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31【化け物と呼ばれた騎士】
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バルトルトに「馬に乗れるか?」とたずねられて、マレクは答えに詰まった。あまり自信はなかったが、ルジェクがいた頃は、共によく遠乗りをしていた。
領地内にある湖まで行き、粗末な小屋で過ごした。椅子や棚などの調度品を、自らの手で作り出すルジェクの手伝いをした。
平民になってからは、すっかり馬に触れる機会も無くなっていた。
ルジェクの話を交えて、正直に自信がないと話すと、バルトルトは頭を撫でて「ゆっくり行こう」と言ってくれる。そんな些細な優しさが嬉しくもあり、胸が苦しくなった。
朝食を終えると、早々に厩舎へと向かう。
バルトルトの愛馬はたてがみも全身も漆黒なのに対し、マレクに宛てがわられたのは栗毛の馬だった。
黒の外套を纏った騎士は身軽な装いをしていた。マレクも着慣れた黒装束を身に纏っていた。
丹念に洗濯されたらしく、清潔さを保っている。この服を着て、様々な人の血を被ってきたとは、到底、思えない。
バルトルトは先頭を駆けていく。後を追いかけるマレクが「どこへ行くの?」とたずねても、「行けばわかる」としか答えない。
城門を過ぎて、街道沿いを行く。遠くにまで草原が広がっている。このまま道なりに進めば、アラバンドに繋がっている。それまでに国境に設けられた壁を越えなければならないが。
さざなみに似た音を立てながら、風が吹き流れていく。
しばらく行くと、バルトルトは街道を大きく逸れた。道のない道を進んでいく。
辿り着いたのは、見覚えのある場所だった。「馬が嫌がるからな」と、入口の幹に馬を繋ぐ。
フベルトとホンザに攫われたときも、バルトルトに助け出されたときも、死の森を見ないで済んだ。
相変わらず、昼であっても辺りは薄暗い。灰のような空と、実をつけずに枯れた木々の姿がある。霧が立ち込めていて、見通しが悪い。奥に進めば進むほど、獣の気配と血の臭いが濃くなっていく。
幼い頃の記憶と何ら変わりがない。いつまで経っても薄気味悪く、胸騒ぎを引き起こした。
バルトルトは何のために、ここに来たのか。マレクを連れてきた意味は何なのか。
たずねようと隣を見上げると、厳しい顔つきだった。森の奥を睨みつけている。
拳を固く握っているのは、なぜなのか。
バルトルトは無言を貫きながら、重い足取りで一歩進んだ。
茂みから飛び出してきた獣の前で立ち止まった。威嚇するように唸る獣の耳はとんがっていて、顎に向けて大きな牙が突き出ている。背後から暗い放射体を放っていた。魔物といってもいい。
バルトルトはその獣を掴み上げると、躊躇いなく短剣を横に払った。朽ちた幹や茂みに、血しぶきが飛んだ。
そして、吹き出た血をすすった。血だけにはとどまらず、毛皮を剥ぐと、新鮮な血肉まで口に入れる。咀嚼した。バルトルトの下顎からは、真っ赤な鮮血が垂れる。
獣じみていておぞましい光景なのに、マレクは目を逸らせないでいた。
「バルトルト」
声に反応して後ろを振り返ったバルトルトの瞳は、血を浴びたように赤く、本能のままギラついていた。眉間に力を入れた後で、獣の残骸を地面に捨てる。下顎を拭う。
服の袖を上げて、逞しい腕を晒すと、そこに剣を突き立てた。見ているだけで痛々しく、歯を食いしばりたくなる。
しかし、バルトルトは声に出さずに耐えた。赤い瞳を琥珀色へと戻した。
その時に腕の怪我は薄くなっていた。短剣で傷をつけたところが徐々に消えていった。マレクは錯覚を見たような感覚に陥った。
バルトルトは自嘲気味に笑った。歯の間にも、まだ鮮血の跡が残っている。
「マレク。これが本来の俺の姿だ。化け物と呼ばれているのは、間違っていない。俺はこうやって血肉を得なければ、生き長らえない存在だ」
初めて会ったときからの疑問や違和感が、立ちどころに解決した。牢獄にて傷の治りが異常に早かったのも、突然倒れて、血のような液体を飲まされて元気になったのも、ある日には血の臭いを漂わせて帰ってきたことも。
