6 / 10
Re04.デジャヴの正体はループ?
しおりを挟む
――ピピピピッピピピピッ♪
スマホのアラームでワイは目を覚ました。
時刻は六時。 今日は四月三日の月曜日や。
昨日の歓迎会でクビ宣告されたし、ワイこれからどないしよ……。
ん? 歓迎会って月曜やなかったっけ?
まあええわ、今日はハロワに開店凸しよか……。
「さてと、今朝のニュースは……」
『臨時ニュースをお伝えします。
昨年から観測され始めた宇宙の裂け目、VOID亀裂についてです。
先程、JAXAの観測機器が大規模の亀裂を捉えたとのことで、政府は――』
いやもう鈴香部長に会う事ないやろし、ニュースとかチェックせんでも良かったな……。
「ハロワ開くまでもう少し時間あるし、もう一眠りしよ……」
ワイは独り言を呟いて、布団を被った。
――デンデンデデン♪デンデデン♪デンデデン♪
「のわっ! ビックリしたぁ……。
鈴香部長から電話やん! 出たくねぇなぁ」
――ピッ。
『こら!サビ残くん! アンタ寝坊してんのかい⁉︎』
通話を開始するなり即スピーカー並みの爆音で鈴香部長がブチギレてきよった。
「す、鈴香部長。
ワイ、昨日の歓迎会で社長の事殴ってクビになったんすよ……」
「なぁに寝ぼけてんのよ!
歓迎会は今日でしょうよ!」
……へ? やっぱり、クビになったのは夢……?
「すみません! すぐ出社します!」
ワイは飛び起きてすぐに家を出た。
◇
はぁ……はぁ……。
二十二年間毎日会社までダッシュしてきたが、今日のは歴代一位の記録やないか……?
「すみません!遅刻しましたっ!」
ワイは大きな声でそう言いながら、事務所に入った。
「サビ残くん~。
次遅刻したら現実でもクビにしてあげるわよ?
ほら、ミクちゃんが調理室で待ってるから、行ってあげなさい?」
鈴香部長は案外怒ってはいない様子だった。
ワイはダッシュで調理室へ向かった。
◇
「ミクちゃんすまん!
今朝は寝坊しちまったやで!」
「ザンテツ課長、おはようございます!
寝坊なんて私しょっちゅうですよ~!」
「ほな、ミクちゃんが仕込んでくれた生地焼こか。
窯に熱が入るまで時間かかるんやけど、少し待っててな」
「わかりました!
じゃあその間に、課長にデジャヴを見せてあげます」
ミクちゃんはそう言うと、おもむろに取り板を手に取った。
そして手首をクルッと上手く使い、パン生地を自由自在に乗せたり置いたりし始めた。
「その動き……、ワイが二十年間やって身に付けた技やん!
なんでそれを知って……、あっ!」
ワイが何かに気付いた様子を悟ったミクちゃんは、シーッと言うように人差し指をワイの口に当てた。
「ザンテツ課長、思い出したみたいですね……。
それさえ分かれば私は安心です。
あとは任せてください!」
松崎しげろうコラボができそうな黒焦げ黒糖パンも、歓迎会でのクビ宣言も、全部現実だったんや……。
その後のワイは、魂の抜け殻のような状態で業務をこなした。
ワイとミクちゃんは定時ダッシュを決め、手配したお店にいち早く移動した。
◇
手配したお店に続々と社員たちが集まってくる。
そしてやはりループ前と同じく、歓迎会は二次会、三次会と続いたんや。
しかし、今回のワイは先手を打っていたんや。
こっそりノンアルを頼んで、ミクちゃんと二人で飲んで酔っ払ったフリをしていた。
ご機嫌なワイらを見て、社長も気分がいいようだ。
「おい、サビ残くん。……ヒック!
今日は飲みっぷりがいいなぁ!
しかもミクちゃんまでベロンベロンじゃないか!」
「うぉぉい、ミク!
もっと飲めやぁぁぁ」
「ザ、ザンテツ課長ぉ。
もう私クラクラですよぉ~」
こんな調子で何事もなく歓迎会は終了したが、日付はとっくに変わっていた。
お偉方のタクシーを手配して全員が乗り込んだ事を確認すると、ワイは一息ついた。
長かった一日(いや、二日か?)もようやく終わりを迎えた。
「後はワイら二人だけやな」
「ザンテツ課長、私聞きたい事があるんです。
今まで、ザンテツ課長は歓迎会でのアルハラセクハラは見て見ぬふりだったんですよ。
今回はどうしちゃったんですか?」
「さぁな。 今のワイからしたら、なんで助けなかったのか逆に聞きたいくらいやで。
ほな、ワイは歩いて帰るけど、ミクちゃんは何で帰るんや?」
「私も歩きですよ! 一緒に帰りましょう!」
◇
居酒屋から二十分くらい歩いて、ワイのアパートに到着した。
「ここ、ワイの家なんやけど、ミクちゃんもこの辺りなんか?
嫌じゃなければ送ったげるで?」
「私の家もこのアパートなんです!」
……え?
え゙え゙え゙!! ホンマかいな!
とりあえず、錆びついた手すりの階段を登ってワイの部屋の前までやってくる。
「んじゃ、ワイここだから……おやすみ」
「そうだったんですね! 私はこの隣ですよ~!
