暗い部屋には光を通すものがない。窓一つもなく、もしかしたら、地下牢かもしれないと思えた。

 マレクの体は椅子に座らされていた。腕は背もたれに回されて、縄で手首と足をそれぞれ縛られていた。抵抗しようとすれば、縄の摩擦で肌が痛んだ。

 口元は布を噛まされていて、獣のような息遣いになった。

 目が覚めたときにはすでにそんな調子だったので、ここがどこかもわからない。嫌な想像しか、今のところできなかった。

 うつむいていると、通路の奥から足音が響き始めた。ランプを手にしたフードの人物を先頭に、フベルトと父のホンザが格子扉の前に立った。

 脂肪に包まれたホンザの体はますます膨れ上がり、ベルトには風船のような腹が乗っかっていた。胡散臭そうな口ひげと、後退した額は、記憶の中とあまり相違ない。落ちくぼんだ目元と、顔の刻みの影が濃くなったくらいだ。

 相変わらずの侮蔑を込めた目に、不快感で嗚咽を漏らしそうになった。

「目が覚めたか、愚息よ」

 久方ぶりに再会を果たした息子への第一声が、それである。ホンザも再会を望んでいない。フベルトと同様に、マレクには消えていてほしかったのだろう。消すように命じたのはホンザであると証明された。

 唸り声しか出せない。

「うまく話せんか? 残念だな、お前の悲鳴が聞きたいのに」

 ホンザの言葉に、フベルトが愉快そうに笑う。父親は幼い頃の記憶のままで、マレクが泣き叫ぶ様を見ては、笑っていた。

 ホンザの横にはフードを被った人物が立っていた。ホンザはその人物に命じて扉を開けさせると、三人は牢屋の中に入ってきた。

 子供の頃は大きく見えた父親の体は肥えているだけで、本当に身体が大きい人というのは軍人のことを言うのだろう。まさにバルトルトのように、弱きものを助け、強きものをくじく。

 断じて、無抵抗な者に対して蹴り飛ばしたりしない。

 ホンザは短い足で椅子を蹴ったが、びくともしない。本来は椅子が均衡を崩して倒れるはずだったのだろう。思惑通りに行かずに、衝撃をすべて受け止めて、足首を痛めたようだった。

「くそ、お前やれ」

 そう言って、フベルトがやらされた。従順に動くフベルトには考える頭がない。父親に言われるがまま、人形のように行動を起こすところも昔から変わっていない。このふたりの関係性は一生変わらないのだろう。

 今度こそ、マレクの体は椅子ごと床に叩きつけられた。頭を打たないで済んだのは、背もたれがあったためだ。

 フベルトは癇癪を起こすときと同じ要領で、マレクの腹や肩を蹴り始めた。拳を使うと自分が痛むから、靴の先で蹴り上げるのだ。幼い頃の記憶がよみがえる。

 ――「やめて、許して!」

 懇願したところで、この男に聞き分けられるはずがなかった。子供の頃は痛みを最小限にしたくて、体を小さく丸めていた。

 しかし、今のマレクには拍子抜けだった。軍人とは行かなくても、実戦で厳しく鍛えてきた自分の体は、素人の蹴りを受け止められる。

 傭兵と手合わせして、殴り倒されたときのほうが数倍痛かった。

 長兄のルジェクが痛くないと言い張ったのは、真実かもしれない。ただ、肉体的に痛みはなくとも、精神的には傷を負っていたのは想像に難くない。

 こうやって痛みを克服すると、今まで、こんな弱い存在に蹴られ、恐怖を植え付けられていたのかと驚愕する。

 幼い時というのは、狭い世界の中でしか生きられずに、住んでいく場所も限られてしまう。自由になれば、どれだけ狭い場所におのれを縛り付けていたのかとわかる。

 没落して、家ごと無くなってよかった。ルジェクのいない家など、遅かれ早かれ潰れていただろうから。

 フベルトは疲れてきたようで、その場にしゃがみこんだ。

 疲れた息子の代わりに前に出てきたホンザは、しゃがみこんだ。マレクの髪の毛を忌々しそうに引っ張り上げる。

「この髪色も目も、何もかもが気に食わん。あの女と同じ。ああ、死んだあいつも同じだった」

 マレクの頭の中に、あいつと呼ばれた優しい人の顔が浮かんだ。

 ――ルジェク兄さん。マレクが兄さんと呼ぶのは、その人だけだ。フベルトではない。本当は目の前の男を父とも呼びたくない。睨みつけると、鼻で笑われた。

「穢らわしい」

 マレクの頭が乱暴に離された。側頭部が床に当たった。その衝撃で頭が揺れる。布の結び目が緩んで声を出せるようになった。

 咳をして、床に赤い血を吐き落とす。その目はホンザとフベルトを見つめた。

「ずっと不思議だったんだ。これまで国王の手下として生きてきたお前らが、何の目的もなく、亡命するとは考えられない」
「お前らだと! 誰に向かって!」フベルトが喚き散らす。

 ホンザは膨れ上がって真っ赤な顔をしていた。

「小悪党が何を企んでいるか知らないが、お前らの思い通りにはならないよ」

 この国にはバルトルトがいる。騎士団に所属し、屈強な騎士たちを束ねる団長。こんな小悪党だってひねり潰せるだろう。たとえ、マレクが助からなくても、追跡していたシモンがバルトルトに知らせてくれる。

 きっと、わかりやすくシモンを追わせたのは、マレクを安心させるためだろう。非常時には必ず助けに来てくれる。そんな意思表示として捉えた。

 強気なマレクの態度に、ホンザやフベルトは激高した。

「そんな口、聞けないようにしてやる!」

 フベルトが手にしていたのは、マレクの短剣だった。懐から没収したのだろう。

 そして、その短剣は死の森に置き去りにされたときに、死神から渡されたものだった。

 生き抜いた証と罪として、この短剣を使ってきた。この短剣にあらゆるものの血を染み込ませてきた。

 自分の手で殺すという恐れも苦しみも知らないフベルトは、たやすく短剣を握る。何の覚悟も持たないまま、その切っ先をマレクに向けた。

 やるならば、一思いに突き刺してほしかった。下手な素人では、痛みでしばらくは苦しむかもしれない。

 どうせ他人の手で殺されるなら、バルトルトが良かった。バルトルトの長く太い剣で、苦しみなく首を切り落とされたかった。

「しね!」

 お決まりの掛け声を聞きながら、目を閉じた。

 人の血をかぶるとき、一時だけ温かさを感じる。外気に触れると、瞬く間に温もりを失って、ただの赤い液体になる。その時は切なくなった。

 瞼の裏には、バルトルトの顔があった。笑いもしない、悲しげな表情。こんな顔をさせたくなかった。喜ばせたかった。

 もうあの声が聞こえない。手に触れることはないのだと思うと、心が軋む。目尻から熱いものが溢れた。

「!」

 叫んだのはマレクではなく、フベルトの方だった。瞼を開いたとき、フードを被った人物が腕を払うところだった。短剣が地面に落ちた。

 フベルトは痛めつけられた右腕をかばうように、床で悶えている。のたうち回り、奇声を上げた。

「な、なぜ、かあさまが」と、うわ言を繰り返す。

 フードが後ろに落ちて、くちばしが現れた。顔にはマスクをしていた。

 ゆっくりマスクを外すと、そこには血の気の通っていない人形のように整った顔があった。気だるそうな目は、フベルトによく似ている。感情の乗らない口元はぴくりとも動かない。

「お前はフベルトの母だろう」ホンザの声が震えている。

「し、死神の里の連中は金で契約さえすれば、何でもやる。お前の父とも契約を交わして、わしはお前を……」

「確かに長である父は、わたしを売った。嫌だと抵抗してもお前は無理やりわたしを暴行した。そうして生まれたのがフベルトだ。腹を痛めて産んだとしても、わたしはこいつを息子だとは思えん」

 「かあさま」と泣きじゃくりながらフベルトが足に縋り付く。母と呼ばれた女性は、冷たく見下ろした。「気安く呼ぶな」と言い捨てる。

「わたしは死の森を生き抜くような強き者が好きだ。血肉を喰らっても、決意を持って道を歩むような者がな。お前のように父親に言われるがままの愚息は好かん。恨むなら自分の運命を恨め」

 既視感をまた感じた。そして、思い出の言葉と姿が重なった。

 ホンザは突然のことに尻餅をついたまま、身動きが取れないでいる。赤い血を被った白い手が、マレクの拘束を解いていく。

「あ、あなたは?」
「お前を攫った死神といえば、わかるか?」

 マレクは記憶と繋げて、うなずく。

「あの時は申し訳なかった。しかし、あの森の中をよく生き抜いてこれたな」

 女性の顔に薄っすらと笑みが浮かぶ。ガスを吸った影響か、未だにマレクの体は均衡が取れないでいた。女性の手を借り、立ち上がった。

 どう受け止めてよいかわからなかった。憎い死神であるのに、助けられたかたちになった。

「なぜ、僕を助けたのですか?」
「こんな奴らの尻拭いなど死んでもごめんだ。わたしは、あんたらみたいの方が好きなんだよ」

 長の娘という立場で、そう言い切るのは、なかなかできることではない。死神のしきたりはわからないが、マレクは不思議と憎しみを抱かなかった。

 そして、女性の背後に回る、フベルトの姿があった。血走った目から、涙が溢れていく。

「かあさま」

 そう呟いた間もなく、短剣を女性の背中に向けて突き立てた。彼女の身のこなしならば、避けることもできたはずだ。しかし、彼女は短剣を背中で受け止めた。

 女性はフベルトの手首を掴んで、曲がらない方向に捻った。骨が折れたのだろう。

 フベルトはまた奇声を上げて、地面をのたうち回った。

 短剣が突き刺さった箇所から、血がぽたぽたと落ちていく。よろめく女性をマレクが受け止めようとするが、「やめろ」と拒まれる。

「早く逃げるんだ」

 鬼気迫る姿に押される形で、マレクは鉄格子をくぐった。

 地下室の階段をふらつく体を支えながら、できるだけ早く駆け上った。後ろから我に返ったのだろう、背中から、ホンザの怒号が聞こえる。震えた膝は過去の恐怖を思い出したようだが、必死なマレクにはうまく伝わらなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

【完結済み】騎士団長は親友に生き写しの隣国の魔術師を溺愛する

兔世夜美(トヨヤミ)
BL
アイゼンベルク帝国の騎士団長ジュリアスは留学してきた隣国ゼレスティア公国の数十年ぶりのビショップ候補、シタンの後見となる。その理由はシタンが十年前に失った親友であり片恋の相手、ラシードにうり二つだから。だが出会ったシタンのラシードとは違う表情や振る舞いに心が惹かれていき…。過去の恋と現在目の前にいる存在。その両方の間で惑うジュリアスの心の行方は。※最終話まで毎日更新。※大柄な体躯の30代黒髪碧眼の騎士団長×細身の20代長髪魔術師のカップリングです。※完結済みの「テンペストの魔女」と若干繋がっていますがそちらを知らなくても読めます。

【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる

ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。 ・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。 ・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。 ・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。

冷徹勇猛な竜将アルファは純粋無垢な王子オメガに甘えたいのだ! ~だけど殿下は僕に、癒ししか求めてくれないのかな……~

大波小波
BL
 フェリックス・エディン・ラヴィゲールは、ネイトステフ王国の第三王子だ。  端正だが、どこか猛禽類の鋭さを思わせる面立ち。  鋭い長剣を振るう、引き締まった体。  第二性がアルファだからというだけではない、自らを鍛え抜いた武人だった。  彼は『竜将』と呼ばれる称号と共に、内戦に苦しむ隣国へと派遣されていた。  軍閥のクーデターにより内戦の起きた、テミスアーリン王国。  そこでは、国王の第二夫人が亡命の準備を急いでいた。  王は戦闘で命を落とし、彼の正妻である王妃は早々と我が子を連れて逃げている。  仮王として指揮をとる第二夫人の長男は、近隣諸国へ支援を求めて欲しいと、彼女に亡命を勧めた。  仮王の弟である、アルネ・エドゥアルド・クラルは、兄の力になれない歯がゆさを感じていた。  瑞々しい、均整の取れた体。  絹のような栗色の髪に、白い肌。  美しい面立ちだが、茶目っ気も覗くつぶらな瞳。  第二性はオメガだが、彼は利発で優しい少年だった。  そんなアルネは兄から聞いた、隣国の支援部隊を指揮する『竜将』の名を呟く。 「フェリックス・エディン・ラヴィゲール殿下……」  不思議と、勇気が湧いてくる。 「長い、お名前。まるで、呪文みたい」  その名が、恋の呪文となる日が近いことを、アルネはまだ知らなかった。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】

ゆらり
BL
 帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。  着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。  凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。  撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。  帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。  独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。  甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。  ※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。 ★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!

処理中です...