すべての謎が解けて、ひとつに繋がっていく。
ようやく、バルトルトのすべてを知り得た充足感に、マレクは笑った。
不安そうにこちらを見ていたバルトルトの瞳が揺れている。マレクの笑いをどう捉えたらいいのか、わからないのかもしれない。想いを口に出さなくてはと思った。
マレクはバルトルトの体に抱き着いた。血の臭いが鼻を突いたが、まったく気にならなかった。
「お前は、怖くないのか?」
「怖くなんかないよ。僕だって、この手で何人もの命を奪ってきた。しかも躊躇いさえも感じずに、奪ってきたんだ。そんな僕も、きっと真っ当な人間じゃない。バルトルトは僕を怖いと思う?」
「思うわけがない。お前はそうしなければ生きられなかったのだろう」
即答で、はっきりと言い切られた。マレクは茶目っ気を発揮して、顔を見上げた。
「そういうこと。だから、怖くなんかないよ」
バルトルトはマレクを強く抱き締め返した。遠慮のない腕の力に、骨が軋みそうになるが、やめてとは言わなかった。
「マレク、頼みがある」
「え、何だろ? 僕にできること?」
「お前にしかできない」
大きな体をしているが、甘えるように頬を擦りつけてくるから、マレクはまた笑顔が溢れた。
「ずっと、俺のそばにいてほしい。死に行くまで、お前と共に生きていきたい」
心からの懇願に、マレクはすべてを受け入れて「うん」と頷いた。
「僕が男でもいいの?」
「ああ、構わない。こんな可愛らしい生き物を俺は知らない」
「こんな手でも?」
「ああ、何度だって、綺麗に拭いてやる」
そんなことを言うのはバルトルトだけだと笑いながらも、マレクは嬉しかった。全身で温もりと優しさを感じられることが何より幸せだった。
そして、愛しい人に抱き締められていると、ふつふつと湧き上がってくるものがある。
「ねえ、バル」
愛称で呼ぶと、バルトルトの肩が上下した。喉仏も大きく動いた。
マレクは大きな背中を撫でるように手を滑らせると、腰に抱き着いた。上目使いでバルトルトを見上げる。琥珀色の瞳の中には、マレクしか映っていない。
「あのね、体が熱くて……早く屋敷に戻ろうよ」
口に出してみて、羞恥で頬が熱くなってきた。頬どころか、首筋や耳の先にいたるまで熱くなっている。吐息すら、熱っぽかった。
さすがにここで誘うのはおかしいかと、マレクは慌てて体を離す。両手を突っぱねて距離を作ろうとすれば、逞しい腕が阻んだ。囲い込んだかと思うと、膝の裏に腕を回して、マレクを抱え上げた。
「えっ、ちょっ、何するの?」
「川に行く」
「川?」
「体を早急に洗いたい」
冷水でも構わないと言い切られた。獣や自分の血を肌に貼り付けて置くのは、気持ち悪いのかもしれない。
川面に浸って体を洗ったバルトルトは、首を振って水気を払った。太い首、鎖骨、胸板、腹筋にいたるまで残った雫が流れていく。
芸術のように輝いて美しく、マレクは見惚れた。満足したのか、川面から出てきたバルトルトは、後頭部で髪の束を作って軽く絞った。濡れた波のある髪の毛は、普段よりも幼く見える。手元に布があれば、拭ってあげたくなったかもしれない。
バルトルトは唸ってから「近場に泊まれる場所はないか?」と低く問いかけてきた。
「屋敷に戻る時間が惜しい。だが、マレクの体を考えれば、ここでは良くないだろうし、寝台のある場所がいい。どこか心当たりはないか?」
確かに、こんなところで繋がり合うのは不衛生だし、ゆっくりできない。答えを思案していると、「すまん、待っていられない」と、切羽詰まった声が聞こえてきた。
バルトルトはマレクを軽く抱き上げた。膝裏に腕を回すから、すっかり横抱きにされている。くっつけてきた体は冷たい。血の臭いは薄まって、代わりに水の青臭い香りがした。
バルトルトはついに駆け出していた。早く森の入口に戻って、その場を去りたいのだろう。マレクは振り落とされないように服にしがみつきながらも、「あっ」といい場所を思いついた。
バルトルトの屋敷よりかは全然、距離としては近い。寝台もあるし、屋根があるから雨風は凌げる。ただ、清潔感があまりないのと、マレクに取ってはいい記憶がない。
それでも、確かにグロッスラリア王国まで、この我慢が続くとは思えない。マレクはある場所を告げた。バルトルトは目を見開いたが、「急ごう」と乗り気になって、さらに走る速度を上げた。
領地内にある湖まで行き、粗末な小屋で過ごした。椅子や棚などの調度品を、自らの手で作り出すルジェクの手伝いをした。
平民になってからは、すっかり馬に触れる機会も無くなっていた。
ルジェクの話を交えて、正直に自信がないと話すと、バルトルトは頭を撫でて「ゆっくり行こう」と言ってくれる。そんな些細な優しさが嬉しくもあり、胸が苦しくなった。
朝食を終えると、早々に厩舎へと向かう。
バルトルトの愛馬はたてがみも全身も漆黒なのに対し、マレクに宛てがわられたのは栗毛の馬だった。
黒の外套を纏った騎士は身軽な装いをしていた。マレクも着慣れた黒装束を身に纏っていた。
丹念に洗濯されたらしく、清潔さを保っている。この服を着て、様々な人の血を被ってきたとは、到底、思えない。
バルトルトは先頭を駆けていく。後を追いかけるマレクが「どこへ行くの?」とたずねても、「行けばわかる」としか答えない。
城門を過ぎて、街道沿いを行く。遠くにまで草原が広がっている。このまま道なりに進めば、アラバンドに繋がっている。それまでに国境に設けられた壁を越えなければならないが。
さざなみに似た音を立てながら、風が吹き流れていく。
しばらく行くと、バルトルトは街道を大きく逸れた。道のない道を進んでいく。
辿り着いたのは、見覚えのある場所だった。「馬が嫌がるからな」と、入口の幹に馬を繋ぐ。
フベルトとホンザに攫われたときも、バルトルトに助け出されたときも、死の森を見ないで済んだ。
相変わらず、昼であっても辺りは薄暗い。灰のような空と、実をつけずに枯れた木々の姿がある。霧が立ち込めていて、見通しが悪い。奥に進めば進むほど、獣の気配と血の臭いが濃くなっていく。
幼い頃の記憶と何ら変わりがない。いつまで経っても薄気味悪く、胸騒ぎを引き起こした。
バルトルトは何のために、ここに来たのか。マレクを連れてきた意味は何なのか。
たずねようと隣を見上げると、厳しい顔つきだった。森の奥を睨みつけている。
拳を固く握っているのは、なぜなのか。
バルトルトは無言を貫きながら、重い足取りで一歩進んだ。
茂みから飛び出してきた獣の前で立ち止まった。威嚇するように唸る獣の耳はとんがっていて、顎に向けて大きな牙が突き出ている。背後から暗い放射体を放っていた。魔物といってもいい。
バルトルトはその獣を掴み上げると、躊躇いなく短剣を横に払った。朽ちた幹や茂みに、血しぶきが飛んだ。
そして、吹き出た血をすすった。血だけにはとどまらず、毛皮を剥ぐと、新鮮な血肉まで口に入れる。咀嚼した。バルトルトの下顎からは、真っ赤な鮮血が垂れる。
獣じみていておぞましい光景なのに、マレクは目を逸らせないでいた。
「バルトルト」
声に反応して後ろを振り返ったバルトルトの瞳は、血を浴びたように赤く、本能のままギラついていた。眉間に力を入れた後で、獣の残骸を地面に捨てる。下顎を拭う。
服の袖を上げて、逞しい腕を晒すと、そこに剣を突き立てた。見ているだけで痛々しく、歯を食いしばりたくなる。
しかし、バルトルトは声に出さずに耐えた。赤い瞳を琥珀色へと戻した。
その時に腕の怪我は薄くなっていた。短剣で傷をつけたところが徐々に消えていった。マレクは錯覚を見たような感覚に陥った。
バルトルトは自嘲気味に笑った。歯の間にも、まだ鮮血の跡が残っている。
「マレク。これが本来の俺の姿だ。化け物と呼ばれているのは、間違っていない。俺はこうやって血肉を得なければ、生き長らえない存在だ」
初めて会ったときからの疑問や違和感が、立ちどころに解決した。牢獄にて傷の治りが異常に早かったのも、突然倒れて、血のような液体を飲まされて元気になったのも、ある日には血の臭いを漂わせて帰ってきたことも。
すべての謎が解けて、ひとつに繋がっていく。
ようやく、バルトルトのすべてを知り得た充足感に、マレクは笑った。
不安そうにこちらを見ていたバルトルトの瞳が揺れている。マレクの笑いをどう捉えたらいいのか、わからないのかもしれない。想いを口に出さなくてはと思った。
マレクはバルトルトの体に抱き着いた。血の臭いが鼻を突いたが、まったく気にならなかった。
「お前は、怖くないのか?」
「怖くなんかないよ。僕だって、この手で何人もの命を奪ってきた。しかも躊躇いさえも感じずに、奪ってきたんだ。そんな僕も、きっと真っ当な人間じゃない。バルトルトは僕を怖いと思う?」
「思うわけがない。お前はそうしなければ生きられなかったのだろう」
即答で、はっきりと言い切られた。マレクは茶目っ気を発揮して、顔を見上げた。
「そういうこと。だから、怖くなんかないよ」
バルトルトはマレクを強く抱き締め返した。遠慮のない腕の力に、骨が軋みそうになるが、やめてとは言わなかった。
「マレク、頼みがある」
「え、何だろ? 僕にできること?」
「お前にしかできない」
大きな体をしているが、甘えるように頬を擦りつけてくるから、マレクはまた笑顔が溢れた。
「ずっと、俺のそばにいてほしい。死に行くまで、お前と共に生きていきたい」
心からの懇願に、マレクはすべてを受け入れて「うん」と頷いた。
「僕が男でもいいの?」
「ああ、構わない。こんな可愛らしい生き物を俺は知らない」
「こんな手でも?」
「ああ、何度だって、綺麗に拭いてやる」
そんなことを言うのはバルトルトだけだと笑いながらも、マレクは嬉しかった。全身で温もりと優しさを感じられることが何より幸せだった。
そして、愛しい人に抱き締められていると、ふつふつと湧き上がってくるものがある。
「ねえ、バル」
愛称で呼ぶと、バルトルトの肩が上下した。喉仏も大きく動いた。
マレクは大きな背中を撫でるように手を滑らせると、腰に抱き着いた。上目使いでバルトルトを見上げる。琥珀色の瞳の中には、マレクしか映っていない。
「あのね、体が熱くて……早く屋敷に戻ろうよ」
口に出してみて、羞恥で頬が熱くなってきた。頬どころか、首筋や耳の先にいたるまで熱くなっている。吐息すら、熱っぽかった。
さすがにここで誘うのはおかしいかと、マレクは慌てて体を離す。両手を突っぱねて距離を作ろうとすれば、逞しい腕が阻んだ。囲い込んだかと思うと、膝の裏に腕を回して、マレクを抱え上げた。
「えっ、ちょっ、何するの?」
「川に行く」
「川?」
「体を早急に洗いたい」
冷水でも構わないと言い切られた。獣や自分の血を肌に貼り付けて置くのは、気持ち悪いのかもしれない。
川面に浸って体を洗ったバルトルトは、首を振って水気を払った。太い首、鎖骨、胸板、腹筋にいたるまで残った雫が流れていく。
芸術のように輝いて美しく、マレクは見惚れた。満足したのか、川面から出てきたバルトルトは、後頭部で髪の束を作って軽く絞った。濡れた波のある髪の毛は、普段よりも幼く見える。手元に布があれば、拭ってあげたくなったかもしれない。
バルトルトは唸ってから「近場に泊まれる場所はないか?」と低く問いかけてきた。
「屋敷に戻る時間が惜しい。だが、マレクの体を考えれば、ここでは良くないだろうし、寝台のある場所がいい。どこか心当たりはないか?」
確かに、こんなところで繋がり合うのは不衛生だし、ゆっくりできない。答えを思案していると、「すまん、待っていられない」と、切羽詰まった声が聞こえてきた。
バルトルトはマレクを軽く抱き上げた。膝裏に腕を回すから、すっかり横抱きにされている。くっつけてきた体は冷たい。血の臭いは薄まって、代わりに水の青臭い香りがした。
バルトルトはついに駆け出していた。早く森の入口に戻って、その場を去りたいのだろう。マレクは振り落とされないように服にしがみつきながらも、「あっ」といい場所を思いついた。
バルトルトの屋敷よりかは全然、距離としては近い。寝台もあるし、屋根があるから雨風は凌げる。ただ、清潔感があまりないのと、マレクに取ってはいい記憶がない。
それでも、確かにグロッスラリア王国まで、この我慢が続くとは思えない。マレクはある場所を告げた。バルトルトは目を見開いたが、「急ごう」と乗り気になって、さらに走る速度を上げた。
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