じゃあ、おやすみなさい!」
ミクちゃんはわざとらしくそんな事を言って、部屋に入って行った。
はぁ……、数時間後にはまた仕事かよ……。
ワイはそのまま眠りに落ちた。
スマホのアラームでワイは目を覚ました。
時刻は六時。 今日は四月三日の月曜日や。
昨日の歓迎会でクビ宣告されたし、ワイこれからどないしよ……。
ん? 歓迎会って月曜やなかったっけ?
まあええわ、今日はハロワに開店凸しよか……。
「さてと、今朝のニュースは……」
『臨時ニュースをお伝えします。
昨年から観測され始めた宇宙の裂け目、VOID亀裂についてです。
先程、JAXAの観測機器が大規模の亀裂を捉えたとのことで、政府は――』
いやもう鈴香部長に会う事ないやろし、ニュースとかチェックせんでも良かったな……。
「ハロワ開くまでもう少し時間あるし、もう一眠りしよ……」
ワイは独り言を呟いて、布団を被った。
――デンデンデデン♪デンデデン♪デンデデン♪
「のわっ! ビックリしたぁ……。
鈴香部長から電話やん! 出たくねぇなぁ」
――ピッ。
『こら!サビ残くん! アンタ寝坊してんのかい⁉︎』
通話を開始するなり即スピーカー並みの爆音で鈴香部長がブチギレてきよった。
「す、鈴香部長。
ワイ、昨日の歓迎会で社長の事殴ってクビになったんすよ……」
「なぁに寝ぼけてんのよ!
歓迎会は今日でしょうよ!」
……へ? やっぱり、クビになったのは夢……?
「すみません! すぐ出社します!」
ワイは飛び起きてすぐに家を出た。
◇
はぁ……はぁ……。
二十二年間毎日会社までダッシュしてきたが、今日のは歴代一位の記録やないか……?
「すみません!遅刻しましたっ!」
ワイは大きな声でそう言いながら、事務所に入った。
「サビ残くん~。
次遅刻したら現実でもクビにしてあげるわよ?
ほら、ミクちゃんが調理室で待ってるから、行ってあげなさい?」
鈴香部長は案外怒ってはいない様子だった。
ワイはダッシュで調理室へ向かった。
◇
「ミクちゃんすまん!
今朝は寝坊しちまったやで!」
「ザンテツ課長、おはようございます!
寝坊なんて私しょっちゅうですよ~!」
「ほな、ミクちゃんが仕込んでくれた生地焼こか。
窯に熱が入るまで時間かかるんやけど、少し待っててな」
「わかりました!
じゃあその間に、課長にデジャヴを見せてあげます」
ミクちゃんはそう言うと、おもむろに取り板を手に取った。
そして手首をクルッと上手く使い、パン生地を自由自在に乗せたり置いたりし始めた。
「その動き……、ワイが二十年間やって身に付けた技やん!
なんでそれを知って……、あっ!」
ワイが何かに気付いた様子を悟ったミクちゃんは、シーッと言うように人差し指をワイの口に当てた。
「ザンテツ課長、思い出したみたいですね……。
それさえ分かれば私は安心です。
あとは任せてください!」
松崎しげろうコラボができそうな黒焦げ黒糖パンも、歓迎会でのクビ宣言も、全部現実だったんや……。
その後のワイは、魂の抜け殻のような状態で業務をこなした。
ワイとミクちゃんは定時ダッシュを決め、手配したお店にいち早く移動した。
◇
手配したお店に続々と社員たちが集まってくる。
そしてやはりループ前と同じく、歓迎会は二次会、三次会と続いたんや。
しかし、今回のワイは先手を打っていたんや。
こっそりノンアルを頼んで、ミクちゃんと二人で飲んで酔っ払ったフリをしていた。
ご機嫌なワイらを見て、社長も気分がいいようだ。
「おい、サビ残くん。……ヒック!
今日は飲みっぷりがいいなぁ!
しかもミクちゃんまでベロンベロンじゃないか!」
「うぉぉい、ミク!
もっと飲めやぁぁぁ」
「ザ、ザンテツ課長ぉ。
もう私クラクラですよぉ~」
こんな調子で何事もなく歓迎会は終了したが、日付はとっくに変わっていた。
お偉方のタクシーを手配して全員が乗り込んだ事を確認すると、ワイは一息ついた。
長かった一日(いや、二日か?)もようやく終わりを迎えた。
「後はワイら二人だけやな」
「ザンテツ課長、私聞きたい事があるんです。
今まで、ザンテツ課長は歓迎会でのアルハラセクハラは見て見ぬふりだったんですよ。
今回はどうしちゃったんですか?」
「さぁな。 今のワイからしたら、なんで助けなかったのか逆に聞きたいくらいやで。
ほな、ワイは歩いて帰るけど、ミクちゃんは何で帰るんや?」
「私も歩きですよ! 一緒に帰りましょう!」
◇
居酒屋から二十分くらい歩いて、ワイのアパートに到着した。
「ここ、ワイの家なんやけど、ミクちゃんもこの辺りなんか?
嫌じゃなければ送ったげるで?」
「私の家もこのアパートなんです!」
……え?
え゙え゙え゙!! ホンマかいな!
とりあえず、錆びついた手すりの階段を登ってワイの部屋の前までやってくる。
「んじゃ、ワイここだから……おやすみ」
「そうだったんですね! 私はこの隣ですよ~!
じゃあ、おやすみなさい!」
ミクちゃんはわざとらしくそんな事を言って、部屋に入って行った。
はぁ……、数時間後にはまた仕事かよ……。
ワイはそのまま眠りに落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる